インフィニット・ストラトス 鋼鉄の銀龍    作:ユウキ003

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今回はアニメ第1期のOVAの話で、自分の時系列で行くと
1期OVA⇒機龍とセシリア達の閑話⇒第2期1話、という感じです。
小説の4巻の方だと時系列がバラバラでよくわからなかった気がするので、
上記のような順番になりました。

※追記
 機龍とヒロイン達のR18に興味あるって人いますか?
 いたらコメントください。


インフィニット・ストラトス 鋼鉄の銀龍 OVA編

~~前回までのあらすじ~~

暴走した銀の福音≪シルバリオ・ゴスペル≫を止め、パイロットとコアを

無事救出した一夏と機龍たち そんな中で、機龍はもう一人、転生し人となった

怪獣≪モスラ≫と再会を果たした お互いを認め合い、

それぞれがこの世界で生きていくと決めた機龍とモスラ  

 

そんなこんなで時間はあっという間に過ぎ去り、学生のビッグイベントともいえる

夏休みがやってきた

 

夏休み、一夏は一時帰宅を許されずっと整理されていなかった自宅へと戻り、

残りの機龍や簪、シャル、箒たちは学園の自室で休日を過ごしていた

セシリアは近いうちに母国へと帰国すると言っていたし、

ラウラも同じように一度、自分の所属するドイツの黒ウサギ部隊に戻るらしい

 

しかし、機龍はやる事も無く部屋でゴロゴロとしていた

部屋に据え置かれたパソコンはあくまで授業やISについての作業しかできないため、

ネットへのアクセスはできない だからと言って簪と一緒に居る事が退屈、

と言う訳ではないがやることが無いので時間と力を持て余していたのだった

機龍にとっての勉強は言ってしまえば復習と同じなのだ。

数学や理系、英語については機龍は大抵の事は理解している

国語も、簪に教えて貰っているためある程度の事は理解できた

勉強と言う行為も、機龍にとっては刺激的な事だったが、夏休みの宿題は

数日の内に終わらせてしまった ゲームやスマホの類も機龍は持参しておらず、

あるのは普通のガラケーだけだった しかも、学園内では不用意な使用は

厳重注意の対象となっている そのため、生徒たちの大半は

遊ぶとなれば学園の外に出ていくのが常なのだ

 

そのため、機龍は起きて朝食を取った後、何をしようかと迷っていたのだった

外は焼けるように熱く、機龍ならその程度の熱さはどうという事も無いが、

ただ一人で外に出て汗をかくだけ、というのも結局は不快な感覚でしかなかった

 

結果……

機龍「今日は、何しよう……」

このように呟きながらベッドに横になっていたのだった

簪「機龍……あ、あのさ。」

そんな時、机のパソコンで作業をしていた簪が振り返った

機龍「何?」

簪「もし、良かったら、私と一緒に、その―――」

と、簪が何か言おうとした時だった

   ≪コンコン≫

急にベランダの窓がノックされた 二人がそちらを向くと、

そこには一本腕でヘリコプターの回転ローターを備えた無人機が飛んでいた

別段驚くことも無く機龍がベランダに出ると、その無人機はぶら下げていた

箱をベランダに落として何処かへと飛んで行ってしまった

 

しばし無人機を目で追っていた機龍は、すぐに落としたものが気になって

それを部屋の中に運んでから窓を閉めた

簪「機龍?それ何?」

機龍「何だろ、開けてみるね。」

そう言って箱を開けてみると、そこには『スイカ』が入っていた

  「これって……」

簪「あ、それはスイカだよ。日本の夏によく食べる夏野菜だよ。」

機龍「え?スイカって果物じゃないの?」

簪「ううん。スイカは野菜の仲間に分類されるんだよ。……でも、

  誰がスイカなんて……あれ?これって、手紙?」

と、スイカの間に挟まっていた封筒を見つけ、拾い上げる簪

その表には『リュウ君へ!愛を込めて!束より!』と書かれていた

 「これ、篠ノ之博士が送ってくれたみたいだね。」

機龍「そうなんだ。……でも……」

と言って箱の中を覗き込むが、そこには大きなスイカが3玉も入っていた

  「この量は僕達だけじゃ食べきれないよね。」

簪「そうだね。私達だけなら一個で十分だし……どうしよっか?」

機龍「う~ん……一個は食堂の人達に渡して、夜にでもデザートとして

   振る舞ってもらおうよ。あと一つは……一夏にでも持って行こうかな?」

簪「織斑君に?でも、確か…今は家に戻ってるって聞いたよ?」

機龍「そうだね。…一夏に連絡してみる。」

と言ってケータイを取り出し、一夏の番号に掛ける機龍

数秒後

一夏『はい。織斑です。』

機龍「あ、一夏。僕だよ、機龍だよ。」

一夏『あぁ機龍か。どうした?何か用か?』

機龍「実は、ついさっき束からスイカが届いたんだけど、多くて僕達だけじゃ食べきれない

   んだ。それで、一つを一夏におすそ分けしようと思ったんだけど、

   今からそっちに行っても大丈夫かな?」

一夏『今からか……あぁ、別に良いぜ。今日は予定もないし、あぁ、俺の家の

   住所は……』

 

その後、一夏の住所を聞いて調べた後、機龍は簪と共に織斑家に

スイカを届ける事になった

その後、大きめのビニール袋にスイカを入れた後、私服に着替えて部屋を出る

一夏と簪 と、そこに

ラウラ「む?機龍。それに更識も。」

セシリア「あら?お二人でどちらかにお出かけですの?」

同じく私服姿のラウラ、セシリアと廊下でばったりと出くわした

機龍「うん。実はさっき、束からスイカが届いたんだけど、多くてね。

   これから一夏お兄ちゃんの所に一個持っていくんだ。

   二人もこれから外に?」

セシリア「はい。私は祖国へのお土産を買いに。」

ラウラ「私も似たような物だ。部下に買って来てほしいと言われた物があってな。」

機龍「そうなんだ。あ、じゃ、僕達はこれで……」

と言って別れようとしたのだが……

セシリア「で、ですが、私にはまだここを発つまで時間もありますし、

     友人のお家にも興味がありますし、折角ですから機龍とご一緒しますわ。」

ラウラ「私も、織斑教官の家には興味がある。私も行こう。」

機龍「そっか…じゃあみんなで一夏の家に行こう。」

と言った時、心の内でラウラとセシリアはガッツポーズし、

簪はため息をした

 

その後、列車などを乗り継いで一夏の家までやって来た機龍たち

ラウラ「ふむ。ここが織斑教官の家か。」

何てことをラウラが言っている内に、家の前のインターホンを鳴らす機龍

しばらくすると、中から私服の一夏が現れた

一夏「いらっしゃい。って、セシリア達も一緒だったのか。……あ、まぁ

   入れよ。実はシャルロットも来てるんだ。」

機龍「シャルロットお姉ちゃんも?」

一夏「あぁ、機龍から電話があったから、少し買い出しに出て、帰ってきたら

   家の前に居たんだよ。こっちだ。」

織斑家に入った機龍たちは、リビングへと通された そこには、同じように私服の

シャルロットがソファに座っていた

シャル「あ、機龍。セシリアにラウラ、簪まで……みんな揃ってどうしたの?」

機龍「さっき、束からスイカを貰ってね。特にする事も無かったから、一夏に

   おすそ分けしようと思って持ってきたんだ。」

一夏にスイカの入ったビニールを渡す機龍

一夏「おぉ、こいつはうまそうだ。ちょっと座っててくれ。今切り分けるから。」

機龍「うん。それじゃ、お言葉に甘えて……」

シャルロットと同じように、適当にソファに座る機龍たち

  「へ~…ここが一夏と先生のお家なんだね~」

一夏「ん、まぁな。」

と、一夏が出した麦茶を飲んでいた時だった

   『ピンポーン』

再び来客を告げるインターホンが鳴った

  「あぁ悪い。機龍ちょっと出てくれるか?今こっちは手が離せなくて。」

機龍「うん。わかった。」

立ち上がった機龍が玄関まで来客を迎えに行ったのだが、ドアを開けると

そこに居たのは……

  「あ、鈴お姉ちゃん。それに箒お姉ちゃんも。」

私服姿の鈴と箒が来客だった

箒「機、機龍!?なぜおまえがここに!?」

機龍「えっと、束からスイカを貰ったから、おすそ分けで持ってきたの。

   ……一夏なら今中でスイカを切ってるよ。…二人もシャルロットお姉ちゃんと

   同じで遊びに来たの?」

鈴「え!?シャルロットも来てるの!?」

機龍「うん。今リビングで簪たちと―――」

と、機龍が言葉を言いきる前に靴を脱いでリビングにダッシュで向かった鈴と箒

その後を追って機龍がリビングに戻ると、そこではシャルロット、箒、鈴が

何やら火花を散らせていた

 

一夏「ったく……来るなら来るって連絡くれよ。」

箒「し、仕方ないだろう!私も急に暇になったのだ!」

鈴「そうよ!て言うか、急に来られちゃ困る物でもあるの!?

  エロ本とか~~」

機龍「?……ねぇ簪。」

簪「ん?何?」

機龍「『エロ本』って何?」

と言う機龍の言葉に全員がずっこけた

  「?」

その様子に疑問符を浮かべる機龍

簪「き、ききき、機龍にはまだ早いから!だからその……

  も、もうちょっと大人になったら……私が教えてあげるからね!」

そう言っている簪の声は、上ずっていた

セシリア「か、簪さん!?何てことを仰ってるのですか!?」

ラウラ「そうだぞ!弟のそう言った事を管理するのは姉たる私の役目だ!」

簪・セ「「弟にエッチな事を教える姉なんていません!!」」

と、ラウラのボケ(?)に対して突っ込む簪とセシリアだった

 

その後、一夏が切り分けたスイカを全員で食し、今度は8人で遊べる

ゲーム、という事でラウラの国のゲームをする事になった

ルールは簡単 紙粘土でそれぞれが好きな者を作り、

他の相手が作者に質問して作った物を当てるゲームだった

 

そんなゲームを全員で楽しんでいた時だった

不意にリビングのドアが開く……

一夏「あ、お帰り千冬姉。」

そこから現れたのは、私服姿の千冬だった

千冬「ん。玄関に見ない靴が大量にあったと思ったが、お前達だったのか。」

一夏「あぁ、機龍たちはスイカのおすそ分けを持って来てくれてね。

   今は全員揃って遊んでる所。あ、千冬姉、お昼は食べて来た?」

千冬「あぁ、外で済ませて来た。」

一夏「じゃあ今何か冷たい物でも出すよ。ちょっと待ってて。」

千冬「あぁ……あ、いや…いい。着替えたらまたすぐに出るんだった。」

と、箒たちの方を見て何やら言葉を濁す千冬

一夏「そうか。わかった。あ、新しいスーツ出して置いたから。」

千冬「あぁ、わかった。」

そう言うと、千冬は部屋を出て二階の自室に行ってしまった

 

鈴「…あんた…相変わらず千冬さんにべったりよね。」

一夏「そうか?姉弟なんだし、これくらい普通だろ。」

鈴「ハァ……この世でそう思ってるのはあんただけよ。」

と言う鈴の言葉に、箒とシャルロット、セシリア達が静かに頷いた

そして、機龍はと言うと、一夏と同じように疑問符を浮かべていた

 

やがて、日も落ち始めた時間帯 様々なゲームで時間を潰していた一夏達

楽しい時間は過ぎ去り、なんだかんだで全員で夕食を作る事になってしまった

近くのスーパーで食材を買って来た後、全員でエプロンをかけて料理をし始めたの

だった

一夏「そういや、機龍って料理出来るのか?」

機龍「うん。束やクロエと一緒に暮らしてた時は、僕が料理をしてたんだ。

   今でも覚えてるからね。大抵の物は作れると思うよ。」

一夏「そうか。んじゃ、何作る?」

機龍「う~ん……みんなメインの料理を作ってるみたいだし、僕はデザートでも

   作るよ。簪、手伝ってくれる?」

簪「うん。わかった。」

一夏「具体的にどういうのを作るんだ?」

機龍「スーパーで買って来たレモンの果汁を使ったゼリーだよ。

   暑い日にはさっぱりしたものも良いでしょ?」

一夏「成程。んじゃ、俺はごはんとみそ汁でも作るわ。」

と言っているうちに、機龍達はそれぞれの料理を仕上げていった

カレイの煮つけ――By箒

鶏の唐揚げ――Byシャルロット

肉じゃが――By鈴

おでん――Byラウラ

レモンゼリー――By機龍&簪

と、普通の料理が出来て来た―――はずだった

ハッシュドビーフ……のような物――Byセシリア

 

明らかにセシリアの料理はおかしいのだ 見た目は確かにハッシュドビーフで

間違いないのだが、彼女は見た目を気にするばかり、タバスコなどを大量に

投入し、味の方が『少々』変になっているのだった

そして、当然のようにセシリアはその料理を想い人である機龍に

進めたのだ 

そして、一夏達が緊張した面持ちで見守る中、その料理を食した機龍

機龍「うん。美味しいよ。」

と言って、セシリアを満足させたのだった

……これも、機龍の味覚の機能のなせる業なのだろう

 

その後、それぞれの帰路に着く箒や鈴、シャルロット、機龍達

と言っても、皆帰る場所は学園の寮なため、それぞれの部屋の前までは一緒

だったのだ

 

そして、機龍と簪が自分の部屋に戻るときだった

セシリア「あ、あの!機龍!」

部屋に入る前に、セシリアが機龍を呼び止めた

機龍「何?」

セシリア「じ、実はその……機龍にお話しがあって……」

機龍「お話?」

セシリア「はい。……夏休み…大体3週間ほどなのですが……

     私の祖国、イギリスに遊びに来ませんこと?」

機龍「それって……」

セシリア「はい。数日後、私は一度祖国に戻ります。それでその……

     機龍もご一緒に……私の祖国にご招待しようかと、思いまして…

     チケットも、ファーストクラスの物が2個、手違いで届いてしまいまして…

     使わないのももったいないので、誰かを帰省に誘おうと思っていたのです。

     如何でしょうか?」

と言って、少々顔を赤くしたセシリアが、機龍の様子を伺っている

機龍「僕は……行ってみたいとも思う。……でも……」

そう言って後ろの簪の方へと視線を移す機龍

 

彼は、今までずっと一緒に過ごして来た簪と3週間も離れるのがつらいのだろう

今でこそ、簪は機龍にとって母親ともいうべき心の拠り所なのだ

何より、簪だけを残していくのが、機龍は心配だったのだ

それを知ってか知らずか、簪は機龍に微笑みかけながら言った

簪「……私は心配しないで。行っておいでよ、セシリアさんの国。

  お土産、期待して待ってるから。」

機龍「……簪……うん。わかった。セシリアお姉ちゃん、僕、行くよ。イギリスに。」

こうして、機龍は初めて、日本以外の国へと、飛び出していく事になったのだった

     夏休み編 END

 




と、言う訳で次回は機龍とセシリアのイギリスでのお話です。

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