やはり俺が元スプリガンなのはまちがっている。 作:世間で言うジョージさん
全ては八幡が高スペックを有している為です。
加筆、修正しました。
入部から数日後の放課後。
俺はトレーニング。雪乃は読書。いつもの静かな空間。そこにノックの音が鳴り響いた。
「どうぞ。」
部長から入室の許可がおりると、扉が開かれた。
「失礼しま~す。奉仕部ってここで合ってるのかな?願いを叶えてくれるって聞いてきたんだけど……」
頭にお団子を付けた女の子が入ってきた。こいつはクラスメイトの由比ヶ浜結衣。もちろん、この子の事も調べてある。あ、癖で調べてあるだけだからね?
成績は下の下。明るく、クラスのトップカースト所属。空気を読む会話や行動が得意だが、人の顔色を気にしすぎて、自分の言葉を本音で語れない一面を持つ。家族構成は父、母の3人家族の中流家庭。
入学式の日に犬の散歩中に首輪が壊れ、リードを手放してしまい愛犬サブレは車に轢かれそうになるも、俺によって助けられる。ついこないだも同じミスをやらかし、またもや俺に助けられる。……なんか少しムカついてきた。
「ここは願いを叶える場所じゃないわ。あくまで願いを叶えられるようにサポートする。そういう部活よ。」
「そーだったんだ!あ、ヒッキーもいたんだ!」
雪乃からの説明も右から左へ。もしかして、ヒッキーて俺の事か?
「騒がしいな、オイ。俺もここの部員だよ。あと、ヒッキーはやめろ。ヒキコモリみたいだろ。」
「えぇ~いいじゃん、ヒッキーはヒッキーだよ!」
話を聞かないアホの子にイラッときた。ムカついたので少し蒸し返してやる事にする。
「そんなことより、言うことがあるんじゃねえか?」
「あ!そうそう。依頼の件だよね、ここじゃ……ちょっと……。」
「そうね、比企谷くん。少しジュースでも買いに…」
俺は雪乃の言葉を遮る。
「そうじゃない。依頼以外でも言うことがあるんじゃねえか?」
「え!?」
「サブレ。入学式。」
「え!?えーと?」
心当たり全開のアホの子は驚愕の顔をしている。菓子折り渡せば終わりとか思ってんじゃねぇぞ。
「この前も。まさかの2回目。」
「うぅ…!」
「それで?無責任な飼い主さん、何か言うことは?」
俺は語気を強めにして、由比ヶ浜を責めるように捲し立てる。同じミスを犯して、自分の大事な者(サブレ)を危険な目にあわせたのだ。そりゃ怒るだろう?
「…ご………」
「ご??」
「ごめんなざいぃぃぃ!!!」
ヤバイ。まただ。やってしまった。けど今回は八幡冷静だゾ☆
何より俺は悪くない。馬鹿な飼い主が悪いのだ。俺は動物が好きだから、蔑ろにする奴は嫌いだ。動物が好きでも飼う以上は責任が生じる。だから無責任な奴は許せないのだ。
だから、もっと泣け。
「ごぉ、ごぉめんなざぃぃ……」
「謝ってほしい訳じゃない。生き物を飼う以上は、しっかりと責任を持てって言ってるんだ。俺のことはいいんだよ。問題なのは、何も改善出来てなかったという事だ。」
「は、い……。ちゃんと改善しますぅ……………。」
反省をしているならそれでいい。大事なのは、同じ過ちは繰り返さない事だ。ガロードも言ってただろ?ちょっと違うな、うん。
「よし。なら、今日にでも改善するんだぞ?出来るか?」
「はい……わかりました………。」
うん。これで心置きなく依頼を受けれるな。あれ?雪乃が硬直?空気化してる?なんか泣きそうじゃね?雪乃は責めてないんだけどな。
仕方がないな、やるか。
「雪乃も何か言いたい事があるんじゃないか?」
「あの、由比ヶ浜さん。私も謝らなければならないわ。あの時、私はあの車に乗っていたの。本当に、ごめんなさい……。」
「……ううん。私のほうこそ、飼い主、失格だよ……ごめんなさい……。」
それにしても、俺達3人は数奇な縁で繋がってるなぁ。当事者間でのわだかまりは解いていた方がいいだろう。まぁ、あれから一年以上経ってるけどね。
言いたい事も言えたし、めでたしめでたしだな。
次からは由比ヶ浜さんの依頼になります。
ようやく話が進みます(笑)