絶望を与える決闘者   作:咲き人

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新禁止制限がやべえよ。ガイドとかスカラマリオンとかダンテとかジョーカーとか……


モンキー?ああ、それは大丈夫(なんでやねん)


4.「決闘異変」

霊夢は魔理沙に勝って、上機嫌のまま俺にお茶をくれた。魔理沙は拗ねているものの、良いデュエルだったからか、少し口が緩んでいる。さっきのデュエルについて霊夢と話していた俺はふと、あることを思い出す。

 

 

「そういえば霊夢……異変ってどうなっているんだ?」

 

「え、え?あ、いや……ちゃ、ちゃんと解決に向かって……」

 

「はっきり言ってやってないぜ」

 

「ちょ、魔理沙!」

 

「外来人の嵯峨を騙そうたってきっとばれるんだから真実を言うべきなんだぜ」

 

「霊夢でも解決できないほどなのか?」

 

 

異変解決のプロとか言ってたのに……

 

 

と嵯峨が少し霊夢への評価が少し下がったところで慌てて霊夢が言論する。

 

 

「そういう問題じゃないのよ!」

 

「そういう問題とは?」

 

「……異変の黒幕がいるの」

 

「うん……うん?じゃあそいつを倒しておしまいだろ?」

 

「そうはいかないから霊夢でも解決できていないんだぜ」

 

「ほぉ……その心は?」

 

「黒幕を倒したら次の黒幕が現れるの」

 

「しかもそれの繰り返しなんで、困ってるんだぜ」

 

 

黒幕倒したら次の黒幕。凄いクソゲーだな。無限ループですか、悔しいでしょうね~

っていうか、霊夢のあの怒り具合的には何回もしてやられてんだろうな。

 

 

「……恐らく……私の勘だけど私が倒した黒幕っていうのは「真の黒幕が用意した変わり身ということ」そう……そういうって紫!?」

 

 

ワァオ……いきなり俺の頭上の空間に亀裂が生じたかと思うと金髪の紫色のドレスを着た女性が現れた。八雲 紫……幻想郷の作った者で賢者とか呼ばれている。彼女の能力により、スキマと呼ばれる特別な空間に彼女はいる。

 

 

「紫さんとやら……俺の頭に自分の頭乗せないでくれません?」

 

「あら?『美少女』がこんなに近くにいるのに萌え展開にも反応してくれないの?」

 

「質問を質問で返さないでください。まぁ、貴女が『美女』であることは否定したつもりはありませんが……」

 

「まあ、嬉しい。なら嵯峨、これからは私のことを紫お姉さんって呼んでもいいわよ」

 

「じゃあ、紫さん」

 

 

ズコッと紫が境界(スキマ)の中でこける。俺の答えについついだろうな。見てて、面白い。魔理沙はゲラゲラと笑い、霊夢は、はぁ……ため息をつく。

 

 

「さ、嵯峨はデュエルだけでなく、私に容赦ないわね」

 

「悪いんですけど、俺の姉は一人だけなので……」

 

「あ、そういえばそうね」

 

「『そういえばそう』……?紫さんは俺の姉貴を知っているのか?」

 

「いいえ。でも、貴方の兄なら知っているわ。霊夢も魔理沙も知っているでしょう?あの絶という男のことを……」

 

「!」

 

「ねぇ……霊夢、魔理沙」

 

 

突然話を振られる霊夢と魔理沙。だが、誰のことか鮮明に覚えているからか、すぅーと記憶の引き出しから引っ張り出せるようで次々と口に出す。

 

 

「確かにいたわね。異変の時に黒幕の近くにいて、勘違いでデュエルした」

 

 

流石に言うぞ?霊夢……学べ。

 

 

「そうそう!そんで霊夢がライフを1ポイントも削れずに負けたんだよな!」

 

 

へらへらととんでもない事実を述べる魔理沙にカチンときた霊夢はお茶を一旦啜ってから、あざ笑うようにこう言う。

 

 

「あら?そういう魔理沙こそ、デッキトップのカードだけで負けてたわよね?」

 

「うぐ……」

 

「二人にももうデュエルをしたのか『兄貴』は……」

 

「そうよ。私ともね……」

 

 

紫も懐かしむように語る。嵯峨にはそれが悔しそうにも見えた。恐らく負けたのだろう……だが、負けて悔しいのは当然だ。紫のソレには若干の頬の緩みがあった。負けてでも楽しかったことの表れである。

 

 

「紫さん……兄貴は今、どこに……?」

 

「彼は……一昨日、新しい黒幕が登場したのを皮切りに姿を眩ませたわ。貴方のことを心配していたわ。急な環境変化についてこれるのかなんて……まるで貴方が幻想郷(ここ)に来ることを悟っていたかのようなことを言っていたわ……」

 

「何?俺を幻想郷に来させたのは紫さんじゃないのか?」

 

 

今の言い方だと紫さんが俺を幻想入りさせたのではないということになる。兄貴の勘は100%と言っていいほどよく当たるからそこはいいんだが……となると、俺はいつ、どこで、誰によって幻想入りさせられたんだ?俺の住んでいる家は別に富士の樹海が近いわけでもないのだが……

 

 

「ええ、私ではないわ。そうね……原因はやはり彼かしら?」

 

「兄貴か……兄貴なら確かにやりかねないが……」

 

「そんなことできるのかしら?」

 

「どうなんだぜ、紫?」

 

「う~ん」

 

「いや、兄貴ならできる!すげえんだぜ兄貴は!デュエルも強いし、俺の揺ぎ無い憧れの存在なんだ!」

 

「ふ~ん……あ、そういえば……ねぇ、紫。今日ここに来たってことはまた黒幕が現れたの?」

 

「ええ。そうなるわ」

 

「どうせ偽物なんだろ?倒してもまた現れるのが関の山だぜ」

 

「とはいえ、俺は見たことないからな……そういう意味でも黒幕に会ってみたい」

 

「フフフ……なら決まりね、場所は『妖怪の山』よ」

 

「妖怪の山とかそんないいから、俺の移動方法を教えてくれ」

 

「そうね。すっかり忘れてたわ……貴方以外は空を飛べるからね。なら今回は出血大サービスよ。私のスキマを使っていいわ」

 

「「(出血大サービス……?)」」

 

 

霊夢と魔理沙が首をかしげているが、嵯峨は紫にありがとうと感謝の気持ちを述べる。

 

 

そして俺たちの目的地である妖怪の山……そこは天狗やら河童やら本当(マジ)モンの妖怪がたくさん住み着いている山。神様も住んではいるが、主な種族は妖怪だ。妖怪もデュエルをするのだろうかな……楽しみだな。

 

 

そんなワクワクした気持ちを抑えながら俺はスキマに入った。

 




また絶がいんのかよ

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