インフィニット・ストラトス 鋼鉄の銀龍    作:ユウキ003

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今回は京都での決戦の中盤です。
最初は終わりまで書き上げるつもりでしたが文字数が
多かったので分割しました。
展開は完全なオリジナル。且つ、チート・ご都合主義的な能力が
覚醒します。


インフィニット・ストラトス 鋼鉄の銀龍 第25話

~~前回までのあらすじ~~

スコールからの指摘で、自分の行ってきた事に疑問を抱き、

戦う意味を見失ってしまった機龍。

だが、改めて自分自身を見つめなおし、視野を改める事で

機龍は自分自身の罪、過ちに気付き、自分の戦う意味、

『命』を守るために戦うと言う意味を再確認し、更に

自分自身の戦う意味であり、同時に願いであるそれを貫く

為に戦う事を再度決意したのだった。

……副作用で若干性格に変化が見られたりしたが。

 

 

今、京都の夕暮れの空で向かい合う機龍達10人と

スコール達5人。

そして、機龍は先ほどスコール達を倒し、捕らえると

宣言していた。それもあり、機龍達を警戒するオータムやレイン達。

しかし。

スコール「ほんとに。あなたは面白いわね機龍君。あれだけ深刻に

     悩んだかと思えば、今度はそんな事を言い出すなんて。

     本当に面白いわ」

フルフェイスのマスクの中で笑みを浮かべるスコール。

機龍「伊達に悩みませんでしたからね。ネガティブになるくらいなら、

   ポジティブに!そんな所です!」

 

一方。

一夏「なぁ、機龍性格変わりすぎじゃねえか?」

と、機龍の後ろでひそひそ話をする一夏達。

鈴「吹っ切れた。で片付けて良い変わりようじゃないわよね」

モーラ「多分ですけど、今の機龍ってハイになってるんだと

    思います」

シャル「そ、それであんなに性格変わるかな?」

簪「ハンドルと握ると性格が変わるって言うのは聞いた事あるけど」

セシリア「と、とりあえず今は機龍が復活したから良しと言う事で

     詳しくは後にした方が良いのでは」

ラウラ「そうだな。戦いはまだ終わっていない」

そう言って、真剣な目をスコール達に向けるラウラと、彼女に

続いて表情を引き締める一夏達。

 

その時だった。

スコール「友達ねぇ。良いわよ。それじゃあこうしましょう。

     あなた達が私たちを倒して捕まえられたら、私は

     あなたの友達になってあげるわ、機龍君」

オータム「ちょっ!?本気かよスコール!」

咄嗟に、彼女のすぐ横に居たオータムが叫ぶ。

機龍「成程。なら……。ますます負けられませんね!」

と、もしこれで機龍が人型だったなら、一夏達は機龍の目に炎が

灯っているように錯覚しただろう。

 

スコール「あなた達が私を倒せたら、ね!」

そう言って、笑みを浮かべたスコールはゴールデン・ドーンの

プロミネンスを鞭のように伸ばした。

オータムもアラクネの持つビームライフルを。

マドカもブロウを。レインとフォルテもそれぞれが手持ちの

ライフルを構えていた。

 

すると、それを見た機龍が一夏達の方に振り返った。

機龍「簪、それに、一夏お兄ちゃんたちやみんなも。お願いがある。

   僕は今、あの人たちを倒したい。だから、僕に力を

   貸してほしい」

一夏「機龍」

機龍「身勝手なお願いなのは十分わかってる。だから無理強いは

   しない。でも——」

と、言いかけた時、一夏の白式の右手の甲が機龍の胸の装甲を叩いた。

  「お兄ちゃん」

一夏「……そんな風に頼られるの。もしかしたら初めてかもな」

機龍「え?」

一夏「なんつ~か。俺たちもずっとお前に頼りっぱなしだったって

   言うか、あてにしてばっかだったし。……それがお前の

   やりたい事なんだよな?」

機龍「うん。僕は、スコールさん達とも友達になりたい。だから

   今は、戦わなきゃって思ってる」

一夏「そうか。……なら、俺たちも手伝ってやらねえとな。そうだろ」

そう言って周囲のほかのメンバーたちの方に目を向ける一夏。

彼の視線に、箒や簪、鈴、セシリア、シャル、ラウラ、楯無、モーラが

頷く。

  「なんてたって、俺たちはお前の仲間で、友達だからな」

そう言って、真っ白な歯を見せて笑みを浮かべる一夏。

 

機龍「みんな。……ありがとう」

小さく礼を述べた機龍は、視線をスコール達の方へと戻した。

  「それじゃあ……。行くよ!」

   『KYUAAAAAAN!!』

咆哮を放ちながら、銀龍がスラスターを吹かして突進していった。

そして、それに続いて加速していく一夏達。

 

  「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

彼の中で近接武装では最強(最凶)と言って良いだろうスパイラルクロウが

形成され、ギュァァァァァッ!と凶悪な回転音を上げる。それで

プロミネンス・コートを一撃で切り裂く機龍。

並の銃弾や砲弾は防ぐとはいえ、それは——身もふたもない言い方ならば——

回転する糸、鞭だ。

元より怪獣王の表皮を抉るために作られたドリルの前にそのコートは

意味を持たなかった。

ドリルに絡めとられ、破れた炎の鞭の残火が周囲に飛び散る。

スコール「くっ!」

機龍「まだ!」

咄嗟に後ろに飛んだスコールに距離を詰め、左手の一発を繰り出そうとする。

だが、その時横合いからオータムのビームライフルのビームが飛来し、

咄嗟に後ろに飛んでそれを回避する機龍。

 

オータム「ふざけやがって!テメエみたいなふざけた野郎に

     負けてたまるかってんだっ!」

機龍「でも!僕だって負けませんよ!こうなったら、意地でも

   皆さんの友達になりますから!」

オータム「だから言ってる事とやってる事がハチャメチャだって——」

叫びつつ後退しながら、背部の大型パーツが四分割され、中から

巨大な砲門が現れた。

    「わかれってんだよっ!」

そこから放たれた極太のビーム。だがそれは……。

 

機龍「それでも僕は、皆さんと友達になりたいんですよ!」

高速回転するクロウが真正面からビームとぶつかり合い、

相殺してしまった。

オータム「バカなっ!?」

驚愕する彼女に迫る機龍。だが今度はマドカのランサービットの

砲撃が機龍に襲い掛かった。その砲撃をクロウで弾く機龍。

マドカ「お前の相手は、私だ!」

機龍「でも、負けないよ!」

そう叫びながらターゲットをマドカに変更した機龍のクロウと

黒騎士のブロウがぶつかり火花を散らしていた。

 

その周囲でも、レインやフォルテ、オータム、スコールと戦う

一夏達。

 

だが、この時一夏達10人も。スコール達5人も。自分たちが

監視されていることに気付いていなかった。

 

 

京都郊外にある某ホテルの一室。

ソファに座る男性は左手で頬杖を突き、右手の人差し指で

ひじ掛けをコツコツと静かに叩いていた。

そんな彼の前の液晶テレビに映し出されているのは、リアルタイムの

一夏・機龍達とスコール達の戦いの映像だった。

そして、その男性、ミスター0の顔は無表情だがスコールの

姿がテレビに映る度にひじ掛けを叩く強さが強くなっていた。

0『何が炎の家系だ。所詮は偽りの女。あのクローンも大して

  役には立たんし、奴の孫も部下も程度が知れると言う物だ』

彼の視線はまさしく、物を見る目だった。

しかし、すぐに

 「……まぁ良い。スパイが持ってきたデータで新たな『駒』は

  既に揃った。役立たずの古い駒には、消えてもらうとするか」

 

そう言ってテレビを見つめる0の顔には、正しく悪魔のような

歪み切った笑みが浮かんでいた。

 

 

場所は戻り、機龍と一夏達が戦う京都上空。

そして、先ほどからその近くのレールの上をぐるぐると回っている

モノレール。

千冬「戦闘は、拮抗しているな。……山田先生、列車の方は

   どうなっていますか?」

真耶「ダメです。私のハッキングスキルでは。せめて、簪さんか

   機龍君が居てくれれば」

そう呟いて彼女が黙った、その時。

   『キキィィィィィィッ』

いきなり列車にブレーキが掛かり、慌てて周囲の物に掴まる生徒達。

そして次第にモノレールは減速し、数秒後には完全に停止した。

本音「と、止まったの?」

座席から立ち上がって、窓の外に視線を移す本音。しかし、

驚くのはまだまだこれからだった。

 

束「ふい~。とりあえずこれでOKかな」

突然、どこからか束の声が聞こえてきた。

千冬「この声、束か。どこに居る」

周囲を見回す千冬や真耶、生徒達。と、その時。

   『ジィィィィィッ!』

いきなり天井で火花が散ったかと思うと、それが円形に動き、

天井をくりぬいてしまった。取れた天井が上に持ち上げられて

消えていくのと入れ替わるように、車内に飛び込んできたのが……。

 

束「や~や~や~!お待たせだね~!みんなの期待に応えて

  真打登じょ——」

と、現れた途端束の頭に。

   『ガッ!』

千冬「余計な前置きは良いからさっさと要件を言え」

毎度おなじみのアイアンクローがさく裂した。

束「イダダダダダダダッ!痛いよちーちゃん!」

そう言ってギブギブと彼女の手を叩く束。

 「せっかく頼まれてた新型持ってきたのにこの扱いって

  酷くない!?」

千冬「ならば先にそれを言え」

と言って抗議すると、ようやくクローから解放された束。

束「う~。私はもっと優しい親友の扱いを希望するのだ~」

そう愚痴りながら束は前掛け、エプロンの中から一つのブローチを

取り出し、真耶に差し出した。

 「まぁとりあえず。間に合ったよ真耶やん」

真耶「そ、それ私のあだ名ですか?」

と、苦笑いしながら立ち上がり、そのブローチを受け取る真耶。

束「まぁ、今の様子じゃ今日のところは真耶やんの出番は——」

と、言いかけた束の機械のうさ耳がピクピクと跳ね、彼女は

大股で窓の方へと近づき、空を見つめた。

 

千冬「ん?束、どうし——」

後ろから彼女に声をかけた千冬だが、彼女は親友、束が歯を食いしばって

居るのを見て、彼女が本気で何かに怒っている事に気付いた。

  「……貴様が本気でキレるとはな。どうした?」

束「ちーちゃん。……あいつら企業の構成って知ってる?」

千冬「何?……確か、実行部隊とそれに命令する上層部、だったか?」

束「そう。その通りなんだよ。けどね、今、今この時、一つ変わった

  事があるみたいだ」

そう言って、彼女は窓の外、機龍達の戦う空域の、さらにその先の

空を睨みつけた。

 『私の作ったゴーレム達を改悪してリュウ君達に向けるなんて、

  良い度胸してるじゃないのさ!』

ようやく戻った彼女にとっての息子にも等しい機龍の笑顔。

その喜びを踏みにじるように、新たなる『駒』を遣わして

来た幹部会に、束は怒りをあらわにするのだった。

 

 

一方、戦闘開始から既に数分が経過していた機龍達とスコール達の

戦い。戦況は互角だったが、数は一夏達の方が多い上に機龍は

5人を倒す気満々とあって、既に5人のシールドエネルギーは

レッドゾーンだった。

対して、数の有利と士気の高さを生かしてダメージを最小限に

留めていた一夏達。

シールドやウェポンのエネルギーは消費こそしているが、

彼らの方が有利な事には変わりなかった。

シャル「行けるよ!このまま押し切れば」

一夏「あぁ!みたいだな!」

こちらが優勢とあって士気が上がっていく一夏達。だが、

その時機龍の目がスコール達の背後で、空間の『揺らぎ』が

僅かに起こった事に気付いた。

 

機龍『今、何が』

その空間をズームして調べてた機龍。と、次の瞬間その場所に

ぼんやりと何かのシルエットが浮かび上がった。

  『ッ!!?』

  「スコールさん後ろ!!!」

咄嗟に機龍が叫ぶのと、そのシルエットが明確になるのはほぼ

同時だった。

機龍の声と、レーダーからの警告音を聞き、咄嗟に振り返る

スコール。

 

今、彼女から100メートルも離れていない地点に、ゴーレムⅢ

にも似た黒い機体が滞空していて、その両腕の掌部分に備え付け

られていたビーム砲の砲口が、彼女を狙っていた。

スコール「ッ!」

咄嗟に避けようとするスコール。だが、それよりも先にその黒い機体

からビームが放たれた。

真っ直ぐスコールに向かっていくビーム。

その時。

オータム「スコール!」

咄嗟に、近くに居たオータムのアラクネがゴールデン・ドーンを

押しのけた。

何とかゴールデン・ドーンは射線から外すことができた。だが、このまま

ではオータムにビームが当たるのは必然だった。

しかも今はバリアのエネルギーを消費した状態だ。最悪の場合は……。

 

その最悪の一瞬がスコールの頭の中をよぎった。

スコール「オータム!」

咄嗟に手を伸ばすスコール。だが、届かない。まさか。

その思いが彼女の頭の中を駆け巡る。

 

 

 

 

 

 

しかし、忘れてはならない。この場には、覚醒した龍が居る事を。

   『バシュゥゥゥゥゥ………』

 

 

 

ビームが当たる寸前、目をきつく閉じていたオータム。

だが、それが届く直前で別の何かに当たる音がした。

恐る恐る目を開けたオータムは目の前に居る『彼』の背中を見て

驚愕した。

オータム「ッ!お前、どうして……」

そこに居たのはつい先ほどまで戦ってきた相手、機龍だった。

 

その言葉に肩越しに振り返る機龍。

機龍「理由なんてありませんよ。オータムさんが僕の事をどう思っているか

はわかりませんけど、オータムさんは僕にとって大切な友達

候補ですから。守りたいって思って、後はもう勝手に体が動きました」

オータム「お前……」

そう言う彼の言葉に、オータムは笑っている少年姿の機龍の幻影を

見た。

 

数秒、視線を交わす二人。しかし、機龍の方はすぐに視線を前に

戻した。

機龍「それより、どうやら横槍が来たみたいですね」

構える機龍を見て、視線を前に戻すオータムやレイン、フォルテ。

そんな彼女たちの近くに移動する一夏達だが、この場に居る15人

の視線はある機体、先ほどスコールを狙撃した機体に向けられた。

 

それは言ってしまえばゴーレムⅢそのものだった。ただし、それでは

語弊があるかもしれない。正確にはその細部が異なっていた。

 

左右非対称だった腕はシンメトリーな細い腕となり、両腕の掌には

ビーム砲の砲口を持ち、両肘部分にもブレードを保持していた。

だが、一番に目を引くのはそこではなかった。元々、

ゴーレムⅢはその背部に羽根つきのスラスターのような物を

肩に接続する形で装備していた。

だが、今の15人が目にしているのは明らかに異なっていた。

 

今のゴーレムⅢは両肩に一個ずつ、なにやら長方形のボックスの

ような物が接続されていた。

箒「あれは、タッグマッチの時に襲ってきた機体。その改修機か?」

疑問を口にする箒だったが、その時。

 

束『改修は改修でも改悪版だけどね~』

 

突然15人の視界に束が映ったディスプレイが現れた。

箒「なっ!?姉さん!?」

束『や~や~や~!お久だね箒ちゃん!それより聞いたよ!

  箒ちゃんいっ君に——』

   『ゴンッ!』

千冬『それは後回しにしろ束』

何かを言おうとした束の後頭部を殴る千冬。

束『ねぇちーちゃん!?ちーちゃんは私の親友なんだよね!?』

千冬『……。あぁ』

束『ちょぉっ!?何その間!?』

と、千冬と束が一緒に居る事に驚いている一夏達を無視しながらコントを

続けている二人。

 

 『ハァ。…まぁ、気を取り直して伝えるけど、いっ君やリュウ君の

  戦ったあれ、実は私が作ったんだよ』

一夏「えぇぇっ!?そうだったんですか!?」

束『いや~。実はあの時いろいろ在ったみたいだしレベルアップ

  がどうのって聞いてたからさ~。いや~、ごめんね♪』

と言って誤魔化し半分にウィンクをする束だったが……。

 

機龍「束」

束『うん?どったのリュウ君』

機龍「とりあえず、その事は後で話すとして、帰ったら……。

   『お仕置き』だからね」

と、おそらく今の機龍が人の姿だったら暗い笑顔、すっごい怖い笑顔を

浮かべていた事だろう。

束『え?え?えぇぇぇっ!?そ、それはちょっとリュウ君!?』

機龍「束、ああ言う乱入って大変なんだからね?学校の先生たちも

   予定が狂うって言って頭抱えてたし、だ・か・ら。

   お仕置きが必要だって思ったの。とりあえず、これが

終わったらお尻ぺんぺん百回ね」

一瞬、彼の言った事が理解できずにほかの14人が硬直した。

 

束『い、嫌だ~~~!お願いリュウ君!それだけは、それだけはやめて~!

  わ、私の地位が、尊厳が、名誉が地に落ちちゃうから~!』

と、マジ泣きマジ顔で懇願してくる束。後ろで千冬が必死に

笑いをこらえていたが、束には気づく余裕がなかった。

機龍「良いけど、もう二度とあんなことしない事。約束できる?」

束『約束します!聖書にでもコーランにでも誓うからお願いそれだけは

  やめて~!』

と、完全に世界1の天才を尻に敷いている機龍。

機龍「うん。それなら良いけど」

と、笑顔で許した様子の機龍。

 

そんな彼の周囲では……。

一夏「なぁ、機龍完全に束さんコントロールしてないか?」

箒「性格が変わったせいなのだろうが、何と言うか」

鈴「ぜ~ったい今の機龍は怒らせたら怖いわよね」

ラウラ「そ、そのようだな」

と、ひそひそ話をしていた一夏達。

 

機龍「それで束。あれは束が作った子たちに似てるけど、どういう事

   なの?」

束『そ、それについては早速説明させて頂きます!

  あ、あれは私が作ったゴーレムⅢをファントムタスクの

  トップである幹部会が改悪した無人機なの。どうやら

  スパイを使ってその設計図を盗んだみたいなんだ』

機龍「成程。……あれ?でも確かISのコアは束にしか作れないんじゃ」

と、ここに来て、世界に存在するISの数が少ない理由にぶち当たる機龍。

そう。コアは束以外には作れない。もはや常識となった全世界の人間の

認識だ。

束『そう。コアはね。でも、言っちゃなんだけどそれ以外に関しては

  もう世界各国で作られるようになってる。だからだけど、

  コアに関する問題さえ解決できればISを配備する事は

  できるんだよ』

シャル「それって、ISを動かせるだけの出力、もっと言えば

    エネルギーがあればいいってことですよね?」

束『そう。あのISは、ダミー・ゴーレム、とでも名付けるけど、

  ダミー・ゴーレムの両肩、ボックス型のパーツが付いてるでしょ?

  あれはもともと、米軍が戦闘機に載せて、敵機やミサイルを

  瞬時に撃ち落とすためのレーザー砲を動かすために

  開発していた新開発の小型のジェネレーター。それをどっかから

  設計図か実物を奪ってきてコアの代わりにダミー・ゴーレムを

動かす動力にしたみたいなんだよ』

箒「それで、奴の性能は?」

束『攻撃力に防御力、機動力もガタ落ち。攻撃にエネルギーを

  裂き過ぎればすぐに電力切れになるし、同じ理由で大した

  量のシールドエネルギーも無い。あんなでっかいのを背負ってる

  時点で機動力も第2世代IS以下。稼働時間も精々30分程度。

なんだけど……』

 

と、その時。1体目のダミー・ゴーレムの周囲の空間が揺らいだかと

思うと、まるで蜃気楼のように光学迷彩で隠れていた何体もの

D(ダミー)・ゴーレムが現れた。

 『数少ないメリットがあるとすれば、物量かな』

 

現れたD・ゴーレムの総数は何と、50体にも上った。

咄嗟に武装を構える一夏達。対して、先頭のD・ゴーレムが

腕のビーム砲を発射しようとした、その時。

   『ドガガガガッ!』

不意に一夏達とは別の方向からの銃撃がその一機に襲い掛かった。

2発、3発程度を受けてから後ろに後退するD・ゴーレム。

後退するD・ゴーレムを見てから、銃声がした方へと視線を移した。

そこに居たのは……。

 

簪「や、山田先生!?」

フィッティングが終了した専用機、R・スペシャル(Rはリヴァイヴの頭文字)を

纏った真耶だった。

真耶「皆さん!お待たせしました!これからは私も参戦です!」

そう言って、手に持っているサブマシンガンを振る真耶。

これで数は16対約50。数なら向こうが上だがこちらは向こうに

後れを取るほどのメンバーはいなかった。

 

但し、万全の状態なら、である。

チラッとだけ後ろのスコール達の方に視線を移してすぐに前を見つめる機龍。

今のスコール達5人はエネルギーが底を尽きかけている。これ以上の

戦闘は危険だと機龍は判断したのだ。

機龍『最悪、スコールさん達を先に離脱させて……』

と、考えていた時だった。

0『全く。君がここまで無能だったとは思いもしなかったよ。

  スコール・ミューゼル』

突如として、数機のD・ゴーレムから加工された男性の声が

聞こえてきた。

 

一夏「声?」

セシリア「で、ですが一体誰の?」

スコール「……。やはりこの無人機達を差し向けたのはあなた

     でしたか。ミスター0」

機龍「スコールさん?」

そんな事を言い出したスコールに対して、振り返る機龍。

真耶「それって一体、誰なんですか」

オータム「……私らはスコールの元で戦ってる。だが、そのスコールに

     命令する奴らが居んのさ。それが幹部会の連中だ。

     だが、スコールにすら素顔を見せないどころか幹部連中でも

     お互いの事を数字で呼び合うくらいの、徹底した秘密主義の

     クソ野郎たちってことだよ」

スコール「付け加えるなら、彼らの数は13人。いえ、0の名前を

冠している彼を入れて14人がメンバーであり、

あのミスター0が実質的な幹部会のトップなのよ」

真耶の呟きに、忌々しそうに吐き捨てるオータムと補足するスコール。

    「それにしてもミスター0。さっきの不意打ちは一体

     どういう事でしょうか?危うく、死ぬところでしたわ」

マスク越しだが、静かに声がするD・ゴーレムを睨みつけるスコール。

 

0『ふ、ふふふ。簡単な話だよ。もはや我々にモノクローム・アバター

  などと言う人間の『駒』など必要ないからだよ』

スコール「つまり、私たちは用済みと言うわけですか?」

0『その通りだ。……何が炎の家系だ。笑わせてくれるな。貴様の

  無能な配下も、そこの出来損ないのクローンもその程度とは、

  貴様の力量も高が知れたと言う物だ』

オータム「んだとこの野郎っ!!」

マドカ「………」

   『ギリッ!』

0の言い方に声を荒らげるオータムと、声こそ出さない物の、奥歯を

ギリッと鳴らすマドカ。

 

 

だが、この時ミスター0は失策をした。

 

 

 

 

 

それは、銀龍の逆鱗に触れた事だった。

 

機龍「駒?なんですか、その言い方」

静かに、機龍の爪が閉じられ、握りこぶしを作っていく。

  「オータムさんやスコールさんが、無能って。

   マドカちゃんが、出来損ないって、どういう意味ですか」

俯く機龍。だが、その近くに居る一夏達は感じていた。

それは、機龍が放つ『殺気』だった。

だが、機械越しにしかその場を見ていない0は気づかなかった。

 

0『所詮彼女たちなど戦う駒でしかない。役に立たない駒は、相手の

  駒を取るための囮にするか、或いは役に立つ別の駒に取り換えるに

  限る。そういう事だよ』

機龍「……れ」

0『新しい駒も手に入った上に、人間以上に従順だ。勝手な行動を

  する人間の駒などより、ずっと良い』

機龍「…まれ」

カタカタと機龍の体が震えだす。同時に、どんどんと濃密になっていく

殺気。そして、それは周囲の者たち、すなわち一夏達やスコール達の

骨身にまで染み渡っていた。

そんな彼女たちだからこそ気づいた。

 

『こいつを本当に怒らせてはいけない』と。

 

だが、そんな事を知りもしない0は更にしゃべり続けた。

0『古く役に立たない駒には、即刻退場願おうか。つまりは、

  死んでもらうのさ』

 

 

 

———プツン———

言ってはならない事を言ってしまった。

 

銀龍の前で、『他人に死を強要』すると言う事は、どういう事か、

今この場に居る者たち全てが思い知る事になるだろう。

 

そう、次の瞬間。

 

 

 

 

 

 

 

 

  「黙れぇぇぇぇぇぇぇッ!!!!!!!!」

   『GAOOOOOOOOOOOOOOON!!!!!!!!!!!!!!』

 

 

 

 

 

 

京都の夕暮れの空に、アリーナでの戦いのとき以上の大ボリュームの、

怒り狂った龍王の咆哮が響き渡った。

天に向かって咆哮した銀龍の頭が、ゆっくりと下に向かって垂れた。

 

 

 

咄嗟の事で、D・ゴーレムのスピーカー越しにその咆哮を聞いた0は

余りの音量に耳を抑えた。

 

 

機龍「……。一つ、あなたに言っておきたい事がある」

俯いていた機龍の顔がゆっくりと上がり、そして、D・ゴーレムの

集団を睨みつけた。

  「命を、誰かの命を道具のように扱うあなたは——」

ギリギリと拳に力が籠る。

  「僕が必ず倒す!!!!!」

裂ぱくの気合と共に機龍の宣言が周囲に響く。

  「スコールさん達は、無能なんかじゃない!

   マドカちゃんは、欠陥品なんかじゃない!みんなそれぞれが

   心を、感情を、想いを持って今を生きている『人間』だ!

   それを、それを駒と見下すあなたを僕は絶対に

   許さない!」

怒気の籠った言葉をぶつける機龍の背中を、オータムやスコール、マドカ

達が見つめていた。

0『……。子供が。偉そうに……!』

そう言って、ブレードを構えるD・ゴーレム達。

 

それを見た機龍は、一夏達の方に向き直った。

機龍「みんな。さっきからお願いばっかりで悪いけど、でも——」

一夏「あいつらをぶっ飛ばすんだろ?良いぜ、俺たちも

   力を貸すぜ」

そう言って機龍の横に並び、雪片を構える一夏。

 

箒「命を駒などと、あの男の腐った性根。私たちが

  叩ききってやる……!」

雨月・空裂を構えた箒がさらに一夏の横に並ぶ。

 

セシリア「先ほどの一言。私も頭に来ましたわ」

スターライトを構えながら、機龍の横に並ぶセシリア。

 

鈴「私、ああいう権力者って嫌いなのよね」

牙月を振り回しながら、箒の横に並ぶ鈴。

 

ラウラ「私も奴に兵の何たるかを叩き込んでやりたい気分だ」

レールカノンの狙いをつけながらセシリアの横に並ぶラウラ。

 

シャル「僕もああいう偉そうな大人って、大っ嫌いなんだよね」

ガルムを構えたシャルロットが、鈴の隣に並ぶ。

 

簪「さっきの言い方。私もカチンときたよ」

そう言って、夢現を構えながらラウラの横に並ぶ簪。

 

楯無「そうね。お姉さんは怒らせると怖いけど、今はそれ以上に

   激怒モードなのよね!」

叫びながら、蒼流旋を構えてシャルの隣に並ぶ楯無。

 

モーラ「命を駒と呼ぶなど!我が真名にかけて、悪しき者を

    この手で討ちます!」

ツインウイングスを構えながら簪の横に並ぶモーラ。

 

真耶「私も今日はやっちゃいますよ!」

マシンガンを手に持ちながら、モーラの横に並ぶ真耶。

 

 

これで、京の空に11人の戦士達が集まった。

 

彼、彼女たちの思いは一つ。それは『怒り』だ。

 

怒り。それは本来負の感情と言える物。

 

だが、しかして今の彼女たちを動かすのは『純粋な怒り』

 

恨みや私怨ではなく、命を弄ぶ悪魔への怒り。

 

悪しき者を打ち倒すために、自分自身を鼓舞させるための怒り。

 

今、悪魔の下僕たる機械人形を倒すために彼らの魂が荒ぶる。

 

 

 

機龍「僕の願いは変わらない。それでも、今の僕はあなた達だけは

   許せない!僕の名に懸けて。……怪獣王の名に懸けて、

   あなたを討つ!!!!」

ゴジラ『へっ!そうだなぁ。ああいう人間は、俺たちが一番嫌いな

    人種だからなぁ!』

機龍の中で、彼の相棒たるゴジラも憤っていた。

 

そう。0は怒らせてはいけない王を怒らせたのだ。

   『やるぜ相棒!』

機龍「僕たちは、あなたなんかには、絶対に負けない!!!」

 

機龍の宣言が再度響く。負けられないと言う思いが、11人の心に

響く。

 

そして、それぞれの正義や思いを胸に、無数の悪魔に立ち向かおう

とする戦士の、否、騎士たちの思いは重なり合い、昇華していく。

 

そして、重なり合った『魂』の『絆』は、新たな力を生み出した。

 

 

   『ヴァァァァァァァッ!』

機龍「ッ!これは!」

次の瞬間、機龍の体が黄金色に輝き始めた。そして、その輝きはまるで

黄金の奔流とでも言うように周囲に広がって行った。

 

一夏「機龍が、光ってるのか?」

次第に周囲に広がっていく光の帯。しかし、その光たちは進路を

変えると一夏達10人に向かって行った。そして、その光の帯は

一夏達の元にたどり着くと彼らの体全体を優しく、球形状に包み込んだ。

さながら、見えていなかった球形のシールドが黄金の光を放ち

人の目に見えるようになった、とでも言えるだろう。

そして、その黄金のエネルギーは一夏達と機龍を繋ぎ、更なる力が

機龍から10人へと送り込まれた。

 

と、その時10人の前に新たなディスプレイが現れた。

 

 

   『≪G-PATH≫、ALL・CONNECTING』

それぞれの機体から電子音性が発せられ、ディスプレイの文字を

読み上げていく。

一夏「G、パス?この光の事なのか」

   『ALL・LIMITER、SYSTEM・CUT』

箒「これは!」

更に単語が浮かびあがっているのとは別のディスプレイが無数に現れ、

機体に掛けられていたリミッターを尽く解除していった。

   『SYSTEM、OVER・DRIVE』

次の瞬間、一夏達の眼前に現れたエネルギー系のメーターのゲージが、

振り切れた。

シャル「エネルギーが、全部回復していく」

セシリア「それだけではありませんか。何というか、体の奥底から

     力があふれてくるような。そんな感じがしますわ」

簪「これって、あのアリーナの時と、同じ。ううん。それ以上」

 

そして、その様子は停車していたモノレールのいた千冬や生徒達も

見ていた。

千冬「あれは……」

一人、窓から見える金色の光を見つめながら呟く千冬。

そして、その呟きに答える人物が居た。

束「目覚めたんだよ。リュウ君の新しい力がまた一つ」

と言いながら、座席に一つに座りつつパソコンを操作していた束。

そんな彼女の言葉に、千冬や近くに居た生徒達の視線が束に

集まった。

 

千冬「機龍の新しい力、だと?」

束「そう。……君たちも見たでしょ?夏の臨海学校の時に負傷した

  リュウ君の『傷』を」

傷。その単語を聞いた何人かの生徒が俯いた。

 

あれは今から数か月前。当時臨海学校として海へ行っていた一夏と機龍達に

命じられた暴走した軍事IS、銀の福音の討伐作戦。が、白式、紅椿、

銀狼の3機で初戦を臨んだが、敗北。しかもその際、機龍は腕や顔側面を

抉られるほどの重症を負い、その内部にある『機械のパーツ』を

大勢の生徒に見られてしまっていた。

結局、それはその後に機龍がウェディングドレスの恰好で現れた、と言う

事で大半の生徒たちの記憶を上書きする結果になった。だが、忘れては

いなかったのだ。

 

束「覚えてる子もいるよね?そう。リュウ君は生粋の人間じゃない。

  敢えて言うなら、リュウ君はサイボーグなんだよ」

その言葉に沈黙する生徒達。

 「でもね。要はそこなんだよ。リュウ君の可能性は」

千冬「どういう意味だ?」

束「今のリュウ君はそう。人であり、機械だ。いや、身も蓋もない言い方を

すれば、人の心を持ったロボットだよ。でも、だからこそリュウ君に

出来て他の誰にも出来ない事がある。

それは……。『人』と『機械』を繋ぐ、言うなれば繋ぐ者、

二つをリンクさせる者、『LINKER』」

千冬「機械と人を繋ぐ者か。で、あれはその『リンカー』とやらの力

   で成されているのか?」

束「そうみたいだね。……リュウ君がいっ君達と繋いできた絆は、

  本物だよ。そして、その心の、本当の絆、そうだね。

  魂の結びつき、『魂の絆』は誰にも壊すことはできない。

  そして、今その結びつきの強さが、本当の力になる。

  魂の絆によって呼び起こされた力が、全ての鎖を

  引きちぎる」

そう言って、座席から立ち上がり、窓に歩み寄ってじっと、黄金の

光に包まれた11人を見つめる束。

 「リュウ君は今、ISの中に掛けられてるリミッターの殆どを

  解放してるんだよ」

千冬「リミッターだと?」

束「そ。ISの限界ってのは実はまだまだ上なんだよ。でも、

  本気で高機動をしようとしたらISに乗ってる人間の

  内臓や骨はグチャグチャのシチューになるか、粉になるまで

  バラバラになって終わりなんだよ。武装に関しても、今は

  万が一のために出力が抑えられた状態になってるけど、

  見て。全部解放されてるね」

そう言って、一度座席のパソコンを見てから千冬にそれを渡す束。

渡されたパソコンの画面には……。

 

    『All・System、Activate』

 

と、単語が浮かんでいた。

 「リュウ君と絆を紡いだ者たちだけが至れるISの最高点。

  それは、リュウ君って言う王様から与えられた恩恵。

  あれがそのリュウ君の力の一端って事だよちーちゃん」

ゆったりとした足取りで車内を歩き回る束。その先に居た生徒達は

静かに道を開け、話し続ける彼女に視線を送り続けた。 

 「人であり、機械だからこそ、その両者を繋ぐ。

  それがリュウ君の持つ異様であり、絶対の力。

『エクストラアビリティ』」

静かながらも、土壇場での新たな力の発現に興奮を秘めた彼女の

言葉が車内に響く。

 「そして、その力によって全てのパワーを開放された

  今のいっ君達の白式たち。それはISを超えたIS。

  ISの強化形態、その名も、≪モードAA(ダブルエー)≫」

一度千冬に視線を送ってから、薄っすらと笑みを浮かべて再び窓の

外を見上げる束。そして、傍にいた千冬や生徒達もそれに続き、

太陽の如き輝きを発する機龍と一夏達を見上げていた。

 「また、新たな力が生まれた。ホントに君はスゴイよ。

  リュウ君」

と、彼女は静かに、そして、母親のような柔和な笑みを

浮かべながら呟くのだった。

 

 

そして、先ほどまでディプレイが浮かび上がっていた一夏達の

眼前に、また新たなディスプレイが現れた。

 

   ≪All the chains are removed.≫

   『全ての鎖は外された』

一夏「え?鎖って」

楯無「きっと、私たちのISに掛かっていたロックの事よ」

驚く一夏に説明する楯無。そして、再び文字列は変わっていく。

   ≪Released the power.≫

   『解放されし力』

   ≪It is thy from of sword and the Overthrow the evil.≫

   『それは汝らの剣と成りて、悪しき者を打ち倒す』

   ≪fight≫

   『戦え』

   ≪Into my own soul≫

   『己が魂の赴くままに』

 

簪「これって、ISからの、メッセージなの?」

ラウラ「分からない。ISには意識があると聞いた事は

    あるが……」

と、困惑する簪やラウラ。

モーラ「ですが、一つだけわかる事があります」

しかし、一人モーラは不敵な笑みを浮かべた。

   「少なくとも、今の私たちはパワーアップしていると

    言う事です!」

そう叫び、ツインウイングスを構えるモーラ。

一夏「何かよくわかんねえけど、確かにそうらしいな!」

雪片を握り直す一夏。他の者たちも、確かにと頷き、己が

武器を構える。

そして、最後の一文が11人の前に映し出された。

 

 

 

 

 

   『エクストラアビリティ。

≪スピリッツオブネクサス≫。発動!』

 

 

その一文が出た、次の瞬間。

 

機龍「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

   『KYUAAAAAAAAAAAN!!!!!』

特大な銀龍の咆哮と共に、11人が悪しき者の傀儡集団めがけ、

突進していった。

 

 

 

京都の空を舞台に、戦いの第二幕の火ぶたが切って落とされた。

 

     第25話  END

 




新しい力に関しては後でキャラ紹介のところに詳しく
記載しておきます。
また、この作品のあとの機龍の異世界旅の話について
ですが、個人的にはマブラヴの世界だけでなく、
進撃の巨人やマクロスF、戦姫絶唱シンフォギア
と言ったバトル系アニメとの連続クロスオーバーを
予定しています。
まぁ、要は私の願望通り、死亡フラグをつまようじのように
へし折らせまくりたいがための作品になりそうです。

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