艦隊これくしょんーDeep Sea Fleetー 作:きいこ
現在キス島撤退作戦攻略に向けてレベリングを進めております、頼むぞ由良。
「水雷巡洋艦か、大湊がこんな隠し玉を持ってるとはな」
回天の威力を見ながら海原は言う。
「隠し玉と呼べるほどのスペックは持っていないよ、さっきも言ったけど、水雷巡洋艦は艦娘の試作機みたいな存在だから他の艦娘と比べて
榊原はそう言って海原の発言を一部否定する、彼の言うとおり光たちの回天は戦艦の艦娘には有効打を与えられていないようだ、当たってはいるが中破で止まっている。
「それでも戦艦を中破に出来るのはすごいと思いますよ、最古の艦娘とは思えません」
「古いからといって弱いとは限らないんだよ、能力が低いのは事実だけど、長年の経験で培った技術やノウハウに関してはその辺の艦娘よりはるかに長けているからね」
「なるほど…確かにそうですね」
榊原の言葉に海原は頷いて納得する。
「あ、大湊が勝ったみたいですよ」
「マジか、水雷巡洋艦の連中結構やるな」
海原は感心したように光たちを見つめる、そこにはガッツポーズを決めて勝利の喜びを全身で表現する彼女たちの姿があった。
◇
佐世保と大湊の試合で一回戦が全て終了した、ここからは二回戦に入るのだが、その間に約30分の休憩時間が入る。
「マックス!久しぶり」
「お久しぶりです先輩」
海原たちが出店で買ってきた食べ物などを適当に食べ漁っていたところ、島風がこちらにやってきた。
「さっきはみっともない姿見せちゃったね、これじゃ先輩の面目丸潰れだよ…」
島風は心底悔しそうに言う、おそらく相手の水上機母艦の千歳&千代田にやられた時のことを言っているのだろう。
「そんな事ありませんよ、その前に重巡を大破にしてたじゃないですか、スゴいと思いますよ」
「そ、そうかな…?」
島風は気恥ずかしそうに頬を掻いた。
「でもマックスの元気そうな顔が見れて良かったよ、私も一安心」
何とも言えない恥ずかしさを誤魔化すように島風は話題をそらす。
「そう言う先輩こそ大丈夫なんですか?まだぼっちだったりしてないですか?」
「ぼっち言うな!ちゃんと関係修復の努力はやってるよ、この前だって朧たちとパフェ食べに行ったんだから!」
ぼっちと言われたことにご立腹なのか、島風は膨れっ面で抗議をする。
「…先輩にも一緒にパフェを食べに行ける艦娘が出来たんですね、私嬉しいです」
「涙ぐみながらそんな悲しい事言うの止めてもらえませんかねぇ!?いや、事実なんだけど!事実なんだけどなんか泣きたくなってくるから!」
そう訴える島風はすでに涙目であった。
◇
「やっほー暁!元気にやってる?」
「その後は変わりないのですか?」
「海原司令官も来ていたんだね」
続いてやってきたのは響たち第六駆逐隊だった、暁に会えて嬉しいのか、楽しそうに話している。
「そう言えば向こうの方で佐瀬辺司令官と南雲元帥が仲良さそうに話してたけど、あのふたりって仲良しなのかしら?」
「どうだろうね、話してるのは何回か見たことあるけど…」
雷と響の何気ない会話に暁は過敏に反応した。
「…あぁもう、あの
暁はイライラした様子で髪をかきむしる、それを見た雷たちは眉をひそめた。
「暁、あのふたりが嫌いなの?」
「出来れば今すぐふたりの所にいってぶっ殺したいくらいには嫌いよ」
「そんなに!?」
「…なんか思い出しただけで殺意がわいてきた、ちょっとシメてくる」
「ちょ、ちょっと暁!?落ち着いて!」
「まずは生きたまま腹を裂いて腸を目の前に晒して精神を狂わせてからナイフで皮膚をベリベリと…」
「なんか怖いこと口走ってるよ!?」
「もう手遅れなのです…」
何とかして暁を落ち着けた響たちだが、しばらく会っていない間に暁の闇が深くなっているような気がした第六駆逐隊であった。
次回「横須賀鎮守府VS舞鶴鎮守府」
何気に横須賀の編成が一番気になる、という人の方が多いんじゃないかと個人的に思っております。