やはり俺が元スプリガンなのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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時系列があやふやなので、
とりあえず前後するかもですが、
脳内補完でお願いします。





第11話 ラノベ品評会

 

 

 

戸塚の依頼も終わり、また平和な日々が過ぎていく。あれ以来、教室に入ると戸塚と由比ヶ浜が敬礼してくるようになった。

少しやり過ぎたか?

 

 

 

昼休みになった。俺はいつもなら友達(雪乃)とご飯を食べる時は、部室かベストプレイスに行く。しかし、今日はいい天気だった。それに何やら用事で友達は来れないらしい。俺は気分を変えて屋上でランチと洒落こむ事にした。

 

 

屋上に気配を感じて、給水塔の上にいる人物を伺ってみる。アイツは確か…川、川なんとかさん?冗談だ。

勿論、調べてある。あくまで身辺調査は大事だし?確か名前は、川崎沙希。容姿端麗、成績は上の中、家族構成は両親に、弟二人、妹一人の6人家族。最近は夜のバイトもしながら自身の進学費用を稼いでいる。外見から不良のイメージがあるが、料理と裁縫が得意で家庭的な一面を持つ。

こんなところか?

 

 

敵対行動される訳ではないと判断し、屋上でランチを食べる事にした。

 

 

何か話しかけられた気がしたがスルーしよう。本来、俺は一人でいるのが好きだからな。最近はドタバタしていて忘れてたけど。

 

 

そして、放課後。部室へ向かうと雪乃と由比ヶ浜が部室前に立ち往生していた。

 

 

「うっす。どーしたんだ?」

 

「こんにちは。比企谷くん。部室の中に不審者がいるのよ。」

 

「サー!命令して下されば、速やかに目標を殲滅する次第であります!サー!」

 

 

 

雪乃も女の子なんだな。由比ヶ浜は好戦的過ぎるだろ!少しヒドイからあとで元に戻してやろう。

 

 

そう思い俺は部室へと突入する。

 

 

 

カランッ

 

 

 

ドアを少し開けて、中にスタングレネードを放り込む。もちろん威力は抑えてあるから周りには被害は無い。

目映い光と共に中からはアンノウンの呻き声が聴こえてきた。素早く中に入り、関節を極め、後頭部にグロックを押し付けて確保する。

 

 

 

「動くな。不審な動きをすれば殺す。」

 

 

 

俺が拘束した男は依頼人だった。

てゆーか、知り合いだった。

名前は材木座義輝。自身を剣豪将軍と名乗る。勿論、コイツの事も調べてあるが、どーでもいいので割愛する。

 

 

要約すると、自作のラノベを読んで欲しい。感想を聞かせてほしいらしい。案外普通の依頼で拍子抜けした。彼女が欲しいとか言われたらどうしようもなかったからな。難易度で言えば、リバースバベルに単身潜入して、リバースバベルの発動を阻止するレベル。あれ?俺なら出来てんじゃね?

 

 

「という訳で、我の依頼を受けてくれぬか?八幡よ!」

 

 

 

縛られたままなのになんでコイツ偉そうなの?まぁほどいてやんねぇけど。

 

 

 

「依頼を受けるかどうかは部長さん次第だよ。どーする?雪乃。」

 

 

 

相手が拘束されてると知って、さっきまで怯えていたのが嘘のように司令官面している我らが部長さんがいた。

 

 

「そうね。今回の依頼はその自作のラノベ?を読んで、感想を言う。それで間違いないかしら?」

 

 

何故かコイツは俺を見て話しかける。女子に話しかけられてキョドっている。女に免疫なさすぎだろ。俺も前はひどかったけど。

 

 

「フハハハハ!相違ない!ならば八幡よ!契約は成立という訳だなっ!!」

 

 

「ちょっと黙ってちょうだい。私と話しているのだから、ちゃんと相手の目を見て話しなさい。あとその喋り方、酷く気に障るのだけれど。普通に話しなさい。」

 

 

材木座は雪乃の高圧的な態度に耐性が無いらしく、こちらを見てくるし、雪乃は「これで良かったかしら!」と言いたそうに、チラチラ見てくるし。なんなの?お前ら俺の事が好き過ぎるでしょ!

 

 

「依頼は成立でいい。読めたら感想を聞かせてやるから、果報は寝て待ってろ。」

 

 

果報どころか下方(精神的に)になりそうだが。

 

 

材木座は嬉しそうに、「ありがとう~ハチえもん~!!」と、叫びながら帰っていった。ちなみに由比ヶ浜は待機の姿勢を崩さずにずっと立っていたので、帰るよう命令した。

 

 

 

帰ってから部屋に籠り、寝食を惜しんで材木座のラノベを朝まで読み耽った。

翌日、眠気を我慢しながら学校へ行った。

 

 

 

授業中は爆睡。ただし平塚先生の授業中に、チョークが飛んできたので二本の指で受け止めると、周りから驚嘆と拍手が巻き起こっていた。おかげで指導室に呼び出されたが。

 

 

放課後、部室で俺、雪乃、由比ヶ浜、材木座の四人で集まり、品評会という名の公開処刑が行われた。

 

 

「読ませてもらったけれど、全く以て面白くないわ。むしろ、読み進める毎に苦痛ですらあったわ。」

 

「グハァッ!!」

 

 

更に追撃。

 

 

「何故こんなに倒置法が多いのかしら?てにをはの使い方を習ってないのかしら?」

 

 

「グブッ!ゴッハァァァ!!」

 

 

うーむ。少し助けてやるか。

由比ヶ浜なら少しはオブラートに言えるだろう。

 

 

「由比ヶ浜、何か感想はあるか?」

 

 

「サー!自分は全く読んでません!サー!」

 

 

読んでねぇのかよ!

 

 

「む、無念っ!」

 

 

材木座は力尽きた。

 

 

 

材木座は起き上がり、仲間になりたそうにコチラを見ている。仲間にしますか?

→いいえ。

 

 

「冗談はさておき、これからどーするんだ?」

 

「八幡よ。我は嬉しかったのだ。確かに酷評もされたのだが、他人から感想をもらうという事が嬉しかったのだ。」

 

 

材木座は自身の想いを語った。その作品は決して誉められた内容ではないが、その創作意欲は衰える事なく、燃え上がり続けるだろう。彼のひたむきで真っ直ぐな信念は、これから先、歴史に名を残す傑作を生むかもしれない。

 

 

 

「八幡よ。また読んでくれないか…?」

 

 

「時折でいいなら暇つぶしに読んでやるよ。」

 

 

 

これで材木座の依頼も無事終わった。後日、材木座から新しい作品のプロットを閃いたとメールがきていた。仕方ないまた読んでやるか。

また徹夜はゴメンだけどな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしてもスタングレネードか。ふむ。高校生で特殊工作員か…アイデアが生まれてきたぞぉぉぉ!!」

 

 

 

 




材木座の描写が難しくて、
かなりカットしてしまいました。



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