艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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太鼓の達人のアップデートの追加曲が中々豪華だった。

個人的に「メタナイトの逆襲メドレー」はウルトラスーパーデラックスやってたから懐かしい。

そして「GO/アニメ“グランブルーファンタジー”より」は追加はえー。


第167話「東京湾沖海戦3」

木村の言葉を聞いた吹雪たちは同様を隠せなかった、潰す?どういうことなのだろうか…?。

 

 

「考えても見ろ、艦娘と深海棲艦の混血艦(ハーフ)…確かにその身の半分は艦娘なんだろうが、もう半分は深海棲艦ということだ、そんな危険な存在を野放しには出来ない」

 

 

「ちょ、ちょっと待って下さい!確かに私たちは混血艦(ハーフ)です、ですがあなたの考えるような危険な存在ではありません!」

 

 

「危険なやつほどそう言うものだ、大本営のお偉いさんはお前たちに有用性を見出しているみたいだが、まったくそいつらの気がしれないよ」

 

 

「…それで?あんたは私たちをどうしたいわけ?まさかここでそんな事を言うために呼び出したの?」

 

 

イライラと殺意を抑えすぎて握った拳から血を滲ませている暁が木村に問い掛けた。

 

 

「まさか、お前らを…台場鎮守府を選んだのは、監視のためだ」

 

 

「…監視?それはどういう事かしら?」

 

 

木村の発言の意味が分かりかねるマックスが問うた。

 

 

「考えてもみろ、この相互着任会は“互いの鎮守府の艦娘”を交換するイベントだ、お前たちが横須賀鎮守府に来たように、こちらの艦娘も台場鎮守府に向かう事になる」

 

 

「っ!?まさか…!」

 

 

木村の意図を察した吹雪が顔を青ざめさせる。

 

 

「そうだ、その台場鎮守府に向かったうち艦娘に向こうの監視を命令してある、台場鎮守府で待機しているお前の仲間の行動を見張り、その結果台場の艦娘が危険な存在だと俺たちが判断した場合それを大本営に通告する、ここで監視をしたらお前たちが本性を隠すかもしれないからな」

 

 

得意げに語る木村に対し、吹雪たちは冷や汗を流していた、台場鎮守府では深海棲器の開発やその訓練などが行われている、それらは戦術の幅を広げる…などと言えばごまかせるだろうが、問題なのは向こうにいる三日月たちだ。

 

 

ぶっちゃけ台場鎮守府の艦娘たちは軒並み手が出やすいのだ、特に台場ケルベロス辺りが顕著で、何かというとすぐに喧嘩腰になる、それが横須賀の艦娘に向けられないか…という懸念材料がバーゲンの大安売りのごとく沸き上がってくる。

 

 

「さてと、悪いがお前たちのPitをこちらで預からせてもらう、持っているなら出せ」

 

 

「…Pitを?」

 

 

「監視の事を台場の連中に連絡されたら正しい監視が出来ないからな、だから相互着任会の間は台場鎮守府との連絡を一切禁止する」

 

 

「ちょ、ちょっと待って下さい!いくら何でもそれはやり過ぎだと思います!」

 

 

吹雪がそう反論すると、木村の表情が険しくなる。

 

 

「…いいか?勘違いしているようだから言っておくぞ、お前たち混血艦(ハーフ)は本来存在する事が許されない異端の存在だ、そんなお前たちが今生きていられるのは大本営がその存在を認可して、周りがそれに苦言を呈さないからだ、でもどこかの鎮守府から混血艦(ハーフ)は危ない、なんていう反対意見が出たら…大本営は何もしないわけにはいかないよな?」

 

 

「っ!!あなたという人は…!」

 

 

吹雪は木村の思惑を知り、拳を握りながら睨み付ける。

 

 

「言っておくがこれは海軍のためだ、全国の提督や艦娘を混血艦(ハーフ)という深海棲艦以外の『敵』から守れるのであれば、お前たちの命など安いものだろう」

 

 

「…………」

 

 

Deep Sea Fleetは最早怒りを通り越して呆れの感情しか抱いていなかった、なぜ自分たちの事をよく知りもしないこの男に反乱分子の烙印を押されなければならないのだろう、今まで自分たちは海軍のマイナスになるような事はしなかったはずだ、秋葉原防衛戦ではエリザベートを追い返すのに一役買ったし、大演習祭(バトルフェスタ)では南雲元帥の提示した条件通りに戦い、勝利を収めた、こんな初対面の男に脅迫まがいの事を言われる筋合いはないはずなのだ。

 

 

「分かったらさっさとPitを出せ、持ってないなんて嘘をついたら大本営にあること無いこと言いふらすからな」

 

 

「…仕方ない…か」

 

 

木村の言っていることが本気だと悟った吹雪たちは大人しくPitを差し出す。

 

 

「それじゃあこれから今いる艦娘たちにお前らの事を紹介する、準備をするから用意してある部屋で待機してろ、15分位したら放送で呼び掛ける」

 

 

そう言うと、木村は武蔵に吹雪たちを部屋に案内するよう命令し、大和以外を退室させる。

 

 

「さてと、それじゃ早速チェックだな」

 

 

吹雪たちが出て行ったのを確認すると、木村は吹雪たちが差し出したPitをいじり始める。

 

 

「提督!それは流石にいけません!艦娘にもプライバシーと言うモノが…!」

 

 

「あいつらは艦娘じゃない、深海棲艦に身を堕とした裏切り者だ、裏切り者にプライバシーなんてモノはない、それにこれはお前たちが安心して明日を迎えられるようにする為に必要な事だ、海軍のためだよ」

 

 

木村はそう言って吹雪のPitのデータをチェックしていく、通話履歴やメールの内容、果ては写真までも漁っていく。

 

 

「…提督、それは本当に海軍の為なのですか?」

 

 

「…何が言いたいんだ?大和」

 

 

意味ありげな発言をした大和を、木村は眉をひそめて見つめる。

 

 

「海軍の為…というのは建て前なのではありませんか?ご自身の過去の憎しみと復讐心を正当化しようと…」

 

 

「それ以上の発言は許さんぞ」

 

 

今まで聞いた事のないほどドスの聞いた低い声と、こちらを射抜くような鋭い視線で見つめられ、大和は思わず数歩後ずさる。

 

 

「俺は艦娘を何よりも大切にする主義だが、その領域に立ち入る事は誰であろうと許さん、分かったな?」

 

 

「…はい」

 

 

「ならよろしい、さて…吹雪のデータに怪しいモノは無かったな、次は暁だ…」

 

 

木村は元の穏やかな様子に戻り、引き続きPitをいじる。

 

 

(…提督、あなたのやろうとしているそれは、本当に海軍のためを思っての事なのですか?過去の復讐心を正当化するための建て前なのではありませんか?あなたの本心は…どこにあるのですか…?)

 

 

 

 

 

時を同じくして、台場鎮守府の門には3体の艦娘が立っていた。

 

 

「相互着任会で横須賀鎮守府から来ました、阿賀野型軽巡洋艦3番艦の『矢矧(やはぎ)』です」

 

 

 

「同じく、青雲型駆逐艦3番艦の『天雲(あまぐも)』です」

 

 

「白露型駆逐艦11番艦の『秋霖(しゅうりん)』です」

 

 

横須賀鎮守府からやってきた艦娘たちは海原の前で敬礼をする。

 

 

「ようこそ台場鎮守府へ、長旅ご苦労だったね、中へ案内するよ」

 

 

海原は矢矧たちを中へと招き入れる。

 

 

(…この人が裏切り者を匿っている反逆者…、しっかり監視しないとね)

 

 

矢矧たちが不気味にほくそ笑んでいる事に気付く事なく…。




次回「差し金」

読者の方から頂いた艦娘登場、都合上全ての設定を採用出来なかった事をお詫び申し上げます。

おまけ:!!!吹雪タイム!!!のnewソート古い順。


【挿絵表示】


古参を大切にしよう、温故知新でいこっ!


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