転生した俺のナルガ亜種人生。   作:ナルガ亜種

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今回は強力(?)な大型モンスターと出会います。
ナルガ亜種も大苦戦、果たして...

ー登場人物ー
・ナルガクルガ亜種
 主人公。元大学生。人間だった頃は泳ぎが得意だった。
 ルドロスが嫌い。最小金冠サイズ。

・太刀ハンター カタス
 ドボルベルクに勝てたのは、気刃大回転が簡単に当たるから。
 剣よりも鎌にロマンを持っているタイプ。およそ172cm。
 武器:山刈鎌
 防具:ドボル一式
 スタイル:ギルドスタイル
 狩技:桜花気刃斬Ⅰ、練気解放円月斬りⅠ

・銃槍ハンター ルソ
 アグナコトルに勝てたのは、タルGを調合分まで持ってったから。
 竜撃砲よりもフルバーストにロマンを持っているタイプ。およそ188cm。
 武器:フレイムスロワー
 防具:アグナ一式
 スタイル:ストライカースタイル
 狩技:狩人のオアシス 絶対回避 覇山竜撃砲Ⅰ

・片手剣ハンター ゼル
 鬼人薬とホットドリンクは間違えないが、
 秘薬と電気袋は間違える。およそ138cm。
 武器:アイシクルスパイク
 防具:ベリオ一式
 スタイル:エリアルスタイル
 狩技:ブレイドダンスⅠ

・弓ハンター イクサ
 デフォルトで悪運が発動してるような人。
 小型モンスターの攻撃は何故か彼女にばかり向かっていく。およそ165cm。
 武器:ディオスアローⅠ
 防具:ブラキ一式
 スタイル:ブシドースタイル
 狩技:トリニティレイヴンⅠ

注意!今回は再び大型モンスターと戦闘するので
少しだけ残酷な描写があるかもしれません!
苦手な方は、申し訳ないですが、ブラウザバックをオススメ致します_(._.)_


4.水獣強襲!

最近、ルドロスの群れが増えた。

ルドロスと言えば、地味にHPが高いのと、あと水属性やられによく泣かされたなぁ...

とか呑気なことを思ってたが、今はそうも言ってられない程増えた。

数十匹がその辺を闊歩していて気持ち悪いことこの上ない。

 

俺は、ここである仮説を立てた。

この現象は、ロアルドロスの仕業ではないかと。

 

水獣ロアルドロス。

見た目の可愛らしさとなんとなく気品が高そうな雰囲気から、

ペットにしようとする貴族も多いなど人気の高いモンスターである。

ハンターからも狂走エキスを落とすことから好かれていた。

弱いしね。

 

ただし、それはロアルドロスの強さが対ハンター戦では活かされない故のこと。

俺は以前ルドロスの群れに囲まれたから分かるが、あの水弾はヤバイ。

とんでもない量の水が粘液で圧縮されてて、かかるだけで水の中のように体が重くなる。

水を振り落とそうにも謎の粘液でくっついているし、

水の塊が体に乗っかっているのは正直不快でたまらない。

 

その不快の塊たるルドロスが群れを成している。

俺には耐えられん。

トドメとばかりに住処の木の下で散々鳴くもんだからうるさくて寝れやしない。

 

あのスポンジ生地も旨いんじゃね?絶対に食い潰してやる。え?いやいや、ぜーんぜん怒ってないよ俺。

さあ狩りに出かけるとしましょうかねぇ!!

 

 

 

 

 

エリア7。水辺に背の高い草が群生し、光虫が舞うエリア。

水棲モンスターの格好の場所。

 

──そこに奴はいた。

大きなタテガミやトサカがリーダーであると威厳を示し、

青い瞳は俺を捉えて離さない。

仮説通り。そこにいたのは、水獣ロアルドロスだった。

 

こいつは下位モンスターだが、俺と同格、またはそれ以上だと悟った。

俺が弱いのもあるが、何よりこいつ自体が上位クラスになる寸前程の実力を持っている。

理屈とは違う、また別の何かで、俺はそう悟った。

 

ところで小型モンスターというのは大型モンスターの前に

恐れを為している姿ばかりをゲームで晒していると思う。

だが実際はどうかというと、俺を見てもビビらないどころか果敢に攻めてくるのだ。

俺がスモールサイズでショボそうだからかと一時期落ち込んだものだが

どうやらそうではないらしく、果敢に挑むジャギィ達を何度も見てきた。

 

そんな頼り甲斐のある小型達だが、ロアルドロスはそんなルドロス達を一鳴きで下がらせた。

これまで野生を生きてきた俺の勘的な何かが言っている。

 

こいつは俺と一対一の真剣勝負をするつもりだ。

それほどにこいつは自信があり...そして、強い。

 

『水弾ブレスを食らってはいけない』。と直感で感じる。

こいつの前では、例えそれだけでも命取りとなろう。

 

お互いが睨み合う。10秒かも10分かも分からない沈黙の後...

先手をとったのは、ロアルドロスの方だった。

 

「ヒュゥゥオウウウウ」

 

ロアルドロスは、ぎこちないが、それでいて素早い海竜種特有の突進でこちらに迫ってきた。

速度は十分だ。だが、海竜種の小さな手足ではすぐには止まれないし、サイドステップも不可能。

命中する直前、ドスファンゴのとき身につけた「置きカウンター」を繰り出した。

 

(勝負あったな)

 

と慢心していた俺は、

しかし直後何かとても重いものに上に乗られ体勢を崩した。

 

(なんだ、何があった!?)

 

パニックになって無様にもがく俺の上から降り、

余裕そうな顔をして元の間合いに戻るロアルドロス。

押し潰したのは、ロアルドロス本人だったのだ。

 

(何が起きたか分からない...!)

 

確かに刃翼が命中するところまで来ていたはず。

おかしい。

置きカウンターを破られ体勢を立て直してなお混乱する俺を前に

ロアルドロスは「まだか?」と言わんばかりにあくびをしている。

 

──なめられている。バカにされている。

ムカつくが...思い出せ、俺。

ロアルドロスは突進後、何を繰り出す?爪の一撃?重量を活かし上半身を持ち上げたプレス?

いや違う。

前者なら刃翼が弾き、奴の爪を砕いていただろう。

後者なら予備動作で丸分かりだ。

なら、どうやって上に登った...?

 

...そうか。飛び掛かりか。

どうしてこんなに簡単なことに気づかなかったんだろうか。

水獣のジャンプと言えば聞こえは可愛らしいが、

実際には自らの胴体の高さ程飛躍しているのだ。

その跳躍力で刃翼を飛び越し、俺を押し潰したのだ。

 

タネが分かれば怖くない。

冷静さをようやく取り戻した俺を、水獣は、眠いような、呆れたような。そんな細い目で見た。

そして一瞬の後、再び突進をしてきた。

他にも攻撃方法はあるはずだが、手を抜いているのだろう。

俺は、わざと置きカウンターを再び繰り出した。

ロアルドロスは、刃翼を避けるために跳ぼうとほんの一瞬、踏み込み...

 

(今だ!)

 

大きく宙返りをし、尻尾に力を込めて渾身の尻尾叩きつけを繰り出した。

飛び上がったロアルドロスは避けることなどできず、尻尾へ突っ込み...

バキャン!

 

「ギュウウウウ」

 

うめき声のようなものと共に、自慢のトサカが粉々に砕け散った。

ルドロスが駆け寄ろうとするが、ロアルドロスはそれを止めた。

 

(頭を叩き潰すつもりだったのになぁ)

 

地面に刺さった尻尾を抜きながら、こいつの強さに感嘆する。

攻撃が命中する直前、顔を僅かに引き、回避したのだ。

そうしなければ、頭が持っていかれて勝負はとっくについていただろう。

それだけ能力面では格下の相手である。

 

だが、戦闘技術も戦闘経験も、明らかに奴の方が上だ。

その場合どっちが結果的に上かは、ハンターとモンスターを例にすれば分かるだろう。

ハンターがロアルドロス側、モンスターが俺側だ。

ハンターは攻撃力も防御力ももはやないに等しいが、武器や防具を作り補っている。道具も使える。

モンスターは攻撃力も防御力も高いが、武器や防具を自ら作ることはできない。道具もほぼ使えない。

精々進化の過程で得た溶岩や氷の鎧、その辺の大岩や雪程度だろう。

 

下位の装備でもG級の敵に勝てる人がいるように、

G級の装備で下位の敵に負ける人もいるのである。

戦闘経験と技術の差は、ここに出る。基本スペックなど戦闘技術の前には関係がないのだ。

 

 

 

ロアルドロスが象徴たるトサカを砕かれた怒りに目が血走る。

泳ぐために発達した筋肉が浮かび、タテガミがより膨らむ。

ここからが本番だ。

 

ロアルドロスは、怒りに我を忘れたかのようにまた突進をしてきた。

とは言え、移動手段がこれしかないので仕方がないのだろう。

 

眼前まで迫り、奴がまた踏み込んだのを確かに確認してから、大きく宙返りをした。

次は決める──

 

(食らえ!!)

 

俺の渾身の一撃は、しかし地面に突き刺さり、ロアルドロスには当たらなかった。

ロアルドロスは、横へ転がったのだ。回避するために。

本来ハンターやジャギィなどを押し潰すための転がり攻撃だが、それを回避に使ったのだ。

 

(こいつ...頭も良い)

 

ロアルドロスは地面に尻尾が刺さり動けない俺に、俺があれだけ嫌がっていた粘液水弾ブレスを吐きかけた。

『水弾ブレスは食らってはいけない』。直感で分かっているだけに...

 

(しまった!!)

 

避けなければ...避けなければ...!外れてくれ...!

しかしそんな俺の思いをよそに、水弾ブレスは残酷にも綺麗に着弾し、俺の体重は倍に増えたような感覚に陥った。

実際には倍ほどはないのだろうが、それでも俺の動きを制限するには十分過ぎた。

恐らく、尻尾叩きつけや、飛びかかりは使えないだろう。試すにも、大胆なスキを晒すことになる。

大回転...いや、それもバランスを崩して危険だ。起き上がれない可能性すらある。

重くなった俺の体に、

 

「ヒュゥゥウウウウ!!!」

 

(ぐあっ!)

 

ロアルドロスは俺に少しずつ爪の一撃を浴びせていく。

一撃必殺の技も、毒も持っていないロアルドロスだが、

確実にダメージを与えていく爪なら持っている。

俺も頑張ってよけてはいるが、このままではジリ貧だ...!

 

出血していく身体に、貧血だろうか、目眩がして青い星がちらつく。

...青?

青...青...青色...

 

(......そうだ!)

 

俺は思い付き、賭けに出ることにした。

突然ロアルドロスに背を向け、全力で走り出す。

一対一の潔い勝負から逃げ出した敵をこの性格のロアルドロスが許すはずがなく、

動きの遅くなっている俺にすぐに追い付き、爪を食らわせる。

途中アキレス腱を切られ激痛が走るが、それでもなお足を引きずり俺は移動する。

 

目指すは植物の生えている場所だ。

必死に走る俺と、怒りをぶつけるロアルドロス。

幾度となく切られつつも、

俺は小さな木の実がたくさん生えているところに辿り着くと...

勢い良くそこを漁り始めた。

 

ロアルドロスは何かの罠かと思ったようで一瞬下がったが、

ロアルドロスは歴戦の勘から、すぐに攻撃を再開した。

 

爪が刺さる。何度も何度も引き裂きれる。

尻尾の根本が焼けるように熱く、足が痺れるように震える。

 

(早く...見つけなきゃ...)

 

尻尾の棘が剥がれ、皮が抉られたとき...

まさにその時。

 

(あった!!)

 

見つけた。

俺はすぐさまそれを食した。

水弾の水が消え去り、体が瞬時に軽くなり、

俺はそのまま尻尾による大回転を放った。

 

ロアルドロスは不意を突かれ大回転に直撃し、

タテガミに穴が空いてしまった。

水が溢れ出ていく。

 

俺が口にしたのは、ハンターの間で「ウチケシの実」と呼ばれている代物だ。

属性やられを即座に直す、不思議な実。

高価で貴重だが、数が少ないだけで実際は色々な地域に生えている。

ここ渓流にも、ウチケシの実はあった。

 

(運も実力の内だ、悪いな)

 

ロアルドロスは少しの間動揺していたが...

タテガミから水分が抜けてしまい重量はなくなったし、

水弾も撃てないし、何より水獣は水分が抜けると疲弊してしまう生き物だ。

もうロアルドロスに勝ち目はない。

 

ロアルドロスはこちらを向くと、ルドロス達に何か命令を出した。

ルドロス達が俺の周りをぐるぐると回るが...

しかし、敵意は全く感じられない。

意味不明で、思わず首を捻ると...

 

ゼル「それは、ロアルドロスが君をこの辺りの縄張りの主だと認めてくれたんだよ」

 

右を向くと、片手剣を腰に差した少女が立っていた。

少女は手をばたばたさせながら、

 

ゼル「よかったね、縄張りが広がったよ?あははっ!」

 

と自分のことかのように嬉しそうにはしゃいでいる。

いろいろ気になるが...

 

ゼル「あたしがいつから居たか気になるでしょ?今来たばっかりだよ!」

 

ゼル「えと...とりあえずいつもの場所にいこ?」

 

ゼルの言うとおり、ルドロス達が邪魔なので、

謎の儀式をスルーして、エリア9へと移動することにした。

 

 

 

 

 

ゼル「ロアルドロスのことがわかったのも気になるんでしょ?」

 

ゼル「...あたしね、将来ギルドの看板娘になりたいんだ。」

 

ゼル「だから、モンスターのこともっといっぱい知りたいの。」

 

ゼルは、俺の傷口に包帯を巻きながら、

瞳を輝かせてそう言った。

 

ゼル「なんでかな。君の聞きたいこと、わかるよ」

 

ゼル「あたしがここに来たのは、君の観察依頼を受けたからだよ」

 

ゼル「観察依頼が出た理由は...ホワイトレバーをくれた時と、あとあと、ドスファンゴを一撃で倒したせいかな

   ...はい、包帯ぜんぶ巻けたよっ」

 

観察依頼が出ているということは、少なくとも

俺はギルドに敵だとは思われていないようだ。

 

ゼル「...ねぇ。君は、あたしがギルドの看板娘になるのを、応援してくれる?」

 

俺は、力強く頷いた。

なんとなく、この子ならやれそうな気がしたのだほ。

 

ゼル「ほんと!?やったー!ナルガ亜種さんが応援してくれるなら百人力だよー!!」

 

ゼルが片手剣をぶん回しながら走り回る。

興奮する度に片手剣をぶん回す看板娘...ヒエッ

 

 

 

 

 

ゼル「じゃーねー!あ、傷が治るまで、ちゃーんと、じっとしてるんだよ?」

 

ゼル「ほら、痛いの、痛いの、とんでけーっ」

 

ゼル「あははは!早く治るといいねっ!」

 

そんな感じでゼルは去っていった。

さて、俺も回復するために寝るとするか...

あいててて、こ、腰が...

 

 

 

 

 

─ユクモ村─

ゼル「ほんとーだってばー!ナルガ亜種さん、ちゃんとうん、ってしてくれたもん!」

 

フクロ「たまたまよ、そんなことあるわけないわ」

 

この老人は、ゼルの祖母のフクロという。

この人も昔は凄腕ハンターで、且つ看板娘もしていた。

基本的にそういった事例は少ないものの、モンスターをよく知っている看板娘が

実は狩りが得意ということはたまにあったりするのだ。

ハンターが少なかった昔では、兼任してる人はもっと多かった...と本人は言う。

 

ゼルは幼い頃に母を亡くしてから、祖母であるフクロに育てられてきた。

しかし、フクロはいつもゼルのやることや言うことをいつもその通りだね、と肯定してきた。

そのせいでここまで自由奔放に育ってしまったのだが...

しかし、そのフクロが初めて否定したことがある。

会話の成立するモンスターのことだ。

 

フクロは何か知っているのかもしれない、とゼルは幼心にそう思ったが、それが何かはわからなかった。




ロアルドロス強すぎィ!
お陰で時間かかってしまった...

次に出すモンスターは悩みますが...何がいいんでしょうね?
ストーリーは決めてるんですが、途中で出てくる敵が決まってない。
例えるなら、緊急クエは決まってるけど、キークエを決めてない、的な。

ところでガンナーのレウスS一式が完成致しました。
ヘビィボウガンは何を使えば良いのだろうか...誰かアドバイスくれないかなぁ(チラッチラッ
ついでにモンスターの希望もくれたら嬉しいなぁ(チラチラッ
誰かくれないかなぁ(チラチラチラッ


...はい、悪ふざけしてすんませんした!(あ、でも本当に来てくれたら嬉しいかも)
それではありがとうございました!

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