ファイアーエムブレム~俺の系譜~   作:ユキユキさん

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更新がこれから遅くなるかと思います。


Rion/いしゅたるさん、貴重なご意見ありがとうございます!


第34話 ~俺、目覚めました

ーエシャルー

 

何だかディアドラみたいな天馬騎士が乱入して、なんか光ったなぁ~と思ったら視界が黒に塗り潰されました。塗り潰される前に何だか縛られる感じもしたし、なんなんスかね?後、なんなんスかね?がもう一つ。俺、黒の世界に浮かんでいます。一体全体どういうことなん?う~ん・・・。

 

う~んと唸って気が付いた、何で俺は怒ったの?パメラさんの後ろにいた美人さんを確認した時、抑えられない怒りを感じた。その怒りがあろうことか、攻撃となってパメラさんと美人さんを襲ったのだ。もしあの時、乱入者がいなかったら・・・。考えただけで恐ろしい、俺はパメラさんと美人さんを殺していた。後で乱入者・・・ディアドラにお礼を、パメラさん達に謝罪をせねば!・・・というか美人さん、見たことがあるんだけど。

 

考えること数分、・・・あの赤紫の髪に気の強そうな顔、・・・俺の頭には前世の記憶が浮かんでは消えてを繰り返している。そんな中で、一つの女性にヒットした。脳内検索の結果、ヴェルトマーの魔女と呼ばれているアイーダじゃね?・・・そういえば、俺自身もヴェルトマーの魔女って言ったような?・・・アイーダ、・・・アイーダねぇ。俺ってばヴェルトマー出身だから、彼女と面識があったりしたのかな?再びう~んと考える、すると・・・

 

「・・・アイーダ、・・・彼女は俺の幼馴染。俺より2つか3つ年上で、よく世話を焼いてくれたっけ?・・・そんな彼女に俺は怒りを、憎しみを込めて殺そうとした。・・・アイーダが俺を殺そうとする筈が無い、皆を殺した筈が無い!」

 

・・・思い出しましたよ、彼女のことを!なんつーかあっさり思い出したけど、彼女は良い人。あの男女が言うようなことはしないよ、する筈が無い。

 

 

 

 

 

・・・ヤベーよ、マジでヤベー!アイーダのことを思い出したら、次々と思い出すんですわ。エルト兄様のこともきっちり思い出したし、奥さんのグラーニェさんも思い出しました。え?既にエルト兄様のことは思い出していただろ・・・だって?知らんよそんなの、よく覚えとらんがな。とりあえず、思い出したんだからいいっしょ。

 

後はあれだ、自分でもかなり驚いたんだけどもさ・・・。俺ってば、フリージの皆さんとめっちゃ仲良しだったみたい。レプトールの親父さんが俺の師匠で、まだよく分からんのだが・・・、あの事件からここまで生きてこれたのは、レプトールの親父さんのお陰みたいだ。親父さんに魔法を伝授されて、乗り切ったみたいだね。おそらく・・・、たぶんだけど。曖昧なのは仕方がないよね?まだ、そこら辺は靄まみれッスから。炎一筋の俺が色々覚えていたのは、間違いなく親父さんのお陰。あざーッス!

 

んで、ディアドラの前に妹分が二人いたんだ。ティルテュとエスニャの二人、いつも『兄様、兄様。』とカルガモの親子みたいにくっついてきてたんよ。めっちゃ可愛がったっけなぁ~・・・。何年も忘れていて会っていなかったけど、かなり可愛くなっているんだろうね?会いたいなぁ~・・・。実はここだけの話、俺っち前世でティルテュが大好きだったんよ!一時期、寝ても覚めてもティルテュ、絵を書けばティルテュ、・・・ティルテュは俺の嫁と名も忘れた友人達に宣言してたっけ。くそぅ・・・、マル秘ファイルがあればティルテュが一杯あんのに!

 

あっ!でもあれだぜ?前世でティルテュ好きだったかもしれないが、今世では贔屓してないよ?エスニャも可愛がりしまくったもん。・・・・・・今思うと忘れていた二人だけど、身体が覚えていて・・・妹キャラなディアドラを可愛がっていたのかな?失ったモノの代わりというか、知らぬ内に面影を重ねてさ。・・・そうだとしたら、俺は最低じゃないか。記憶がアレだったわけだけど、・・・それでもさ。・・・・・・まぁ悔やんだって仕方がないか、ならより一層可愛がるのみ!現にディアドラは可愛いし、俺の癒しなのは本当なんだから!フフフ・・・、俺がこの黒の世界から戻った時にゃ、ディアドラを可愛がるぜ!それが俺のジャスティス!

 

そして最後にレクスヴァ、フリージの忍者ですよあの人は。神出鬼没の従者?・・・だよね?殆んどティルテュかエスニャんとこにいるし、出来る男とはあの人のことを言うのだろう。俺も色々と世話になったし、エルト兄様並に尊敬していたような・・・。たぶん俺がワープで神出鬼没ってるのは、レクスヴァへの憧れが残っていたからだろうね。・・・そういえばこの空間に来る前、そのレクスヴァの気配というか存在を身体で感じたような・・・。

 

 

 

 

 

まぁこんな感じで思い出したんですよ、色々と。エルト兄様にアイーダ、フリージの方々だけですけど。まだ分からんことが多いけど、思い出せてよかったよ。少しずつ思い出していけば、いずれは・・・ね。あの男女のことも思い出すだろう、・・・それと他の人のことも。まだいると思うんだよね、仲良しな人。誰だっけなぁ~・・・、凄く気になるぜ。何となくだけど、なんちゃら教団が絡んでいるような。後・・・あの男女、・・・俺の系統というか繋がり?そんなモノがあったような気がするんだよね。声を聞いていた時ビビっときたし・・・、すんなりと言葉を信じちゃったわけだし。なんつーか、身内だったらイヤだよね?ホント・・・。

 

・・・・・・んん?何やら引っ張られますな。引っ張られる方向へ視線を向けると、白い渦があります。黒の世界に白い渦、目立ちますな。吸い込まれたらどうなるのか?分からんけど、恐怖はない。目でも覚めるんかね?とか思いつつ、無抵抗のまま渦の方へ。ふと視線を黒の世界に戻すと、得体の知れないモノがいた。

 

『・・・ガガガ、・・・貴様、我ノ邪魔ヲスル者。・・・イズレ、・・・マミエル。』

 

その言葉を聞いた直後、俺の意識は暗転した。

 

 

 

 

 

暗転後暫くして、俺の意識が覚醒する。目に映るは天井、・・・俺は一体どうしたのだろう?とりあえず上半身を起こし、周囲を見回すと見知った顔が。皆驚いた顔をしつつ、安堵感漂う雰囲気。まずは確認というわけで、

 

「・・・ここは一体何処だろ「エシャルゥゥゥゥゥッ!」・・・ぐふぉっ!!」

 

金髪イケメン獅子王が飛び付いてきた、・・・目覚めて早々奇襲されるなんて、・・・苦しいんですががががっ!

 

「エルトシャン様!落ち着いてください、エシャル様が再びお眠りになってしまいます!今度は永眠です、本当にお亡くなりになってしまいます!」

 

赤茶髪の兄ちゃんが獅子王を引き剥がしてくれました、・・・彼は命の恩人ですね!

 

「・・・げほっ!げほっ!・・・はふぅ~、・・・エルト兄様は見ない内に変わられたようで。久々に会った甥を締め殺そうとするなんて、・・・流石は獅子王ってところですね。」

 

こめかみに青筋浮かべて、皮肉をエルト兄様にぶつけるも、

 

「・・・エシャル、そう褒めるな!エシャル愛の為せる技だ、・・・愛おしいからこそ締め上げる。」

 

ドヤ顔でそう返す獅子王、思いの外・・・馬鹿っぽい。だがまぁ・・・、

 

「本当に久しぶりだね、エルト兄様。息災みたいで安心したよ、元気が有り余っているようだし。」

 

今までは他人って感じで獅子王の存在を知っていたけど、思い出してみれば憧れの叔父なんだなぁ。記憶っちゅうのは、大切なんだね。あるのと無いのとでは世界が違う、別に見えるんだから不思議。

 

色々と話したり、聞きたいことがあるのだが・・・その前に、

 

「パメラさん・・・。」

 

俺は真っ直ぐパメラさんを見詰める、彼女は・・・、

 

「・・・え?・・・私に何か?」

 

少しキョドってます。・・・可愛いなぁ、・・・その反応。俺は美人に弱いと自負しており、パメラさんが俺の知る女性でNo.1だ。・・・まぁそれは今度語ろう、今はそれよりも・・・、

 

「・・・先程でいいのか分からないが、・・・本当に申し訳なかった!俺自身もまだ・・・よく分からないのだが、パメラさんの命を奪おうとしたのは事実。事なきを得たことには安堵したが、もしあのまま・・・!それを考えただけでも血の気が引く、許されるようなことではない。俺に出来ることならば何でもする、パメラさん・・・!俺に償わせてくれ・・・!!」

 

ベッドの上で頭を下げ、パメラさんに謝罪をする。俺の中の闇のせいだというのは分かっている、・・・がそれでも俺はパメラさんをも殺そうとした、許されることではない。償いは必要だ、・・・アイーダにも同じことが言えるがここにはいないみたいだ。故に、パメラさんに謝罪する。

 

・・・少しの沈黙、そして、

 

「・・・エシャル殿、最終的に私は無事でした。ディアドラ殿のお陰で私はここにおります、ですからそこまでお気にする必要はありません。勿論この場にはおりませんが、アイーダ殿もご無事です。故に償いは結構です、あえて言うならば・・・負けないでください。」

 

・・・パメラさんが女神に見える、なんて優しいんだろうか?理由はどうであれ、炎で消炭にしようとしたのに。償うよりも負けないで、・・・この言葉が俺の胸に残る。・・・パメラさんは、俺に何かがあったと知っている?誰かが教えたのだろうか?だがしかし、俺はその言葉に胸を打たれた。この先どうなるか分からんけど、出来る限り抗おう。

 

「・・・パメラさん、ありがとう。貴女の言葉、胸に染みました。・・・俺は負けません、最後まで抗い戦います。今回のようなことにならぬよう、心を強く持ち続けると誓います。」

 

俺は闇に抗い戦うと誓う、それが彼女達に対する償い。・・・俺は負けんぞ、俺の中にいる男女の影+α!

 

 

 

 

 

パメラさんに謝罪し、決意を新たにした俺。次にディアドラを見て、手招き呼ぶ。ディアドラは、待っていましたと言わんばかりに寄ってくる。尻尾があったなら、ブンブン振り回すであろう。そんなディアドラの頭に手を置いて、優しく撫でる俺。

 

「俺の闇を払ってくれてありがとな、ディアドラ。そのお陰で俺は、・・・失わずに済んだ。お前は俺の他に、パメラとアイーダを救った。・・・やっぱりディアドラは、・・・いや、本当にありがとう。この先もまた、ああなる可能性は否定出来ない。俺も頑張るつもりだが、ディアドラがいると心強い。・・・これからもよろしくな、ディアドラ。」

 

心から礼を言って、気持ちを込めて頭を撫でる。ディアドラは、目を細めて気持ち良さそうにしている。

 

ディアドラを撫でながら思う、・・・ヘイムの力は凄まじいと。記憶が曖昧だがあの時、ディアドラが剣を掲げた時、怒りと憎しみだけだった俺は、それを上回る程の恐怖を感じた。・・・俺の中にて燻る闇が恐怖したのだと思う、・・・そのお陰で色々と思い出したし。あの光で闇が少しだけ浄化され、靄にて隠されていた記憶を思い出したのだろう。

 

だが、油断は出来ない。まだ、闇が消えたわけではないのだから。あの男女も俺の中にいる、正体が誰だか分からないがいずれは・・・。ヘズルとファラの血がヒントだと思う、・・・魂が疼くんだからな。・・・それとあの、・・・あの得体の知れないモノ。・・・まさかと思うが、・・・ロプトウスじゃないよね?・・・俺の前世での記憶よ、・・・そんな恐ろしいモン思い出すなよ!事件のことを思い出せよ俺のバカ!

 

 

 

 

 

んで、ディアドラを撫でながら、

 

「エルト兄様は、剣で語り合ったからいいとして・・・。」

 

「そんな馬鹿な!?それはないぞエシャル!俺もエシャルと絡みたい!」

 

なんか騒ぎだした叔父を放置して、、

 

「レクス・・・、お前も俺を救うことに力を貸してくれたんだろう?・・・ありがとう。そして久しぶり、・・・俺は生きている。生きていたんだよ・・・、、レクス・・・!」

 

なんか知んないけど、涙がこぼれた。レクスは俺を見詰め、・・・それから一礼をした。・・・・・・ただいま、レクス。




とりあえず、無理矢理フリージ姉妹の登場フラグを立てました。



・・・序章は後数話だわな。



さっき書いた人。

パピヨン


【挿絵表示】



マゴーネ


【挿絵表示】



彼らは社畜ヘッドから生まれ変わったのだ!

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