絶唱光臨ウルトラマンシンフォギア   作:まくやま

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EPISODE EX-1 【エルフナインの怪獣ラボ ~前編~】

 番外編その1

【エルフナインの怪獣ラボ ~前編~】

 

 

 

「皆さんこんにちは!タスクフォース技術部所属錬金技術担当、エルフナインです!」

『エルフナインのサポートをしている、ウルトラマンエックスだ』

「いつも【絶唱光臨ウルトラマンシンフォギア】をご愛顧いただきありがとうございます。

 今コーナーは本編とは趣旨を外しまして、本作中で登場した怪獣のデータをエックスさんと一緒にご紹介していきたいと思います!」

『長いウルトラマンの歴史の中には、様々な怪獣がいる。その中で、ヤプールとの戦いに伴いこのシンフォギアの世界に出現した怪獣たちとその戦いを振り返っていこうと思う。

 ところどころ原典とデータが変わっているから、その辺りも一緒に解説していくぞ!』

「よろしくお願いします、エックスさん!それでは始めていきましょう!」

『あぁ、行くぞエルフナイン!怪獣コンピューター、チェック!』

「チェックします!」

 

 

 ・File.01

【風魔神デガンジャ】

「名前:デガンジャ

 種別:風魔神

 身長:62メートル

 重さ:55,000トン

 能力:風を操り爪から雷電光を放つ」

 

『ヤプールがこの世界に初めて侵略してきた時に出現させた怪獣だな。

 オーストラリアの先住民族の間に伝説として伝わる”風の神”と、その歴史の影に潜む怨念と言うマイナスエネルギーが合わさり誕生したとされている』

「原典であるウルトラマングレートとの戦闘記録と照らし合わせると、この世界で確認された個体とは大幅に体格が違いますね。

 あちらでは身長が89メートル、体重が74,000トンとなっています」

『元々は邪悪生命体ゴーデスの細胞が風神の魂を侵蝕、怪獣化したものだからな。伝説と歴史をマイナスエネルギーで膨らませた今回の個体とは、存在としての”格”が違うようだ。

 風を操り竜巻を発生させたり爪から雷電光を放つ他にも、硬い体毛と強固な筋肉が生半可な攻撃を防ぎ強烈な一撃を与える、攻防に秀でた強敵だ』

「資料映像のウルトラマングレートも大変苦戦していましたものね…。

 こちらの世界でも、小型化しているとは言え翼さんとマリアさんがお二人で挑んでも完膚なきまでに叩きのめされてしまいました…」

『だったな…。駆けつけるのが遅れてしまい、君たちには本当に申し訳ない事をしたと思っている』

「いいえ。結果論とは言えお二人とも無事でしたし、ボクたちに心強い仲間が出来た喜ばしい日でもありますもの」

『傷付き倒れた二人の前に現れた光の国の若き最強戦士、ウルトラマンゼロ。鍛え上げた自らの力と仲間から受け継いだ力を駆使して、このデガンジャを倒したんだったな』

「その直後にノイズの力を得て蘇ったノイズデガンジャにも果敢に戦ってくれました。

 その戦いの中でウルトラマンゼロと我らがシンフォギア装者、天羽々斬の適合者である風鳴翼さんとがなんと一体化したのです!」

『二人の一体化によって生まれた光と歌のユナイトで、ノイズの持つ位相差障壁と破る事に成功。ノイズデガンジャそのものも討ち倒したんだ!』

「こうしてボクたち人間とウルトラマンによる、ヤプールとの戦いの火蓋が切って落とされたというわけですね」

『そうだな。すべては、この日から始まった』

 

 

 

 ・File.02

【ミサイル超獣ベロクロン】

「名前:ベロクロン

 種別:ミサイル超獣

 身長:55メートル

 重さ:44,440トン

 能力:口から火炎を吐き、体中の突起からミサイルを撃つ」

 

「ヤプールが本格的に侵攻してきた時に出現させた超獣の一体ですね」

『元々は宇宙怪獣と珊瑚を超獣製造機で合体させて誕生した超獣らしい。ウルトラマンエースが地球での任務で、初めて地球上で戦った相手だとされているな。』

「ミサイルや超高熱火炎だけでなく、その手からは金縛り光線や爪型の光弾が、口の中には別に独立したミサイルランチャーと強酸性の唾液がそれぞれ積まれてあります。

 この全身の至る所に搭載された武器と、単身にて広範囲を殲滅できる戦略兵器たるコンセプトから、超獣と名付けられたのですね」

『だがこれだけの破壊兵器を装備しているせいか、その防御能力はやや低めだ。

 ヤプールによって何度も復活させられ、その度にウルトラマンたちと戦って来た超獣ではあるが、そのほとんどが必殺光線で爆散する最期を遂げている』

「日本の都市部に出現したベロクロンに相対したのは、イチイバルを身に纏う装者である雪音クリスさん。

 イグナイトモジュールを用いたイチイバルの超火力で、超獣であるベロクロンと接戦を繰り広げてくれました」

『状況が味方すればあのまま打倒することも有り得たんだがな…』

「制限時間というイグナイトモジュールの欠点が前面に出てしまいました…。

 そんなクリスさんの窮地を救いベロクロンを破ったのが、愛と勇気で悪しき心に立ち向かう、ウルトラマン80!人間態は矢的猛と名乗り、リディアンの臨時講師として先んじてクリスさんと合っていたようですね」

『言い方は悪くなるが、この地球の生態調査は必要だったからな。ヤプールが目を付けているとなると尚更だ』

「みなさんに悪気があったとは思えませんから、それは仕方のない事です。作中では伏せていますが、この世界は国家間のしがらみや不和が根強く存在しますから。

 クリスさんも矢的先生に一瞬そんな想いを抱いてしまいましたが、それを越えて繋がれたのもこのお二人でしたね」

『クリスと80の一体化は蘇ったノイズベロクロンをその必殺光線で撃ち倒した。ただこの二人の相性は他の装者とウルトラマンたちに比べると決して高いものではない。

 だが、そんな机上の数値だけで二人の距離を図るのは無粋なのだろうな』

「距離があると言うことは、それが詰まれば今よりもっとずっと強くなれると言うことです。きっとこの先、更に絆を深めてくれることでしょう」

 

 

 ・File.03

【大蟹超獣キングクラブ】

「名前:キングクラブ

 種別:大蟹超獣

 身長:65メートル

 重さ:58,000トン

 能力:強固な外殻と長い尻尾」

 

「ベロクロンと同時に別の場所へ出現。埠頭に上陸しようとした超獣ですね。こちらもまた大きさが一回り程小さくなっていますね」

『超獣を複数体、同時に生成した影響だろうな。二度目の侵攻でわざわざノイズを交えての同時侵攻を仕掛けてきたんだ、人々がヤプールに抱く恐怖も更に大きくなってしまったことだろう』

「そんなキングクラブを相手取ったのは、月読調さんと暁切歌さんのお二人でした。ですがお二人とも、キングクラブの能力には苦戦を強いられてしまっていました…」

『あの強固な外殻は厄介だったものな…。二人のデュエットは強力なのだが、イグナイトモジュールを用いてのそれでも僅かに傷を付けるだけで終わってしまった』

「加えて口からは強酸性の泡、額からは火炎放射で近寄るものを寄せ付けず、外殻に覆われながら自在に動いて敵を襲う長い尻尾も恐ろしい相手でした…。

 先ほど紹介したベロクロンが火力に一極集中し殲滅することに重きを置いているとみると、このキングクラブは強靭な鎧で攻撃を防ぎ相手に無力感を与えた上で掃討するのがコンセプトなのかもしれませんね」

『完全に対人類を想定している感じがするな…。

 それに高い火力を持つクリスに対しそれ以上の火力を誇るベロクロンが、切断武器を持つ調と切歌に対し重装甲のキングクラブが相手取る羽目になったのは、偶然とはいえ悲運だった』

「キングクラブを討つ為に決死の想いで絶唱を用いようとするものの、尻尾による攻撃で命の危機に陥る調さんと切歌さん…。

 二人の危機に光と共にやってきたのが、異次元の魔手から人々を守る宇宙のエース、ウルトラマンエースでした!」

『彼もまたウルトラマン80と同じく、自らの人間態…北斗星司として地球に潜み、人々を見守っていたんだったな。

 その地球人としての生活の中で既に調と切歌の二人には出会っていたそうだが、この戦いの時には一体化することは無かった』

「それでも通常のキングクラブは勿論、ノイズ化して蘇ったキングクラブまで単独で撃破されるとは思いも寄りませんでした。本当にお強い戦士なのですね!」

『キングクラブにとっては、文字通り”相手が悪かった”んだろうな。エースの強烈な肉弾戦は勿論、様々な光線技には敵わなかったと言える。

 特にあのギロチン技の数々。キングクラブの甲殻をものともせずに両断する威力は見事と言う以外無い!』

「血液噴出や内臓飛散などの危険な事態が起きなくて良かったです…」

 

 

 

 File.04

【蛾超獣ドラゴリー】

「名前:ドラゴリー

 種別:蛾超獣

 身長:67メートル

 重さ:58,000トン

 能力:怪力と口から吐く火炎放射」

 

『コイツはベロクロン、キングクラブから少し間をおいて出現した同時侵攻戦三体目の超獣だったな』

「響さんが持ち場を離れたところを見計らっての出現だったので、焦ってしまいました…」

『ヤプールの悪辣さが窺える作戦だったな。そこにゼロと翼が間に合ったのが僥倖だった』

「ドラゴリーの怪力に一瞬圧されるもののすぐに反撃できましたものね!両手のミサイル攻撃にもすぐに対応されてましたし、さすがのお二人です!」

『他にも火炎放射や毒牙攻撃などもあったとデータがあるが、ゼロと翼の猛攻の前には為す術もなかったな』

「ノイズ化して復活しましたが、既に戦う術を得たお二人には即座に倒されてしまいました」

『幸か不幸か、あまり語ることのない相手だったな』

「若き最強戦士と無双の一振りを持つ装者。互いに正しく強き者ですからね」

 

 

 File.05

【四次元ロボ獣メカギラス】

「名前:メカギラス

 種別:四次元ロボ獣

 身長:60メートル

 重さ:50,000トン

 能力:頭部から発射される破壊光線とミサイル」

 

『ヤプールの配下となった四次元宇宙人バム星人が製作、送り込んだ機械怪獣だな。ウルトラマン80が初めて相手にした敵性宇宙人だったそうだ』

「矢的先生の時と同様にクリスさんと切歌さんを四次元空間に誘い込み、そこで拉致。その後翼さんとゼロさんを狙うようにメカギラスが出現しましたね」

『破壊光線と1分間に2000発発射するというミサイルで二人を攻め立てるが、二人の前には敢え無く敗北…したと思わせていた』

「頭部を破壊されることも織り込み済みだったのか、内蔵された自爆装置によってお二人は別次元…ゴルゴダ星に飛ばされたんですね」

『この自爆装置については新たに外付けされたものだな。ゴルゴダ星に誘い込む為にヤプールがバム星人に指示して付け加えたのだろう。

 そしてメカギラスとの戦いはゴルゴダ星に舞台を移す』

「調さんと切歌さんのお二人がウルトラマンエースと一体化した時にヤプールの声で再起動。ウルトラマンエースの力で体力を回復したクリスさんとウルトラマン80のお二人と激しい戦いを繰り広げました!」

『やはり一度戦った相手。因縁浅からぬ相手ではあったが、二人の見事な攻撃にミサイル攻撃なども出来る間が無く撃ち倒されてしまった!

 ヤプールに急かされて急ごしらえで出撃したのもあったんだろうな。オリジナルには存在していた四次元バリアーも機能しなかったようだ』

 

 

 

 File.06

【古代怪獣ゴモラⅡ】

「名前:ゴモラⅡ

 種別:古代怪獣

 身長:40メートル

 重さ:20,000トン

 能力:強靭な尻尾と頭部から放たれる光線」

 

「ウルトラマンエースがゴルゴダ星に向かった直後に、響さんと調さんを倒すべく送り込まれた怪獣ですね。

 まさか、ボクたちの住む地球に存在する古代生物がベースになっているとは思いも寄りませんでした」

『出現時も一応は説明したが、似た個体はウルトラマン80が一度戦っていた。

 それは当時の地球の環境が、初代ゴモラとは異なる進化を促した結果だとされているが、今回のはヤプールが改造を施したもの。

 古代怪獣とは銘打っているが、実際には超獣のようなものだな』

「ウルトラマンさんたちの戦いの中には、改造怪獣との戦いもありました。このゴモラはそう言った扱いなのですね」

『そうだな。しかし生まれた過程はどうであれ、他のゴモラにも引けを取らない強力な怪獣だった』

「太く強靭な尻尾で建物ごと響さんたちを薙ぎ倒そうとしたり、改造で外付けされた破壊光線やミサイルを放ったりと、シンプルな外見に反した多彩な攻撃を行ってきましたね」

『ゴモラⅡの猛攻に倒れてしまう響。だが其処で、新たなる奇跡が彼女を包み込んだ!』

「地球そのものが守護者として響さんを選定。力を分け与え、響さんをウルトラマンへと変身させました!その名も大地を宿す赤き光の巨人、ウルトラマンガイア!」

『ゴモラⅡも元々は同じ地球に生きる者と知った響は、彼を救うためにウルトラマンガイアとして戦った。

 途中で幾つかの乱入を受けてしまうが、彼女の優しさはついにゴモラⅡをヤプールの支配から解き放つことに成功したんだ!』

 

 

 

 File.07

【殺し屋超獣バラバ】

「名前:バラバ

 種別:殺し屋超獣

 身長:75メートル

 重さ:85,000トン

 能力:全身に装備された凶悪な武器の数々」

 

「響さんが変身したウルトラマンガイアを狙って送り込まれた、文字通りの殺し屋超獣。醜悪な顔付きと恐ろしい武器の数々が特徴的でした…」

『右手には棘の付いた鉄球と、其処に一体化した錨の付いた鞭。左手には巨大な鎌。頭部には遠隔操作と怪光線を放つ剣に、口から火炎まで吐きだす…。

 その上周到なことに、特殊放射能を含んだ雨を降らせることで電子機器を封殺。しかも今回出現したバラバの降らせた雨には、シンフォギアと装者との適合率を下げるアンチリンカーの成分まで含まれていた。

 まさに殺意の塊と言わんばかりの超獣だったな…』

「ヤプールに再度狂暴化させられたゴモラⅡの相手だけでも厄介なのに、そこに乱入されては響さんも苦戦必至でした…。しかしそこに、もう一つの光が差し込まれました!」

『デガンジャとの戦いで意識不明の重体を負っていたマリアがこのゴルゴダ星での戦いを前に復活。そんな彼女に与えられていた光が、仲間や守るべきものの危機に際し遂に覚醒した。

 それが受け継がれし絆の光、ウルトラマンネクサスだ!』

「響さんの変身したウルトラマンガイアの窮地に現れ、その場で基礎形態である【アンファンス】からマリアさんの力に合わせた戦闘形態である【ジュネッス】に変化。

 メタフィールドと呼ばれる戦闘用異空間を展開し、放射能の雨ごとウルトラマンガイア、ゴモラⅡ、バラバを一斉に隔離。フィールド内で激しい戦いを繰り広げました」

『この時もバラバは自慢の武器を用いて攻め立てて行った。それにより戦っていたネクサスも劣勢に追い込まれるが、そこへゴモラⅡを鎮めたガイアが参戦。2対1で一気に反撃した!』

「バラバの武器を一つ一つ打ち破り、マリアさんがセービングビュートで拘束。そこからお二人の合体光線で木っ端微塵に粉砕しました」

『かつて対峙したウルトラマンエースも、バラバ自身の持つ頭部の刃をバラバに投げ返して突き刺し、後頭部の攻撃で眼球を飛び出させ、そこから左手の大鎌を奪い首を一刀両断するという中々に凄惨な斃し方をしたそうだ』

「字面にするとかなり酷いですが、その時のバラバも子供に手をかけたり卑怯な手段で襲ったりと凶悪な行いをしている超獣ですし、自業自得なのでしょうね…」

 

 

 

 File.08

【異次元超兵ヤプールロプス】

「名前:ヤプールロプス

 種別:異次元超兵

 身長:45メートル

 重さ:35,000トン

 能力:ウルトラマンゼロをはじめとした多くの模倣技」

 

『コイツはゴルゴダ星に現れた、ヤプールの改造兵士だな』

「元来はダークロプスと呼ばれる、ゼロさんが戦った銀河帝国の帝国猟兵だったようです。それをどこからか入手し、ヤプールの手で改造を施されたとありました」

『ダークロプスと違う特徴的な部分は、左手が大きな鉤爪となっていることだな。

 これはかつてヤプールが生み出した、対ウルトラマン用戦闘機械超人であるエースキラーの左手と一致しているところだ』

「ダークロプスには元々ゼロさんの戦闘能力や必殺技の多くを模倣、搭載してありまして、その上ヤプールが戦って来た他のウルトラマンと、我らがシンフォギア装者の翼さんとクリスさんの戦闘データまで盛り込まれていたのです」

『そうして翼とクリスの前に立ったヤプールロプス。装者と異次元超兵との激闘が始まった』

「運動能力はゼロさんに引けを取らない上に、機械故の有り余る体力とインプットされた戦闘データで最強の装者とも呼ばれる翼さんをも圧倒していくヤプールロプス。

 クリスさんとのコンビネーションを駆使しても、それは致命打の一つにもなりませんでした」

『だが、彼女たちにも切り札が残されていた。…いや、正確には捨て札を使うような大博打のような技だったがな』

「先の魔法少女事変の時に戦った敵であるオートスコアラー…その動きを取り入れたバトルプログラムであるMoving:A.S。

 通常の攻撃を全て見切ってくるヤプールロプスに対し、お蔵入りになったその欠陥戦法を用いて翼さんとクリスさんが反撃に出たのです」

『中々奇怪な挙動だったな。しかし、それはヤプールロプスにとっても想定外の動き。敵の処理速度を超えた二人はついに大きな一撃を叩き込み、行動不能にしたんだ!』

「その隙を突いて切歌さんと調さんがウルトラマンエースと適合。復活を果たした際に、ヤプールロプスもメカギラスと同様にヤプールの声で再起動、ノイズを肉体に変えて巨大化してしまいました」

『だが今度はエースに力を分け与えられて蘇ったゼロと、それとユナイトする翼のコンビが相手だ。

 特殊な改造が為されていたとはいえ、所詮は贋作で模倣品。高まるユナイトと共に編み出した新技で、ヤプールロプスを一気に撃破したんだ!』

 

 

 

 File.09

【冷凍怪獣マーゴドン】

「名前:マーゴドン

 種別:冷凍怪獣

 身長:70メートル

 重さ:33,000トン

 能力:あらゆる熱を吸収し、全てを凍結させる」

 

「ゴルゴダ星にて、ウルトラマン80、ウルトラマンゼロ、ウルトラマンエースの三人を順に待ち構えては戦闘不能に追い込んだ強力な怪獣ですね…」

『我々ウルトラマンにとって、暖かな太陽の光は最も必要なエネルギーとなっている。だがゴルゴダ星はそれを封じ、その上でこのマーゴドンを配置することで我々にとって最も不利な空間を生み出していた。

 ヤプールの仕業だが、どこまでも周到に、綿密に私達を斃そうとしていたのかがよく分かるな』

「マーゴドンの放つ凍気はあらゆるモノの熱を奪い凍結させてしまいます。文字通り、キリンやゾウでもなんでもかんでも。

 そしてその凍気は、傷付いた矢的先生とゼロさんもいとも容易く凍結させてしまいました」

『80とゼロ、そして翼とクリスと切歌の危機に地球よりやって来たウルトラマンエース。だがさすがの彼でも、最悪の環境に加え人質を取られた状況にはどうしようもなかった…』

「マーゴドンに痛め付けられ倒れる北斗さんでしたが、絶対の窮地にとうとう調さんと切歌さんの二人と一体化!人質を助け出し復活させ、その形勢を元の状態にまで戻したのです!」

『そこからは装者のみんなが一つの歌を四重奏と変えることでその力を爆発的に上昇。エースは鬱憤を晴らすかのように、さっきまで痛めつけられていたマーゴドンと戦ったんだ!』

「熱を奪い取る力もこの熱き四重奏は奪い切れず、逆に力で圧倒されていきました。そして調さんと切歌さん、二人のフォニックゲインを重ね合わせた必殺技で、その巨体をバラバラにされてしまいました」

『ギロチン王子の異名は伊達ではないな。あれほどの威力を持った切断技を扱えるのは、宇宙広しと言えどもウルトラマンエースの右に並ぶ者はいないだろう』

「ちなみにこのマーゴドンは、矢的先生が当時の地球での最後の戦いにするはずだった相手だとも聞いています」

『実際のところは傷を負い限界の中で戦おうとしていたところを、その当時の防衛隊隊長に制止させられ、また地球の人たちもウルトラマンに頼り過ぎないというところからマーゴドンは地球人たちの手だけで斃すことを決意。その討伐に成功した…と言うのが、80から聞いた話だった』

「きっとその防衛隊の皆さんも、大切な仲間である矢的先生を守りたかったのでしょうね」

 

 

 

 File.10

【究極超獣Uキラーザウルス】

「名前:Uキラーザウルス

 種別:究極超獣

 身長:100メートル

 重さ:92,000トン

 能力:大量の生体ミサイルと巨大な四本の触手」

 

「三人のウルトラマンと四人の装者が勝利を収めたゴルゴダ星…。

 その星のコアに存在し、星に集まるマイナスエネルギーを吸い取りながら力を蓄えていた、ヤプールの最終兵器と言える超獣です…!」

『他の超獣やウルトラマンをも圧倒する巨大さと質量…。正に究極超獣の名に相応しい存在だ。かつてウルトラ兄弟たちと戦った個体以上の大きさにまで成長したところからもそれが見て取れる。

 ゴルゴダ星を爆破させてエース、80、ゼロを吹き飛ばし、ヤプール異世界を通って地球に現れたUキラーザウルスはそのままガイアとネクサスの二人に襲い掛かったんだ』

「巨大な爪と甲殻に覆われ鋏を持つ触手、ミサイルや破壊光線、電撃など…全身から放たれるとてつもなく激しい攻撃で、響さんとマリアさんはどんどん追い詰められてしまいました」

『勿論二人もただやられていた訳ではなく、自らの得意技で反撃をしていった。だが恐るべきことに、このUキラーザウルスはノイズを用いた自己修復を持ち合わせていた。

 二人の光線技も、この修復能力に阻まれて大きなダメージにすることは出来なかった』

「ゴルゴダ星から未だ帰らぬ者たちを想いながらも、窮地に立つ仲間を見て、遂に痺れを切らしたのか風鳴司令たちも動き出しました」

『無論相手の身体はノイズが関わっている以上、人間が接触すれば炭化が待っている。だがそれでも、司令たちは自らの出来る範囲でガイアとネクサスの援護をする為に向かったんだ!』

「人間の底力は時に不可能を可能に変えます。緒川さんは様々な技巧でUキラーザウルスの足元を崩し、移動本部に唯一備えられている攻撃に転化出来る装備であるバンカーバスターミサイルがUキラーザウルスに直撃!

 …しかし、それはヤプールの怒りを買うだけで反撃の兆しにはなり得ませんでした」

『すぐにその傷を回復してしまうUキラーザウルス。己が怒りを更なる糧にして、その場一帯を滅ぼそうと攻撃を開始した。

 ――だが、その時だった!』

「輝く障壁が響さんとマリアさんを守護ったのです!それを行ったのは、他でもないゼロさんと翼さん!満を持して帰ってこられたのです!」

『勿論、私達の手助けがあってこそだがな。だが、帰ってきたウルトラ戦士たちにヤプールも黙っているはずが無かったんだ…!』

 

 

 

 File.11

【究極巨大超獣Uキラーザウルス・ネオ】

「名前:Uキラーザウルス・ネオ

 種別:究極巨大超獣

 身長:303メートル

 重さ:429,000トン

 能力:無数の触手と全身の破壊兵器」

 

『怒れるヤプールがそのマイナスエネルギーを最大にまで高め、ノイズの増殖と共にさらに巨大化。破壊の権化として強化されたんだ』

「触手の数が無数に増え、巨大な腹部はゼロさんのウルトラゼロキックや響さんの拳、矢的先生とクリスさんの合体技でもそう簡単に砕けないほどに強固でした。

 その上ノイズによる回復能力も持っていることで、どんな傷でもすぐに修復されてしまうという、圧倒的な耐久力も兼ね備えていたのです」

『攻撃力と防御力、どちらを取ってもヤプールが生み出した超獣の中では最強と言っても過言では無いだろう…。

 勢揃いした五人のウルトラマンたちも必死の攻防を繰り返していったが、中々に分が悪かった。即座に補填されるミサイルや蘇る触手、塞がれる傷痕はあらゆる弱点を潰していったからな…』

「しかし、そんな無限とも思える再生力を見ていく中で、響さんが過去の戦いを思い出したことを切っ掛けにノイズ製造機の存在に気付くことが出来ました!」

『どれだけノイズを生み出そうとも、それを生み出しているモノ自体が破壊されては修復再生も封じられる。勿論ヤプールもそれを理解っていたのか、製造機は最も強固な腹部に隠されてあった。

 そしてみんなは、最大級のインパクトを放てる者として製造機を破壊する役目を響に託したんだ』

「みんなの想いを拳に乗せ、守護りたいという想いを歌に乗せた響さんは地球の光…ウルトラマンガイアをこれ以上ない程に高くユナイトを行ったのです!

 高まった想いと高度のユナイトは響さんの聖遺物、ガングニールとも激しく共振。爆発的なフォニックゲインを生み出し、不定形ながらもその身に纏っていきました!」

『ウルトラマンとシンフォギア、一瞬ではあるが二つの奇跡が重なったことで生まれた更なる力。その力は強固なUキラーザウルス・ネオの腹部を撃ち貫き、ノイズ製造機を諸共に吹き飛ばした!』

「そして苦しみ悶えるヤプールに、皆さんの必殺合体光線が炸裂!ついにヤプールを打ち破ることに成功したのです!」

 

 

 

 

 

 

『…こうして、突如始まったこの世界の守護者であるシンフォギア装者の少女たちと、我々ウルトラマンとの戦いは一つの区切りを迎えた。

 ヤプールの侵略を防ぎ、地球の危機を守り抜いた我々だったが、その断末魔は何処か不可解なものを遺していった』

「”呼び水”とはなんであるのか。そしてヤプールと共に侵略を企てた者は…。

 まだ理解らない部分もあり、それはこれから明らかになっていくところではありますが、更なる戦いが待ち受けているのは間違いありません」

『だが、私たちにも新たな力が目覚めつつあった。

 装者とウルトラマン、そして聖遺物。その三つが重なり誕生する更なるユナイトの姿…。それが大きな鍵となってくるだろう』

「過去の痛みを抱き締めて、未来に向かって現在を歩む。装者の皆さんも…ボク自身も。

 そのような話を経て、終幕まで進んでいこうと思います」

『最後まで共に行こう。互いに目指す、平和の為に』

「はい!

 というところで、今回はこれで終わりとなります。次回から物語は折り返しとなりますので、またよろしくお願いします!」

 

 

『次もまた、読んでくれよなッ!!』

「次もまた、読んでくださいッ!!」


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