インフィニット・ストラトス 鋼鉄の銀龍    作:ユウキ003

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今回は少し短めの旅館での話です。


インフィニット・ストラトス 鋼鉄の銀龍 第10話

前回までのあらすじ

機龍と対立したラウラだったが彼と和解、姉弟の契りを交わした2人

やがて臨海学校も近づき、モールに買い物に来た機龍、簪、セシリア、ラウラ

そこで不幸に見舞われるも、自分達の水着を買った4人

そして当日、機龍は人として初めて訪れた海にはしゃいでいた

……その後色々な事をされたが……

 

海での時間も終わり、旅館に戻ってくる生徒たち

今は夕食の時間 

巨大な部屋で一斉に食事をしている生徒たち 

機龍はと言うと、簪、ラウラ、セシリア達と一緒にテーブル席で

食事を取っていた

セシリア「機龍、海は楽しかったですか?」

機龍「うん。すごく楽しかったよ。」

簪「良かったね。機龍。」

機龍「うん!」

その光景をセシリアの横から見ていたラウラ 

ラウラ『本当に親子のようだな……そう言えば、クラリッサに礼の

    通信をした時、嫌に機龍の女装の話に喰いついて来たな。

    向こうに画像を送った時、メディックゥゥゥ!と叫び声が聞こえた

    様な気がしたのだが……まぁ、あいつ等なら大丈夫だろう。』

そんな事を思いながら食事をしていたラウラだった

 

ちなみに、機龍の部屋は先生や一夏と同じ部屋になっていた 

そんなころ、自分の部屋に居たセシリアはある事をしていた

それは食事の時、機龍と一緒に夜の浜辺を歩きたいと言ったら彼が

OKを出したのが始まりだった 

セシリア『ふふ。もしものためにと持って来ていた甲斐がありました。 

     機龍には刺激が強すぎるかもしれませんが、これで…』

そう思っていた時

本音「あ~~!せっしーがえっちぃ下着つけてる~!」

セシリア「ふぇっ!?」

癒子「何~脱がせ脱がせ~!」

理子「剥け~!身ぐるみ置いてけ~!」

セシリア「やあぁぁ!引っ張らないでぇ!」

それを聞きつけた女子たちによって浴衣が肌蹴るセシリア

癒子「わぁ!ホントにエロい下着つけてる!」

理子「いわゆる、勝負下着って奴!?狙いは誰!?織斑君!?機龍君!?」

機龍、と言う単語に顔を赤くするセシリア

  「まさか…機龍君狙い!?」

癒子「ひょっとして、それで機龍君を篭絡するつもりなの!?」

理子「まぁまぁ、セシリアったらおませさん♪」

理・癒・本「「「セシリアはエロいな~~」」」

セシリア「え、エロくありません!これは身だしなみ……そう!身だしなみですわ!」

と、叫ぶセシリアだった

 

その後、女子たちの恰好の的にされながらも何とか逃げ出してきたセシリア

肌蹴た浴衣を直しながら一夏と機龍、千冬の部屋の近くまで来ると、

そこには、

セシリア「……何をしていますの?」

鈴「し!」

機龍達の部屋の前に箒、簪、鈴、ラウラ、シャルの面々が集まっていた

やがて、部屋の奥から聞こえて来た声

一夏「それじゃ、始めるぞ。力を抜けよ。」

機龍「う、うん……あ!ん!」

一夏「痛いかもしれないけど、すぐに気持ちよくなるからな。」

機龍「うん…あ!くぅ!」

千冬「織斑、機龍はまだ小さいんだから手加減してやれよ。」

一夏「わかってるって。いくぞ。」

機龍「う!うぅ!ん!」

中か聞こえてくるのは、卑猥とも取れるような声

襖に耳をくっ付けている箒や簪たちはすでに耳まで真っ赤にしていた

セシリア『なななな!?中では一体何が!?まさか!?』

 

~セシリア妄想中~

浴衣が肌蹴た状態の機龍を布団の上に押し倒す一夏

機龍『だ、ダメだよ一夏。僕たちは、男の子同士なんだよ。』

一夏『悪いな機龍。俺はもう、止まれそうにない。』

機龍『ダメだよ一夏。ん!あぁ!』

機龍の浴衣を脱がしながらその肌に手を這わせていく一夏 やがて

一夏『俺が、お前を天国に連れてってやるよ。』

機龍『ダメだよ、お兄ちゃん…あぁぁ!』

 

戻って現実世界

顔を真っ赤にしたセシリアは簪たちと同じように襖の近くで聞き耳を立て始めた

…のだが  

   『バタンッ!』

次の瞬間、全員の体重に耐え切れず、襖が内側に向かって倒れた

 

そして件の部屋の中では、一夏が機龍に―――マッサージをしていた

 

やがて一夏、千冬、機龍の前で正座させられる6人

千冬「全く、何をしているバカ者どもが。」

シャル「マッサージだったんですね。」

鈴「…ホントに良かったわ。」

一夏「?何してると思ったんだよ?」

ラウラ「それはもちろんB」

咄嗟にラウラの口を塞ぐ箒たち

箒「何でもない!何でもないからな!」

シャル「一夏は気にしなくて良いからね!」

セシリア「そ、そうですわ!」

一夏「?…ていうか、少しは静かにしろよ。」

彼女達の行いに首を傾げる一夏だった  そんな彼のひざ元では…

機龍「すぅ……すぅ……」

可愛い寝息を立てながら機龍が眠っていた

マッサージをされていた機龍はいつのまにか眠ってしまったのだった

千冬「こいつ……午前午後を通してはしゃぎまくっていたからな。」

一夏「きっと疲れたんだと思うぜ。……やっぱ機龍はまだ子供だな。」

そう言って眠っている機龍の銀色の髪を撫でる一夏  

 

それを見て、箒たちは機龍を セシリア達は一夏を羨んだ

それを知ってか千冬が

千冬「織斑、近くの自販機で飲み物でも買って来い。

   ここには置いて無いからな。」

一夏「う、うん。わかった。」

と言うと、一夏は座布団を折りたたんでそこに機龍の頭を乗せると

部屋を出て行った

 

やがて、千冬は備え付けの冷蔵庫から缶ビールを取り出すと、箒たちの前に

座って飲み始めた 

しかし、箒たちはあまり落ち着かないようすだった

そんな時、唐突に話題を切り出した千冬

千冬「お前らは…一夏と機龍の何処が気に入ってるんだ?」

それを聞いて顔を赤くする6人

  「まぁ、一夏の方は料理や家事も出来るしマッサージもうまい。

   箒、鈴、シャル……一夏は欲しいか?」

箒・鈴・シャ「「「くれるんですか!?」」」

千冬「やるかバ~カ。」

箒・鈴・シャ「「「え~~?」」」

千冬「女ならな、奪うくらいの気持ちで行け…女を磨けよ、ガキども…

   んで…ラウラ達は機龍の何処が良いんだ?純粋な所か?

   それとも母性本能が刺激されたか?」

ラウラ「それはまぁ……その…」

セシリア「そ、そんな所です。」

簪「////」

千冬「ま、女はかわいい物には弱いと言うが……お前らも

   がんばれよ。」

と言ってビールに口をつける千冬だった

 

翌朝

機龍は、最近では簪と抱き合った状態で眠るのが恒例となりつつあったので、

旅館での夜は、あまり寝付けなかったのだ

 

そのため、早朝に起きてしまい、顔でも洗おうと浴衣姿のまま、

部屋を出た しばらく廊下を歩いていると

機龍「……あ、セシリアお姉ちゃん。」

ばったりセシリアと会ってしまった

と、昨日の夜の約束を破ってしまった事を思い出す機龍

俯いていると、セシリアが機龍に気づいて、近づいて来た

セシリア「おはようございます、機龍。昨日はよく眠れましたか?」

機龍「う、うん。……あ、あの…セシリアお姉ちゃん……昨日は、

   ごめんなさい。約束、守れなくて…ごめんなさい。」

セシリアとの約束を破ってしまった自分が許せないのか、彼女に

謝りながら、涙目のまま、上目使いでセシリアの顔を見上げる機龍

 

その顔にセシリアはドキドキしていた

セシリア『うぅ…ずるいですわ。あんな顔をされてしまっては……

     元々怒って何ていませんし、このままだと私が完全に悪者ですわ…

     ……あぁでも、これも機龍のかわいさの成せる技…』

すると、彼女はひざを折って機龍と同じ目線にした

    「大丈夫ですよ。昨日はたくさん遊んでしまいましたし、きっと

     疲れたのでしょう。それに、今日で臨海学校が終わりと言う訳でも

     ありませんし、機会はまだありますわ。」

と言って機龍をなだめた

機龍「…うん。わかった。ありがとう、お姉ちゃん。」

 

その後、セシリアと一緒に歩いていたのだが…

何やら旅館の庭に一夏がうずくまっているのを見つけた 

  「あれって…一夏お兄ちゃん?」

セシリア「そのようですわね。何をしているのでしょうか?」

疑問に思い、一夏に近づく二人

機龍「おはよう、一夏お兄ちゃん。」

一夏「あ、おう。機龍、セシリア、おはよう。」

セシリア「おはようございます。…それより、一夏さんは一体何を?」

一夏「あ、いや、その……」

何故かたどたどしい一夏の視線を追った先には……

セシリア「な、何故こんな所に、こんな物が…」

一夏達3人が見た者を一言で表すなら――地面に突き刺さった機械のうさ耳だった

 

機龍「……これって、ひょっとして、束の耳?」

そのうさ耳は見紛うはずも無く、今の機龍に名前をくれた篠ノ之束の身に着ける

うさ耳で間違いなかった

そして、次の瞬間、一夏はそれを掴んで引き抜こうとして力を入れた――が、

あまりしっかり埋まっていなかったのか、力み過ぎたために、後ろに倒れて込み、

尻もちをつく一夏

一夏「うわっ!とと。あ、あれ?」

今一夏が手に持っているのは、束がつけている機械のうさ耳『だけ』だった

機龍「どうして、それがこんな所に?」

一夏に手を貸して、立たせながら、手元の耳を見ていたその時…

   『キィィィン』

と、何処からジェット戦闘機のような音が聞こえてきた

 

それにつられて上空を見上げると、真っすぐ、オレンジ色の何かが、

一夏達の前に落下してきた  轟音と砂煙を上げながら落ちて来たそれは――

セシリア「こ、これは、キャロット、ですの?」

メタリックな光沢を放つ、機械のニンジンだった 恐る恐る一夏が

その機械ニンジンを触ろうとした時、音を立ててニンジンが左右に開いた

そして、そこから現れたのが

束「やっほ~いっくん!&久しぶりリュウ君!会いたかったよ~!」

と言って、白と青のアリス風のドレスに身を包んだ束が飛び出して来て、

機龍に向けてダイブ&ハグをした それに答えて、機龍も束を抱き返した

機龍「束!久しぶり、元気だった?」

束「もちろん!私もクーちゃんも元気だよ!まぁ、リュウ君に会えなくて

  寂しかったけど、会えて良かったよ~!!」

機龍「うん!僕も束とまた会えて、とってもうれしいよ。」

と、屈託のない笑みで束を見上げる機龍 

その笑みでキュンとなる束 

束「うぅぅぅ!やっぱりかわいい!かわいいよリュウ君!

  お願い!お姉さんに再会のキスをして!」

一夏「ちょっ!?束さん!いきなり何言ってるんですか!?」

と、至極まっとうな事を言う一夏と今だに状況が飲み込めないセシリア

そして…

機龍「うん!良いよ。」

束・一・セ「「「へ?」」」

次の瞬間、機龍はつま先立ちの姿勢で、束の頬に両手を添え、彼女の顔を

引き寄せるようにして、キスをした

束『!?*!??!*?!*!?*』

これにはさすがの自称天才も予想できておらず、目を回し、

その横では一夏とセシリアが驚愕の表情を浮かべていた 

そして、ゆっくりと唇を離す機龍 

 「…あぅ、あぅ…あ~え~っと……リュウ君、今、何を?」

機龍「?束にキスをしたんだよ?」

束「い、いや、そこはお姉さんは非常~~に嬉しいんだけど、キスはほら、

  リュウ君の大好きな人と…」

機龍「僕は束の事、大好きだよ?」

と、自然に言ってのける機龍 本来束は相手を翻弄するタイプなのだが、

機龍の場合は、冗談を真に受けた行動をするため、さすがの束も馴れていない

様子だった そして追い打ちをかけるように…

   「…束は…僕の事、嫌いなの?」

涙目で、上目使いで見上げる機龍の瞳に、心臓がドキリとする束

束「そ、そんな事ないよ!すっごいうれしいよ!私もリュウ君は大好きだし!

  もっとしてほしいくらいさ!」

 『って!?私何言ってんの!?私って普段翻弄するタイプじゃん!  

  何で私の方がリュウ君に翻弄されてるの!?』

と、混乱する束だが、この時彼女は、自分が地雷を踏んだ事に気づいていなかった

機龍「もっとしてほしいの?良いよ。」

束・一・セ「「「へ??」」」

すると、再び束の唇と自分の唇を重ねる機龍

束『!??!?!?!?!?!?!?!?!?』

 「……あぅ、あぅ………」

もはやなんと言って良いのかわからず、顔を真っ赤にしながら混乱する天才 

そして、一夏の横で固まっていたセシリアは、もはや石像のように動かなくなって

しまっていた そして、同じように惚けたまま、事の次第を見ていた一夏

そんな時……

 

千冬「……おい、篠ノ之姉弟…」

一夏の後ろに、浴衣姿で顔を真っ赤にした千冬が立っていた

  「朝っぱらからお前らは公衆の面前で何をやっている……特に機龍」

機龍「はい?何ですか?」

千冬「場所を考えろ。ここには、他にも…」

と言って千冬が廊下の方に視線を巡らせたので、一夏と機龍がそれを追うと、

廊下では大勢の浴衣姿の女生徒達が、浴衣や床を己の鮮血(鼻血)で真っ赤にしながら

倒れている様子だった

そこには血文字で一言 ――『姉ショタも良いね!』――

と、書かれていた

 

やがて、息も荒く、フラフラの状態で千冬に歩み寄る束

束「うぅ、ちーちゃん、私。リュウ君の女にされちゃったよ~」

千冬「知るかバカ。それより、篠ノ之から話は聞いている。だが、予定より

   早い。何の用だ?」

束「え!?それは、まぁ、その、リュウ君にプレゼントとしてこれを…」

と言って今しがた自分の乗って来たニンジンに向かって、うさ耳を動かす

すると、割れていた方の片方がさらに分割され、そこから現れたのは

―――純白のドレス(女物)――だった 

そして、薄れる意識の中にあっても、機龍へのプレゼント、と言う単語を聞いていたのか、

鼻血を出して倒れていた生徒たちも、そのドレスに目を向けた

 

数秒後、機龍がそれを着た姿を想像でもしたのか、再び大量に出血しながら

倒れる生徒たち そして最後に自分の血で

―――もうやめて、死んじゃう――と、書き残した

ちなみに、それを見た千冬も、顔を真っ赤にしながら束の頭を叩いたとか…

 

 

数時間後 この臨海学校の目的の一つである試験用ビーチに搬入されたISを

使って、新型装備のテストを行う事になったので、

その試験ビーチにISスーツ姿の生徒が集まっていたのだが……

真耶「なぜ、皆さん鼻を抑えているのですか?」

大半の生徒たちが、ティッシュなりなんなりで、鼻を抑えていた

未だに先ほどの衝撃から抜けきらないのか、時折顔を真っ赤にして鼻血を

流す生徒さえいた 

その時、真耶の横に居た一夏が彼女に耳打ちをして、事の次第を説明した

見る間に顔を真っ赤にして、一夏の方を見る真耶と、今言った事が事実ですと

言わんばかり唯々頷く一夏だった 

 

千冬「あ~全員注目!全員体調が万全ではないようだが……篠ノ之、こっちに

   来い。」

箒「…はい。」

千冬「それと……おい束!お前はいつまで惚けているつもりだ!」

近くの石の上に座ったまま、ずっと空の上を見つめていた束は、千冬の

声でやっと我に返った

束「あ、あははは…ゴメンね。ちょっと考え事、を…」

言いかけて、機龍と目が合い、再び顔を真っ赤にする束と、

先ほどのキスを思い出して鼻を抑える女子たち

 

当の箒は、何事かと気にしていたが、その横にセシリアが現れて、こっそりと

耳打ちした 

それを聞いて、まさか!?と言いたげな表情の箒と、顔を赤くしながら

頷くセシリアだった

 

そして、事の次第を理解できないまま?を浮かべる鈴、シャル、ラウラ、簪の4人 

もはや機龍の前に居る事すら恥ずかしいのか、ずっと顔が赤いままの束

千冬「おい束。早くしろ。」

束「わ、わかってるよ!でも、その…」

千冬「元はと言えばお前が冗談交じりにあんな事を言ったのが始まりだろうが。

   自業自得だ。」

束「わかってるけど~!リュウ君がかわいすぎるのがいけないんだよ~!」

と、言う声に、心の中で大勢の女子が頷いていた 

 

その後、本来の彼女の目的であった箒の専用機『紅椿』をロケットで

海岸まで運んできた束 そしてさらに…

 「それと、リュウ君にもね!新型ISを持ってきたよ!」

機龍「え?」

と言って束が手渡したのは……待機状態のISで、銀色のモデルガンのような

拳銃だった 

  「これが、ISなの?」

束「そう!それは私がリュウ君専用に開発したISで、待機状態でも

  非致死性兵器のスタンガンとして使える物だよ!その名も『銀狼』だよ!」

機龍「銀、狼…」

と、その時、機龍の近くで耳打ちする束

束「今まではさ、3式の姿で戦って来たみたいだけど…あの姿はその……

  以前の事を思い出しちゃうかもしれないし…リュウ君が武器とか嫌いなのは

  知ってるけどさ……少しでもそれを軽減できればと思って用意したんだ…

  どうかな?」

機龍『…そっか。束は僕の事を思ってこれを作ってくれたんだ。』

  「ありがとう束。大事にするよ。」

その笑みを見て、再び顔を真っ赤にする束 

 

それを遠目に見ていた生徒によって、今後機龍には、裏のあだ名として、

『年上落とし』の異名が付いたとか付かなかったとか……

 

その後、束のよる紅椿と銀狼のパーソナライズとフィッティングをする事になった

紅椿は即行で終わり、次は機龍の番となったのだが……周りの視線が

自分に集中しているのが少し気になった 

機龍自身は、束から専用機を受け取る事によって、周囲からやっかみの視線で

見られているのだと思っていたが……実際には、彼女達の視線は、

機龍と、束が持って来ていた『機龍専用』と書かれたメモがついた

――純白のドレス――に行っていた そして彼女達はある結論に至った

女子『『『『『『『あの人も私達と同じことをしようとしている』』』』』』』と

 

その後、銀龍の起動する事になったの 

機龍「えっと……これってどうやって起動するの?」

拳銃のような状態のままの銀狼をあちこちから覗きながら、そんな言葉を

漏らす機龍

束「それは簡単だよ!拳銃状態の銀狼をトランスフォームさせるイメージを

  持てば良いんだよ!やってみて!」

それを聞いて機龍は、銀狼を自分の胸に抱くような恰好になった

 

追記するが、それを見た女子たちが…抱く=機龍とのハグ=機龍のキスを

思い出して興奮状態が収まらなかったとか…

 

そんな事を考えている女子を他所に、イメージが沸いたのか、次の瞬間、

銀狼がまばゆい光を放ちながら無数の光球に分離し、機龍の四肢や胴体の前に

現れ、機龍自身を光で包んだ 光が晴れると、そこには銀色の腕部、脚部を

持ち、背中には3式機龍改のバックユニットにも似たキャノン砲を装備し、

腰部を守る為につけられた装甲 その後ろから生える銀色の尻尾

3式の頭部を模したヘッドギアを装着し、胴体部にも、重厚な装甲が

展開されていた  

 

大勢の生徒がそれを見ていた中、セシリアが感想を漏らした

セシリア「…何だが…以前の3式より、もっとISに近い姿のようですわね。」

束「はいそこ正解だよ~!この銀狼はね、リュウ君が今まで使用していた3式を 

  ベースに、よりISらしいスマートなフォルムに設計し直したんだよ!

  まぁ私としては前の無骨なフォルムも好きなんだけど、あれって普通のISより

  重いからね~。リュウ君の負担軽減と機動性向上のためにこっちにしたんだよ。」

その言葉を聞きながら、爪にある両腕を握ったり閉じたりして動作を確認する機龍

 「武装は3式とほぼ変わらずで、口からのメーサー砲は無くなったけど、

  代わりとして、こんな物を用意してみたよ!」

と言って束が指を鳴らすと、銀狼の背面のバックユニットが粒子になって消滅し、

変わりにX字の四枚羽のようなバックユニットが展開された

 「銀狼専用のハイスピードブースターだよ!それに翼の先端には

  低出力だけど、メーサー砲も搭載してるし、今までの3式よりも

  高機動戦闘に特化した装備だよ!」

そのブースターは、機龍の意思で操作できるのか、微妙な翼の角度調整が

まるで生き物の羽を見ているようだった

 

その後、銀狼のパーソナライズとフィッティングも終了したのだが……

事件は唐突にやってきた

 

山田先生がなにやらタブレットのような物を持ってきたと思ったら、いきなり

試験は中止となり、生徒たちは自室待機 専用機持ちの8人は改造された

部屋へとISスーツのまま集合させられた 

千冬「では、状況を説明する。二時間前、ハワイ沖で試験稼働中だった

   アメリカ、イスラエル共同開発の第三世代軍用IS『銀の福音』が制御下を

   離れ暴走、監視空域より離脱した。その後、衛星による追跡の結果、

   我々の居る場所から2キロ離れた洋上を50分後に通過する事が 

   確認された。そして、現場に最も近い我々に対処するようにとの通達が

   あった。教師陣は練習機による海上封鎖を行う。よって銀の福音は、

   お前達専用機持ちが対処する事になる。誰か意見はあるか?」

と、おずおずと手を上げる簪

簪「私達、8人で倒すのですか?」

千冬「いや、それは無理だ。相手が高機動を続けているため、一回のアプローチが

   限界だ。全員でポイントに向かったのでは、間に合わん。

   この作戦の要は…織斑、お前だ。」

一夏「お、俺!?」

千冬「そうだ。零落白夜による一撃で倒す以外、他に方法が無い。今の所の

   問題は……」

千冬が話し続ける間、機龍は自分に与えられた、銀狼のスペックを見ていた 

そんな中、唐突に束が侵入してきて、箒の紅椿のスペックを言いながら

一夏と箒のペアを推した しかし…

機龍「待ってください。僕も行きます。」

と言って、その場の全員を驚かせた 

千冬「……機龍、それは本気か?」

機龍「束から貰った銀狼のスペックは見ました。銀狼単体でも、

   アプローチは可能です。」

束「りゅ、リュウ君?何もリュウ君まで行く必要は……」

先ほどまでの一夏と箒を推していた姿とはうって変わって

おどおどし始める束 

機龍「さっき言っていた、ISって有人機、なんですよね?」

静かに、千冬に問う機龍

千冬「そうだ。パイロットは今も暴走した銀の福音の中で

   身動きができない状態だ。」

機龍「だったら……その人を救うために、束から貰った力で…

   僕も戦います。」

千冬「良いんだな?」

機龍「はい。」

 

こうして、自分の意思で戦いの場へと赴くことにした機龍 

 

――その先に、後悔が待っている事を知らずに……

     第10話 END

 




と、言う訳で機龍のオリジナルIS『銀狼』がやってきました。
世代設定は表向きは3・5世代ですが、原動力はISのコアでは無く、
機龍の方から送り込まれる方式ですので、見かけはISだけの
全く異なる兵器ですね。武装は3式機龍と大して変わりません。

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