艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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初めての大型艦建造を最低値で回したら矢矧という軽巡が出た、虹背景だからレアな艦娘なんだろうと喜んでいたらその直後にVitaがフリーズして無かったことに。

それから3ヶ月ちょっと経ちますが、いくら大型艦建造ぶん回しても矢矧出ません、早く来てください、先に阿賀野と能代が着任しちゃいましたよ?。


第60話「Z3の場合10」

「そう言えば、さっきお前ら金剛の事やたら見つめてたけど、面識があるのか?」

 

 

作戦会議が終了して金剛と島風を用意した客室に通した後、海原は吹雪と三日月に聞く。

 

 

「いえ、確かに金剛は横須賀時代に同じ鎮守府で面識はあるんですけど、あの金剛じゃないんです」

 

 

「私もあの大規模作戦で見たことはあるんですけど、あの姿の金剛では…」

 

 

(先代か…)

 

 

2体の発言を聞いた海原はそう察する、“轟沈した艦娘の名前は新しく建造された艦娘に使える”というルールは海原も知っていた、吹雪と三日月の知っている金剛はすでに轟沈しているのだろう。

 

 

「お前らの知ってる金剛はどんな艦娘だったんだ?」

 

 

少し興味が湧いた海原は電子書庫(データベース)を起動させて検索をかける。

 

 

「えっと…栗色の長い髪に肩出しの巫女服みたいなのを着てて…」

 

 

「あっ!私の知ってる金剛と同じです!それで片言の日本語を喋ってる…」

 

 

「そうそう」

 

 

どうやら吹雪と三日月の記憶にある金剛は同じ個体のようだ。

 

 

「って…金剛って今までに4体も建造されてるのか!?」

 

 

電子書庫(データベース)の検索結果を見た海原は驚きの声を上げる、そこには同じ金剛の名前を持った艦娘が3体分轟沈艦リストに並んでいた、このリストに習うと今台場にいる金剛は四代目といったところだろうか、あと当然の事だが歴代の金剛は全員姿が異なっている。

 

 

「今の話に合う金剛は…こいつじゃないか?」

 

 

「あ~、そうですそうです、この金剛です」

 

 

「久しぶりにこのエセ外国人見ましたね」

 

2体の記憶にある金剛は先代…三代目の金剛だった、見た目はお淑やかな雰囲気だが、かなり活発な艦娘だったらしい。

 

 

「でも何で轟沈したんだろうな、戦果もかなり上げてるし、練度(レベル)も90近くあるから多分主力として活躍してたとは思うんだが…」

 

 

電子書庫(データベース)の画面を見ながら海原は考える、これを見る限りだと三代目金剛は横須賀鎮守府の主力艦隊の一員で数々の海域攻略に貢献している、こんな艦娘が轟沈とは、何があったのだろうか。

 

 

「先代金剛の轟沈は私の轟沈より後なので私も詳細は知らないですね、金剛は佐瀬辺司令官の事が好きだったのは知ってるんですけど…」

 

 

「はぁ!?あのクズを好いてた!?」

 

 

「肉体関係も持ってたみたいですよ、と言っても佐瀬辺司令官は毎晩色んな艦娘とセックスしまくってたんですけど、金剛とは特に多かったみたいです、もちろん艦娘に拒否権は無く強要でしたけど」

 

 

「吹雪さん詳しいですね…」

 

 

やたら佐瀬辺の裏事情に詳しい吹雪に三日月が言う。

 

 

「当時僚艦だった叢雲(むらくも)って駆逐艦の艦娘が被害にあってて、その子から聞いた」

 

 

「あいつ駆逐艦ともセックスしてんのかよ、とんだロリコンだな」

 

 

海原が鋭いツッコミを入れるが、この台場鎮守府も構成員を考えれば似たようなモノだろう。

 

 

「あんな最低なやつに尻尾振って抱かれてたって考えると、何だか金剛が哀れに思えてきて…」

 

 

そう言うと吹雪は遠い目をする、金剛がなぜ佐瀬辺の事を好きになったかは分からないが、あんな男に心を奪われるというのはいささか吹雪には理解し難かった。

 

 

「まぁ、人に抱くイメージってのはそれぞれだからな、金剛の中にはお前の知らない良い佐瀬辺がいたんだろう」

 

 

「それはそれでイヤですね、あのクズが良い人って考えると気持ち悪いです」

 

 

「本当に辛辣だなお前は…」

 

 

海原は苦笑しながらそう言った。

 

 

 

 

呉鎮守府の面々が台場に来て一日経ったが、マックスが現れる気配は無かった。

 

 

「そう都合良くはいかないようですね」

 

 

「ま、そんなもんさ、でもチャンスはきっと巡ってくる」

 

 

金剛が伏し目がちに言うと、海原は励ますように返した。

 

 

「そうだ、お前らにはまだ言ってなかったけど、年中暇なこの台場鎮守府に新しい娯楽がやってきたぞ」

 

 

「娯楽?」

 

 

「漫画でも買ってきたんですか?」

 

 

吹雪とハチは首を傾げて訊ねるが、海原はちっちっち、と人差し指を横に振る年寄り臭い事をする。

 

 

「残念だがそんなチャチなもんじゃあねぇ、新しい娯楽…それはこれだあああぁぁ!!!!!!!」

 

 

海原は机の中から大きめの箱を取り出す。

 

 

「そ、それは…!」

 

 

「PB4じゃあないですか!」

 

 

海原が出したのは最新家庭用ゲーム機のPlayBox4(プレイボックス)だった。

 

 

「先月あたりからやりくりしてやっとの思いで買ったんだよ、前にゲーセン行ったときお前らめっちゃはしゃいでたから喜ぶかと思って」

 

 

こればかりは海原もどや顔だ。

 

 

「凄いです司令官!」

 

 

「よく買えたわね!」

 

 

台場艦隊の連中は大はしゃぎしているが…。

 

 

「台場って年中こんな調子なのかしら…」

 

 

「これで全員ケッコン済みってのがすげぇよな…」

 

 

金剛と摩耶は複雑な顔をしていた。

 

 

 

 

「本当にアタシたちも一緒にやっていいのか?」

 

 

「もちろんです、マックスを探すのはもちろんですけど、焦ってもいい結果は出ません、向こうからやってこないとどうにもならないんですからここは腰を据えて待っていた方がいいんですよ」

 

 

「だから一緒にゲーム…ってわけなのね」

 

 

早速海原がゲットしてきたPB4をセッティングする吹雪たち、ソフトも一緒に買ってあるので何も心配はいらない。

 

 

ちなみにやるゲームは“ANGEL OF STRANGER(エンジェル オブ ストレンジャー)”という対戦アクションゲームだ。

 

ジャンルで言うなら格ゲーの方が近いが、このゲームは3Dフィールドをキャラクターが縦横無尽に駆け回りながらバトルをするという、今までの格ゲーとは少し違った形式になっている。

 

 

「暇つぶしに誰が強いか対戦してみようぜ」

 

 

「いいですね、面白そうです!」

 

 

「フッフッフ、こう見えてアタシゲームはかなり得意なんだぜ?」

 

 

「その摩耶さんの脳髄をぶちまけてやります!」

 

 

「ゲームの話だよな三日月!?」

 

 

かくして、決して広くない提督室で決して大きくないテレビを使った規模の小さいゲームが始まった。




本編に関係ない蛇足もぶっ込んでいくスタイル。

アーケードで3-4をクリアしました。

うちの駆逐艦かなり頑張った。

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