絶唱光臨ウルトラマンシンフォギア   作:まくやま

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EPISODE 20 【蘇りし殺戮の福音】 -B-

 ロンドンのとあるビル、その屋上で人影が一つ佇んでいた。ダークグリーンを基調とした柔らかな衣装を纏う、微動だにしない女性の姿だ。

 風でたなびく長い髪と、右手に携えられた大振りの”剣”。赤い液体が滴る剣を持つ彼女は、微笑みながら眼を閉じて”静止”していた。

 静寂の空間へ扉の開く音が聞こえる。その場に飛び込んだ者は、青い髪を靡かせる防人の少女、風鳴翼。その存在を予見していたかのように、”静止”していた彼女はキリキリと軋む音を上げながら翼の方へ振り向いた。

 

「お久し振りね、剣ちゃん」

「貴様……ファラ・スユーフッ!」

 

 翼に名を呼ばれた女性、ファラはうやうやしく深々とお辞儀をする。だが持ち上げられたその顔は、何処か挑発的で挑戦的な顔をしていた。構える翼の隣に、左腕のブレスレットから放たれた光がヒトの身体を成していく。現れたのはラン……人間の肉体に擬態したウルトラマンゼロだった。

 

「テメェがウワサの人形か」

「キャロルが蘇ったと聞いてはいたが、貴様もか……ッ!」

「私だけじゃなくってよ。貴方たちがあの悪質宇宙人に誘われた各所にも、我らの手は既に及んでいる」

 

 

 

 同刻、クウェート。天を貫く塔を仰ぐように、赤い人影がしゃがみ込んでいた。相対するのは月読調、暁切歌、北斗星司の三人。周囲に突き立てられた赤熱する結晶の”杖”を見た時に、調と切歌にはあの人影の正体が誰だか理解っていた。

 

「お前は……!」

「オートスコアラー、ミカ・ジャウカーン……ッ!」

「お前らが来ることは承知の上だったゾ。前に切り伐り刻まれた分も合わせて、全部燃やして分解してやるんだゾ☆」

「やれるものならやってみろ。この地球は、俺たちが守護るッ!」

 

 即座に構える三人。対するミカはケタケタと笑いながら道化のように無軌道なステップを踏み両手を振り上げ飛び掛かって来た。

 

 

 

 同刻、バルベルデ。荒れた地に撃ち込まれる”金貨”に対し、赤い銃把を握り引鉄を引き絞りながら弾丸で相殺する人の姿が在った。

 片やタップを踏みハイテンポなリズムに乗せて黄金を発射する男装の麗人。対するは赤き戦装束を纏い二挺拳銃を乱れ撃つ少女と、その間を縫うように特殊拳銃で攻撃を放つスーツ姿の男。クリスと猛だった。

 

「これがオートスコアラー……レイア・ダラーヒムの力か!」

「よりにもよってこの国にアタシを呼び付けるたぁ、とことん嘗めた真似してくれやがるッ!」

「地味なれど其れもまた作戦。己が運命を崩された地に立ちて、何を想ってお前は戦う?」

「ッちょっせぇ事をぉぉッ!!」

 

 咆哮と共に、硝煙と爆風が巻き起こる。最愛の家族を奪い幼き我が身を地獄へと引き摺り込んだ彼の国にて、雪音クリスは恩師と共に世界を守護る戦いを始めていた。

 

 

 

 同刻、ロサンゼルス。身体から想い出と共に生気を吸い奪われ廃人の如く白く倒れる人々の群れ。その中央に佇む黒い影があった。バレリーナのようにつま先で立ち、まるで天を仰ぐように両腕を広げるその少女の姿は、まるで”聖杯”を思わせる。

 そのまま天空を見つめながら、少女は挑発するように声を発した。自らが決めた宿敵を呼びつけるかのように。

 

「どうせ何処かで見てるんでしょ? さっさと出て来なよハズレ装者。

 出てこないんだったら、このガリィ・トゥーマンが聖女に贈る贄が増えていくだけよぉ~?」

 

 ケタケタと嗤うガリィの背後に小さな流星の如き光が落ちる。嬉しそうにそこへ振り向くと、彼女の目線の先には白銀のシンフォギアを身に纏った美しき聖女の佇む姿が在った。

 これ以上の言葉は要らぬ――そう言わんばかりに、アガートラームを構えたマリアがガリィ目掛けて突進していった。

 

 

 

「響ちゃん以外の各装者、戦闘を開始!」

「マリアさんの信号も確認! 無事に帰還したようです!」

「そうか! よしッ!」

 

 各員の状況を把握する指令室に届く各装者のシンフォギアが放つ認識信号。マリアとアガートラームの信号も届けられたのを見て、指令室内に安堵のざわめきが立った。みんな、彼女の安否を心配していたのだ。

 マリア復活の報は他の装者たちにも即座に伝わり、戦う彼女らの顔に喜びの笑顔を生み出す。当然のように流れて来る幼い声を共に在る大人が一喝で抑え、迫る敵の対処を行っていった。

 

 

 そして東京都庁跡地。

 魔法少女事変での最後の戦いの場となった此処は、首都機能の中枢部分だったと言うことから急ピッチでの復旧作業が行われたため、数か月経った今では新しい都庁の完成を待つばかりであった。

 そんな東京だったが、此度の怪獣騒動の影響で新都庁工事に大幅な遅れが生まれ、建設中の現場には落下物や粉塵の飛散防止を担うメッシュシートが未だ覆われたままだった。

 非常警戒警報の発令により、近辺には既に人の姿はない。閑散とした場所、その空中に浮かぶ一人の少女の姿が在った。キャロルだ。

 無感情な顔のまま見下ろす地に一台の車が停車する。そこから出て来たのは響とエルフナイン、運転を担っていた慎次の三人。視線が交錯し合う中、最初に声を上げたのは響だった。

 

「キャロルちゃんッ!!」

「やはりお前が来たか、立花響。それに、まさかお前も付いてくるとはな……我が半身」

「……やっぱり君は、キャロルなんだね?」

 

 エルフナインの声が、髪の色やほくろの位置まで正確に投影されたもう一人の自分自身へと投げかけられる。キャロルはただ嗤いながら、見下すようにエルフナインへと言葉を返していく。

 

「紛う事などなかろう。オレは父イザーク・マールス・ディーンハイムより錬金術の叡智を授かり、託されし命題である万象黙示録を完成させんが為に此処に在る。

 全ては父の……錬金術師の宿願を果たす為に――」

 

 その言葉だけで十分だった。ただのそれだけで理解できるほどに、彼女はキャロル・マールス・ディーンハイムだったのだ。その理解を得た上で、エルフナインが再度彼女に向かって声を投げかけていく。

 

「教えてキャロル! その記憶を抱いている君が世界の解剖を行うことは理解ってる……。だけどボクには、今のキャロルの想いが理解らない!

 あの戦いで、パパから託された命題の本当の意味を知ったはず。錬金術の到達点……その真理は――」

「――万象を識ることで通じ、世界と調和すること。世界を赦し、人と人が理解り合うこと……」

 

 思わぬ返答に怯むエルフナイン。返された言葉は、一度はキャロル自身が全身全霊を以って否定した言葉でもあった。理不尽に父を焼かれ、復讐に堕ちた彼女にとって世界とは噛砕すべし忌むべき存在。調和など有り得ぬものと吐き捨てたのだ。

 だが今の彼女は、その言葉をも粛々と受け入れているようにも感じられる。それが、エルフナインには理解らなかった。

 

「それを識っていて、何故……」

「決まっていよう、世界に理解らせてやるのだ。かつてこの身が味わった、懊悩と煩悶を……ッ!」

「それって、復讐ってことじゃ!」

「理解り合うのが調和であるならば、オレの痛みも理解って然るべきだろう? 故に世界を分解し、オレのこの痛みを地球(ほし)の全てに伝え刻み込む。そして我が身も地球(ほし)と一つになり、砕けた世界との調和を為す……。

 それを復讐と言うのであればほざくが良いさ。だが此れもまた真理へと至る道……パパの遺した命題を為す、その答えだッ!」

 

 言い放つキャロルに、響もエルフナインも言葉が出せなくなった。

 ”理解してもらう”為に己の痛みを曝け出し解き放ち、”理解する”為に同化する。それは是か、はたまた非なのか……。彼女らには、それを正す術を持たなかった。

 言葉にしなければ、想い抱き締めるだけでなく伝えなければ理解らない。それを知ったが為に、キャロルの言葉で足が止まってしまう。自らが誰かの痛みを受け止め、また誰かに痛みを受け入れて貰って来たが故に。

 口を噤んだままの響とエルフナインに向かい、キャロルが再度口を開く。まるで歓喜するように顔を歪めながら。

 

「黄泉より現世へとエタルガーに引き戻され、彼奴の言葉にて得た解答……。それこそがオレの求めていたもの。この心身が飢餓していた、オレ自身の望みなのであるとッ!!」

『そうだ、それでいいのだよキャロル……』

 

 渦巻く空から見える黄金の威容。キャロルの言葉を肯定するかのように、エタルガーがその姿を現した。

 

「エタルガー!」

『理解らぬ者に理解らせるには、痛み以外に在り得ない。世界を識る為には先ず、世界に己を識らしめてやらねばならんのだ。

 思い出せ、父を焼かれたあの日の事を。無識な衆愚に燃やし尽くされたあの時を。そして君の痛みを、存在を、この世界に再度刻み付けてやるのだよ! 最愛の父の分までッ!』

「理解っているともさ。その為に、オレは黄泉還ったのだからッ!」

「だったら……」

 

 響が立ち上がる。迷いは未だ心を絡めているものの、自分が何をしたいのかはすぐに答えとなって脈動したのだから。

 

「だったら私が受け止めるッ! キャロルちゃんの抱える痛みや悲しみや憎しみをッ! 前と同じように、何度でも受け止めてこの手を伸ばすッ!!」

「たかだか一つ握りの奇跡風情で、オレを受け切ろうなどと思うのかッ!! 世界を噛み砕く破滅の旋律、忘失れたなどとは言わせぬぞッ!!」

 

 突き出したキャロルの右手に四大元素(アリストテレス)の一つを示す黄金の紋章が浮かび上がる。そこから紋章と同色の破壊のエネルギーが巨大な光線となって響たちに向かって突き進んでいった。

 即座に慎次と目を合わせる響。申し合わせたかのように慎次はエルフナインを抱きかかえて瞬歩でその場を離れ、同時に響の口からはシンフォギアを励起させる聖詠が歌われていた。

 

「――Balwisyall Nescell gungnir trooooo…ッ!!!」

 

 炸裂する土煙の中から、貫くようにシンフォギアを纏った響がキャロルに向かって飛び出した。既に右腕のガントレットはいつものブースター型に変形されており、全力の拳がキャロルに向かって伸ばすべく撃ち放たれる。

 だがその一撃はキャロルがその身を預ける殲琴によって防がれてしまい、空中で身を翻したキャロルが響の背中に向けて更なる一撃を発射。後の先を打たれてしまうことになった。

 手で制動をかけながら着地する響。見上げた視線はすぐにキャロルへと焦点を合わせ、力強く大地を蹴り込み跳び立つ。そして再度強く握り締めながら、大きく振りかぶった右拳を突き出していった。

 それに合わせる形でキャロルが四大元素(アリストテレス)を束ね合わせた極大の一撃が放たれ、カウンターとなって響に叩き込まれる。吹き飛ばされビルに叩き付けられた響は、その眼に力を残しながらも瓦礫の中へと落ちていった。

 

「ぐあああぁぁぁッ!!」

「響さんッ!」

「まだだッ! そんなもので、そんな程度でオレの痛みはぁッ!!」

 

 自らの身体を預ける殲琴の弦を弾き鳴らす。鳴り渡った旋律と共に歪な琴はその姿を変え、キャロルの身体へと纏わりつく。同時に錬金術の叡智が生み出したその幼い肢体が豊満な大人の其れへと変わり往く。

 シンフォギアに酷似する濃柴の強化装甲と化した殲琴の聖遺物、ダウルダブラのファウストローブを身に纏い世界を壊す歌を奏で唄うものへと姿を変えた。

 

「その姿……」

「世界を壊す歌……其れを強く響かせる音響機、世界へと伝播させる楔。全てが揃いし時、終焉の胎動がより大きく高まる!」

「そんなこと、させない……!」

「ならば受け止めてみせろッ! この一撃は貴様が望んだ、オレの懊悩と煩悶を込めた世界を噛み砕く猛牙となろうッ!!」

 

 天空に手を掲げたキャロルの手に暗黒が収束する。暗黒はやがてダークスパークと同じ形を為し、肥大化して巨大な槍へと変化。それを掴み取ると、槍を纏う暗黒が更に勢いを増していく。その底知れぬ波動に、響が既視感を感じていた。つい先日、最も大事な親友との戦いの時に幾度となく目にしていたそれを。

 

「ダミーダークスパーク……マイナスエネルギーッ!?」

「何を驚くことがある? 我が身に滾るこの想い、此れこそが力へと()べる薪炭であるとッ!」

 

 暗黒が燃え盛り、巨大な槍が更に鳴動する。それに応じてキャロルの身体からもマイナスエネルギーが吹き上がり、暗黒のオーラがその身を包み込む。 見開かれた眼は狂気を宿し、視線は眼下――瓦礫の中の響へと向けられていた。

 交錯することで気付く殺意。キャロルが次に何をするのか、思考ではなく反射で理解していった。

 

「諸共に砕けて塵と為れッ!!」

「ぐうううああああぁっ!!」

「響さぁぁぁんッ!!」

 

 キャロルの手より離れた暗黒の槍が、眼前に展開された四大元素(アリストテレス)……【風】、【土】、【水】、【火】のそれぞれの力を示し漲らせる方陣を貫き、その力を宿し輝きを放ちながら突進する。

 対する響は即座に両足のバンカーを地面に打ち付け、両腕をブースターガントレットに変えて多重に輝く槍を両手で捕まえ受け止めた。炎を噴出させて勢いを殺そうとするも、力を高めた一撃は響一人では抑えることも叶わず、突き立てたバンカーをへし折り受け止めていた両腕を弾く。

 直後着弾と同時に炸裂する地面。思わず顔をガードする響だったが、爆熱を宿す突風と驟雨の如く打ち付けられる瓦礫は彼女の身体をいとも容易く吹き飛ばした。

 

「響さんッ!」

「……大丈夫。へいき、へっちゃら……ッ!」

 

 エルフナインの呼び掛けに絞り出すように答えながら立ち上がる響。なんとか力を出して拳を握り、再度構えを取る。

 そのまま先程の爆心地を見ると、放たれた暗黒の槍は地面を穿ち貫き深淵へと消えていた。一拍の間を置いて、槍によって抉られた孔から怪しい光が天を貫くように噴き出し、地の底から大きな揺れが発生した。

 揺れはすぐに収まったものの、眼前のキャロルは何処か嬉しそうに歪んだ顔を浮かべていた。

 

「キャロルちゃん、今のは一体――」

「マイナスエネルギーにより生み出されし闇の楔。地球(ほし)を駆け巡る龍脈(レイライン)の交錯点へと穿ち、四大元素(アリストテレス)と共にその力を伝播させる。

 既に穿たれし四つの楔はその力を受け取ることで更に力を増し、やがて世界を噛み砕く闇の光と化す――」

「四つの楔……まさかそれはッ!」

 

 何かを察したエルフナインの言葉にくぐもった笑みで返答するキャロル。その直後、通信機を通じて指令室から緊急連絡が鳴り響いた。

 

『ロンドン、ロサンゼルス、クウェート、バルベルデ、東京の各地点でのマイナスエネルギーと時空振動値が急激に上昇ッ!!』

『東京以外の各地点で異常気象が観測されましたッ!! ロンドンでは超大型台風が複数出現、ロサンゼルスでは急遽大気汚染警報が発令、クウェートでは気温が58℃と異常数値を検知、バルベルデでは地盤沈下が連続して起こっていますッ!!』

「これは、一体……」

「ククク……ハァーッハッハッハッ!!!」

 

 藤尭とあおいの叫ぶような報告に驚きながら、響とエルフナインは再度キャロルの方へ向く。鳴り渡るはキャロルが奏で唄う【奇跡を殺す殺戮の福音】を示す讃美歌にも似た終焉への追走曲(カノン)

 中空に佇むキャロルの背後の空間が砕け割れ、位相を越えて巨大な建造物が姿を現す。それはキャロルの歌に呼応し、明滅と共に大地より伸びる光を浴びていた。

 

「チフォージュ・シャトー……!」

「再演だ、世界を壊す歌のなッ!!」

 

 

 

 時を同じく、藤尭とあおいの報告は各地点にて戦いを繰り広げる装者とウルトラマンたちにも届いていた。

 翼とランは天空へ逆巻き昇る暴風にその身を固め、調と切歌と星司はもう一つ生まれた灼熱の太陽に焼かれる身を耐えながら、クリスと猛は揺れ動き沈み往く大地に足を取られまいと踏ん張り、マリアは最早殺意にも取れる激臭毒霧を少しでも吸わぬよう抑えている。

 対するオートスコアラーたちは、それぞれの色を伴い天へと伸びる光を背に高笑いを放っていた。溢れ出る輝きからは、龍脈(レイライン)の最終地点で歌うキャロルの歌が伝播し流れていた。

 

「始まるわ、世界を壊す歌がッ!」

「始まるんだゾ、世界の解剖がッ!」

「そして終わる、安寧なる世界がッ!」

「終わりを告げる、この世界の星命(いのち)がッ!」

 

 光の柱の中に漆黒の球体が浮かび上がる。見るからに悪しきを体現した繭のような物体……マイナスエネルギーの産物であることは理解できた。蠢くそれに反応し、オートスコアラーの各々が血のように赤い結晶体に覆われる。

 

「これはキャロルの歌……。一体何が……!」

「さぁてな……。だが、生半なヤツじゃねぇことは確かだッ!」

 

『我らは魔神に仕えし終末の四騎士……。遍く世界を噛み砕く破滅の顎……。

 魔神の名の下に世界へと君臨するは、魔の王たる禍つ獣なり――ッ!!』

 

 結晶と化したオートスコアラーたちが漆黒の繭に飲み込まれる。同時に繭は大きく蠢き、やがてその実体を変化させていく。

 蒼翼より獄風を放つもの――【禍翼】。

 双首より獄炎を纏うもの――【禍破呑】。

 黒鐵より獄土を生むもの――【禍蔵鬼】。

 金鱗より獄海を化すもの――【禍邪波】。

 世界を噛み砕くためだけに生まれ落ちた獣たちが咆哮を上げる。創造主の命である、”奇跡を鏖す”為に。

 

「なんか、トンでもってレベルじゃないデスよアレ!」

「魔王獣……まさかそんなヤツまで出現するとは……ッ!」

「知ってるの、星司おじさん!?」

 

「他の世界での話だ。遥か昔に突如地球に現れ、世界を滅ぼさんと破壊の限りを尽くしていた大怪獣や超獣すらも越えるもの……それが、魔王獣」

「ンなこと言うがよセンセイ! 昔フィーネから聞いてた限りじゃ、あんな連中の話は無かったぞッ!?」

 

「……だけど、ドクターはこの存在を既に予見していた」

 

 マリアの呟きに合わさるかのように移動本部の指令室で軽快な音が鳴る。オペレートと並行して進めていたレポートの解析が終了したようだった。

 

「レポートの解析終了! 筆者は……Dr.ウェルッ!?」

「よりにもよってあの男のものか……! モニターに出せッ!」

 

 メインモニターに表示させる文章の羅列に、弦十郎がすぐに目を通していく。全てを読み通す時間は無いが、星司と猛から聞こえた『魔王獣』という存在を把握すべく優先的に目で追っていく。そしてそれに該当する部分を、全員に向けて発信していった。

 

「……『龍脈交錯点(レイポイント)にマイナスエネルギーの楔を打ち込み、其れを中継点としてチフォージュ・シャトーとの共振を以て増幅された四大元素(アリストテレス)を伴うフォニックゲインを地球全体に伝播。楔を起点にしたマイナスエネルギーの肥大と暴走こそが世界分解の新たな儀式となる。

 影法師が用意した地球破壊の因子と四代元素(アリストテレス)を融合させて生み出すは、天変地異を巻き起こす力を持った巨大魔獣――【魔王獣】。そして過剰に増幅させたマイナスエネルギーはエタルガーへと注ぎ込まれ、彼奴の完全復活を目指すものとする』……」

『それが、キャロルの存在を利用したエタルガーの目的か……!』

『そしてその魔王獣は、今まさに現れようとしている……』

『これじゃあアイツの思惑通りに事が進みすぎデス!』

『食い止める方法は載ってねぇのかよオッサンッ!』

「残念ながら、読み進める限りそれは載っていない……。己が力でのマイナスエネルギーの強奪と利用についてしか書かれていない」

『ドクターはダークルギエルと言う闇の巨人と適合していた……。恐らくはその力でマイナスエネルギーを支配、ルギエルの持つ封印能力で魔王獣もエタルガーもスパークドールズへと封印する。

 それを対抗策としていたのね……ドクターの言っていた、世界を救う方法として……』

『……私には難しい理屈ってよく分かりませんが、つまりはシャトーと魔王獣をそれぞれどうにかすれば良いってことですよね?』

 

 響の提案は余りにも安直なものだった。だがそれ故に分かりやすい。眼前の存在によって世界の解剖が進むと言うのであれば、それらを斃せば止まるのではないかと言う道理だった。

 彼女の言葉を聞いて各々が思う。下手に策を巡らせるよりも、真っ直ぐに突き出す事こそが自分たちらしいと。

 

「確かに、立花の言う通りか」

「そりゃそうだ。ウダついててもやる事は変わらねぇ」

「悩む暇があったら……」

「ぶつかっていくのみデス!」

「やるべき事を……出来る事をッ!」

「やろう、みんなッ!」

 

「やってみろッ!! このオレを越えて、届かせられるものならばなあッ!!」

 

 響の眼前でキャロルがその両手を大きく広げる。指先から伸びるダウルダブラの鋼糸魔弦が吹き荒れるマイナスエネルギーを得て無限の増殖と拡大を見せ、かつて戦いの最後に生み出した碧の獅子機の如く破壊の権化を錬成していく。

 自らの身体を飲み込み完成されたものは、ウルトラマンと似た大きさのヒト型。深紅の体躯に黄金の鎧と兜を纏いマイナスエネルギーをその身より溢れさせる悪しき巨人。その姿を見たエックスが、すぐに自身のデータバンクより該当する名称を導き出していた。

 

『アレは、エースキラーかッ!?』

「エース、キラー……!?」

『ああ、ウルトラマンエースから貰ったデータにある。ヤプールがウルトラマンエースを斃す為に生み出した、最強の機械戦士だ!

 元々の戦闘力も高いが、その真価はウルトラマンたちの攻撃をコピーし使うことが出来ると言う点だ。それでエースたちウルトラ兄弟も苦戦を強いられてきたとは聞くが……』

「ただの模倣などと思うてくれるなよッ! こいつはシンフォギア……ウルトラマン……この地球(ほし)に蔓延する奇跡を鏖す殺戮者。

 故に、【ソングキラー】とでも名乗ろうかッ!!」

 

 重低音で吼えるエースキラー……もとい、ソングキラー。マイナスエネルギーを解き放つと共に、自らの身体にダウルダブラのファウストローブと同様の背面ユニットを装飾を装着した。

 その眼を赤く輝かせるソングキラーと相対し、響もまた自分が信じる正義で握り固めた拳と共に決意の眼差しを向けていた。

 

「刻み込んでやるッ! この世界に与えられた、オレの痛苦の全てをッ! 奇跡を蹂躙し、この身全てを調和の中に融け込ませてッ!

 それこそが真理へと至る道――パパのところに辿り着くための道ッ!!!」

「キャロルちゃんとシャトーは私がなんとかします。みんなは魔王獣をッ!」

 

 響の言葉に皆が了承の声を返す。同時に暗黒の繭が自らの姿の形成を完了、伸びる悪しき光の中から這い出るように出現する。

 翼とランの前に現れたのは、巨大な翼と強靭な脚を持つ翼竜の如き風ノ魔王獣【マガバッサー】が、

 調と切歌と星司の前には、赤く溶岩のようにひび割れた肉体と双頭を竜口を持つ火ノ魔王獣【マガパンドン】が、

 クリスと猛の前には漆黒の鋼鉄と肉体と歪な重機のような両腕を持つ土ノ魔王獣【マガグランドキング】が、

 マリアの前には黄金の鱗を纏い長い鼻と巨大なヒレを持つ水ノ魔王獣【マガジャッパ】が、それぞれの眼前へと出現した。

 

「お出ましだ。行くぜ翼ッ!」

「ああッ! 共に駆けるぞ、ゼロッ!」

 

 光となりブレスレットに戻ったゼロ。そして具現化したウルトラゼロアイを、翼が外へ弾くように掴み取る。

 

「おじさんッ!」

「いくデスッ!」

「よぉし、行くぞォッ!!」

 

 調と切歌が手を握り肩を寄せ合い、背後の星司と同様にウルトラリングを付けた互いの左右の腕をクロスさせる。

 

「クリス、行こうッ!」

「ああ! こんな最悪の場所でも、センセイと一緒ならッ!」

 

 クリスと猛、二人動きを重ね合わせ、左右の拳を順に突き出し右手を腰の後ろに回す。二人の右手にはブライトスティックが握られている。

 

(……どれだけ回復できたのかは理解らない。だけど――)

「――みんなの力、貸してもらうッ!」

 

 エボルトラスターの拍動を見つめ、想いを込めて逆手で握るマリア。自らの祈りを力へと変えて込めるように腰だめで構える。

 

「キャロルちゃんも、地球に生きるみんなも……全部、守護り抜くんだッ!!」

 

 握り締めたエスプレンダーを左の肩の前へとやり、その魂へと力を込める。中央の青い結晶から、光が沸き上がるように輝いていく。

 そして――

 

「「だあああッ!!」」

「「「ウルトラッ! タァーッチッ!!」」」

「「エイティッ!!」」

「おおおおおおおッ!!」

「ガぁイアあああああああッ!!」

 

 世界五か所の戦場で行われる変身。世界に走る闇の光を晴らすべく、輝きと共にウルトラマンたちが出現した。

 

 

 

 

 各々の戦いが始まる中、ウルトラマンガイアに変身した響はキャロルの生み出したソングキラーと相対。拳を固く握り締め、ソングキラーへ向かって駆けていく。振り上げ放った拳はソングキラーの左掌に受け止められ、そのまま腕を押さえ付けられてしまった。

 そこから拳を掴んだまま刃を持った右手で連続で殴り付け、怯んだところへ更に蹴撃を叩き込むソングキラー。為す術もなく蹴り飛ばされるガイアだったが、すぐに体勢を立て直しガイアスラッシュで反撃する。だがその一撃も容易く弾かれてしまった。

 それでもなお攻撃を再開するガイア。だがその拳戟や猛蹴はいとも容易く捌かれてしまう。まるで、此方の放つ攻撃の全てが読まれているような感覚だ。そしてまた隙を突かれ、顎への一撃をまともに喰らい飛ばされていった。

 

「グ、ウウ……!」

「どうした、そんなものか? 受け止めて見せるんだろうが」

(強い……。前みたいな、暴風を叩き付けるようなやり方じゃない……ッ!)

「同じ轍を踏んでいると思うなよッ! このソングキラー、貴様らを抹殺する為に貴様ら自身が持つ力をも身に宿しているのだからなッ!」

 

 ソングキラーが音叉のような右手の武器を天に掲げる。瞬間その武器は巨大化し、大型化した月牙を左右に重ね合わせた異形の戟へと変化する。その形状に、響は見覚えがあった。

 

(それは、切歌ちゃんの――ッ!)

「お仲間の刃で切り倒してくれるッ!」

 

 そう、切歌のシンフォギアであるイガリマ。そのアームドギアの変化形態である【双斬・死nデRぇラ】と同様の刃へと変化させ、ガイアに向かって力強く振り下ろした。

 それを紙一重でのところで躱すガイア。すぐに上体を起こすが、ソングキラーは反撃の暇を与えぬように連続で横薙ぎの斬撃を放っていく。そして僅かな合間に、体重と遠心力を乗せた大振りの一撃を見舞う。

 両断されたかとまで思うほどの一撃。だがガイアは、その刃を真剣白刃取りの要領で両手で挟み捕らえていた。僅かな力比べの後、ソングキラーの腹部をガイアが蹴り飛ばすことで両者の距離は再度開くことになった。だが……

 

「一つぽっちだと思うなよッ!」

 

 顔を上げたソングキラーが大きく胸を張ると同時に、背部から巨大な二本のミサイルを錬成。側鎖にガイアへ向けて発射した。まるでクリスのイチイバルが用いる得意技、【MEGA DETH FUGA】のようである。

 明確な敵意を以って放たれた巨大なミサイル、その場で爆発すれば周囲にどれだけの被害が出るか分かったものじゃない。即座にその事だけを思考に回し、ガイアはすぐに眼前へバリヤーを展開した。

 光壁で二つのミサイルを受け止め、抑えると同時に下から持ち上げるように天空へと跳ね飛ばす。放り出され制動を失ったミサイル目掛け、リキデイターを連続で放ち安全な空で爆発させた。

 すぐさまソングキラーへと身体を向けるガイア。そして左腕に右腕を打ち付け、その力を溜め込んだ。

 

(なら、これで……ッ!)

「識っているさ、クァンタムストリームッ!」

 

 キャロルの声と同時に、ソングキラーが対面のガイアと全く同じ動作を見せる。左腕に伸ばした右腕を打ち付け、その力を溜めながら円運動と共に腕をL字に組み上げる。両者の縦に伸びた右腕から放たれた熱線は空中でぶつかり合い、拮抗の後に爆発相殺した。

 

(そんな、ウルトラマンの技までッ!?)

「言っただろう、貴様ら自身の持つ力を宿しているのだとッ! 無論それだけに留まらないのだがな……ッ!」

 

 言葉と共に背部ユニットが六枚羽のように展開。縦に張られた鋼糸魔弦を弾くことで音を奏で、破滅の歌の力を増していく。そして”想い出”を償却して生み出したフォニックゲインにマイナスエネルギーを重ねた破壊の大渦がガイアに向かって撃ち放たれた。正しくそれは、ダウルダブラを纏ったキャロルの用いる蹂躙する為の戦い方だった。

 

(ぐあああああああッ!!)

「耐えれまいッ!! 貴様風情が、オレの想いを受け止めようなどとッ!!

 これ以上邪魔をされてなるものか。この世界にオレの痛みを刻み込み、オレはパパの下へ辿り着くんだッ!!」

 

 理性を保ったままに暴走をするかのような言動を吐きながら響に向かって力をただ叩き付けるキャロル。響はただ無理くりにでも、その猛烈な攻撃をただ耐え続けていた。

 そんな二人の織り成す一方的な戦いを、エルフナインは強く胸を押さえながら見守っていた。キャロルの投げ付けた言葉を思考の中で反芻しながら、どうにか其れを理解するように。

 

「世界に与えられた痛苦の全てを世界に知らしめ刻み込む……己を”調和”の中に融け込ませるために……。

 それが、パパの遺した命題に対するキャロルの解答……。真理へと……パパへと辿り着く、道……?」

『エルフナイン、気をしっかり持て!』

「エックス、さん……」

『話は聞かせてもらっていた。それがキャロルの……もう一人の君自身の解答なんだな』

 

 エックスの言葉に口を噤むエルフナイン。だがその沈黙は肯定を表していることを、エックスはすぐに察していた。

 

『……キャロルの解答も間違いであるとは言い難い。他者に理解してもらう為に己を晒し、想いを放つ……きっと誰もが、そうしている事なのだと思う』

「でもキャロルはずっとそれが出来なかった……。パパを焼かれて、世界にひとりぼっちになって、その悲しみと憎しみを抱え込んで、何百年も身体を変えては想いを継いで……。

 ボクには、そんなキャロルの想いにどうすることも出来ない……。理解らないんじゃなく、理解ろうとしなかったボクには……!」

 

 嗚咽交じりに洩らすエルフナインの言葉には、深い自責が込められていた。

 キャロルが推し進めた世界の解剖……それを阻止する為に造物主である彼女に反旗を翻し、魔剣を携え響たちシンフォギア装者の元に参じたのはエルフナイン自身だ。転写されたキャロルの記憶に寄り添い、その中に在る”父”の想いを継ぎ果たす為に……キャロルが愛した父の愛する世界を知り、その世界と調和する為に。

 そして戦いの後に肉体と魂を一つに統べ、世界を知る為に命を繋いだエルフナイン。だが今、彼女は自らのその認識に異常を感じていた。

 

「ボクはキャロルの想いを、何一つ理解ってなどいなかった……。同じ記憶だから、同じ想いを抱けているものだと思い込んでいた……。

 キャロルの痛みも悲しみも憎しみも、ボクが一番よく知っているはずなのに……!」

 

 口にした異常。それは同一であるはずの存在の思考を理解できなかったと言う矛盾だった。

 同一である自己、キャロル・マールス・ディーンハイム。元々”エルフナイン”とは彼女の複製体に過ぎなかったが、精神と肉体の統合を果たした現在は彼女こそが”キャロル”であり”エルフナイン”でもある。それ故にエルフナインは、キャロルの思考に基づく自身の考えに過ちは無いと思っていた。

 しかしキャロル本人から突き付けられた”彼女の得た解答”……それはエルフナインの得たモノとは大きく乖離し、其処に生じた齟齬が彼女自身のアイデンティティを苦しめていた。

 そんな彼女に、エックスが優しく語り掛けていく。

 

『世界を視て、世界を識ることこそが世界との調和……それこそがやがて錬金術の真理へと到達する。それが、君の解答だったな、エルフナイン。

 そしてキャロルの解答は、世界に己を理解らせ一つとなることで、自らを世界との調和への道を拓く。そう結論付けた。

 君たちはそうやって、一つの命題からそれぞれの解答を導き出した。同じ身体と同じ記憶を持つ者でも、其処に並び立った者が同じ想いを抱くとは限らない。ましてやその答えなど、同じになるとは限らないんだ。

 エルフナイン、君は君だ。キャロルじゃない。受け継いだものに対しての君の選択に、君自身の心で辿り着いて得た答えに、誇りを持ってくれ』

「誇りを……」

『私は君と出会い、こうした形でだが君と共にこの戦いを歩んで来て、思った事があった。他のウルトラマンたちがシンフォギア装者たちと惹かれ往く中、何故私は君に惹かれていったのだろうかと。

 だがその理由がようやく見えた。立ちはだかる現実に向き合い、両親の抱いた理想へと進む姿勢。周りの仲間を愛し、またそれに愛され、それらの為に自分の出来ることを尽力する姿……。

 よく似ていたんだ、私の相棒と』

「エックスさんの、相棒……」

『前に写真で紹介したな。大空大地……人と怪獣との共生と共存を夢見る青年だ。彼もまた多くを悩み、壁にぶつかって来た。最も近くに居たはずの者の気持ちに気付けずに、苦悩したこともあった。

 だが大地は、決して目指す理想を諦めることはしなかった。どんなに心を揺さぶられようともな。私は、そんな大地を誇りに思っている。

 そして、彼と同じ想いと光を秘めた君の事も、私は誇りに思う』

 

 彼は語る。自らが命と肉体を共にした青年の事を。思い悩む少女に向けて、小さなその身に抱えた想いの正しさを、彼女の存在の正しさを説いていく。記憶を継ごうが、肉体を一つとしようが、今此処に在るのは”エルフナイン”なのであると。

 エックスの言葉を受けた彼女の脳裏に、彼女を想う大切な者たちの姿が映りだす。それは今まさに、この世界を救わんと奮い闘っている仲間たち。皆が笑顔で呼びかけてくれているのは、紛れもない”自分自身(エルフナイン)”の名前だった。

 皆がこの名前の自分と接してくれるから、優しく温かい手を伸ばしてくれるから、自分は”エルフナイン”で居て良いのだと思う事が出来た。”エルフナイン”と言う存在を受け入れてもらえていると思えていたのだ。

 そうしてこの心が識り、動かされた日々……それは転写されたキャロルの想い出に比べればあまりにも小さなものかも知れない。だがそれは間違いなく、エルフナインだけの想い出だ。キャロルとの相対で導き出した命題の解答、それに沿って積み重ねてきた日々は、エルフナイン自身の道なのだ。

 其れを誇れと……彼が誇りに思う”自分自身”を誇れと、戦えぬ身に在りながらもこの戦いを共に歩んできた彼は言っているのだ。

 

「……エックスさん。ボクは――」

 

 言葉を出そうとした瞬間、ウルトラマンガイアが倒れ込む地響きが五感を支配する。通信端末から見て取れる他の交戦地点の状況も、決して思わしいものではなかった。それを見て、強く歯を食いしばり言葉を続けていった。

 

「――ボクは、この世界を守護りたいです。

 パパから貰った命題にそう答えを出したからと言うのもあります。でもそれと同じぐらい、ボクはボク自身の意志で、この世界を失いたくなんかないんです……!」

『ああそうだ。私たちは、その為に準備してきたのだから』

 

 涙を拭い立ち上がるエルフナイン。その瞳に決意の光を湛え、己が端末に、その先に居る弦十郎に向けて声をかけた。

 

「風鳴司令、ボクとエックスさんで響さんを援護、チフォージュ・シャトーを止めます!」

『エルフナインくん、どうするつもりだッ!?』

「……Realize UX、発動しますッ!」

 

 

 

 

EPISODE20 end…

 

 

 

 

 ……そして、黒い影は問い掛けた。

 

「もし今、とある世界が滅び未来が無くなろうとしているとき……君は、誰かを守護り助ける勇気と力を持っていられるかね?」

 




・注釈
今回登場した【ソングキラー】の名前は、ご感想いただく読者様の案より拝借いたしました。
この場を借りてご報告と感謝を申し上げます。

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