ファイアーエムブレム~俺の系譜~   作:ユキユキさん

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閑話 ~グランベル王国《各公爵家・その2》

《ドズル公爵家》

ーダナンー

 

最近、父であるランゴバルトが精力的に動いている。アルヴィスの奴が近衛総指揮になった、それを伝えてからはやけに元気で迷惑だ。・・・まぁ内政?じゃないか、悪巧み?・・・だな、たぶんそれを思案しているのだろうよ。どんな悪巧みをしているのか、気になるっちゃあ気になるが、俺とレックスを巻き込むのだけは勘弁してほしい。・・・一応保身の為に、出来る限りの情報を集めてみるか。・・・ブラギ神様お願い!・・・どうかヤバいことではありませんように!!

 

 

 

 

 

現実は非情である、そう思わずにはいられない。クソ親父が、暗殺を計画していることが分かっちまった。その相手がシアルフィ公爵家のバイロン卿、ユングヴィ公爵家のリング卿、そして・・・バーハラ王家のクルト王子だ。前者の二人は分かる、親父は何かと重用されている二人が気に入らない。・・・だが、暗殺を狙うのはやり過ぎではなかろうか?せめて失脚に留めてほしいと思う。

 

・・・そして恐ろしいことに、クルト王子まで狙っているとのこと。・・・それは最早、王家転覆・・・王国崩壊を目的としているとしか読み取れない。親父が野心家だというのは知っている、知ってはいるが・・・これはまずいと思うんだよな。失敗でもしたら、ドズル公爵家は一族郎党処刑まっしぐら。弁解の余地はない、何せ・・・王子を暗殺しようとしたのだから。仮に成功したとしても、反逆者として討伐対象になるだろう。武闘派の俺達ドズルも、圧倒的物量の波に飲み込まれ滅亡。成功しようが失敗しようが、ドズルは破滅の道を辿るのみ。・・・・・・馬鹿なんじゃねぇの?クソ親父!!

 

 

 

 

 

・・・・・・どうすればいいのか分からねぇよ、俺如きが対処出来る問題じゃねぇ。暗殺っつっても、何処でどのようにやるのかも分からねぇ。むしろ止めることが出来ねぇわな、・・・マジでどうしよう。

 

誰かに相談もとい巻き込める人物は・・・、このドズルにはいない。他公爵家と言っても家の馬鹿親父に倣ってか、家の者達も毛嫌いしている。そもそも、シアルフィ公爵家とユングヴィ公爵家に相談出来るわけがない。親父が一番嫌いな家であって、・・・暗殺対象だからな。ヴェルトマー公爵家は、エシャルの坊主が死んでからキナ臭いから却下。フリージ公爵家はレプトール卿が親父とは違う意味でヤバい、それにブルームのクソ野郎がいる。・・・ついでにその妻である王国最凶の阿婆擦れ、ヒルダがいやがるからな。この俺がブチキレるぜ、相談どころじゃねぇわ。・・・エッダ公爵家は俺には合わん、無理!

 

・・・・・・駄目だこりゃ、・・・終わったなドズル。親父の代で取り潰しの滅亡だわ、・・・こんな事実なんざ知りたくなかったぜ!

 

 

 

 

 

・・・しっかぁ~しっ!この俺ダナンは生きることに意地汚いと自負している、万が一に備えて脱出路を確保してやんぜ!滅亡してこの先に死が待っていようとも、抗いまくってから死んでやる!・・・というか生きたいんで、ブラギ神様見捨てないで!!

 

・・・レックスは意外にアホだからな、このことを言っちまったらポロッと漏らしそうだ。だが生意気とはいえ可愛い弟、気を掛けとかなくてはいかんな。俺はともかく、レックスには自由に生きてもらいたいからな!

 

とにかく、世界情勢を把握しなければならん。何処が安全で何処がヤバいか、無い頭を振り絞らなくちゃならねぇわな、・・・えーと。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・。

 

無理に頭を使った為に、体調を崩した俺は寝込んだ。そんな俺を、レックスは爆笑しながら馬鹿にしてきやがった。・・・復活したら覚えておけよ?・・・レックス!!

 

 

 

 

 

《フリージ公爵家》

ーブルームー

 

事は今のところ、順調に進んではいる。アルヴィスを筆頭に、ランゴバルト卿にアンドレイも加担。勿論我がフリージも・・・と言いたいのだが、父上がいる限りは表立って動くことが出来ない。真正面からぶつかることが出来ない程の化物だからだ、老いたとはいえ王国最強の魔法騎士だからだ。もし俺もこの計画に加担していると父上に知られたら、情け容赦なく雷で消炭にされるだろう。たとえそれが、継承者の力を継ぐ跡取りだとしてもな。

 

だがそれでも、俺はこの計画から抜けることは出来ない。父上は継承者である私を蔑ろにし、エシャルを可愛がったことに対しての反発故に、今回の計画にも乗った。エシャル暗殺にも関わり、今回の計画にも名を連ねる俺は進むしかないのだ。ロプト教団が背後にいる中での裏切りなど出来ない、裏切れば当然殺される。それも苦しみに苦しみぬいて死ぬのだ、・・・考えただけでも恐ろしい。今更後悔をしても後の祭り、恨むは浅はかな過去の自分と割り切るしかない。

 

今回の計画が実行された際、俺はその時・・・父上を無力化した後に幽閉、或いは暗殺・・・どちらかを絶対に成功させなければならない。そしてこの俺がフリージの当主となり、アルヴィス達と共に王家転覆の為に行動をする。それが俺の役割りであり、フリージが新たな国の重鎮になれるか否かの試金石となる。

 

 

 

 

 

・・・俺のすべきことを指示してきたのは妻であるヒルダ、ヴェルトマー公爵家に連なる才女であり、私が最も恐れる存在。ヴェルトマー公爵家に籍を置きながら、ロプト教団の幹部に名を連ねる。・・・エシャルの暗殺とアイーダへの暗示、アルヴィスを狂わせた者達の一人。ヒルダは欲深い、その欲の為に何もかもを利用する悪女。俺も・・・、俺も彼女に狂わされた者の一人なのかもしれない。

 

・・・・・・父上、弱き心を持った俺をお許しください。もし・・・、もし俺が父上に襲い掛かった際、少しでも俺に意志があったのなら・・・、必ずスキを作ります。・・・どうかそのスキを見逃すことなく、その身一つでお逃げください。・・・それが俺の出来る最初で最後の親孝行、・・・そして不出来な息子をお忘れください。

 

・・・エシャル、俺はお前が嫌いだった。俺には無いモノを持っていたお前は、俺には眩しく妬ましかった。そんな幼稚な想いで、俺は暗殺に加担してしまった。・・・だがどうしてかな?お前がその件で死んではおらず、何処かで生きているような気がする、これは俺の願望なのかもしれんがな・・・。もしお前が生きていたのなら、この先俺と対峙することがあるのなら、どうかその時はお前の手で殺してほしいと思う。お前の手でけじめをつけてほしい、俺の身勝手な願いだ・・・。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・・・・・。

 

「ブルーム・・・いる?ヴェルトマーに行くわよ?名目は近衛軍についてってことだけれどね。・・・言わなくても、・・・分かるわよね?」

 

「・・・分かっているさ、ヒルダ。最後の最後で転けるわけにはいかんからな。」

 

「・・・分かっているのならいいわ、・・・ウフフフフ♪」

 

 

 

 

 

《エッダ公爵家》

ーアウグストー

 

「クロード様はまた、聖堂に籠っていらっしゃるのか?」

 

「・・・はい、もう三日になります。一応食事には手を付けられるのですが、少量でして・・・。」

 

再び世界に闇が蠢きつつある、それを察知してからは聖堂に籠りがち。クロード様はブラギ神に何を求めようとしているのか?私達はエッダ教の信者でブラギ神を崇める、祈りを捧げて神託を賜るのは重要であると理解している。しかしこうも頻繁に神託を求めるのはどうだろうか?それほどまでに状況が逼迫しているのだろうか?それは継承者であるクロード様にしか分からぬ、分からぬことなのだが私としては、自身の目で状況を見極めてから神託を賜ることこそが重要だと考える。・・・まずは現実に目を向けてもらいたい、私はそう思う。

 

 

 

 

 

世に闇が蠢いている、・・・即ちロプト教団が暗躍し始めているのだ。始まりはエシャル坊の暗殺、・・・全てはここから始まる。この日を境に、グランベル王国に影が入り込んできたのだ。その影は徐々に広がり、それは闇となり包み込んでいく。我が友にして、ロプト教団の暗部である『ロプトの根』所属の元暗殺者、レクスヴァより提供された情報故に正確なものであろう。

 

堕ちたのはヴェルトマー公爵家、燻るはドズル公爵家にユングヴィ公爵家、そしてフリージ公爵家。我がエッダ公爵家は早々に堕ちはしない、ロプト教団の嫌う光に属し、ブラギ神に命を捧げし暗部がある。『ブラギの枝』と呼ばれし密偵、この世に真っ白なるモノなど存在しないのだ。『ロプトの根』と対をなす枝が存在する限りは、エッダ公爵家に影が差すことはないだろう。

 

シアルフィ公爵家は、我がエッダ公爵家と同じく健在ではある。しかし、どうにも風通しが良すぎるのだ。・・・クロード様がおっしゃった『導き手』とは、シアルフィ公爵家を指すのではなかろうか?運命の担い手であり鍵でもある『導き手』、もしそうであるのなら・・・。いや、まだ憶測の域を出ていない。事は慎重に見極めなければならない、それほどのことではあるが後手に回ってしまうだろうと考える。・・・クロード様が戻らぬ限り、我らは動けぬのだから。

 

 

 

 

 

・・・我が友レクスヴァから知らされていることがある、そして私も独自に調べて知った。エシャル坊が生きており、トラキアの将軍となっている事実。彼がこの世界を導く光の一つであることは私の勘ではあるが、的を得ていると思う。彼の下に力が集まり一つとなっている、驚くことにあのシギュンの娘も傍にいるらしいではないか。・・・彼こそが現段階での強力な切り札であることは明白、我ら枝は密かに彼を見守らなければならない。ロプト教団が表舞台に立たないことが一番良いことだとは分かる、分かるがこうも蠢いていると・・・な。

 

クロード様がお戻りにならない今、この私が動かねばならないだろう。私程度の力では、この流れを断ち切ることは不可能。だがその流れを緩やかに、蠢きを多少なりとも抑えることは可能だろう。少しでもその光を弱まらせない為に、そしてその光を一つに纏める為に。次世代を念頭に入れなければな、・・・難儀なことだ。

 

良い治世に見えてはいるが現実は、未だに迫害と教徒狩りが密かに行われている。その負の一面が憎しみに変わり、怒りとなって教団を蠢かせる。その狂気は同胞ですら利用する、その考えが正しければ・・・。エシャル坊の傍にいるとされるシギュンの娘が危ない、多少なりともロプトの血が流れているものと推測出来る。・・・教団にしてみれば、利用価値はある。だが、彼女の存在は教団に知られていない。それが唯一の救いであろう、・・・この状況を守り続けねばならないな。彼女は絶対に守り切らねばならない、・・・万が一の保険として。




ダナンは親父であるランゴバルトがあまり好きではない、何かと相手を見下し、そして妬む性格が。

暗殺を狙う卑怯な一面が許せないタイプの武人気質である。そして聖戦士の継承者であることを誇りに思っています。

レックスとの兄弟仲は良好、最悪レックスだけはドズルから逃したいと思っている。



ブルームは一時の悪感情に流され、逃れることの出来ない立場になってしまっている。妻であるヒルダの暗示に、自我が消えるのも時間の問題ではあるが・・・。

彼の後悔と家族愛が少しでも残れば、或いは・・・。



アウグストはブラギの司祭であり、『ブラギの枝』所属の密偵でもある。レクスヴァとは親友で、互いに協力関係を築いている。ロプトの世を阻止する為に、レクスヴァと暗躍するが・・・。

因みにクロードは、『ブラギの枝』の存在を知らない。・・・というか、気付かないふりをしている。



エシャルの嫁・最終アンケート

ディアドラ:16

アイラ:16

パメラ:13

エスニャ:10

ティルテュ:9

複数:15


パメラさんも人気ですね!

ディアドラ・アイラ・パメラの三人が有力か?



次話は他の国になりますかね?後ヴォルツ達とか。

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