インフィニット・ストラトス 鋼鉄の銀龍    作:ユウキ003

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今回はアニメ第二期第10話がベースです。
ですが、後半のセシリアの料理の話はカットしました。


インフィニット・ストラトス 鋼鉄の銀龍 第22話

~~前回までのあらすじ~~

相次ぐ専用機を狙った強奪事件に対応するため、専用機持ち同士の

練度アップを目的としたタッグマッチが行われた。だが、

当日に謎の無人IS『ゴーレムⅢ』12機が襲来した。

追い詰められる機龍と一夏達だったが、機龍の放った激励の咆哮に

よってモチベーションを持ち直した彼ら10人は見事に

これを撃退したのだった。

そして、簪も姉、楯無との長年のギスギスした関係にも、

無事終止符が打たれたのだった。

 

やがて、ゴーレムⅢの襲撃から数日後。

今、一夏と機龍はある部屋に呼び出されていた。しかし、二人の

表情は真逆と言って良い状況だった。

いつも通り、笑みを浮かべている様子の機龍と、絶体絶命を

顔に書いたような表情の一夏。

今、彼らは教室よりも小さな部屋、『保健室』の一角に待機していた。

 

別に一夏と機龍のどこが悪い、とかそういうわけではないのだが……。

 

 

~数十分前~

 

襲撃事件から数日後のある日。結局、あの後タッグマッチトーナメントは

ゴーレムⅢの襲撃により中止となった。

が、それ以降目立った敵襲もなく、数日は平和な学園生活を

送っていた一夏と機龍達10人。今では生徒会長である楯無も

機龍の『詳細』を知り、一夏達も彼女がその詳細を知った事を機龍や

簪の口からきいた。そして、あの戦い以降はよく10人で集まることも

多くなった。

 

そして、そんなある日の朝のSHRの時間だったのだが……。

千冬「さて、唐突ではあるが、今日は授業の予定を急きょ変更し、

   全学年全生徒を対象に身体測定を行う事になった。時間は今から

   一時間後だ。一年から始まるから、まずはこのクラスからだ。

   移動の準備をしておくように。以上」

そう言うと、歩き出す千冬。

一夏「身体測定か~。急だよな」

機龍「そうだね。あ、でも僕たちはどうするんだろ?僕たち男だし」

一夏「う~ん。女子が全員終わってからじゃねえか?」

などと話していた時、出ていきかけていた千冬が足を止めて

振り返った。

千冬「と、忘れる所だったが、織斑、それと機龍はすぐに

   保健室に行け」

一夏「え?俺たちから最初にやるんですか?」

千冬「違う。お前たちが身体測定の測定員だ」

一・機「「………。え?」」

と、二人は疑問符を漏らすのだった。

 

~戻って現在~

冷や汗を流し、納得できないと言いたそうな一夏。

そして、機龍はと言うと。

   『シュルシュル』

と、一夏はカーテンで区切られた隣の方に視線を移した。

一夏「機龍、着替え終わったのか?」

機龍「ん、もう少し」

一夏は、カーテン越しに見える着替える機龍のシルエットを

見つめてからため息をついた。

 

~再び時間は巻き戻って数分前~

一夏「……。なんだって俺たちが測定員になんか」

機龍「僕はその、元が機械だからそういうのは得意だけど、

   でもそれを知っているのは一夏お兄ちゃんたちだけの

   はずだし。なんでだろうね?あれ?」

と、言いながら二人で歩いていた時だった。不意に立ち止まる機龍。

一夏「ん?機龍、どうし、たっ!?」

   『ドドドドドドドドッ!』

何やら後ろの方から地鳴りのような足音が聞こえてきた。しかも、

よく見ると巨大な煙がこっちに向かって突進してきていた。しかし。

   『キキキキィィィィィィッ!』

その煙は二人の前で急停止した。

やがて、煙が収まると、そこから3年生の女生徒が息を切らした状態で

現れた。その生徒を見て、ある事に気付いた一夏。

一夏「あ!あなたは服飾部の部長の!」

部長「ハァ。ハァ。機、機龍君。実は、さっき、機龍君が、身体、

測定の、ハァ。測定、するって、聞いて。あ、脇腹痛い」

と、その様子からどうやら陸上選手顔負けの速度で走ってきた事に

驚きつつ苦笑いする一夏。

  「そ、それで、わ、私たちが、機龍君用、の、い、衣装を」

そう言って紙袋を差し出す部長さん。

機龍「そうですか。ありがとうございます」

と、笑顔で受け取る機龍だが、その横で一夏は気づいていた。

部長である女生徒の目は血走り、呼吸は乱れている。

一夏『あれ、絶対走っただけで乱れてるわけじゃなさそうだな』

と、心の中で思いながら一夏は苦笑いするのだった。

 

~再び戻って現在~

やがて着替え終わった機龍がカーテンを開けて一夏の方へ来た。

そんな彼の姿と言うのが……。

 

 

 

———薄いピンクのナース服に小さな白いナースハット。

   そして、股下ギリギリの極短の薄いピンクのスカート姿だ——

 

———しかも、その頭と腰からは機龍が以前手に入れた能力、

   猫化能力によって生やせるようになっていた銀色の耳と尻尾が

   伸びていた———

 

機龍・ケモ耳ナース風男の娘ヴァージョン(謎)である。

 

機龍「どうかな?似合ってるかなお兄ちゃん」

そう言って一夏の前でターンする機龍。しかし。

   『フワッ!』

一夏「ッ!!あ、あぁ、似合ってると、思うぞ」

そう言いながら咄嗟に視線をずらす一夏。

 

今、機龍がターンした事で僅かに機龍の白い下着(女物)が

見えたため、一夏はドギマギしていた。

  『あ、あの部長。なんだって下着まで。って言うか機龍も

   何普通に履いてるんだよ』

と、心の中で突っ込んだ。

機龍「お兄ちゃん、顔が赤いけど大丈夫?」

と、一夏の顔が赤い事に気付いた機龍は一夏の前に回り込んで

俯いている一夏と視線が合うようにその場に屈んだ。

一夏「あ、あぁ大丈夫だから気にするな!」

  『あぁもう。……なんで俺は機龍にドキドキしてるんだ!

   機龍は男だぞ男!それを』

と、考えていたのだが。

機龍「お兄ちゃん、ほんとに大丈夫?……ちょっとおでこ貸して」

一夏「あぁ。……ん?何?」

と、曖昧に返事をして、気づいたときには遅かった。

   『ピトッ』

 

機龍は自分のおでこを一夏のおでこにくっつけた。

  「な、なな、な!」

今、機龍の黄色い瞳が文字通り一夏の眼前に迫っていた。

バクバクと一夏の心臓が早鐘を打つ。

機龍「う~ん。熱はないみたいだね」

そう言って顔を離しながら耳をピクピクと動かす機龍。

一夏「お、俺は大丈夫だから。機龍は測定の準備をしててくれ」

機龍「うん。わかった」

と言うと、機龍はカーテンの向こう側に消えていった。

一夏「……。ハァ」

  『機龍は相変わらず元気だが、なんか機龍って女としても

   十分やっていけそうだよな~。と言うか、俺だけドキドキ

   しててあいつは平気って。……おかしいのは俺だけか?』

なんて思っていた一夏だった。

 

真耶「ごめんなさい。遅くなってしまって」

と、そこに真耶が測定用のメジャーを持って現れた。

  「はい。機龍君と織斑君」

そう言ってメジャーを差し出す真耶。

機龍「ありがとうございます」

一夏「……」

笑顔で受け取る機龍と、無言で受け取る一夏。

 

  「山田先生。……どうして俺たちはこうなったんですか?」

真耶「どう、と言われても。知っての通り先日の襲撃事件がありました。

   そこでISスーツの強化を行うために各生徒のより厳密な

   フィジカルデータが必要なんです」

一夏「いや!そこは俺も分かります!問題は何で俺と機龍が測定員

   になってるんですか!?」

機龍「確かに。今更ですが、やはりこう言った事は医師や看護師と言った

   慣れている方の方がいいんじゃありませんか?」

真耶「私もどうかとは思ったんですけど、生徒会の決定事項だそうですよ」

一夏「なっ!?」

機龍「生徒会?僕たち、何も聞いてませんでしたけど……」

驚く一夏と首をかしげる機龍。そして、一夏の頭の中には黒いオーラを

纏った楯無の姿が浮かんでいた。

 

一夏「何を考えているんだこの学園は~~!」

彼の悲痛な叫びが保健室に響いた。が、その時。

千冬「何を騒いでいるんだ貴様は」

一夏「あ、千冬姉!いでっ!」

と、咄嗟に名前で呼んだばかりに叩かれる一夏。

千冬「織斑先生だ。貴様は人に任された仕事も満足にできんのか」

一夏「いや!これは明らかに違う!嵌められたんだ!」

と、何やら力説している一夏と、そんな弟を見て眉を顰める千冬。

 

で、二人が何やら言っていた時だった。真耶は廊下の外に近づく

生徒達の足音に気付いた。

真耶「どうやら最初の子たちが来たみたいですね。機龍君、生徒達を

   中に入れてあげてください」

機龍「はい。わかりました」

 

そう言って、保健室のドアを開けた機龍。

そして、外で並んでいた生徒達の視線が一斉に音がした方、入り口の

方に向けられた。その視線が、ケモ耳リアルナース姿の機龍に集まった、

刹那。

 

   「「「「「「「「「「うぅっ!!!」」」」」」」」」」」

以前から鼻血を流しまくってるせいか、ある程度耐性がついたのかで

吹き出しそうになる鼻血を抑える生徒達。

機龍「お待たせしました。それでは検査を始めますから、中へどうぞ」

と、本物のナースのように生徒達を中へ促しながらスカートを翻し

歩き出す機龍。しかし。

   『フワッ!』

機龍自体、自分が際どい物を履いている事に気付いていないのか、スカートが

浮いてもなんのその、と言った感じで、女生徒たちに下着をもろに見られて

しまった。で、どうなったかと言うと……。

 

女子「もう、無理」

   「「「「「「「「「ぶっはっ!」」」」」」」」」」

結局、耐えきれずに盛大に鼻血を吹き出したのだった。

 

その後、何とか止血した生徒達は機龍に促されて保健室に入った。

真耶「それではこれから、織斑君と機龍君に身体測定をしてもらいます。

   二人はカーテンの向こうで待っていてください。

   女子の皆さんは、早速上着を脱いで下着姿になってください」

機龍「はい」

女子「「「「「「「「「は~い!」」」」」」」」」」

一夏「は、はい」

普通に返事をする機龍・嬉しそうに返事をする女子たち・諦め顔で返事をする一夏。

と、三者三様の返事をするのだった。

 

で、一夏と機龍は測定員として測定する事になり、真耶は一夏の記録を

記入し、機龍は一人で測定する事になった。

 

機龍「それじゃあ、2番の方、どうぞ~」

女子「は~い」

と、元気な声が返事が聞こえ、カーテンを開けて白い下着姿の

黒髪ロングの女子が入ってきた。そして機龍は彼女のその姿に心臓を

ドキッとさせるも、できるだけ平静にいるように努めた。

機龍「え、えっと。それじゃあお名前と番号を確認します。

京子「は~い。出席番号2番、朝井京子です。測定お願いね、

   機龍君♪」

と、両手を使って、胸を寄せて押し上げる京子。

その仕草に、機龍は危うくあそこを大きくしかけてしまった。

機龍「そ、それじゃあまずは胸囲や腰回りの測定を始めますね!」

半ば誤魔化すように顔を赤くしながらメジャーを取り出す機龍。

  『うぅ、なんだろ。さっきまでは全然意識してなかったのに、

   いきなり下着姿の人を前にすると……。ってダメダメ!

   そんなこと考えてる場合じゃないでしょ僕!』

雑念を振り払うように首を振ってから京子と向かい合う機龍。

  「えって、じゃあまず胸囲から測りますから、腕を

   肩の高さまで上げてください」

京子「は~い」

機龍の指示に従い、両手を左右に挙げる京子。そして、機龍は

メジャーを取り出して測り始めたのだが……。

   『ムニュン』

  「あん♪」

メジャーが敏感な所に当たったのか、僅かに甘い声を漏らす京子。

それに対して、機龍は……。

機龍「あ、い、痛かったですか?」

  『深く考えるな深く考えるな深く考えるな深く考えるな深く考えるな

   深くふかふかかかかふかくくくかかか』

と、できるだけ冷静でいようとしたが逆にショート寸前まで行ってしまった。

しかし、その時だった。

 

清香「ひゃぁっ!」

隣の場所から、何やら卑猥な声が聞こえてきた事で、機龍は頭を被り振った。

更に頬を両手でパンパンと叩き、先ほど千冬が一夏に言っていたこと、

『仕事』と言う単語を思い出した。

 

その後、一夏が箒とシャルロットにしばかれている声が聞こえたが、

機龍はずっと仕事の単語を頭の中に思い浮かべながら目の前の女子の

各種測定を行っていた。

 

しかし……。

機龍『これは仕事これは仕事これは仕事これは仕事………』

  「………」

真耶「機龍君、少しいいですか?」

サーッとカーテンを開けて入ってくる真耶。しかし、機龍は無言で

メジャーを握りしめたまま真耶の方を向こうとはしなかった。

  「あ、あの~。機龍君?」

機龍『これは仕事これは仕事これは仕事これは仕事これは仕事

これは仕事』

真耶「き、機龍君?」

彼の目の前で手を振る真耶。しかし反応はない。

  「う~ん。集中しているのでしょうか?……あ、こういう時は」

そう言って機龍の後ろに回り込んだ真耶。

彼女は機龍の後ろ、丁度猫耳の辺りまで頭が来るように屈むと……。

  「ふぅ」

機龍「ッ!みゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

敏感な耳に息を吹きかけられたびっくりして立ち上がり、猫のような悲鳴を

上げた。

そして座っていた椅子から慌てる猫のように転げ落ちた。

真耶「あぁ!ご、ごめんなさい機龍君!大丈夫ですか!?」

慌てて倒れた機龍に手を差し出す真耶。

 

機龍「は、はい。こちらこそすみません。ずっと考え事をしてて」

彼女の手を取って立ち上がる機龍。

  「それより何かあったんですか?」

真耶「あ、あの。実に言いにくい事なんですけどね。実はその。

   お、織斑君が篠ノ之さん達に怒られて、気絶してしまって

   ですね。き、機龍君に残りの、と言うか全生徒の測定を

   お願いすることに」

機龍「え?……つまり、残りの全生徒の事を、僕が、測るんですか?」

真耶「は、はい。……そうなります」

と、申し訳なさそうな表情を浮かべる真耶。

 

対して、機龍は……。

今まさに、彼はこの世界で最大級のピンチを感じていた。

 

この今の世界、ISの世界へと転生した初期の機龍ならその頭には

性欲のせの字もなかっただろう。

だが、簪、ラウラ、セシリア達と言った美女たちと愛し合ってしまった

今の機龍は否応なく女性の放つ甘い香りにあそこが反応してしまうのだ。

 

学園の全生徒数は多い。1学年だけでも100以上は届く数を3年分。

つまり少なく見積もっても300人以上、或いはそれ以上の数の下着姿の

少女たちを前に、機龍は自分の中の欲望を抑えられるか、

自信がなかったのだ。

そして、彼の取った行動と言うのが……。

 

 

機龍『ゴジラ~!助けて~!』

精神世界の同居人、ゴジラに助けを求める、であった。

ゴジラ『うぉい!こんな時に俺を頼るな!大体お前今まで俺に一度だって

    頼った事ねえだろ!?』

機龍『だって、だってこのままじゃ、僕、僕、自分を

   抑えられないよ~!』

と言って精神世界のゴジラの前で泣き出す機龍。

ゴジラ『知るか阿保ッ!大体俺にどうしろってんだよ!?

    俺はお前みたいに数を測るのなんざできねえからな!?』

機龍『で、でも~!』

ゴジラ『だったら目にサーモグラフィーでもかけて逆に女を

    まともに見ないようにするとかあんだろ!?それに、我慢できねえ

    って言うなら夜にあの3人の誰かにでも相手してもらえ!』

とだけ言い残すと、ゴジラは更に奥の深層意識に潜って行ってしまった。

 

 

仕方なく意識を現実に戻す機龍。

機龍「わ、わかりました。できるだけ、やって、みます」

 

その後、機龍は自身の中の煩悩を必死に抑え込みながら、午前中すべてを

使って全校生徒の身体測定を行ったのだった。

そして、昼休み。

  「………」

   『グデーーン』

教室の自分の机の上に突っ伏す機龍。

 

ラウラ「だ、大丈夫か機龍」

機龍「ご、ごめんお姉ちゃん。正直、もうダメ。あ、頭の中にみんなや先輩

   達の姿が焼き付いちゃって」

モーラ「流石にあんなことをしたのでは、疲れますよね」

今、彼の頭の中には大勢の女生徒たちの下着姿が映し出されていた。

と言うか、一夏が清香の測定すらできずにいたため、結局機龍が

全校生徒の身体計測を行ったのだった。

 

白に桃色、水色、更には黒と様々な色や形の下着の少女たちの姿が頭に

焼き付いて消えない機龍。あの時は極短のスカートを穿いていたため、

あそこが大変な事にならないようにしていたが、今は少し悶々としていた。

と、そこへ一緒にお昼を食べようと簪がやってきた。

 

一夏は箒、鈴、シャルとお弁当を持って屋上へと向かい、

機龍は簪、ラウラ、セシリア、モーラと共に学食の方へと

向かった。

だが、機龍は生徒達とすれ違う度に検査の時に見た下着姿を

思い出してしまった。

 

超天才級の頭脳を持つ機龍は、身体測定の際に個人の顔写真付きの

ファイルを見ながら検査を行ったため、もうその頭の中に学園全て

の女生徒の顔と名前、そして、検査の時の下着が鮮明に、

パソコンに保存されている画像のように、はっきりと、

フォルダに収めているように、記憶されていた。

 

彼は今この時だけ、こんなにも記憶力の良い頭を呪った。

おかげですれ違う生徒全員の下着姿が頭の中に思い起こされ、

ムラムラとした感情が押し寄せてきた。

そんな時だった。

 

モーラ「機龍、大丈夫ですか?」

俯く彼の顔を覗き込むモーラ。

機龍「あんまり、大丈夫じゃ、無い、かな。正直、刺激が強すぎて、

   逆に体が、その」

ラウラ「湧き上がる衝動を抑え込もうとして、逆に体調を壊している。

    そんな風に見えるぞ?」

機龍「その通り、なのかも。何て言うか、その、み、見ちゃった記憶の

   せいで、その」

と言って顔を赤くしている機龍。それを見たモーラが……。

モーラ「……仕方ないですね。機龍、それと簪さん、セシリアさん、

    ラウラさん。今日の夜私のお部屋に来て下さい」

簪「私たち4人がですか?でも、それだと」

モーラ「大丈夫です。私、人数の関係上二人部屋を一人で使わせて

    貰っているんです。ですからご安心ください」

と、言うのだった。

 

そして、その日の夜。それぞれが私服やら寝巻やらでモーラの

部屋にやってきた。

   『コンコン』

モーラ「あ、はい。どうぞ~」

先頭を歩いていた機龍が部屋のドアをノックすると、中からモーラの

声がして彼らを招き入れた。

機龍「お邪魔します」

ドアを開けて中に入る機龍達。部屋の中では桃色の和服を着たモーラが

机に向かって読書をしていた。本にしおりを閉じてから立ち上がった彼女は

機龍達の方へ視線を移した。

 

モーラ「皆さんいらっしゃいましたね」

ラウラ「それで、私たち4人を呼び出してどうするつもりだ?」

各々ベッドや空いている椅子に腰かける機龍や簪たち。

モーラ「それはもちろん、私たちで機龍とするんですよ」

簪「す、するって、何をですか?」

モーラ「決まってるじゃないですか。夜伽ですよ」

それを聞いた瞬間、その意味を唯一わかる簪の顔が真っ赤になった。

 

簪「よ、よよよ、夜伽って、エッチな事じゃないですか!」

と叫ぶ簪。それによって夜伽の意味を理解したセシリア、ラウラ、

そして機龍の顔がリンゴかトマトのように真っ赤になった。

モーラ「はい。そうですけど、何か問題でもあるのですか?

    私的には、もうすでに皆さんは機龍と一夜を共にされている

    と思ったのですが……」

それを聞いた瞬間、簪たち3人はそれぞれの初夜の事を思い出して

更に赤面した。

 

   「どうやら図星のようですね」

そう言うと、モーラは天井の明かりを消した。今は、ベッドの横の

ライトが光り、僅かな光源となっていた。

   「無論、無理にとは申しません。が、私はやる気十分ですよ」

そう言って和服の帯紐を外すモーラ。

   「さぁ、皆さんは、どうなさいますか?」

その問いを聞き、視線を機龍に集中させる簪たち。

 

機龍は今、顔を赤くしながら和服の隙間から見えるモーラの肌を凝視

していた。誰の目にも、機龍の中の獣が爆発寸前なのは確実だった。

そして、簪たち3人はゆっくりと頷いた。

 

※ ここから先はR18の方に投稿します。

 

 

少し浮世絵離れした少年少女たちの日常。そして、学生にとっては

体育祭や学園祭にも並ぶビッグイベントが機龍達に迫っていた。

 

だが、彼らは知らない。それがまた、一つの転機になる事を。

 

一つのファクターで目まぐるしく変わる物語。

そのファクターは、オリジナルにどんな変化を促し、どのような

『アナザーストリー』を紡ぐのか?

 

やがて、物語は大きく変わりだすのだった。

 

     第22話 END

 




次回からは京都編のお話ですが、私的にはアニメ設定と
原作の設定を混ぜて、生徒達の修学旅行が行われている裏で、
亡国企業の掃討作戦が行われている、と言う感じにしようと
思っています。
それと、余談になりますが、以前同じようにあとがきに書いた
機龍を更に異世界に行かせて死亡フラグをへし折らせまくる
話は書く方向に決まりつつあります。この話、鋼鉄の銀龍も
京都編を書いてから更にオリジナルの決戦編を書いて
終了になるかもしれません。
コメント、評価など、お待ちしております。

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