やはり俺が元スプリガンなのはまちがっている。 作:世間で言うジョージさん
久々の更新です。
ほのぼのコメディを目指してた気がする。
えぇ、気のせいでした。
あれから職場見学が終わり、由比ヶ浜と顔を合わせる事なく、解散となった。アイツは俺がまだ話してる最中に、思いっきり誤解をして去っていった。どう誤解を解けばいいものだろう?俺も言い方が悪かったのだろう。次に会った時にでも謝ろうと思い、その日は帰路に着いた。
翌日、学校で由比ヶ浜にエンカウントするも、逃走される。教室で目が合うと逸らされる。昼休みに近づくと、飲み物買ってくると言って逃げられる。
このままでは放課後も逃げられると思い、多少の強硬手段に出ることにした。
プランはこうだ。
授業が終わり、教室を出た由比ヶ浜を追跡、人気の無くなったところで声をかける。完璧だ。
早速、実行に移した俺は、気配を消して、教室を出て、人気の無い廊下に出たとこで由比ヶ浜の肩を叩いて呼び掛けた。
「おい。由比ヶ浜。」
「っ!きゃぁぁぁぁ!グッ…!」
しまった!つい叫ばれたから無力化してしまった。今後は手刀のキルアとか呼ばれるな。うん、ないな。とりあえず現実に戻った俺は、速やかに由比ヶ浜を確保して、部室へと軟禁した。
「…比企谷くん。それは何をしてるのかしら?」
「何って、誤解を解く為に由比ヶ浜を確保したんだが。話そうとしたら逃げられるからな。」
部室へと連れて行くと雪乃が結構まともな事を言うもんだから、俺が犯罪者みたいになってるじゃないか。…営利目的じゃないからセーフだよね?
「はぁ、誤解を解く前に、まずは拘束を解いてあげないといけないわね。」
「フゴっ!フゴーッ!」
逃げられると困るので、とりあえず口の拘束だけ解いてやった。由比ヶ浜には悪いが、少し我慢してもらおう。
「プハー!し、死ぬかと思ったじゃん!ヒッキーの人殺し!」
「あら?由比ヶ浜さん、貴女…」
雪乃も気付いたようだな。
「由比ヶ浜、落ち着け。まずは無理矢理、拘束をしてしまった事を謝る。すまん。」
「…それは別にいいよ。あたしも逃げてたもん。ゴメンね。」
いいんだっ!?自分で言うのもなんだが、お前優しすぎんだろぉー!と、考えてたら横で雪乃も同じ事を考えてたらしく一人でツッコミを入れてた。さすが友達だ。
「由比ヶ浜。お前は勘違いをしている。あの時、お前は俺が言った言葉を最後まで聞かなかっただろ?誤解なんだ。」
「じゃあ、ヒッキーはなんて言おうとしてたの?」
「……1回しか言わないからな。よく聞いとけよ?」
よく考えたら、横で雪乃がワクワクしながら聞いている。これ、昼ドラじゃないからね?月9でもないからね?
「それはな、普通に接してくれるお前のほうが好感がもてるからだ。無理して付き合う事はない。って、言いたかったんだ。」
静かになる部室。やだ、何この空間。恥ずかしくて死にたい。
「交換?あたしは…部品じゃないんだよ!!」
由比ヶ浜は大粒の涙を流しながら、泣き出してしまった。これは俺のミスだ。由比ヶ浜のアホさ加減を見誤ってしまった俺のミスだ。横で雪乃はケラケラ笑ってる。軽く殺意を覚えた俺は、手刀で雪乃を黙らせると、由比ヶ浜に言葉の意味を懇切丁寧に教えてやった。グーグル先生は偉大だった。
ちなみに懇切丁寧の意味も教えてあげたのは内緒だ。
そして俺と由比ヶ浜の関係は一つ進み、由比ヶ浜とも友達になった。
帰って小町にこの件を話してたら、「馬鹿すぎるお義姉ちゃん候補はちょっと……」と呟いていたが、それはまた別のお話。
由比ヶ浜さんはアホの子です。
しかし、愛らしいアホの子です。
ちなみに時系列は前後するかも?