艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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艦これアーケードで響が轟沈してしまいました、ペナルティー(提督レベル1ダウン&艦娘レベルリセット)付で復活させたけどもう一度レベリングをやり直すのがしんどい…。

あと朝潮の改カードゲット出来ました、使い込むとゲット出来るって本当だったんですね、なら最初から使ってる吹雪の改カードくれませんかねぇ…

そう言えば深海棲艦の艦載機って名前とかあるんでしょうか…?


第46話「三日月の場合31」

 

 

 

時は少し遡り、吹雪と暁が渦に飲まれた直後。

 

「吹雪!暁!」

 

 

「瑞鶴!気持ちは分かるけど、今は戦いに集中して!」

 

 

何度も吹雪たちの名前を呼ぶ瑞鶴にローマが渇を入れる、本当はすぐにでも探しに行きたいが、今はここで戦っている仲間の為にも退くわけにはいかない。

 

 

「艦載機、発艦!」

 

 

すぐに終わらせて吹雪たちを探しに行く、その一心で瑞鶴は艦戦と艦爆を発艦させる、蒼龍と飛龍もそれに続いて攻撃機(それしか積んでいないが)を発艦させる。

 

 

「摩耶!戦艦棲艦に向けて主砲発射!霧島は空母棲艦に向けて!」

 

 

「了解!」

 

 

「おっしゃあ!」

 

 

戦艦、重巡組も負けじと戦艦棲艦と空母棲艦を落としにかかる、旗艦(リーダー)のベアトリスが破格の強さを持っている事は明らかだ、ならばここは手前の取り巻きを倒して一対多数の状況を作り出した方が有利に戦える。

 

 

「図に乗るな!牡丹雪!」

 

 

そうはさせまいとベアトリスが動いた、人喰い箱(ミミック)の口が開き、艦載機のようなモノが大量に飛び出す。

 

 

「な、何あれ!?」

 

 

「艦載機…か?」

 

 

しかし今まで空母棲艦が発艦させていた艦載機とはまるで姿が違った、今までのカブトガニのようなそれではなく、白く丸っこい機体に手やら目やらが付いているなんとも変わった形だ、そしてその手には艦爆や艦攻の爆弾や魚雷が握られていた。

 

 

「って、おいおいおい!何だよあの数!?100や200じゃきかないぞ!」

 

 

そして連合艦隊を驚かせたのはその数、牡丹雪と名付けられた白い艦載機は人喰い箱(ミミック)の口から出るわ出るわ、その数はゆうに300機はあるだろう。

 

 

「瑞鶴!ありったけの艦上戦闘機を発艦させて!」

 

 

「了解です加賀先輩!」

 

 

瑞鶴と加賀は艦戦をこれでもかと発艦させる、これで少しでも牡丹雪の数を減らす作戦だ。

 

 

「そんなモノでわたしの牡丹雪を落とせると思っているのかしら?随分とナメられたものねぇ!」

 

 

しかし艦載機同士の戦い(ドッグファイト)ではベアトリスの牡丹雪が勝っていた、瑞鶴、加賀合わせて約200機あった艦戦がわずか20秒で70機程にまで減らされている。

 

 

「う、うそ…!?」

 

 

「でも相手の牡丹雪もそれなりに減らしたわ、これで少しは…!」

 

 

加賀がそう言った瞬間、残った牡丹雪132機が一斉に連合艦隊に向かって急降下してくる。

 

 

「マズい!対空射撃用意!撃てええぇぇ!!!!」

 

 

霧島が空母以外の艦娘に対空射撃を指示、主砲を空中に向かって放ち、牡丹雪を落としにかかる。

 

 

「牡丹雪!総攻撃!」

 

 

ベアトリスが指示を出すと、牡丹雪が自分で爆弾や魚雷を()()()()()

 

 

「なっ…!?」

 

 

「艦載機が、自分で爆弾を投擲した…!?」

 

 

あまりの光景に愕然とする連合艦隊、そして130を超える牡丹雪の攻撃など防ぎきれる訳もなく、雨霰の如く降り注ぐ爆弾の応酬を受けることになった。

 

 

「きゃああああぁ!」

 

 

「うぐっ!」

 

 

「おわぁ!」

 

 

今の攻撃で霧島、ローマ、伊勢、鈴谷、瑞鶴、加賀が大破、比叡、蒼龍、飛龍、摩耶が中破という大損害を受けた。

 

 

「瑞鶴、飛行甲板は?」

 

 

「加賀先輩同様に損傷甚大です、艦載機発艦は不可能ですね」

 

 

瑞鶴と加賀の飛行甲板の読み取り部分が大きく損傷してしまい、艦載機を飛ばすことが出来なくなってしまった。

 

 

「ローマさん!霧島さん!ここは退きましょう!流石にこの状況じゃ…!」

 

 

摩耶がローマたちに訴える、確かに今の状態で戦闘を続けたら致命傷は免れない。

 

 

「逃がすと思うかしら?」

 

 

ベアトリスが再び牡丹雪を発艦させる、その数は先程より少なめの200機、アレをまともに食らえば間違いなく助からない。

 

 

「瑞鶴さん!加賀さん!少し借ります!」

 

 

「えっ!?」

 

 

蒼龍と飛龍が瑞鶴と加賀の艦戦を引き抜くと、流れるような動きで発艦させる、数はベアトリスには遠く及ばないが、次弾装填の時間稼ぎにはなるだろう。

 

 

「本当はこんな使い方したくないけど…!」

 

 

今度は自分たちの攻撃機を発艦させ、ベアトリスの牡丹雪に()()()()()()()

 

 

「な、何を…!?」

 

 

「艦戦が無いので特攻(これ)で代用します、効果は薄いかもしれませんが…」

 

 

艦戦と特攻の奮闘もあり、ベアトリスの牡丹雪をごっそり減らすことに成功した、もう100機も残ってないのではないだろうか。

 

 

(…すごい、さすが主戦力鎮守府のトップ、艦載機の運用能力も伊達じゃないわね)

 

 

瑞鶴は驚いた顔で蒼龍たちを見る、火力馬鹿でしゃくに障るヤツらではあるが、その実力はまさに折り紙付きだ。

 

 

しかしそんな瑞鶴の関心とは裏腹に、蒼龍たちは浮かない顔をしていた。

 

 

(まさか空撃で艦戦がこんなに重要になるなんて…)

 

 

蒼龍も飛龍も艦上戦闘機を積んでこなかったことを大きく後悔していた、敵本体への攻撃力が無いため馬鹿にしていたが、いざ使ってみると戦いやすさが全く違っていた。

 

 

(主戦力鎮守府のエースが聞いて呆れるわね…)

 

 

蒼龍は自嘲気味に笑う、航空戦の事は何でも知っていると自負していたが、これではエースなどとは名乗れない。

 

 

「っ!瑞鶴!頭上に敵艦載機あり!」

 

 

「そんな!いつの間に!?」

 

 

ローマの警告で瑞鶴は上を向く、そこには数機の牡丹雪が爆弾を持って急降下してくるのが見えた。

 

(マズい!かわせない!)

 

今から避けるのはタイミング的に不可能だ、しかしコレを食らえば最悪命を落としかねない。

 

 

「瑞鶴さん!」

 

 

万事休すかと思われた次の瞬間、蒼龍が瑞鶴の前に飛び出し、牡丹雪の爆撃を身替わりになって受けた。

 

 

「えっ!?」

 

 

「ぐっ…うぅ…」

 

 

今の爆撃で蒼龍は大破になった、飛行甲板もやられてしまったので艦載機の発艦も不可能だ。

 

 

「どうして…」

 

 

「さぁ、どうしてでしょう…気付いたら、身体が勝手に動いてました」

 

 

蒼龍は乾いた笑いを浮かべる。

 

 

「ふっ…流石にしぶといわね、でも次で…」

 

 

そう言ってベアトリスはさらに牡丹雪を発艦させようとしたが、インカムにシャーロットからの連絡が入る。

 

 

『退却準備が整いました!すぐに戻って合流してください!』

 

 

「分かったわ!」

 

 

ベアトリスは踵を返して撤退準備に入る、本当はここで艦娘どもを全滅させたかったが、()()()の為にもここは従うべきだろう。

 

 

「今日のところはここまでにしてあげるわ、次会ったときは命は無いと思いなさいよ」

 

 

ベアトリスは戦艦棲艦に煙幕弾(スモーク)を撃たせると、煙に紛れて姿を消してしまった。

 

 

「…終わったの?」

 

 

「終わったというか、見逃してもらった…って感じかな…」

 

 

その後、第1連合艦隊と合流した瑞鶴たちは大破になった身体を引きずりながらベースキャンプへと帰投していく。

 

 




そうそう、アーケードでキス島撤退作戦のドロップで蒼龍が出ました。

…D敗北でも正規空母って出るんですね。

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