艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー   作:きいこ

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戦艦が増えてきて戦力が拡大してきました、現在金剛、比叡、霧島、扶桑、山城、伊勢、陸奥の7体がいます、建造運がないので全てドロップでお迎えしました。


第137話「大演習祭17」

ビスマルクと神忌は目の前の駆逐艦2体を前に震えが止まらなかった、片方は左肩を粉砕骨折、もう片方は右腕を骨折しているというのに楽しそうに笑いながらこちらを見ている。

 

 

「何なのよあの駆逐艦は!?あんな怪我でニタニタ笑ってられるなんて、おかしいんじゃないの!?」

 

 

「そうかしら?これくらいの怪我、エリザベートに内臓と肋骨潰された時に比べたらまだマシな方よ」

 

 

「そうですね、室蘭時代に脇腹に風穴開けられた時に比べれば全然たいしたこと無いですよ」

 

 

2体は動く方の腕でそれぞれ深海棲器を構える、確かに軽くはない怪我だが、これよりもひどい重傷を何度も負っているのでこれくらいの痛みは耐えられる、これまでの経験や戦いが暁と三日月の精神と肉体を鍛えていた。

 

 

「行きますよ暁さん!」

 

 

「オーケイ三日月さん!」

 

 

暁と三日月が猛スピードでビスマルクたちに突進する、大破になっているので機動力を含め艤装の性能がダウンしてしまっているが、少し機動力が落ちたくらいでは混血艦(ハーフ)のスピードは殺せない。

 

 

ビスマルクと神忌が砲撃を行うが、暁と三日月はそれぞれバスターソードと騎兵軍刀(サーベル)で弾丸を切り裂いていく。

 

「何なのよあのスキル!チートもいいところでしょ!」

 

 

「なら、これでどう!?」

 

 

ビスマルクは再び雷撃を行う、魚雷の残りは少ないので節約したい所だったが、この際仕方ない。

 

 

「回避行動!」

 

 

「そりゃっ!」

 

 

しかし暁たちはそれをジャンプで軽々とかわしてしまった。

 

 

「はあ!?」

 

 

「ジャンプ!?」

 

 

「さっきは面食らって誘爆回避にしたけど、軽量級の駆逐艦はこんな事だって出来るのよ!」

 

 

そのままビスマルクたちに肉薄した暁と三日月は棘棍棒(メイス)星球鎚矛(モーニングスター)で思い切り殴りつける。

 

 

 

「ぐっ…!」

 

 

「調子に…乗るなぁ!」

 

 

ビスマルクと神忌が超至近距離からの砲撃を行うが、暁たちはそれを紙一重のタイミングでかわし、剣による素早い斬撃で斬りつける。

 

 

そこから先は棘棍棒(メイス)星球鎚矛(モーニングスター)によるリンチが繰り広げられた、ビスマルクたちの砲撃の反動が収まっていないのでやりたい放題である。

 

 

 

「あははははははははは!!!死ね死ね死ね死ねえぇ!二度と海の上に立てないようにしてやるわ!」

 

 

「2体仲良く手足潰してダルマにしてあげますからねぇ!きゃははははははは!!!!」

 

 

 

狂ったように叫び嗤いながら深海棲器を打ち付けている暁たちの姿は残虐な悪魔のようでもあり 、汚れのない無垢で欲望に素直な天使のようでもあった。

 

 

 

ビスマルクと神忌は戦闘不能寸前の大破になり、そのまま倒れてしまった。

 

 

「気絶したみたいね、さっさとトドメをさしちゃいましょ」

 

 

「そうですね、サクッと始末しましょう」

 

 

暁と三日月が深海棲器を振り下ろそうとした時…

 

 

 

「残念でした」

 

 

「戦艦がそう簡単に気絶すると思う?」

 

 

気絶したフリをしていた戦艦2体が暁たちに主砲を向け、無慈悲に砲撃を行う。

 

 

「ーっ!!」

 

 

「ーっ!?」

 

 

零距離で砲撃を受けた暁たちは勢い良く後ろに吹き飛び、衝撃に耐えられなかった防御装甲(プロテクトアーマー)の破片があちらこちらにまき散らされる。

 

 

「あちゃー、ちょっとやりすぎちゃったかな」

 

 

「別にいいんじゃない?調子に乗ったツケよ」

 

 

暁は折れた腕の骨が皮膚を突き破って飛び出ており、三日月に至っては左肩の皮膚が裂けて腕そのものがとれかかっている、気絶したのかピクリとも動かない。

 

 

当然2体は戦闘不能になり、戦線離脱を余儀なくされる。

 

 

台場の主力艦娘を2体も削ったビスマルクたちだが、こちらのダメージも決して軽くはない、深海棲器によるリンチで出血を伴う傷があちこちに出来ており、骨にヒビが入っている所も少なくなかった。

 

 

「さてと、それじゃあ次はあっちを潰してきますか」

 

 

そう言って神忌は武蔵と交戦を続けている吹雪を見る、武蔵の方は少しずつダメージを蓄積させているが、大和型の持ち味である高い防御力と強化装甲(バルジ)の効果で致命傷に至るダメージは受けていない、対して吹雪は未だノーダメージだ。

 

 

ちなみに篝は武蔵の砲撃で戦闘不能になっていた、防御装甲(プロテクトアーマー)を装着しているにも関わらず一撃で耐久値を削りきるのは流石大和型と言ったところか。

 

 

「残念ですが、あなたたちはここでリタイアです」

 

 

吹雪を仕留めに行こうとしたまさにその時、後ろから何者かの声が聞こえ、ビスマルクたちは驚いたように後ろを振り向いた。

 

 

「きゃあぁっ!」

 

 

「うぐっ…!」

 

 

刹那、砲撃にも似た衝撃が2体を襲い、そのままビスマルクと神忌は尻餅をついて倒れた。

 

 

「私は空母なので駆逐艦の皆さんのようなスピードはありません、なので相手の懐に素早く潜り込む白兵戦はあまり得意ではありませんが、狙撃なら誰にも負けない自信があるんですよ?」

 

 

そう言うと攻撃の主…大鳳は炸薬仕込みの矢を装填させたボウガンをこちらに向け、ためらいなくその引き金を引いた。

 

 

 

 

 

 

ビスマルク、神忌―戦闘不能。

 

 

 

 

 

 

 

「本当にしぶといやつだな、さっさと倒れればいいものを」

 

 

「こっちにも負けられない理由がありますからね、それまではどこまでもしぶとくいかせてもらいますよ」

 

 

だんだんと疲労が蓄積してきた武蔵がウザそうに言うが、それに対して吹雪は軽口で返す。

 

 

「なら、私も少し力を出させてもらおう!」

 

 

そう言うと武蔵は自分の左右両脇に副砲を顕現させる。

 

 

「副砲!?」

 

 

「副砲を積んでいる艦娘はそう多くはないが、私は別だぞ!」

 

 

武蔵は主砲と副砲を交互に撃ちながら吹雪を仕留めにかかる、吹雪は弾丸斬りを使って接触をはかろうとするが、副砲を出したために攻撃範囲と頻度が広がり、安易に近づけない状況に立たされてしまった。

 

 

それでも何とか武蔵に接近する事に成功し、渾身の右ストレートをお見舞いしてやる。

 

 

「どうした?利かぬぞ」

 

 

ダメージこそ砲撃戦のときより増しているが、未だ武蔵は中破のままだ。

 

 

「くたばれ!」

 

 

再度攻撃を加えようと体勢を立て直すが、それよりも早く武蔵が装填を終えた主砲をこちらに向ける。

 

 

(やば…!)

 

 

武蔵の正面にいた吹雪は慌てて回避行動を取り、武蔵の背後に回ろうと左に旋回する。

 

 

「かかったな」

 

 

しかしその吹雪が避けた先には、先ほど展開させた副砲が吹雪を喰い殺さんと待ち構えていた。

 

 

(しまった…!)

 

 

はめられたと吹雪が気付いたときには既に遅く、武蔵の副砲による砲撃が容赦なく吹雪を襲う。

 

 

「ぐがっ…!」

 

 

弾丸は吹雪の顔面に直撃し、そのまま海面を10バウンドしながら吹き飛ばされた。

 

 

「あっ…!ぐっ…!」

 

 

吹雪は仰向けに倒れた状態で何とか立ち上がろうとするが、当たりどころが悪かったのか身体から力が抜けていき、だんだんと意識が遠のいてしまう。

 

 

(ダメだ…!何とか立ち上がらないと、ここで負けたらみんなが、司令官の守りたかったモノが無くなってしまう…!)

 

 

 

吹雪はなんとか立ち上がろうと泥沼の中をもがくように手足を動かそうとするが、そのまま吹雪は意識を手放してしまった。




次回「リーザ」

最近は正規空母の数を増やしたいです、未だに赤城と蒼龍だけというのは寂しい。

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