やはり俺が元スプリガンなのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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字数が増えたほうが読み応えありますかね。
うーん。
とゆーワケでサクサク進めていきます。





第19話 勉強会と依頼

 

 

 

もうすぐテストということもあって、学校の雰囲気は勉強ムード一色になっていた。ここは進学校だし、一部の生徒を除き、全員が勉強に励んでいるだろう。テスト一週間前にもなると部活動も休みとなり、勉強時間もたっぷりとある。

 

 

授業が終わり、帰りに勉強でもしに何処かへ寄ろうと思っていたら声をかけられた。

 

 

 

「ね!ヒッキー、このあと暇かなー?」

 

 

「今日は帰りに勉強しに寄り道する予定だ。よって、暇じゃないぞ。」

 

 

 

このアホの子はきっと、パフェやら、クレープやら、アイスやら、ハニトーやらを食べに誘ってくるつもりなのだろう。先に予定の旨を伝えておいて正解だな。そういえば、食った甘いものは全てその胸にいってるのだろうか?もちろん、その旨は伝えてない。胸だけに。

 

 

 

「そーなんだ。じゃあ一緒じゃん。勉強会するんだけど、ヒッキーも来ない?や、みんなもいるんだけどさっ。」

 

 

 

勉強会か。トップカーストの考える事はわからん。普通は一人でやるもんなんだけどな。しかし興味があるのも事実だ。念のために参加メンバーを聞いてみると、雪乃、由比ヶ浜、戸塚の3人だった。見事に成績の上中下が揃った。今の自分との比較になると思い、参加の旨を伝えておいた。

 

 

 

「じゃ、じゃあ、サイゼでやるから一緒に行こ?」

 

 

「いや、今回は俺に場所を選ばせてくれないか?いい場所があるんだ。」

 

 

「えー?あんまり高いとこは無理だよ?」

 

 

「言っておくけど、金の心配はいらないからな?無料だ、無料。」

 

 

 

 

そのあと雪乃と戸塚に合流して目的地に向かう。途中で連絡しておいた迎えの車に乗り、片道10分程で目的地に到着した。

そう、ここは『アーカム千葉研究所』だ。

 

 

 

「比企谷くん、どういうコネクションを持ってるのか説明して欲しいのだけれど?」

 

 

「ヒッキー!ここって勝手に入ってもいいの??」

 

 

「ククッ、教官も人が悪いですね。まさかアーカムとはね。」

 

 

 

そう、現在千葉で一番の頭脳が集まっている場所がここなのである。さっきキャラが変わってるのがいたが、無視しておこう。

ここなら、近所の家庭教師のお兄さんから、現役の東大生よりも高い水準の知識が学べるのだ。しかも無料で。折角のアーカムのパスを使わないのは勿体無いからな。

 

 

 

「知己の科学者がいるんだよ。今日は好意に甘えてここで勉強させてもらう予定だ。お前らも聞きたい事があったら何でも学べるぞ。」

 

 

「比企谷くんがそう言うのなら甘えようかしら。マーガレット女史ともまた話したいし。」

 

 

「ほぇ~ヒッキーすごい人と知り合いなんだね。」

 

 

「…ここはまさに、うってつけというワケですね。ククッ。」

 

 

 

結論でいうと、勉強会は半分成功で半分失敗だった。

理由は二つある。一つ目は、彼らは最高の頭脳を持っていたが、教えるのに適していたかワケではないということ。二つ目は、雪乃や俺はある程度の水準があったので理解出来たが、他二人は全滅だった。

 

 

「大変有意義な時間だったわ。比企谷くん、今日はありがとう。」

 

 

「ヒッキー…今度はヒッキーが教えてよ……」

 

 

「なるほどね。そういうことか。クッ…!」

 

 

 

雪乃以外は不評だったので、明日の放課後に埋め合わせをする旨を伝えて、その日は解散した。

俺の学力が上がっている事に気づけて、内心嬉しかったのは内緒だ。

 

 

 

翌日の放課後。今度はサイゼに集まっての勉強会だ。昨日の反省を活かして、今日は由比ヶ浜と戸塚に勉強を教えながらの勉強会となる。

 

 

気を利かせて、先にドリンクでも入れてきてやろうと声をかけた。

 

 

「お前らのドリンク入れてくるけど、何がいい?」

 

 

「あ、それならあたしはレモンティーがいい。」

 

 

「僕はアクエリアスをお願いするよ。」

 

 

「私は自分で選んでみたいわね。比企谷くん、ご一緒してもいいかしら?」

 

 

 

俺達はドリンクバーの前まで行くと、自分の飲み物を選んで作り始めた。俺は擬似MAXコーヒーを作る為に、大量のスティックシュガーを千切っては投下していく。雪乃は横で胸焼けしたかの様な顔をしていた。失敬な。

 

 

「ところで比企谷くん。これはどこにお金を入れるのかしら?」

 

 

 

は?

あまりにもブルジョワジーな発言に驚いてスティックシュガーを3つ程多く入れてしまった。仕方ないので、目の前でドリンクバーの使用方法と仕様を説明してあげた。

 

 

「これは……画期的ね。」

 

 

「いや、今どきは当たり前だぞ?」

 

 

 

各々ドリンクを入れて席に戻ると、ふと後ろから声をかけられた。「おにぃちゃーん!」おぉ!この声はマイシスター小町!!振り返ると後悔と殺意が湧いた。

 

 

「小町。その横のゴミはなんだ?」

 

「ひぇっ!おにぃちゃん、ゴミって…小町の友達だよ!それってポイント低いよ?」

 

 

「お、オス!はじめましてお兄さん!自分は川崎大志って言います。」

 

 

 

なんだ。最近のゴミは喋るのか。ちゃんと分別しないとな。手とか足とか首とか内臓とか。燃えるゴミの日で良かったっけ?

 

 

「はじめまして。比企谷くんの今はまだ友達の雪ノ下雪乃です。妹さんかしら?」

 

 

「あ、あたしも今はまだ友達だけど、由比ヶ浜結衣です。あの時はヒッキーに迷惑かけちゃってゴメンね。小町ちゃん。」

 

 

「お、おにぃちゃんに…フラグが建っている……だと?しかもこんなに可愛い女の子二人も!?」

 

 

 

失礼な奴だな。可愛い妹じゃなければお仕置きしてたとこだぜ。お兄ちゃんに友達がいる事がそんなに驚くことか?

 

 

「はじめまして。僕は戸塚彩加と言います。よろしくね?」

 

 

オイオイ、戸塚はまたキャラが変わってんじゃねぇか。何がこんなにコイツを変えたんだ?あ、俺か。それよりも目の前の害虫を駆除しないとな。

 

 

 

「そんでお前はこんなとこで何をやってんだよ。その害虫を殺せばいいのか?よし、殺してしまおう。」

 

 

「コラコラ、おにいちゃん?小町は大志くんの相談に乗ってあげてたんだよ。最近、お姉さんが変わってしまったんだって。」

 

 

「そうなんスよ。姉ちゃんはお兄さん方と同じ総武校生なんスよ。2年生なんスけど。」

 

 

 

ん?川崎沙希の弟か、コイツ。とりあえず害虫を駆除しないとな。エレンも言ってたろ?俺は有害な獣を駆逐しただけだってな。

 

 

「ちょうど私達も2年生よ。お姉さんが総武校の生徒ならば、この件は奉仕部の活動範囲ね。大志くんの相談を受けるわ。」

 

 

「本当ッスか!ありがとうございます!姉ちゃんは川崎沙希って言うんですけど、前までは真面目な人だったんです。けど、最近じゃ明け方に帰ってくるようになっちゃって。」

 

 

「え、明け方って朝帰りじゃん!それって、何時くらいなの?」

 

 

「朝の五時半くらいです。理由を聞いても、アンタには関係の一点張りで……もう俺も何がなんだか………」

 

 

 

どうやら川崎沙希は朝帰りしているらしい。彼氏でも出来たのだろうか。俺も朝チュンならめっちゃ憧れる。

 

 

「家にもエンジェルなんとかの店長から電話がかかってきたり、怪しいバイトとかしてるんスよ、きっと。けど、家族にも言えないし、俺……どうしたらいいかわかんなくて!」

 

 

「わかった。お前の依頼は確かに引き受けた。川崎沙希の件はこちらで調べておこう。あと、お兄さんって言うな。殺すぞ。」

 

 

 

こうして奉仕部に新たな依頼が舞い込んできた。小町に近づくゴミムシを駆除し、悩める女生徒を救う為に。俺達は動き出した。

ちなみに勉強会がまたまた流れたのは。また別の話。

 

 

 

 

 




今回の依頼は川崎さんです。
八幡はどういう解決に導くのか?

それではまた。



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