ファイアーエムブレム~俺の系譜~   作:ユキユキさん

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閑話 ~他国の状況・その1

《ヴェルダン王国》

 

ーキンボイスー

 

兄貴・・・いや、ガンドルフの奴が国を捨て逃げやがった。グランベル侵攻の為に利用しようと考えていた物資、人質として交渉道具にしようと考えていたトラキアの民、そして・・・マーファ城周辺がもぬけの殻。物の見事にスッカラカンであり、人の子一人もいやしねぇ。・・・あてにはしていたが、侵攻に影響はなく計画通りに実行は出来る。ただ余裕を持ちたくマーファ城を接収、・・・ってな流れで今に至るんだがよ。

 

・・・気に入らねぇんだよ、クソ野郎!国を裏切ることを前提に、今まで動いていやがったとはな!アイツは俺達を影で嘲笑っていやがったんだ、小馬鹿にしていやがったんだ!

 

「・・・クソッ!!」

 

・・・俺はそのことを考える度に、怒りがふつふつと沸いてくる。逃亡されてからかなりの日数が経っていやがるが、俺の心は荒れ狂うばかり。この怒りを何かにぶつけたい、今すぐ兵を纏めてグランベルに侵攻したい、そんなことばかり考えてしまう。・・・はっきり言って我慢の限界だ、もう準備は出来ているんだ、バルバロイと連携して今すぐに・・・!

 

そう考えて行動しようと思ったんだが・・・、

 

「・・・まだその時ではありませんぞ?・・・キンボイス殿。」

 

突如、部屋の暗がりから声が聞こえてきた。・・・俺しかいない筈なんだが、コイツは神出鬼没なのか!?姿を現したのはサンディマ、親父が重用する得体の知れない男。・・・俺はコイツが嫌いだ、自分の意思を掴まれているようでな。現に今も・・・、

 

「・・・もう暫く待たれよ、・・・じきにグランベルが慌ただしくなる。・・・その時が好機ですぞ、・・・私の言葉が分かりますかな?・・・キンボイス殿。・・・ククク。」

 

サンディマの声を聞くと、言葉を理解すると、俺は・・・、

 

「・・・ああ、そうだったな。まだ攻め入る時期じゃねぇ・・・、もう大丈夫だサンディマ。」

 

一気に感情が冷えていく、抜け落ちていくんだ。

 

「・・・結構、・・・それで良いのですよ?・・・キンボイス殿。」

 

そう言って影に溶け込み消えるサンディマ、・・・俺はただその光景を見ているだけ、・・・それだけだった。

 

 

 

 

 

ーサンディマー

 

なんとも短絡的で目の離せぬ男よ、・・・弟のバルバロイも短気故に目を光らせていなければならぬ。面倒なことではあるが致し方なし、扱いやすい・・・暗示が掛かりやすいのが唯一良い点ではある。・・・ともかく短絡的な兄弟を抑えつつ、マンフロイ様からの指示を待つしかない、それまでの辛抱よな・・・。

 

それにしても、一番厄介であったガンドルフが亡命してくれて助かった。あやつがヴェルダンに留まっていたら、計画の邪魔を・・・潰しに動いたかもしれん。そう考えると、ガンドルフが聡明な男で良かったと言えるだろう。この国を見限り亡命、・・・遠い地でこの国の行く末をいずれ聞くといいわ。そして絶望せよ、・・・ククク。・・・まぁ気掛かりなのが、トラキアへ亡命したということ。あの国は我ら教団にとって未知、・・・脅威にならなければいいが。

 

・・・ああ、後はチョロチョロと動く鼠がいたな。末の・・・ジャムカと言ったか?こやつが動いてくれるお陰で、バトゥ王やその兄弟の動きが分かる故に助かっている。ジャムカは気付いているだろうか?自分が良かれと思って説得していることが、彼等の心に不協和音を呼び、我が術に掛かりやすくなっているということを。・・・頑張るといい、ジャムカ。我らの為に、その正義感と愛国心、家族愛を十分に発揮してくれ。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

《シレジア王国》

 

ーパメラー

 

暇さえあれば私は、エシャル殿から貰ったお守りを見ている。赤く光る石のお守り、・・・エシャル殿の瞳と同じ色。これを見れば何があっても心が癒える、私は・・・頑張れるのだ。お守りを見ながら横目で隣を見ると、同僚のマーニャが涙に濡れながら寝ている。・・・そう、私とマーニャは二人で酒を飲んでいたのだ。所謂やけ酒というモノで、マーニャに強く誘われ・・・今に至っているのだ。

 

何故、二人で酒を飲んでいるのか?それもやけ酒。・・・これにはきちんと理由がある、理由が・・・あるのだ。

 

 

 

 

 

簡単に言わせてもらうと、天馬騎士団部隊長の一人で名をディートバ、・・・部下である彼女が結婚した。私達は知らなかったのだが、既に2歳の子供がいるらしい。旦那とディートバの職務が一段落したとのことで、今回・・・盛大なる結婚式が行われたのだ。旦那は王弟マイオス様が重用している方でエリート、ディートバは四天馬騎士の一人と数えられるエリート。エリート夫婦で国内から期待されている、みんな笑顔で祝福している。私だっていずれはエシャル殿と・・・、そうなったら良いな・・・と色々妄想していたのだが、マーニャは違った・・・。目から大量の涙を流し、ハンカチを噛み、嫉妬の視線をディートバに向け、負の感情を垂れ流しているのだ。その凄まじさに、隣にいるだけの私も同類とされてしまった。

 

そのようなことがあったからこそのやけ酒、マーニャは悪酔いし呪いの言葉を吐き続け、私は聞きに徹するしかなかった。因みに私はやけ酒も悪酔いもしてはいない、マーニャ一人が騒がしいのだ。そこは勘違いしないでほしい、・・・本当だよ?

 

 

 

 

 

・・・とこんな理由があったわけなのだが、マーニャが酔い潰れたからな。マーニャをどうにかして部屋へと運び、私も自室へと戻り惰眠を貪るとしよう。・・・私にはこのお守りがある、きっと良い夢を見れる筈だ。

 

ああ・・・エシャル殿、私ことパメラは貴方をお慕いしております。出来ることなら貴方と契りを交わし、貴方と一生を共に過ごしたい。・・・ですが私は天馬騎士団副長、そして貴方はトラキアの将軍。遠く・・・、遠く離れすぎています。そしてお互いに立場がある、それでも私は・・・、想いを募らせるばかり。

 

・・・夢の中だけでも、私は貴方の伴侶となっても良いですよね?夢だけは許して・・・、ディアドラ・・・。募る想いとお守りを胸に私は旅立つ、夢の世界へ・・・。

 

そんなわけで、マーニャは肩に担いで部屋へと運び、私は自室のベッドに潜り込む。良い夢が見れると信じて・・・。

 

 

 

 

 

結果、良い夢を見ることが出来、爽やかな朝を迎えたのだが・・・。レヴィン王子が国外逃亡をやらかしたが為に、良い気分が台無しになった。・・・レヴィン王子、・・・この代償はいずれ、・・・払っていただきますからね?

 

 

 

 

 

ーレヴィンー

 

シレジアが誇る天馬騎士団、その一人で部隊長であるディートバが遂に結婚をした。俺からすれば、子供がいるのに何故しないと思っていたからな、・・・それは良いことだ、実に良いことだ。何せ国内最大の騎士団、その部隊長の結婚・・・盛大になるのは当たり前。しかも叔父上の部下とだからな、言わずとも分かるだろう?

 

・・・その為か、いつもよりは国内の国境は警備が手薄。それ即ち、この俺がこの国から脱出する絶好の好機なのだ!ぬははははは!!そして今、俺は国境にいるわけで。

 

「こんな堅苦しい生活とはおさらばだ!悪いなディートバ、お前の結婚式を利用して俺は行くぜ!遊んで遊んで遊び倒して、最終目的地はトラキアだ!待っているといい、親友にして好敵手・・・エシャルよ!この俺レヴィンがこの逃亡劇の中で一回りも二回りも成長し、大きな器となってお前に会いに行くぞ!うははははは!!」

 

この俺レヴィンの逃亡劇、とくと見よ!!

 

 

 

 

 

翌日・・・大騒ぎとなったシレジア王国、だが既にレヴィンは国外逃亡。初戦はレヴィンに軍配が上がった。しかし、ラーナ王妃は本気で怒る。そして天馬騎士団の小隊がレヴィン追撃の任を受け数日後、シレジアを出撃することとなる。その小隊を率いるのは四天馬騎士の一人フュリー、・・・ラーナ王妃のキレ具合が伺える人選であった。

 

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《アグストリア諸公連合・某所》

 

ーベオウルフー

 

レイミア達の海賊討伐に助力して、その中でエシャル達トラキア勢に応援を頼み、見事依頼を達成。助っ人である俺達も相応の報酬をいただき、エシャル達が帰国する際にはレイミア達の今後を託し、こちとら被害らしい被害が無かった分、割りの良い仕事となった。港街マディノがいつも通りの日常に戻る為、俺達も復興というか後片付けを手伝い、ある程度の目処が付いた為にマディノを去ったわけだが、

 

「・・・さて、これからどうしようかね?これといった依頼も無し、懐具合は良い感じ。・・・とりあえず、アグストリアを流すか?」

 

暫くはやることがねぇからな、アグストリアをふらついていれば何かしらがあるんじゃね?と思いヴォルツに提案してみれば、

 

「風の声に耳を傾け、流れるように野を駆ける。・・・それもまたロマンだな、・・・運が良けりゃあ戦場の死神と名高いデュラハンとの出会いが・・・「縁起が悪いんだよ馬鹿!」・・・駄目か。」

 

いつも通りのヴォルツでした・・・っと。

 

 

 

 

 

とりあえず、のんびりアグストリアを進む俺達。領主達を刺激しないように、なるべく目立たないようにしてはいるが大所帯だからな、・・・ある程度は仕方なし。そんな感じで移動中、聞き込みに走らせていた部下が戻ってきて、

 

「アンフォニー領の東にある森林群に、大小様々な村落があるようです。噂じゃその森には妖精の踊り子が・・・「馬鹿!!」・・・おおう。」

 

なんつーことを言い出すかねコイツは!そんなことを言ったら・・・、

 

「・・・妖精の踊り子!?・・・う~む、決めた!次に目指すロマンは妖精の踊り子、・・・さぞや可憐な踊り子なんだろうよ、・・・フフフ。」

 

・・・何てこった、ヴォルツの琴線に触れちまった!マディノじゃ人魚は見付からなかったからな、いたのは海女なおば様方。ヴォルツを含めた俺以外の奴等全員、・・・落ち込みようが凄かった。未だに癒えぬ傷心の中、そんな情報を聞いちゃあ・・・食い付くわな。・・・はぁ~っ、かったりぃ~・・・。

 

・・・とまぁそんなわけで、俺達は森林群の村落を目的地に定めた。・・・ノディオンに顔を出したかったんだがなぁ、・・・マディノじゃすれ違ったみたいだしよ。・・・どんだけエシャルと似ているのか、この目で確認したかったんだが・・・しゃーなしか。ロマンの後にでもコイツらを説き伏せて、ノディオンのエルトシャンの下へ行くように仕向けよう。

 

・・・ヴォルツ達、めっちゃはしゃいでいるのな?・・・妖精の踊り子なんているのか?・・・今までロマンを見付けたことなんざ無かったのによ。・・・まぁそれに準ずるナニカは、色々と見てきたが。

 

・・・・・・・・・今は現実逃避に全力を向けようか、・・・・・・薬、・・・・・・まだ残っていたかね?




時間が無いのでアンケート結果だけ。因みにまだやってますからね?


エシャルの嫁・最終アンケート

ディアドラ:18

アイラ:18

パメラ:15

エスニャ:11

ティルテュ:10

複数:17


うむ、みんな10票いったね。ハーレム決定みたいなもんかな?

まぁメインはディアドラになるでしょうが。

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