てか、クリスマスデュエル書くから許してくれ……
「おや、雪だ……久しぶりに見たな……」
空から落ちてくる雪をいくつか手で掬うように取りながら嵯峨は笑う。
「なぁ、霊夢」
「……寒ーい」
霊夢は寒そうにいつもの巫女服の上にちゃんちゃんこを着て、こたつの中に潜っている。
「全く……寒いのには慣れないのは俺もだぜ。よっと、」
「ちょっと!?きゃっ///」
いきなり嵯峨は霊夢の隣に座り、こたつに潜って霊夢と肩を寄せ合う。
「……うん?どうした霊夢?顔が真っ赤だぞ?」
「あ、あああんたのせいよ!」
「お、おう……悪かった?よくわからんが熱いのならこたつから出ろよ」
「それはない(`・ω・´)」
「そ、そうか……」
嵯峨は何なんだと引き攣った笑みを浮かべながら、体が温まるのを感じていた。
「霊夢ー」
「何よー」
「ねむい」
「同意」
「……」
「はーい!魔理沙ちゃんだぜー!」
「「うるせえ!」」
急に空から箒に跨って来た魔理沙に怒りをぶつける。だが、睡魔が襲ってきているのであまり覇気が感じられず、そのため魔理沙は相変わらずヘラヘラしている。
「よ、マリサンタさんだぜ」
「その恰好からすればそうなのだろう……」
魔理沙はいつもの白黒の服ではなく、白と黒のサンタコスだ。あんま変わらないな。後、オルタかっていうツッコミは虚空の中に消えていった。
「今日は外の世界ではクリスマスってやつだぜ!プレゼントをくれてやるぜ!」
「おお」
「ただし、私にデュエルで勝てたらの話だけどな!」
「「プレゼントの内容は現金ですか?」」
「グイグイ来るね!じゃなくて、ストレートだなお前ら!」
「「何分、貧乏なんで」」
「う~ん、現金ではないんだけど凄く高価なものとは言っておくぜ!」
「「じゃんけんポイ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!」」
「……ホント、元気な奴らだぜ」
マリサンタはやれやれとため息をはいた。
「よし、俺とデュエルだマリサンタ」
「メリークリスマス!だぜ!」
「「デュエル!」」
「先行はマリサンタさんが頂いちゃうんだぜ!フィールド魔法『聖夜』!」
フィールド魔法『聖夜』が発動すると同時に街が現れる。律儀なことに皆煙突がある。
「1ターンに1度、『聖夜』の効果で相手のライフポイントを1000回復させることができるんだぜ!」
「お、ありがたいな」
「マリサンタさんからのプレゼントなんだぜ」
嵯峨 LP8000→9000
「その後、私はデッキからカードを1枚ドローするんだぜ!」
チキンレースの逆版みたいな効果か……
「そしてモンスターをセットして、ターンエンドだぜ!」
セットモンスターDEF???
マリサンタ 手札4
・モンスターゾーン
セットモンスターDEF???
・魔法・罠ゾーン
なし
・フィールド魔法
『聖夜』
「私のターン!私は『ディスペアー・ソルジャー』を召喚!」
『ディスペアー・ソルジャー』ATK1600
「『ディスペアー・ソルジャー』の効果を発動!手札の『ディスペアーアイズ・クレイジー・ドラゴン』を墓地に送り、1枚ドロー!……う~ん、まぁいい。バトルだ!『ディスペアー・ソルジャー』でセットモンスターを攻撃!」
「セットモンスターは『赤鼻トナカイ』!守備力は驚愕の2500だぜ!」
「何だと!?くっ!」
嵯峨 LP9000→8100
「更にリバースした『赤鼻トナカイ』の効果を発動!手札を1枚捨て、デッキから『サンタ・クロース』を特殊召喚!」
『サンタ・クロース』ATK1200
もしかして、攻撃力1200で守備力2500か?分かりやすいな。
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」
嵯峨 手札4
・モンスターゾーン
『ディスペアー・ソルジャー』
・魔法・罠ゾーン
伏せ1
「私のターン、ドローだぜ!『聖夜』の効果を発動!相手のライフを1000ポイント回復させる代わりに1枚ドロー!」
嵯峨 LP8100→9100
「よし、そろったぜ!『サンタ・クロース』に装備魔法『白いプレゼント袋』と『赤鼻トナカイ』に装備魔法『赤のソリ』を装備!どちらも装備モンスターの攻撃力と守備力を入れ替える能力を持っているぜ!」
「何!?」
『赤鼻トナカイ』ATK1200→2500
『サンタ・クロース』ATK1200→2500
「バトルだぜ!『赤鼻トナカイ』で『ディスペアー・ソルジャー』を攻撃!『笑いものの幸福』!」
「トラップカード『パワー・フレイム』発動!『ディスペアー・ソルジャー』よりも攻撃力が高いモンスターに攻撃された時、その攻撃を無効にしてこのカードを『ディスペアー・ソルジャー』に装備する!装備モンスターの攻撃力はさっきの相手モンスターと自身の攻撃力の差の数値分アップする!」
『ディスペアー・ソルジャー』ATK1600→2500
「でもバトルは終わったわけじゃないんだぜ!『サンタ・クロース』で『ディスペアー・ソルジャー』に攻撃!」
「攻撃力は同じだぜ……!?な、何故破壊されない!?」
「『サンタ・クロース』は『聖夜』がある限り、子供たちにプレゼントを与える役目がある以上、破壊されないんだぜ!」
「ああ、そういうことか!」
「納得してんじゃないの!」
霊夢からツッコミを入れられました。てへ
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだぜ!」
マリサンタ 手札2
・モンスターゾーン
『赤鼻トナカイ』ATK2500
『サンタ・クロース』ATK2500
・魔法・罠ゾーン
『白いプレゼント袋』(装備:『サンタ・クロース』)
『赤いソリ』(装備:『赤鼻トナカイ』)
伏せ1
・フィールド魔法
『聖夜』
「私のターン!……手札から『ディスペアー・デメリット・コール』を発動!このターンに私が自身のカードの効果で受けるダメージは倍になる!そして、自身のカードの効果でダメージを受ける度にデッキからレベル4以下の『ディスペアー』モンスターを守備表示で特殊召喚する!」
嵯峨の発動した『ディスペアー・デメリット・コール』が消えた後にすぐさま新たなカードが挿し込まれる。
「そして『火炎地獄』を発動!相手は1000、自分は500ポイントのダメージを受ける効果だが、『ディスペアー・デメリット・コール』の効果でお互いは1000ポイントのダメージを受ける!」
「あっつ!」
マリサンタ LP8000→7000
嵯峨 LP9100→8100
「そして『ディスペアー・デメリット・コール』の効果でデッキから『ディスペアー・ハッカー』を特殊召喚!」
『ディスペアー・ハッカー』DEF0
「そして効果!魔理沙は300、私は600ポイントのダメージを受ける!」
マリサンタ LP7000→6700
嵯峨 LP8100→7500
「そして『ディスペアー・デメリット・コール』の効果で『ディスペアー・ナイト』を特殊召喚!」
『ディスペアー・ナイト』DEF0
「ここで私も『聖夜』の効果を発動!1枚ドロー!」
マリサンタ LP6700→7700
「来た!速攻魔法『Dスペア』!お互いが1000ポイント以上の効果ダメージを受けたターンに発動でき、デッキからレベル4・8の『ディスペアー』モンスターを1体ずつ手札に加えることができるぜ!私は『ディスペアー・クライマー』と『ディスペアー・ジャイアント』を手札に加え、『トレード・イン』を発動!『ディスペアー・ジャイアント』を墓地に送り、2枚ドローだ!こっちも準備は万全だ!魔法カード『テラ・フォーミング』!デッキからフィールド魔法を手札に加える!」
「そっちもフィールド魔法かぜ?」
「おうYo!私はフィールド魔法『チキンレース』を発動!こいつはライフを1000払うことで1枚ドローすることができる!」
嵯峨 LP7500→6500
「そして『死者転生』を発動!手札を1枚捨て、墓地の『ディスペアーアイズ・クレイジー・ドラゴン』を手札に加え、『融合』を発動!手札の『ディスペアーアイズ・クレイジー・ドラゴン』とフィールドの『ディスペアー・ハッカー』で融合!堕ちてこい!『ディスペアーアイズ・サッド・ドラゴン』!」
『ディスペアーアイズ・サッド・ドラゴン』ATK3000
「『サッド・ドラゴン』の効果発動!相手フィールドの特殊召喚されたモンスターの数×300ポイントこのカードの攻撃力をアップし、相手のフィールドのモンスターの攻撃力は、自分フィールドのエクストラデッキから特殊召喚されたモンスター1体につき、300ポイントダウンする!」
『ディスペアーアイズ・サッド・ドラゴン』ATK3000→3300
『赤鼻トナカイ』ATK2500→2200
『サンタ・クロース』ATK2500→2200
「バトル!『ディスペアーアイズ・サッド・ドラゴン』で『赤鼻トナカイ』を攻撃!『悲しみの連鎖 サッドバースト』!」
「『赤鼻トナカイ』は私のフィールドに『聖夜』が存在する限り、戦闘では破壊されない!」
「だがダメージは受けてもらう!」
「くっ!」
マリサンタ LP7700→6600
「これでターンエンドだ!」
嵯峨 手札0
・モンスターゾーン
『ディスペアーアイズ・サッド・ドラゴン』ATK3300
『ディスペアー・ナイト』DEF0
・魔法・罠ゾーン
なし
・フィールド魔法
『チキンレース』
「私のターン、ドローだぜ!まずは伏せていた罠カード『煙突内の悲劇』を発動!魔法カードの効果でライフポイントが回復する効果をこのターンの間だけダメージに変更することができるぜ!」
「何だと!?」
「と言う訳で嵯峨のフィールドの『チキンレース』の効果を発動!1000ポイントのライフを払い、『チキンレース』を破壊する!」
マリサンタ LP6600→5600
「そして『聖夜』の効果を発動!」
嵯峨 LP6500→5500
「ぐぅぅ!」
「そしてカードを1枚ドローするぜ!更に『聖なる夜景』を発動!このターンのみ、『サンタ・クロース』は直接攻撃することができる!」
「なんだと!?」
「バトルだぜ!『サンタ・クロース』でダイレクトアタック!」
「があっ!」
嵯峨 LP5500→3000
「そして『赤鼻トナカイ』で『ディスペアー・ナイト』を攻撃!そしてメインフェイズ2に入り、永続魔法『クリスマス・リース』を発動!自分のライフポイントする度に、このカードにクリスマスカウンターを1つ乗せて、このカードを墓地に送ることで乗っているカウンターの数だけ私はドローできるんだぜ!」
「強いな……」
「カードを1枚伏せて、ターンエンドだぜ!」
マリサンタ 手札1
・モンスターゾーン
『赤鼻トナカイ』ATK2500
『サンタ・クロース』ATK2500
・魔法・罠ゾーン
『白いプレゼント袋』(装備:『サンタ・クロース』)
『赤いソリ』(装備:『赤鼻トナカイ』)
『クリスマス・リース』
・フィールド魔法
『聖夜』
「くっ……私のターン、ドロー!『命削りの宝札』を発動。手札を3枚になるようにドローする……そしてこのターン、俺はモンスターを特殊召喚はできず、相手は全てのダメージが0になる。『堕天使ナース―レフィキュル』を通常召喚!」
『堕天使ナース―レフィキュル』ATK1700
「『レフィキュル』の効果は、相手のライフポイントが回復する効果をダメージに変更できる……!そして『聖夜』の効果を発動!」
「なるほど、回復をダメージに変更して、『リース』の効果を回避。そして『命削りの宝札』の効果でダメージはなくなる……つまり私に何のメリットも与えなくしてきたか……やるな嵯峨!」
「ドロー!……よし、カードを3枚伏せて、ターンエンドだ」
嵯峨 手札0
・モンスターゾーン
『ディスペアーアイズ・サッド・ドラゴン』ATK3000
『堕天使ナース―レフィキュル』ATK1700
・魔法・罠ゾーン
伏せ3
「私のターン、ドローだぜ!よっし、来たぁ!永続魔法『クリスマス・リース』を墓地に送り、永続魔法『クリスマス・ツリー』を発動するぜ!」
「まじか……やばそうだな……」
「『クリスマス・ツリー』が存在する限り、攻撃宣言する度に自分モンスターの攻撃力を100ポイントアップさせるぜ!更に『聖夜』を効果で破壊させない!」
「めんどくせえ!」
「バトルだぜ!『赤鼻トナカイ』で『レフィキュル』を攻撃!この時、『クリスマス・ツリー』の効果を発動!」
『赤鼻トナカイ』ATK2500→2600
『サンタ・クロース』ATK2500→2600
「トラップ発動!『魅惑の堕天使』!『堕天使』を墓地に送ることで相手モンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る!『サンタ・クロース』を対象!」
「なんだって!?」
『サンタ・クロース』コントローラーマリサンタ→嵯峨
「攻撃が巻き戻って、『赤鼻トナカイ』で『レフィキュル』を攻撃するぜ!この時、『クリスマス・ツリー』の効果が発動する!」
『赤鼻トナカイ』ATK2600→2700
「破壊されたか……」
「くっ、だが何もできないんだぜ……このままターンエンド」
「待った!リバースマジック『旗鼓堂々』!墓地の装備魔法を自分モンスターに装備できる!『サンタ・クロース』に『反目の従者』を装備!」
「そんなカードいつ……!?まさか、『死者転生』の時か……流石だぜ」
「ああ、このままエンドフェイズ時まで移行していいぜ。『魅惑の堕天使』の効果が終了して俺のフィールドの『サンタ・クロース』は魔理沙に渡る」
『サンタ・クロース』コントローラー嵯峨→マリサンタ
「そして『反目の従者』を装備したモンスターのコントロールが相手に移った時、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを元々のコントローラーに与える!『サンタ・クロース』は装備魔法『白いプレゼント袋』の効果により、元々の攻撃力が2500となっている!よって、2500ポイントのダメージを受けろ!」
「いった~~!?」
マリサンタ LP5600→3100
「同じくエンドフェイズ時に『旗鼓堂々』の効果は終了して『反目の従者』は破壊されるぜ!」
マリサンタ 手札1
・モンスターゾーン
『サンタ・クロース』ATK2600
『赤鼻トナカイ』ATK2700
・魔法・罠ゾーン
『クリスマス・ツリー』
「私のターン、ドロー!これで終いにするぞ!トラップカード『ディスペアー・バーニング』!『ディスペアーアイズ・サッド・ドラゴン』の攻撃力を500ポイントアップさせて、デッキからカードを1枚ドローする!」
『ディスペアーアイズ・サッド・ドラゴン』ATK3000→3500
「いいカードだぜ!手札から『絶望の複撃』を発動。手札の『絶望』か『ディスペアー』魔法カードを墓地に送ることで、このターン、自分のモンスターは1度のバトルフェイズに2度の攻撃ができる。対象は『ディスペアーアイズ・サッド・ドラゴン』だ!」
「くっ!」
「墓地の『絶望の報復』の効果を発動!このカードをゲームから除外して、自分フィールドのエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターの攻撃力を800ポイントアップさせる!」
『ディスペアーアイズ・サッド・ドラゴン』ATK3500→4300
「さぁ、行くぞ!『ディスペアーアイズ・サッド・ドラゴン』で『サンタ・クロース』を攻撃!『悲しみの連鎖 サッド・バースト』!」
「『クリスマス・ツリー』の効果!私のフィールドのモンスターの攻撃力を100ポイントアップさせる!」
『サンタ・クロース』ATK2600→2700
『赤鼻トナカイ』ATK2700→2800
「そして『サンタ・クロース』はフィールド魔法『聖夜』がある限り、破壊されない!」
「だが、ダメージは受けてもらう!」
マリサンタ LP3100→1500
「『サッド・ドラゴン』でもう一度『サンタ・クロース』を攻撃!『セカンド・サッド・バースト』!」
「『クリスマス・ツリー』の効果……ッ!」
『サンタ・クロース』ATK2700→2800
『赤鼻トナカイ』ATK2800→2900
「くっ!攻撃力が足らないか……!きゃあああ!」
マリサンタ LP1500→0
WINNER 嵯峨
「いよっし!金くれ」
「言い方が野蛮だぜ!?それにお金じゃなくてプレゼントだぜ!?」
「プレゼント……魔理沙……嫌な予感しかないんだけど」
「あ、ああ……今、後悔し始めた」
「酷いんだぜ二人とも……プレゼントはちゃんとしているんだぜ……ほら、これ!」
魔理沙が取り出したのは小さなドームにクリスマスツリーが入っている、昔、絶の兄貴が小さい女の子にプレゼントしていたやつにそっくりだ。ただ、その奴よりも雪が多く振っている。
「へぇ……外の世界から流れ着いたのか。にしても壊れてなさそうだな」
「香霖が直してくれたんだぜ。ほら、これあげるぜ」
「ちょ、これ……売れるの?」
「売るなよ霊夢……」
「あはは……じゃあ、私はこれにて、メリークリスマス!」
魔理沙は箒に跨って飛び立ってしまった。
「……完全にハロウィンだな」
「ええ……これ、どうする?」
「……今のうちだけ飾っておこうぜ……それより、デュエルの熱も冷めて、寒くなってきた。こたつに入れさせてくれ」
「ま、また隣に来る気……?///」
「その方が温かいだろ?」
「……みかん持ってきましょ」
「お、いいね」
「あれ?みかんがない……」
「おいおい……買い忘れか?」
「そんなわけ……あ、まさか……あいつ……」
「いやー、本当に霊夢が買ってくるみかんは本当おいしいぜー♪」
クリぼっちでーすww(やけ)