絶望を与える決闘者   作:咲き人

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5.「幻想郷最速の」

スキマが開き、次に現れた光景は森の奥地と連想させる自然に包まれた場所。

鳥の囀る声が聞こえ、ザーザーと少しばかり遠くの方から滝から落ちる水の音が聞こえる。

 

 

(昔、兄貴と一緒に探検しに行った所に似ているな……)

 

 

嵯峨は昔のことを懐かしみながら、周りを見る。

霊夢と魔理沙が周囲を警戒しながら進んでいる。

しかし、霊夢の場合、ただデュエリストを求めているようにも見えてしまう。

戦闘狂だからだろうか……とはいえ、紫さんがここに俺たちを進ませたということはこの近くに異変の黒幕がいるということだ。気を付けるに越したことはない。

嵯峨も注意深く辺りを見回すと視界の中で何かが高速で通り過ぎる。

慌ててその通り過ぎたモノを追うように目を動かすが、どこにも見当たらない……

 

 

「後ろですよ……」

 

 

嵯峨が話しかけられて、後ろを振り向くとそこには……

 

 

「射命丸 文か……」

 

「そうです。清く正しい射命丸 文です。……所で貴方は?霊夢さんと魔理沙さんと一緒にいるということは敵ではないようですが……」

 

「う~ん。そうだな。俺は峰城 嵯峨。通りすがりの決闘者(デュエリスト)だ」

 

決闘者(デュエリスト)……なら貴方もこの異変を?」

 

「ああ、友人の頼みは断れない性格なんだ」

 

 

後、ついでドSだ。

 

 

「……なら、これで貴方の実力を測らせてもらいます」

 

 

そう言って文はデュエルディスクを展開する。一応嵯峨も構えるが、

 

 

「何故だ?俺とお前では戦う理由がない」

 

「いえ、私が黒幕の居場所を知っています」

 

「!」

 

「ですが……その黒幕は……」

 

 

そう言って文は俯く。察しのいい嵯峨は頷き、文の言いたかったことを先に言う。

 

 

「つまり黒幕がお前の友人だから怪我をさせないと……」

 

「……はい」

 

「甘ったれんじゃねえぇ!」

 

「っ!?」

 

 

嵯峨の怒鳴った声にビクッと身を震わす文。何だ何だと霊夢と魔理沙が戻ってくる。

文が涙目になっていて、嵯峨が怒っている。この状況から迷探偵の魔理沙はピコン!遊戯王的にはカンコンッ!?と来る。

 

 

「ははーん。そういうことかぜ。また文がやらかしたんだな」

 

 

『また』?当事者である嵯峨と文は首をかしげながら魔理沙の方を向く。魔理沙は得意げに話を進める。

 

 

「どうせ、文が外来人で幻想郷に関して無知である嵯峨に自分の新聞をとることを進めたんだ。紫からは聞いたことがあるけど、最近、外の世界ではそういうふうに言って金を騙し取る『詐欺』っていうのが流行っていて、嵯峨は……えっと……つまり、そういうことだな!?」

 

 

つまりどういうことなのだろうか……まぁ、詐欺の説明は間違っていなかったし、文もそういうこと(新聞の勧誘)は何回もやっているだろう……その『また』か……

 

 

 

 

 

文side

 

 

 

 

一体どこをどう見たらそうなるんですか?と魔理沙さんに言いたいんですが、しかし、私も身に覚えが無いということはありません。ありませんが……この状況下で新聞の勧誘する程、私も馬鹿じゃありませんよぉ(泣)前にも霊夢さんに言ったかもしれませんが、今の私は普段の新聞売りの射命丸 文ではなく、妖怪の山に住まう天狗の一人である射命丸 文なんです。そして……今の黒幕の友人でもある……

 

 

「私は……」

 

 

この三人と戦わなければいけない……霊夢さんと魔理沙さんに真実を……私が異変の黒幕がどこにいるのかをデュエルで教えるべきなのだ……

 

 

文は自分の口から嵯峨に言ったことを霊夢と魔理沙にも伝えようと口を開いた……

 

 

その時、

 

 

「いやはや、中々の()推理だったぞ、魔理沙」

 

「おっ?」

 

「正解!」

 

「ふふん!」

 

「え?」

 

 

嵯峨が文の言葉を遮った。

 

 

「不届き者にはデュエルで制裁してやる!さあ!デュ(↑)エル(↓)だぁ!」

 

「えぇっ!?デュ、デュエル!」

 

 

嵯峨はよく意味の分からない理由をこじつけにデュエルディスクを展開する。それにつられ、文もデュエルディスクを起動させる。

 

 

「先行は私が頂く!私のターン!」

 

 

 

 

嵯峨 LP8000

 

文  LP8000

 

 

 

 

「私は永続魔法『絶望の天秤』を発動!」

 

 

嵯峨が一枚のカードを発動した時、絶の横に黒い怪しい天秤が現れる。

 

 

「このカードはお互いが効果ダメージを受けた時、このカードに『ディスペアーカウンター』を1つ乗せる。カウンター1つにつき、相手が受ける効果ダメージを100下げて、私が受ける効果ダメージを100上げる」

 

「デメリットしかないカード……」

 

 

何かあると文は身構える。

 

 

「そして永続魔法『自虐する絶望』を発動。このカードが存在する限り、私が自分のカードの効果でダメージを受けた時、その数値分、私のフィールドのモンスター1体の攻撃力に加えることができる。そして永続魔法『黒蛇病』を発動して、自分フィールドに永続魔法が3枚以上存在する時、手札から『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』を特殊召喚!」

 

 

『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』ATK1900

 

 

「そしてカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

 

 

嵯峨 手札0

 

  『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』ATK1900

 

  『絶望の天秤』

  『自虐する絶望』

  『黒蛇病』

  伏せ1

 

 

 

「私のターンです!私は永続魔法『黒い旋風』を発動します!そして『BF―隠れ蓑のスチーム』を通常召喚!」

 

 

『BF―隠れ蓑のスチーム』ATK800

 

 

「そして『黒い旋風』の効果、通常召喚したBFの攻撃力未満のBFをデッキから手札に加えます!私は『BF―天狗風のヒレン』を手札に!そして速攻魔法『スワローズ・ネスト』を発動!フィールドの『スチーム』をリリースし、同じレベルの鳥獣族モンスターをデッキから特殊召喚します!来なさい!『BF-上弦のピナーカ』を特殊召喚!」

 

 

『BF―上弦のピナーカ』ATK1400

 

 

「そしてフィールドを離れた『隠れ蓑のスチーム』の効果!レベル1の『スチーム・トークン』を特殊召喚!」

 

 

『スチーム・トークン』ATK0

 

 

「そして魔法『ワン・フォー・ワン』を発動!手札の『天狗風のヒレン』を墓地に送り、デッキから『BF―蒼天のジェット』を特殊召喚!」

 

 

『BF―蒼天のジェット』ATK100

 

 

「そして私はレベル1の『蒼天のジェット』とレベル1の『スチーム・トークン』にレベル3の『上弦のピナーカ』でチューニング!」

 

 

『ピナーカ』が3つの緑の輪となって『ジェット』と『トークン』を包み、光を放つ。

 

 

「煌めく星よ、今、我が手に勝利の風を吹き起こせ!シンクロ召喚!レベル5『BF―煌星のグラム』!」

 

 

『BF―煌星のグラム』ATK2200

 

 

「『グラム』がシンクロ召喚に成功した時、手札のレベル4以下のチューナー以外のモンスターを特殊召喚します!来なさい『BF―精鋭のゼピュロス』を特殊召喚!」

 

 

『BF―精鋭のゼピュロス』ATK1600

 

 

「そしてバトルです!私は『煌星のグラム』で『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』を攻撃!」

 

「くっ!」

 

 

 

 

嵯峨 LP8000→7700

 

 

 

 

「続けて『ゼピュロス』でダイレクトアタックします!」

 

 

 

 

嵯峨 LP7700→6100

 

 

 

 

「私はカードを1枚伏せ、これでエンドですが、エンドフェイズにフィールドから墓地に送られた『BF―上弦のピナーカ』の効果でデッキから『BF―極北のブリザード』を手札に加えます。これで本当にターンエンドです」

 

 

 

文 手札1

 

 『BF―煌星のグラム』ATK2200

 『BF―精鋭のゼピュロス』ATK1600

 

 『黒い旋風』

  伏せ1

 

 

 

「私のターン、スタンバイフェイズに墓地の『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』の効果発動!私のフィールドの永続魔法『自虐する絶望』を墓地に送り、『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』を墓地より特殊召喚する!甦れ!」

 

 

『バッド・エンド・クイーンド・ラゴン』ATK1900

 

 

「そして墓地に送られた『自虐する絶望』は1ターンに1度、墓地のこのカードを発動する」

 

「何ですって!?」

 

 

そう、これは無限ループ!

 

 

「そしてスタンバイフェイズはまだ終わらない!『黒蛇病』の効果!お互いは200ポイントのダメージを受ける」

 

 

 

 

嵯峨 LP6100→5900

 

文  LP8000→7800

 

 

 

 

「そして『絶望の天秤』の効果と『自虐する絶望』の効果で『天秤』に『ディスペアーカウンター』を1つ乗せ、『バッド・エンド』の攻撃力を200ポイントアップする」

 

 

『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』ATK1900→2100

 

 

「だけど、まだ『グラム』の方が攻撃力は上です!」

 

「それはどうかな?」

 

 

お決まりの言葉を言っておこう。

 

 

「私は魔法カード『望みを裁ちし者の夢』を発動。私の場のモンスターが1体のみの時、そのモンスターはこのターン、戦闘では破壊されない。バトルだ!『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』で『BF―煌星のグラム』に攻撃!『トラジェディ・ストリーム』!」

 

「攻撃力は低いままなのに!?」

 

「この瞬間『望みを裁ちし者の夢』の更なる効果が発動する!そのモンスターが攻撃する時1度だけお互いは300ポイントのダメージを受ける。そして自分モンスターが自分よりも攻撃力の高い相手モンスターに攻撃した場合、相手モンスターにもう一度攻撃できる!」

 

「また効果ダメージ……!」

 

「そして『絶望の天秤』にカウンターが1つ乗っているのでお前が受けるダメージは100下がり、私が受けるダメージは100上がる」

 

 

 

 

嵯峨 LP5900→5500

 

文  LP7800→7600

 

 

 

 

「そして『絶望の天秤』にまた『ディスペアーカウンター』が1つ乗り、『自虐する絶望』の効果で私が受けた効果ダメージの数値400ポイント分『バッド・エンド』の攻撃力をアップさせる!」

 

 

『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』ATK2100→2500

 

 

「つ、強い……!」

 

 

文が驚くのも無理はない……俺もこんなに回るとは思っていなかったからな……

 

 

 

 

文 LP7600→7300

 

 

 

 

「相手に戦闘ダメージを与えた時、『バッド・エンド』の効果発動!相手は自身の手札を1枚選んで墓地に送り、私は1枚ドローする」

 

「『ブリザード』が……」

 

「まだ『バッド・エンド』は『望みを裁ちし者の夢』の効果でもう一度、モンスターに攻撃できる……いけ!『バッド・エンド』!『BF―精鋭のゼピュロス』に攻撃!」

 

 

 

 

文 LP7300→6400

 

 

 

 

「『バッド・エンド』の効果は相手の手札が0だと発動できない……ターンエンドだ」

 

 

 

嵯峨 手札1

 

  『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』

 

  『絶望の天秤』ディスペアーカウンター×2

  『自虐する絶望』

  『黒蛇病』

   伏せ1

 

 

 

「私の……ターーン!」

 

 

文から凄まじい闘気を感じる。BF強いし、やばそうだな……

 

 

「引きました!相手フィールドにのみ、モンスターが存在するので『BF―暁のシロッコ』はリリース無しで召喚できます!」

 

 

『BF―暁のシロッコ』ATK2000

 

 

「そして『黒い旋風』の効果で攻撃力2000未満の『BF』をデッキから手札に加えます『BF―白夜のグラディウス』を手札に加え、自分フィールドの『BF』が1体のみの時、このカードは特殊召喚できます!」

 

 

『BF-白夜のグラディウス』DEF1500

 

 

「そして墓地の『BF―隠れ蓑のスチーム』の効果を発動します!デュエル中に1度のみ、自分フィールドの『BF―暁のシロッコ』をリリースしてこのカードを特殊召喚します!」

 

 

『BF-隠れ蓑のスチーム』DEF1200

 

 

「レベル3『BF―白夜のグラディウス』にレベル3『BF―隠れ蓑のスチーム』をチューニング!自由に羽ばたく鳥よ、今星の影をその翼に映し、勝利の風を我が元に!シンクロ召喚!来たれ!レベル6『BF―星影のノートゥング』!」

 

 

『BF―星影のノートゥング』ATK2400

 

 

「『ノートゥング』が特殊召喚に成功した場合、相手に800ポイントのダメージを与えます」

 

「確かそれは……」

 

「はい。強制効果なんです」

 

「いいだろう……『絶望の天秤』の効果で200ポイントダメージがアップするので、1000のダメージを与える」

 

 

 

 

嵯峨 LP5500→4500

 

 

 

 

「『その後』!」

 

 

あ……タイミング逃すんだっけ……まあ、『自虐する絶望』は『自分のカード効果』じゃないとパワーアップできないからな……

 

 

「『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』の攻撃力を800ポイントダウンさせます!」

 

 

『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』ATK2500→1700

 

 

「そしてリバースカード『ダーク・バースト』を発動!攻撃力1500以下の闇属性モンスター『BF―極北のブリザード』を手札に加えます。そして『BF―星影のノートゥング』の効果でもう1度『BF』を通常召喚できます。なので『BF―極北のブリザード』を通常召喚」

 

 

『BF―極北のブリザード』ATK1300

 

 

「『黒い旋風』の効果で攻撃力1300未満の『BF』をデッキから手札に加えます。『BF―砂塵のハルマッタン』を手札に……更に『ブリザード』の効果!召喚に成功した時、墓地のレベル4以下の『BF』を守備表示で特殊召喚します!もう一度来なさい!『BF―精鋭のゼピュロス』!」

 

 

『BF―精鋭のゼピュロス』DEF1000

 

 

「そしてフィールドに『BF』が存在する時、このカードを特殊召喚します!」

 

 

『BF―砂塵のハルマッタン』DEF800

 

 

「このカードが特殊召喚に成功した時、『BF―精鋭のゼピュロス』のレベル分、このカードのレベルをアップさせます!」

 

 

『BF―砂塵のハルマッタン』レベル2→6

 

 

「レベル6になった『砂塵のハルマッタン』にレベル2の『極北のブリザード』をチューニング!」

 

 

あ……一番ヤベェのが来るな、これは……ちょっと調子に乗りすぎたか?

 

 

「黒き風が痛みを吹き飛ばし、勝利へと続くその姿!我が元に飛翔せよ!シンクロ召喚!吹き荒れろ!『ブラックフェザー・ドラゴン』!」

 

 

『ブラックフェザー・ドラゴン』ATK2800

 

 

「バトルです!『BF―星影のノートゥング』で『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』に攻撃!」

 

「……トラップ発動!『絶望の裁定』!自分フィールドのモンスターが攻撃対象になった時、、お互いが300ポイントのダメージを受ける!」

 

「ですが!『ブラックフェザー・ドラゴン』の効果により、効果ダメージを受ける代わり、このカードに『黒羽カウンター』を乗せる!『ブラックフェザー・ドラゴン』の攻撃力は『黒羽カウンター』1つにつき、700ポイント下がります!」

 

 

『ブラックフェザー・ドラゴン』ATK2800→2100

 

 

「くっ!どちらかが効果ダメージを受けなければ、この効果ダメージは発生しない……よって、私もダメージは受けない」

 

「つまり『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』の攻撃力は上がりません!」

 

 

 

 

嵯峨 LP4500→3800

 

 

 

 

「行け!『ブラックフェザー・ドラゴン』!ダイレクトアタック!『ノーブルストーム』!」

 

「ぐ……!!」

 

 

 

 

嵯峨 LP3800→1700

 

 

 

 

「私はこれでターンエンドです」

 

 

 

文 手札0

 

 『BF―星影のノートゥング』ATK2400

 『ブラックフェザー・ドラゴン』ATK2100(黒羽カウンター×1)

 

 『黒い旋風』




たった4ターンでこれか…文TUEE。まだこのデュエルは終わりません。黒幕もまだですよ~


そして使いたかったから使った『バッド・エンド・クイーン・ドラゴン』
そして文はレッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントを出せてた。
ブリザードを召喚、ピナーカを釣って、旋風でハルマッタンをサーチand特殊召喚。ハルマッタン効果でピナーカのレベル分自分のレベルを上げてたら、

チューナー2体+チューナー以外のモンスター1体以上

出さねぇよ?ww

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