艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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ちなみにこのゲームですが、バトルのイメージとしてはテイルズやポッ拳が近いかもしれません。

操作に関しては、プロモードはストツー、アマモードはスマブラみたいなイメージで考えました。

人間性が出ちゃうようなゲームって書いてて楽しいっすね(ゲス顔


第61話「Z3の場合11」

海原の思いつきで始まったゲーム対決、先週スーパーの特売で買ってきたすげぇ美味いプリン(ただし賞味期限は一昨日)を景品に加え、戦いの火蓋が切って落とされた。

 

 

○第一回戦 吹雪VSハチ

 

 

 

「まずはキャラクター選びからですね」

 

 

「どのキャラにしようかな…」

 

 

キャラクター選択画面で吹雪たちは迷いながらカーソルを動かしている。

 

 

「公式サイトや攻略サイトのコピーあるからコレも見とくといいぞ」

 

 

 

そう言って海原は数枚の紙を渡す。

 

 

 

「…じゃあ、このキャラ!」

 

 

それらも参考にして吹雪が選択したキャラは“コト=セレーヌ”、長い黒髪に紫色の瞳を持ち、背中に天使のような翼を3対6枚生やした少女だ、ちなみに翼の色は黒と白で左右非対称になっている、魔法攻撃を得意とする遠距離タイプのキャラだ。

 

 

「私はこのキャラで」

 

 

ハチが選択したのは“ジル=クリプトン”、短い黒髪と黒眼を持った少年だ、剣を使った接近戦を得意とする近距離タイプである。

 

 

今回のルールは制限時間99秒でより相手の体力を多く削ったほうの勝ちだ。

 

 

「それと、キャラの技のまとめがここにある」

 

 

海原はまた別の紙を吹雪たちに渡す。

 

 

「どれどれ…?」

 

 

○コト=セレーヌ技リスト(プロモード)

 

(シロ)(ヤリ) →→A

 

(クロ)(ヤリ) →←A

 

火炎弾(ファイアバレット) →↗➡B

 

青水弾(アクアバレット) →↑↓AB

 

亡霊部隊(ファントムユニット) ↓↓↗↙BB

 

魂喰鬼(ソウルイーター) →A↙BBA

 

 

 

「…何これ?暗号?」

 

 

「コマンドだ、その通りに入力すると技が出る」

 

 

「こんなの無理ですよ!」

 

 

吹雪が技リストを見ながら言う。

 

 

「そんなお前のために操作が簡単なアマモードがある、攻撃ボタン(AボタンとBボタン)と十字キーの2ボタンだけで技が出せるぞ」

 

 

「それを最初に言ってくださいよ…」

 

 

それを聞いた吹雪は設定をアマモードに切り替える。

 

 

気を取り直してバトルスタート、ゴングの音と共に戦いが始まった。

 

 

「先手必勝!」

 

 

開戦直後に吹雪がコマンドを入力。

 

 

(シロ)(ヤリ)!』

 

 

コトが正面に光の槍を飛ばし、ジルに向かって飛んでいく。

 

 

「甘いです!」

 

 

それをかわしたハチはジルを操作してコトへ接近する。

 

 

爆裂剣(バクレツケン)!』

 

 

続けて攻撃技のコマンドを入力、ジルが素早い動きで間合いを詰め、炎を纏った剣でコトを斬りつける。

 

 

「うそっ!?」

 

 

遠距離タイプだから多少は有利だろうと思っていた吹雪であるが、あっさりと接近戦に持ち込まれてしまった。

 

 

亡霊部隊(ファントムユニット)!』

 

 

コトが魔法陣からマントを羽織った幽霊を召喚し、ジルに突撃攻撃をする。

 

 

炎撃波(エンゲキハ)!』

 

 

それに負けじとジルは一歩後ろに下がり、炎を纏った衝撃波を剣から飛ばしてコトを狙い撃ちする、それをコトは素早い動きでかわすと、ステージ上空に魔法陣を展開させる。

 

 

「これでトドメ!」

 

 

吹雪が必殺技を発動させた、攻撃を当てたりダメージを受けたりするとゲージが貯まっていき、それが満タンになると強力な一撃を繰り出すことが出来るのだ。

 

 

 

「死ねえええぇ!!!!」

 

 

天使の大虐殺(エンジェル パグロム)!』

 

 

魔法陣から光の剣を次々と落としてジルにダメージを与える、まだ完全に操作慣れしていないハチは回避行動などがうまくとれなかった。

 

 

「やりますね吹雪さん、ならこれで!くたばれえええぇ!!!!!!!」

 

 

百火繚乱(ヒャッカリョウラン)!』

 

 

ハチも必殺技を発動させる、炎の連撃を何度も繰り出して連続でダメージを与えていく。

 

 

その後も一進一退の攻防が続き、初戦は吹雪の勝利で終わった。

 

 

「吹雪上手いな、初めてとは思えん」

 

 

「えへへ、私結構出来るみたいです!」

 

 

「深海棲艦の動きには反応出来るんだけどなぁ…」

 

 

喜ぶ吹雪に対し、ハチは悔しそうにコントローラーのボタンを押していた。

 

 

○第二回戦 三日月VS暁

 

 

「あれ?このキャラのアイコンにDLCって書いてあるけど、これ何?」

 

 

「あぁ、それはダウンロードコンテンツのキャラだ、ネットで追加のキャラをダウンロード出来るんだよ、コンテンツのページにあったからとりあえず落とした、確か“ネスター・ライフ”ってアニメとのコラボレーションセットって書いてあった」

 

 

「確かそれって先月までやってたアニメだよな」

 

 

「摩耶さん知ってるんですか?」

 

 

「これでもアニメとかは見る方なんだよ」

 

 

「ほぇ~、意外ですね」

 

 

「じゃあ暁はこのキャラで」

 

 

暁が選択したキャラはネスター・ライフコラボキャラの“レビィ=ヴァイアー”、青い髪に気だるげな金色のジト目をしている少女のキャラだ、水の魔法を得意とする遠距離タイプのキャラだが、物理攻撃で近距離戦闘をこなすことも出来るオールラウンダーな一面も持つ。

 

 

「なら私はこのキャラを…」

 

 

三日月が選択したキャラは同じくネスター・ライフから霜月弥生(しもつき やよい)、青みがかったセミロングの黒髪の少女で、歌の魔法を得意とする遠距離タイプのキャラクターだ、なおこの弥生の歌魔法は相手がフィールドのどこにいても効果がある超広範囲の射程圏を誇る、ただし敵が弥生から遠ければ遠いほどその効果は薄くなってしまう。

 

 

先ほどと同じ制限時間99秒でバトルスタート、先に動いたのは暁だった。

 

 

霊海の戦士(マリン・バトラー)青水騎兵軍刀(アクアサーベル)!』

 

 

レビィが水魔法で剣を形作ると弥生に向かって突進する、しかし三日月は素早いコマンド操作でそれをかわした。

 

 

歌撃弾(オペラ)!』

 

 

レビィからの攻撃をかわした弥生は魔法を発動、魔法陣から光弾が射出され、レビィに命中する。

 

 

「あぁ!ざっけんじゃないわよ!」

 

 

暁がキレ気味に言うと、すぐさま反撃に移る。

 

 

「させませんよ」

 

 

夜想歌(ノクターン)!』

 

 

それよりも先に弥生が魔法を発動させる、夜想歌(ノクターン)は相手の視界を奪う魔法だ、食らうと一定時間キャラクターの進行方向がめちゃくちゃになる。

 

 

「こいつ…ぶっ殺す!」

 

 

暁はコマンドを入力するが、夜想歌(ノクターン)の効果が残っており思うようにレビィが動かない。

 

 

刀歌(ソード)!』

 

 

弥生が歌魔法で刀を具現化させ、レビィをなぶるように攻撃していく。

 

 

「調子に乗ってんじゃないわよこの尼ァ!」

 

 

霊海の戦士(マリン・バトラー)青水弓(アクアアロー)!』

 

 

 

ようやく夜想歌(ノクターン)の切れたレビィはすぐさま魔法を発動、水の矢が何本も弥生にヒットして体力を減らしていく。

 

 

「よくもやってくれましたね…?そんなに自分の腸が見たいんですかぁ!?」

 

 

刀歌旋律刃(メロディアスブレイド)!』

 

 

弥生が必殺技を発動、刀から繰り出される閃光のような素早い連続斬りにレビィが大ダメージを受ける。

 

 

 

…ちなみにこの対決、結果から言うと三日月が勝ったのだが…

 

 

 

「絶対にぶち殺すから!その頭潰して脳みそ引っ掻き回してやるから!」

 

 

「あはははははは!!!!やれるものならやってみてください!返り討ちにして二度と自分の足で立てないようにしてやりますよ!」

 

 

 

ゲームの内容よりプレイ中の2体の気迫の方が余程印象的だったと、その場にいた全員が思った。




バトルの様子は全部書くととても長くなりそうなのでダイジェスト気味に書きました。

リアルでも暁と三日月みたいになる人って多分いますよね。

あとネスター・ライフは自分が別サイトに投稿しているオリジナル小説なのでアニメは存在しません(どーでもいいわ)。

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