億千万の悪意と善意   作:新村甚助

34 / 36
32:微睡む闇、夢見る闇

 日光における激闘は、しかし一人の死者も出していない。

 

 世界中のほかの場所でも同様。

 闇より現れた神獣が、世界中の、世界の裏側で破壊行動を起こすが、それでも死者はいない。

 

 闇に捕らわれた人々も、ただ意識なく、捕らわれているだけであると、自身の権能(俺の中の神々)が伝えてくれる。

 

 みんな、戦っている。

 

 彼らの部下が。

 

 彼らの仲間が。

 

 俺の仲間が。

 

 俺の友達が。

 

 

 人が、戦っている。

 

 絶望に抗い、各々の何かに一筋の希望を見出して。

 

 

 だから、俺は。

 

 

--

 

 目が覚めた。

 

 目の前にすでに義経はおらず、残っているのは先が欠けた白い神刀と、黒く染まった神剣。

 

 双方を手に取り、歩き出す。

 武器としてではない。ただ、結末を見届けてもらうために。

 

 

 俺の中の権能が、その全力の振り絞り、俺に世界を見せる。

 そして、義経の権能が、その光景の中の魂を通して、俺に思いを伝える。

 

 思いが、俺に伝えられる。

 

 

 師匠とアニーとアレクサンドル・ガスコインは、孫悟空を相当に押している。

 

 草薙護堂と(相棒)たちは、その知恵と連携でもって、ウルスラグナの十の化身すべてを同時に相手取っている。

 

 一番情けないのは俺だ。

 この場面で闇に飲まれ、義経に救われた。

 

 義経は俺に救済を与えてくれた。

 

 俺と戦った神々は、俺の行いを肯定してくれた。

 俺の仲間たちは、俺のこれまでを肯定してくれた。

 

 そして、義経は、俺がこれからすることのすべてを肯定してくれた。

 

 

 今、世界中に絶望が満ちている。

 闇を知る人々が、戦っている。

 

 逆に言えば、()()()()()

 

 原初の闇はこの世界と対等な存在であるはずだ。

 それがそのままの力を発揮できていないとしても、何もかもを終わらせることに、それほど時間はかからないだろう。

 

 しかし今、この場の全員も、世界中の魔術師たちも、全力を振り絞っての抵抗ではあるが、希望の光は失われていない。

 

 それは、原初の闇に対しても同じだ。

 闇に見せるための光もまだ、失われてなどいない。

 

 俺は闇のすべてを肯定する。

 

 だから、最後くらいは格好良く、強気な笑顔でいかせてもらう。

 

 

--

 

 アテナに殺されたときに、原初の闇が俺に見せた光景。

 

 原初の闇が、俺に選択を迫った光景。

 

 それは、この世すべての闇が内包する、悪意が生み出す最悪の光景。

 

 そして、この世すべての闇がある限り、避けることのできない光景。

 

 しかし、闇は選択を迫った。

 

 だから俺は、変えようのない最悪を、最悪にしないことを選択した。

 

 最善を生み出すことを選択した。

 

 あくまで足掻くことを選んだ。

 

 闇と共にありながら、光を生み出し生きることを選択した。

 

 

 原初の闇の笑い声は、俺に聞こえていた。

 

 楽しそうな、しかし、悲しそうな印象の声だったことを、俺は確かに聞いている。

 

 

 先ほどまで、俺は闇の中にいた。

 

 俺の中に芽生えた明確な悪意をきっかけに、俺の中の闇の残滓から、原初の闇が吹き出してきた。

 

 その中で見たのは闇だ。

 

 原初の闇ではなく、原初の闇の、心の闇。

 

 だから俺は、この場所に帰ってきた。

 

 

--

 

 (悪意を喰らえ。闇を統べろ)

「悪意も闇も俺の物。この世の誰にも渡しはしない」

 

 (悪意でもって、善を成せ)

「善意はすべて、この世界の物。しかし、それを生み出すのは俺だ」

 

 (悪意が善を生むことを、誰にも否定させはしない)

「傲慢で結構。俺は選んだ」

 

 (人を導き、正義を貫け)

「この世界の悪意と善意、そのすべてを俺が導こう」

 

 (闇の先に、光を見出せ)

「だから、この世すべての闇にすら、希望の光を見せてやる」

 

 

 それは、原初の闇が望んだもの。

 

「見たいなら見たいって、最初からそう言えよ」

 

 "親友"に話してもらえなかった。

 その思いが口から吐き出される。

 

 光はまだ、この手にある。

 

 

--

 

 歩く。

 

 ただ、歩く。

 

 原初の闇はこの先で待っている。

 

 暗黒の太陽の下で、そこに俺が現れるのを待っている。

 

 もう急ぐ必要はない。

 

 どちらも待っている。

 

 だから、歩く。

 

 

「ようやく、来たかい」

 

「ああ、俺は、ここまで来た」

 

「じゃあ、やるかい?

それとも、何もせずに食べれれることを選ぶかい?」

 

「どちらも、俺は選ばないよ。

親友ってのはそういうものじゃないだろう?」

 

 

 親友。

 アヌビスに言った言葉だ。

 あの時の真実。

 

 今でも変わらない、俺の中の事実だ。

 

 しかし、すでに俺と原初の闇は繋がっていない。

 

 繋がりたる端末はすでに消え、その端末が持っていた力は俺に与えられた。

 

 だから、思いを言葉にする。

 

 心の内の思いに形を与える。

 

 

「親友、ね。

これだけのことをして、

君のすべてを奪おうとしている俺に言うことかい?」

 

「お前は誰も殺してないだろうが。

勝手に自分の中で完結してるんじゃねえぞ!」

 

「ハァ、魂を見る権能か。

遮那王、俺の力を利用して余計なことをしていったみたいだね。

カンニングは認めたくないんだけど。

 

でも、君の友達だった遮那王は死んでるじゃないか。

それでも、誰も殺してないとでも?」

 

「義経は死んでない。もともとなかったはずの復活だ。

さっき、あいつは自分の魂を俺に預けていった。

 

もう一度、義経は、俺にすべてを預けて消えただけだ」

 

 義経が俺に残した権能は、義経の持つ卑弥呼の権能そのもの。

 同時に、義経の魂も俺の内にある。義経の仲間たちの魂も。

 

「だからあいつは死んでない。

お前は誰も殺していない。

 

"俺を楽しませろ"って、お前が言ったことだろう?

"お前と話したい"って、俺がそう言ったのを聞いていなかったのか?」

 

「ハハハ、やはりお前は面白い。

最高だ。どこまでも、どこまでも俺を楽しませてくれる。

俺に"楽しい"という感情を与えてくれる。

 

やはりお前の闇はとても、とても、おいしそうだ」

 

 渇いた笑い。

 悪を気取った闇が迫る。

 しかし、どうしても害意を感じられず、そのまま、悩まず、返す。

 

 

 俺はすでに選択した。

 俺はすでに闇を受け入れた。

 最初から、あのパキスタンの地でアンリマンユと出会ったときにわかっていたはずのことだ。

 

 それに、原初の闇が見せた可能性。

 俺は救うことを選択した。見捨てないことを選択した。

 手が届くなら、俺が救う。手が届かないなら、手を伸ばして救う。

 

 あいつは勘違いしている。

 

 俺は()()()()()のではない。

 

 「悪意を喰らえ、闇を統べろ」

 アンリマンユが言った言葉ではない。

 アンリマンユの意志でもあるが、何よりも、あいつが願った言葉だ。

 

 原初の闇が、その役目から解放されること。

 

 原初の闇が、最初に得た対等になりうる存在で、同時に、対等になることが出来なかったアンリマンユ(もう一つの闇)の心残り。

 

 悪意はすべて俺の物。闇もすべて、俺の物。

 "誰のものでもない"、お前が統べろ。

 

 そんな闇に見出されたのだ。

 強いて言うなら、俺は最初から()()()()()

 

 

「ハハハ、ハハハ」

 

 闇の笑いは、渇いた、寂しげなものだ。

 大地にはまだ闇が広がっている。

 空にも闇が広がっている。

 

 手の届く位置に黒い青年はいる。

 その手を握る。

 

 手のひらの闇が俺の思いを原初の闇に伝え、原初の闇の感情を俺に伝える。

 知っている感情。

 自分自身で知っていて、そして、アンリマンユ(もう一つの闇)が教えてくれていた、原初の闇の感情。

 

 

「寂しいんだろ、お前?」

 

 寂しい。

 

 世界の始まりから世界の終わりまで、ただただ微睡むだけのモノ。

 最初から最後まで、ただ見ているだけの闇。

 永遠の、そしてどうしようもなく絶対の傍観者。

 

 それが、俺という端末を得た。

 俺を通して、この世界を、ただ見るだけでなく、そこにあるものに触れることが出来た。

 

 そして今、この世界で動くための体を得た。

 

 俺と話し、触れることが出来た。

 

 "戯れ"、最初に言った言葉だ。

 まさしく"戯れ"。

 かまってほしい子供が、どうしていいかわからずに、意地悪をして気をを引こうとする。

 

 精神がほかの人間(存在)との接触によって形作られるなら、原初の闇のそれは生まれたてのそれと変わらないはずだ。

 

 闇自身を示す言葉が安定していなかったのもおそらくそのせい。

 

 そして、闇は、俺と対話するうちに、その精神を安定させていった。

 

 ならば、他人を、求めているはずだ。

 自分ではない存在を。

 自分を認めてくれる同類を。

 

 俺と同じように。

 

 だから。

 

 俺は、悪意を肯定する。

 俺は、闇の存在のそのすべてを肯定する。

 

 

 この世のすべての闇程度、背負えなくて何が神殺し、何が聖魔王だ!

 

 友達一人救えないやつが、そんな大それた名前を名乗れるわけがない。

 あいつは俺を見誤っている。あいつは勘違いしている。

 

 俺は、光と共にあることを決めたのではない。

 俺は、光も闇も、自分のものにしてやると決めたのだ。

 

 あいつが世界と、光と、たった独りで釣り合ってしまうのならば、俺が両方背負ってやる。

 

 

「だから前に言ったろ、俺は友達だって。

親友だって。

アヌビスとの話、聞いていたんだろ?

だったらわかってるだろ?

俺がお前をどう思っているかなんて、

 

俺がお前を本当に親友だと思ってることくらいわかってるだろ!

 

だから俺はここに来たんだ!

 

俺はお前の隣に帰ってきたんだ!」

 

 

 言葉にする。

 

 強く、言葉にする。

 

 帰ってきた。戻ってきた。

 アンリマンユの隣にまで戻ってきた。

 原初の闇に触れあえる場所にまで戻ってきた。

 

 闇を理解してしまった、あのパキスタンの頃の俺に戻ってきた。

 

 闇と悪意とともに生き、闇に感謝し、闇と対話することのできる俺に帰った。

 

 今ならば理解できる。

 あの時理解できた、アンリマンユとしての闇も。

 あの時理解できなかった、原初の闇の、その闇も。

 

 

 闇は一人だった。

 だが、今は一人ではない。

 

 いつでも話せるとまではいかないようだが、俺がいる。

 原初の闇を親友と言って憚らない俺がいる。

 

 もとより、"闇"が無ければ、俺がここにいるはずもなかったのだ。

 

 俺の存在そのものが、原初の闇に対する祝福なのだ。

 

 そのことに、原初の闇はまだ気づかない。

 いや、気づいてはいるが、認めない。

 

 

「俺はお前の親友になりたい。

お前と共に、お前と対等に生きたい。

 

だから、俺を認めてくれよ」

 

「お前は一体何だというのだ!?

 

なんでお前はきれいな言葉で私を誘おうとするのだ!?

 

この闇を!お前が倒すべき闇を!

 

貴様の生きる光の世界の対極であるこの闇を!!」

 

「友達だからって言ってんだろうが!

 

闇はお前の物だって言ったのはお前だろう?

 

光の世界で生きることを選ばせたのはお前だろう?

 

光も闇も俺の物だ!

 

それは、この世界の光だけじゃない。

 

世界の外の、(お前)も俺の物だ!」

 

「傲慢だな。

 

世界のすべてを人の身で背負えるはずがないだろう?」

 

「人の身で無くしたのもお前だろう?

 

背負えと言ったのは、平将門の言葉を借りたお前だろう?

 

あれは平将門が見た希望の言葉だ。

 

だけど、ちゃんと、お前の言葉として俺は聞いた。

 

俺は、お前の言葉をちゃんと聞いている。

 

俺は、お前の悲しい声を聞いてるんだ。

 

だから、もう泣くんじゃねえ。

 

お前の闇を、俺にも背負わせろ」

 

「なんで、そんなに言ってくれるんだ?」

 

 少しだけ、悲しそうな声。

 

 直接、聞いたのは初めてであったことに気付く。

 

 同時に、もう聞きたくない、深い悲しみを含んでいることにも気づく。

 

「お前が、泣いてるからだよ。

 

お前が一人ぼっちで泣いてるのを見て、俺の心が痛むからだよ!」

 

 自己満足の、悪意から生まれた善意の行動。

 

 相手の意志の介在しない、自分の意志を貫くためだけのもの。

 

 一貫していたその行動を、自分の悪意に従い、ここに至っても繰り返す。

 

 しかし、今回は自分の意志だけではたどり着けない。

 

「…いいのか?

こんな私だぞ?

お前にかまってもらうためだけに、世界を闇に落とした私だぞ?」

 

「知ってるよ。

ついでにお前が俺と同じくらい甘いことも」

 

 この期に及んで一人も死者も出していない現状を生み出した存在を、甘いと言わずして何と言うのか。

 俺を光の世界で生かすために悪を気取る原初の闇を、甘いと言わずして何と言うのか。

 

 事ここに至っても、その"おいしい闇"を喰らうことに躊躇を覚える奴を、甘いと呼ばずして何と呼ぶのか。

 

 そんな甘い()を、一つの存在、一つの"原初の闇"として、受け入れる。

 

 受け止める。

 

「大丈夫だ。大丈夫だから。

俺はお前をすでに受け入れているから。

お前のすべてを受け入れているから」

 

「ああ、ああ。

ククク、ハハハ!

親友、親友か!

思えば最初から、そうだったのかもしれないな」

 

 両者が思い浮かべたのは、すべての始まりとなったアンリマンユとの会話。

 

「本当に、アンリマンユとしての私は、面白い人間を見つけてくれた」

 

「ああ」

 

「お前は、私を受け入れてくれるのだな」

 

「ああ」

 

「こんな私だぞ?

こんな、面倒くさい、私なんだぞ?」

 

「ああ、って言ってんだろ!」

 

 この期に及んで女々しい奴である。

 いや、目の前にある肉体は男性のそれだが、原初の闇に性別なんて概念が存在するのだろうか。

 

「言えよ!友達になってくれって!

私を受け入れてくれって!

俺はもう言った!俺はもう受け入れた!

後はお前だけなんだ」

 

 黒い青年(原初の闇)が、笑みを浮かべる。

 本心からのものと、そうわかる、綺麗な笑み。

 

「私と友達になってくれ。

私を受け入れてくれ。

永遠にとは言わない。ただ、お前の世界の終末まで、私とともにいてくれ!」

 

「ああ!

 

ありがとうよ!」

 

「うん。

 

ありがとう」

 

 

 闇は光を得た。

 闇に寄り添い、傍らにある、対等な光を。

 

 闇は救いを得た。

 闇を肯定し、受け入れてくれる想いを得た。

 

 闇は払われた。

 明けない夜が無いように、世界は再度の光を得た。

 

 彼の戦いは終わった。

 

 

--

 

「とりあえず、これ、受け取っておいてくれる?」

 

 その場に残ったのは俺と、あいつ(原初の闇)がその端末として置いていった少女の姿をした闇。

 

「?ああ」

 

 流れで受け取ったそれは両刃の剛剣。ただし、刀身は中ほどで失われ、残っている部分もどす黒く染まっている。

 

「これは…、その前に、君は何て呼べばいい?」

「アンリ…、は貴方だから、もう一つの名前、ロソ・ノアレ、ノアレとでも呼んでちょうだいな」

 

 小悪魔的な表情で少女が言う。

 しかし、とりあえず、疑問優先だ。

 

「この剣は?」

「牛魔王と戦ったとき、貴方が宇宙に伸ばした触手が触れたのがそれよ。

そして、原初の闇(お父様)の依代となったもの」

「ってことは、宇宙空間にあったんだよな。

何かの神器か?これはなんなんだ?」

「お父様が言うには最後の王が顕現するための媒体、だったらしいわよ」

 

 最後の王、どこかで聞いた言葉だ。

 だが問題はその後の言葉だ。

 

「だった?」

「見ればわかるでしょう?

お父様が()()()()として顕現する媒体になった結果、ぐちゃぐちゃになってしまいましたぁって。

形が残ってるだけでも奇跡よ」

「うわぁ…」

 

 言葉もない。

 

 話していると気配が近づいてくるのを感じる。

 警戒からかゆっくりとしたものだが、今回の戦闘に参加した全員が、暗黒の太陽の真下であったこの場所に集まってきているようだ。

 

「そういえば、なんでゴスロリの女の子の格好なの?」

「このほうが()()()()()からですって」

 

 言いつつ、少女がある方向を見つめる。

 アーラとディライとリリアナ嬢が、木に半身を隠し、「家政婦は見た!」って感じの状態になっている。

 

 その後ろには皆の姿、師匠もアニーも、アキムも、護堂君と女の子たち、後は、おそらく神殺しであろう男の姿も。

 

 意味は分からないが、状況は分かった。

 確かに、端から見たら面白い状況になりそうだ。

 

 

--

 

 集まってきた全員に、今回の戦闘のすべてを話した。

 すべて、だ。

 

 原初の闇の顕現の理由、その方法から、今の結果がどのようにして導き出されたものなのか。

 そのすべてを。

 

 加えて、経済的な被害は相当だろうが、人的被害は一切出ていないことも。

 

 とりあえず脅威は去ったということを共通認識にすることは出来たが、問題なのは、今も右手に持っている、黒く染まった壊れた剣だ。

 それがどういうものか、ノアレが補足してくれた情報を合わせて説明しつつ、結局、日本が管理していたものなのだから日本に任せるということに落ち着いた。

 説明の途中で遠くの方で悲鳴が聞こえたような気がしたが、みんな反応していないし気のせいだろう。

 

 現在ここにいる神殺しはみんな、数日、日本に滞在し、様子を見た後帰国するようだ。

 

 解散、その前に、初めて顔を合わせる人物もいることだし、加えてノアレのことも紹介しないといけないしということで、名乗る。

 

 

「六人目の神殺し、カワムラアンリだ。

暗黒神の加護を得た、聖魔王の号をいただく者だ。

そしてこっちが…」

「暗黒神の端末、アンリさまの眷属、ノアレとお呼びください、皆様方」

 

 

 俺は何も変わらない。

 

 ただ、少し距離の近くなった親友とともに、親友が寂しがることのないように、一緒に歩いていこうと思う。

 

 最悪を集め、最善を振りまく、聖と魔の主として、闇とたわいない話をするために。




とりあえず、これで完結です。

時間が出来たら後日談と閑話を追加します。


プロットの段階であったのは、あらすじの部分の言葉だけです。
某魔眼王が引きこもりのまま暗黒神と出会う可能性が欠片もなかったので逆方向にもっていったら、初代聖魔王閣下と某魔眼王陛下を足して二で割ったようなイメージになった気がします。


プロットなんて言うものが章単位でしか存在しておらず、それも書いてる途中で適当に変えるからこうなったのです。

ただ、何も考えずに書いたものを、一気にまとめるというのはなかなかに楽しかったです。
書き溜めもプロットもない状態からでしたので時間がかかりましたが。


一応ですが、主人公最強とは口が裂けても言えません。
主人公は、ただ単に異様に死ににくいだけです。
それに、ラスボスは闇そのものです。神殺しとして強い、程度で勝てるわけがありません。
また、羅濠教主とヴォバン侯爵は、主人公がどうあがいても倒すことが出来ない存在であると定義しています。

クロスオーバーっぽいですが、川村ヒデオっぽいものとアンリマンユとノアレだけでクロスオーバーと言えるのか微妙なので付けていません。

"商会"なのは魔殺商会のせいです。
聖魔王はやっぱり商会を統べてなければいけないと思います。
あと、裏側だろうと、現代において権力は金と結びつくものだから、というのも理由の一つです。

風呂敷を広げるだけ広げて一気に回収するのは林トモアキ大先生リスペクトの結果です。
ただし、その回収が無理やり、強引な形になってしまったのは私の文章力、構成力の不足によるものです。
本物はあらゆる意味ですごいので、「戦闘城塞マスラヲ」を是非お読みください。ダイマです。


話の中の表現やらなにやらは大体拾ったはずです。
話の大まかな流れは変えません。
初投稿でまとめ切ること自体はできたので良かったと思うことにします。


以上で、「俺の考えたアグレッシブな川村ヒデオ」は終了です。
書いてて、川村ヒデオと名護屋川鈴蘭の性質が、結構似ていることに気付けたのは収穫でした。
本格的なクロスオーバーも面白そうです。


駄文をお読みいただきありがとうございました。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。