ファイアーエムブレム~俺の系譜~   作:ユキユキさん

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他にも暇潰しみたいな感じで投稿してたんで、

こっちが遅れましたね。


偽善さん、Rion/いしゅたるさん、感想ありがとうございます。

作者さん、アンケートの方での意見、ありがとうございます。


第36話 ~直に聞きたいんだよね

ーエシャルー

 

オーガヒル城に辿り着いた俺は、空から見下ろしほくそ笑む。やはり義賊、俺の手紙を受け取ってくれたようだ。城の外にヴォルツ達がいないってことは、そういうことなんだろう。ここから見る限り、一戦・・・交えたのか?戦の跡が見当たらないのだが・・・、其処らにあるのは元からの傷跡だよな?うーむ、・・・まさか戦っていないとは。ベオウルフの交渉が上手くいったのかね?スゲーな、副長。・・・お?彼処で手を振っているのは、レイミアさんとこのクーちゃんか?それじゃあ、彼女の下へ舞い降りるとしますかね。

 

 

 

 

 

クーちゃんの下へ降りたわけだが、・・・はて?

 

「ヴォルツ達は何処へ行ったんだ?海賊の姿も見えないんだけど・・・。」

 

肝心の彼等がいないんですけど、何処へ行ったんさ。キョロキョロと見回す俺に、クーちゃんが・・・、

 

「ヴォルツさん達は皆、城の中です。・・・ヴァンさん達と宴をしています。」

 

・・・宴だぁ~?マジで?手紙を渡す前はめっちゃ敵対しとったやん、何この急展開。

 

「なんと言いますか、・・・手紙を読んでエシャルさんを信じることにしたみたいで。海賊として最後の宴をしたいと、それにヴォルツさん達とレイミア姉さん達も乗りまして・・・。基本的に私達も馬鹿騒ぎが好きなんで、・・・はっきり言って盛り上がっています。」

 

・・・手紙の意味を理解してくれたみたいね、そこは喜ばしい。そんなわけで宴か、・・・まぁ文句を言うわけにはいかんわな。実際、彼等には海賊稼業を辞めてもらわないといけないからな。最後の思いで作りを止めるような野暮はしませんぜ?・・・まぁ宴の最中に乱入するのは、ちぃ~とばかしキツいが。酔っ払いの中を素面で乱入するんだぞ?・・・そりゃあキツいよ。

 

・・・案の定、凄まじいドンチャン騒ぎである。・・・どう絡めば良いか悩んでいると、

 

「よぉ兄弟、遅い登場だな。敵だった者達と囲んで酒を飲む、・・・俺は今、ロマンを感じている!」

 

ほろ酔いヴォルツが絡んできた、助かったと思ったが・・・思いの外、

 

「酒くせぇ・・・!ほろ酔いかと思ったら、お前・・・メチャクチャ飲んだだろ!」

 

あまりの酒臭さに、俺はヴォルツを張り倒す。ヴォルツはヘラヘラと笑っている、・・・寡黙なヴォルツは何処に行ったの?俺は話をしに来たのに、それが出来る奴はいないのけ?俺は話せそうな奴を探す為、酔っ払い共の間をスルスルと移動する。あまり酔っていないクーちゃんも、俺の後を追ってくる。・・・そして見付けた、他の場所より大人しめに飲んでいる一角を。あの後ろド頭はベオウルフだな、・・・やっとこ見付けた話せるであろう、男の下へと向かう俺なのだった。

 

 

 

 

 

酔っていないと予想してベオウルフの下へ来てみれば、頭に包帯を巻いて不貞腐っているではないか。そんなベオウルフんとこで飲んでいるのは、レイミアさんに・・・金髪美女と大男。美女と大男が海賊の幹部クラスだな、雰囲気がそう語っている、たぶんこの二人は・・・。こりゃあ探す手間が省けた、手紙の返事を聞くことが出来る。・・・まぁその前に、コイツが何故怪我をして不貞腐っているのか聞かんとな。レイミアさんがニヤついて、ベオウルフを肴に飲んでいる?のが気になる。

 

「よぉ・・・遅れちまったがエシャルさん登場ってわけなんだが、ベオウルフはどうしたん?負を背負っているようだが・・・。」

 

にこやかに登場したつもりなんだけど、

 

「・・・エシャル!」

 

ベオウルフが、親の仇みたいな目で見てくる。美女と大男は俺を見て、

 

「「・・・黒刃。」」

 

と酒を飲む手を止め、息を飲む。

 

・・・・・・えぇ~、何この空気。・・・俺、何かした?宴でしょ?盛り上がっててよ、空気ぶち壊し男になっちゃうじゃん。レイミアさんは、変わらずにニヤついているけど。俺のにこやかフェイスがヒクついちゃっているよ?・・・どうすればいいのさ、なんて思っていると、

 

「・・・エシャル!テメェ~・・・!」

 

頭に包帯を巻いたベオウルフが、いきなり俺へと掴み掛かってきた。突然どうしたというのか?混乱する俺は、一つの可能性を見出だした。・・・まさか、・・・ベオウルフにもロプト教団の手が・・・!無いとも言い切れないのが恐い、・・・がそうだとしたら何故にベオウルフだけ?・・・ベオウルフにも聖戦士の血が?これも無くは無い、凄腕の傭兵であるし、エルト兄様の友人でもある。・・・ベオウルフに掴まれていても、頭の中で色々と考える俺。ガクガク揺らされても、考えることを止められない。そんな俺にベオウルフは、怒りを含めてこう言った。

 

「お前が女誑しだから俺は怪我をしたんだぞ!この俺がしょーもない怪我をしたんだ!傭兵稼業でもあまり怪我をしない俺が、しょーもないことで意外な大怪我を負ったんだ!信じらんねぇよ、今もイテェよ、ジンジンしてるよ!・・・つーことで、今すぐライブかリライブをかけてくれ!お前にはその責任がある!」

 

・・・話が見えない!レイミアさん、笑っている暇があるんなら俺に説明を!さっきまで色々と考えたけど、なんか違うっぽいし!・・・考えるのを止めたら、なんか気持ち悪くなってきた。

 

 

 

 

 

ガクガク揺らされて、顔を青くしていると、

 

「ちょっとベオウルフさん!エシャルさんを揺さぶり過ぎですよ、顔を青くしていますから!」

 

クーちゃんが、ベオウルフを止めてくれた。・・・頭がグワングワンする、揺さぶり過ぎじゃね?ベオウルフ。

 

「・・・うぇっ、気持ち悪っ・・・!・・・つーか、俺も色々あって病み上がりなんだけど。・・・というか、話がマジで見えない。」

 

・・・ムスッとする俺に、再び不貞腐れるベオウルフ。レイミアさんは未だに笑っており、海賊の幹部と思われる二人はコソコソと何かを話している。・・・酔いが浅いのだろうクーちゃんが、この状況に堪えかねて、

 

「ベオウルフさんもレイミア姉さんも説明をしないのなら、・・・この私がここまでの経緯をお話ししましょう。」

 

ベオウルフの怪我に、宴までの経緯を簡単に教えてくれた。クーちゃん、・・・良い娘やねぇ~。

 

 

 

 

 

・・・聞いてみれば、なんてこたぁない。パメラさんとアイーダが合流、彼女達の力を借りて海賊との話し合いが実現。手紙を渡して少し、突然パメラさんとアイーダが慌てて飛び出し、・・・その時に無防備であったベオウルフが吹き飛ばされて、頭を強打で怪我をする・・・と。それを聞いた俺は、

 

「・・・俺は関係ねぇだろうがベオさんよぉ!自分の不注意を人のせいにするんじゃねぇよ!・・・あの二人が飛び出したのは俺が原因?血が原因?そこらへんは曖昧だが、これだけは言える!ベオウルフの不注意が原因だよバカ!」

 

と言って、ベオウルフに襲い掛かる。ベオウルフもベオウルフで、

 

「勝者の言い分が正義ってわけだな!いいぜ、乗ってやらぁ~っ!」

 

襲い掛かってくる。そんな俺達の取っ組み合いが宴の肴になり、宴は大いに盛り上がった。

 

 

 

 

 

・・・そんな宴も終わりを迎え、辺りには屍累々。みんな酔い潰れております、物理的に潰れた副長もいるがな!・・・・・・俺は勝ったのだ!

 

まぁそれはいい、そんなことをする為にここへ来たわけではない。・・・返事だ、手紙の返事を直接聞きに来たのだ。宴をするぐらいだ、良い返事だとは分かっている。だがやはり直接聞きたいもの、そして俺の口からも彼等の待遇を伝えたい。このことは、俺なりの誠意だ。面と向かって話すことこそが、心と心を繋ぐ最も簡単で相手に伝えやすい最善の方法。

 

そんなわけで、酔い潰れることなく対面に座る大男、そして美女に俺は・・・、

 

「顔を合わせていながら挨拶をせずに申し訳ない、私が貴方達に渡された手紙の送り主、トラキアが将軍の一人エシャル。私がこの城に赴いた理由は、言わずとも分かっているとは思うが・・・、返事を・・・、貴方達の返事を直に聞きたく参上した。」

 

さっきまでベオウルフとじゃれていたが、その時の雰囲気を消し、一人の将軍として振る舞う。

 

「私の前にいる貴方がオーガヒルの首領ヴァン殿、そしてそちらの女性が幹部の一人であるブリギッド殿で宜しいか?」

 

俺がそう問い掛けると、二人は顔を見合わせてから頷く。

 

「間違いねぇ、俺がヴァンでコイツがブリギッドだ。高名な黒刃様に会えるとは思わなんだ、・・・思わなんだがこれからはアンタを大将にするんだ、よろしく頼むぜエシャル様。」

 

「・・・色々と揉めたけど、アタイ達の総意さ。よろしく頼むよ、エシャル様。」

 

返事はOK、当然だな!という気持ちと共に、・・・良かったと思う。これでトラバント、トラキアの兵力不足も多少は緩和されるだろう。・・・兵を借りていたからね、将軍だから良いんじゃね?と思われるだろうけど、俺はこの通り自由過ぎる将軍だからね。他国へ行く際に、自国の兵を連れ出すのはどうだろう?と思っていた俺にとって、彼等は良い存在になってくれるだろう。・・・もうお気付きだろう、・・・俺は私兵が欲しかったんじゃい!勿論、トラバントの許可はもらっているし、紹介もするさ!

 

 

 

 

 

俺はヴァン、ブリギッドに向けてニッ!と笑い、

 

「そうか、ありがとう。貴方達のことはこの私に任せてくれ、手紙に記したように私の麾下に入ってもらう。詳しい話は後程に、今はこの有り様だからな。」

 

そう言ってから周囲を見回す、ヴァンは苦笑いをして、

 

「・・・面目ねぇ、・・・酔い潰しちまってよ。」

 

ペコペコ頭を下げて謝ってくるが、俺は手でそれを制し、

 

「気にする必要は無いよ、貴方達にはいつも通り、ありのままの姿で部下になってもらいたい。公式の場ではきちんとしてもらうが、それ以外では海賊のままでいてもらおうと思う。まぁ・・・略奪行為等の海賊稼業は当然、許可はしないがね。勿論、仕事もしてもらうよ?・・・それは追々、伝えよう。」

 

彼等を型に填めようとは思わない、彼等らしさを失っては意味が無いからね。全てに対応出来る軍を作る、それが俺のすべきことでトラキアを強国にする一つの手、俺の夢への布石。俺の知識にあるトラキア王国の落日、それを迎えるわけにはいかん!

 

「なんとも話の分かる方だねぇ、エシャル様は!」

 

ブリギッドは嬉しそうだ。嬉しそうな彼女を前に言うのはアレだが、

 

「・・・明日、・・・明日にはこの城から出てもらう予定だ。故に彼等の目が覚め次第、トラキアへ行く準備を速やかにしてもらいたい。悪いがこの城は燃やす、・・・この地でオーガヒルの海賊は全滅、ヴァン海賊団は敗北し皆殺しとなった。・・・宜しいな。」

 

時間があまり無い故に、速やかにしてもらいたいこと、彼等を死んだことにするということを伝える。俺の言葉を聞いた二人は、覚悟を決めた顔で頷き、

 

「・・・分かっているさ、エシャル様。オーガヒルでのケジメはこの城が、俺達はエシャル様の下で働き、生きてケジメをつける。・・・それで良いんだろう?」

 

話が早くて助かるな、やはり彼等は必要な人材だ。

 

 

 

 

 

この地での仕事は明日で終わり、後は本国に戻ってからだな。・・・俺の勘によれば、トラキアに何かしらのことが起こってそうな気がする。・・・嫌な予感ではないのが救いだ。




エシャル軍に海賊が加入しました。

分かる人には分かると思いますが、海賊団のメンバーは改名します。

その中の一人であるブリギッドは・・・、

あの名前に改名します。んで、エシャルに剣を習います。



ベオウルフ


【挿絵表示】


クー


【挿絵表示】




アンケートのことだけど、


エシャルに限り、ディアドラ・アイラ・パメラの決戦投票にするかもです。

エシャルが決まり次第、他のメンバーの伴侶を決める。

それが良いかもと思い始めました。

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