ファイアーエムブレム~俺の系譜~   作:ユキユキさん

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Edwardさん、アンケートありがとうございます!


んでもって、Edwardさん、バニング体位さん、貴重な意見をありがとうございます!


アンケートとかは活動報告んとこにあるんで、よろしくどうぞ。


第33話 ~俺、スリープ中です

ーパメラー

 

私達に向けて放たれた炎、ロタが怯えて制御不能。・・・私とアイーダ殿はこれで終わる、・・・お慕いしているエシャル殿の手で。とても悲しいことだけど、エシャル殿の手に掛かるのならそれはそれで・・・とも思った。しかし間一髪のところでディアドラ殿が乱入、彼女は炎を打ち破って私達を救ってくれた。

 

何故エシャル殿が私達を?そう疑問に思うのは自然のことだろう、後ろに同乗するアイーダ殿も同じ疑問を持った筈。そう思い振り返ってみると、アイーダ殿は顔を青くして茫然としていた。・・・これは当分、そっとしておいた方がいいな。私はそう判断し、まずはディアドラ殿に礼を言わねばと思ったのだが、

 

「・・・エシャル様!?」

 

ディアドラ殿の切羽詰まった声に、私はハッとして気付いた。そうだエシャル殿!私は慌ててエシャル殿へと視線を向けた。エシャル殿は天馬に身体を預け、微動もせずに地上へと降りていく。その姿が不自然で、それを見取ったディアドラ殿はその後を追って降りていく。無論この私も、その後を追ったというのは言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

地上に降りたエシャル殿に近付いたのだが、何やらエシャル殿によく似た方が騒いでいた。

 

「エシャル!エシャル!・・・どうしたというのだ、お前の身に何が起きている!・・・エシャル!・・・目を、目を開けてくれ!そして、・・・今度は俺に面と向かってエルト兄様と呼んでくれぇぇぇぇぇっ・・・!!」

 

私もエシャル殿が心配だ、・・・私達に魔法を、・・・炎を放ったことは何かの間違いだと思っている。今すぐ駆け寄ってその身の無事を確認し、気を失っているのであれば何処か安全な場所で寝かせ、目覚めるまでその傍にて看病をしたい、私はそう思っていたのだが・・・、

 

「エシャル!エシャルゥゥゥゥゥッ!・・・このままエシャルが目覚めなかったら、・・・俺は、・・・俺は、・・・俺はどうすればいいのだ!」

 

エシャル殿の傍で取り乱している方を見ていると、私も傍に行ったら同じように・・・同類にされそうで恐い。・・・というか、絡まれそうで恐い。・・・ディアドラ殿も同じ気持ち、・・ではないようだ。・・・凄い顔で、騒ぐエシャル殿似の方を睨んでいる。・・・嫉妬するのはどうかと思うのだが。

 

エシャル殿似の方のせいで、この場が滅茶苦茶になりつつある。エシャル殿のことがとても大切なのだろうが、少しは冷静になってもらいたい。ディアドラ殿も言わずもがな、さっきまでの彼女に戻ってほしい。・・・それにアイーダ殿、未だにロタから降りずに心ここにあらずといった感じだ。さて・・・、どうしたものかと考えていると、

 

「皆様、ご安心を・・・。エシャル様は暫くの間、お眠りになるだけです。数時間後にはお目覚めになりますよ・・・。」

 

突如湧いた声に、私を含めた全員が驚き、声の主を探す。すると空間が少し歪み、そこから一人の男性が現れた。男性は此方に向かい、

 

「聞きたいこともおありでしょうが、・・・まずはエシャル様を安全な場所へお連れしましょう。それにエルトシャン様は軍に号令を掛けるべきです、・・・エシャル様と剣を交えたのですから。」

 

無表情のままにそう言った、その言葉にエシャル殿似の方が、

 

「レクス・・・、レクスじゃないか!・・・・・・そうだな!お前が言うように、まずは軍を纏めなければ!イーヴにも説明せねばならないからな!エシャルが無事ならば、俺は先に自分達のことを片付けなければ!早々に話をつけ、エシャルの目覚めに備えなければならん!」

 

先程の混乱から立ち直り、覇気をみなぎらせて駆けていくエシャル殿似の方。・・・はて?何だか凄い名を聞いたような・・・。次に謎の男性は、

 

「では皆様、エシャル様を街までお連れしましょう。」

 

その言葉に私達は頷き、行動に移した。

 

因みにエシャル殿の天馬はディアドラ殿が連れていき、エシャル殿本人は私がお連れすることになった。ディアドラ殿は渋っていたが、ロタに乗るアイーダ殿を見て・・・、

 

「・・・あれ?ホリンさんがいない・・・?・・・・・・あっ!落としてきちゃった!?」

 

と顔を青くさせて、エシャル殿の天馬と連れ立って飛び出した。私のロタに乗っていたアイーダ殿は、謎の男性が連れていくとのことで彼に託す。そんなわけで、エシャル殿は私の腕の中。規則正しい寝息をたてるエシャル殿に見とれつつ、静かに飛び立つ私。・・・ゆっくり飛んで行かねばならない、エシャル殿を落としてしまったら大変だ。・・・決して、この至福の時を長く味わいたいと思ったわけではないからな!

 

 

 

 

 

ーレクスヴァー

 

俺は姿を現し、この場を治めた。エルトシャン様を一度軍に戻し、他の方々はエシャル様と共に街へ。そしてその際預かったアイーダに俺は、

 

「・・・アイーダ、俺が分かるか?」

 

そう問い掛けたのだが、無反応で茫然としたままだ。・・・その瞳を覗いてみれば光が無い、濁っている。その瞳を見て確信した、彼女はロプト教団の手により術を施されていると。この術は、無自覚に闇の魔力を放出する。この魔力は無害なのだが、ある条件により有害となる。その条件とは過去に、闇魔法をその身に受けたか否かである。一度でもその身に受けたことがあるのなら、その身に闇を宿し燻らせることとなる。アイーダに施された術は、その闇を増長させて宿主に悪影響を及ぼす。そしてそれがエシャル様を狂わせ、エルトシャン様とアイーダを襲わせたのだろう。

 

見てもいないのに何故分かるか?・・・アイーダの瞳に宿る光景を見た、これが知っている理由である。エシャル様とエルトシャン様が共にいて、遠目で確認してからの攻撃。その光景を見れば大体分かる、伊達に裏方で活動していない。それに俺は、その道で活動をしていたわけだからな。・・・とりあえず、アイーダに施された術は解除せねばなるまい。このままでは、アイーダ自身にもエシャル様にも悪影響を及ぼす。それにもし、アイーダがヴェルトマーに戻ることになったのなら、エシャル様の生存が知られてしまう。死んだとされる者が生きていた、・・・暗殺者を放ってくることは明白だ。それを未然に防ぐ為に解除は必須、幸いこの術を施した者は未熟。今・・・解除をすれば、エシャル様の身は守られる。そして・・・解除をした後のアイーダの処遇、出来ることならばヴェルトマーには戻らないでほしいな・・・。

 

 

 

 

 

アイーダの術を解除したら、糸の切れた人形のように倒れそうになった。俺は素早く身体を支えて、彼女を抱き抱える。所謂、お姫様抱っこというものだ。・・・それはいいとして、術は解除した。解除はしたが俺が思っている以上に、ロプト教団が暗躍している。アイーダがこうなっていたということは、ヴェルトマーはもう危険な域であるのは確実。・・・そもそもアイーダに、術を施すのは難しいと思うのだが。彼女の警戒を掻い潜り術を施す、・・・彼女の身近に教団の協力者がいるのかもしれない。ヴェルトマーの血筋に、教団の協力者が・・・。アルヴィス様は目立つ方だから、違うと思うが・・・。

 

・・・考えることは後でも出来るか、今は彼女を休めつつエシャル様の様子も見ねばならない。エシャル様の闇を除去したいが、俺ではまだ未熟。あの少女の力があれば何とかなると思うが、無理に除去をしようとしてエシャル様の身に何かあったら・・・。そう考えると、やはりエシャル様がお目覚めになってからだな。後はお目覚めの前に説明か・・・、特にあの少女と天馬騎士の女性に。天馬騎士の女性は突然、標的になったわけであるし。そして少女は・・・、力のことはエシャル様がお目覚めになってからでいいな。・・・俺のことも説明せねばならないか、・・・ふぅ。正体を偽っての接触は無理だな、・・・全てとはいかないがきちんと説明するべきだろう。さて・・・、歩くのは面倒だ。・・・ワープで街に行くこととしよう。・・・暫くの間、魔法は打ち止めだな。

 

 

 

 

ーディアドラー

 

何とかパメラ様を守ることが出来た、・・・一体何がどうなっているの?何故闇がエシャル様に?私にこんな力があったの?色々と疑問が浮かび上がってくるが、

 

「・・・エシャル様!?」

 

エシャル様の様子がおかしい、お身体をスコルに預けて動かない。そんなエシャル様と共にスコルは地上へ、私は心配になり慌てて後を追った。

 

エシャル様の下へと駆け寄りたかったのだが、一人の騎士様が邪魔をする。エシャル様に似ているけれど、・・・正直邪魔で仕方がない。今の私は酷い顔をしているだろう、自覚はしている。パメラ様も私の後に降りてきたのだが、同じようにどうしたものかと考えている。・・・というか、私に若干引いている?自覚はしているけど、そんなに酷い顔をしているのかな?そう思っていると、

 

「皆様、ご安心を・・・。エシャル様は暫くの間、お眠りになるだけです。数時間後にはお目覚めになりますよ・・・。」

 

その言葉と共に、一人の男性が姿を現した。・・・どちら様?

 

 

 

 

 

見知らぬ男性がこの場を治め、エシャル様を安全な場所へとのことで私がお連れしようと思った。しかし私よりもパメラ様の方が安全だとのことで、私はスコルを連れ立つことになった。エシャル様のことを考えるとそちらの方が良いと思うが、・・・正直不満である。渋々それを了承し飛び立とうと思ったのだが、パメラ様の天馬に同乗している方を見て違和感を覚えた。何かを忘れている・・・、うーんと考える。私がこの場所へ来る時、誰かと一緒に・・・・・・、ホリンさん?

 

「・・・あれ?ホリンさんがいない・・・?・・・・・・あっ!落としてきちゃった!?」

 

そうだホリンさん!ホリンさんがいて、一緒に飛んできて・・・途中から・・・。私はサーッと血の気が引き、スコルと共に慌てて飛び立った。・・・死んでないよね?

 

・・・結果、ホリンさんを発見した。運良く木に引っ掛かっていて、多少の傷はあるものの無事だった。すぐにリライブで回復、ペコペコ頭を下げて謝った。ホリンさんは許してくれたが、渇いた笑いと共に若干の距離感がある。・・・ごめんなさい、ホリンさん。

 

 

 

 

なんだかんだで街に着き、遅れてパメラ様が到着・・・はぁっ!?エシャル様を抱っこしている、凄く密着している!なんて羨ましい!こうなることは分かっていたけど、分かっていたけど!パメラ様はキリッとしているつもりかもしれないが、口元がにやついている桃色雰囲気だ、妬ましい・・・。

 

とりあえず感情を抑えて、宿泊をしていた宿へ。ベッドへエシャル様を寝かせ、あの男性を待つ。場所は教えていないけど、普通に来そう・・・なんて考えていたら、扉を叩く音が。何方かと問い掛けてみれば先程の男性のようで、私達はすぐに扉を開け彼を迎え入れた。部屋の中へ入った彼は、まずエシャル様の下へと近付き、

 

「・・・エシャル様に変わった様子はない。・・・ということは、アイーダの術はきちんと解除が出来たようだ。」

 

無表情ながらホッとした様子の彼、次に私達の方へ向き直り、

 

「お嬢様方のお陰でエシャル様は事なきを得ました、・・・ありがとうございます。唐突のことではありますが、名乗らせていただきます。私はレクス、フリージ公爵家の密偵・・・のような者でございます。」

 

優雅な一礼をする彼、レクス様。・・・フリージ公爵家?密偵?と私にはちんぷんかんぷんだが、パメラ様の方は、

 

「・・・フリージ公爵家!?グランベルの・・・!」

 

と驚き、ホリンさんは・・・、

 

「エシャル殿とは一体・・・、トラキアの将軍だけでは説明がつかない・・・。」

 

と、冷汗をかきつつ思案し始める。二人の反応を見るに、凄いお方なのだと思った。

 

・・・ということは、エシャル様似のあの方も凄いお方?レクス様とは顔見知りか、それ以上の親しさを感じたのだけど。ハテナが頭の中で、グルグル回っている。・・・グルグル回ってはいるけれど、分かったことが一つある。このレクス様は、エシャル様のお知り合いであると。エシャル様からは聞いたことの無いお名前だけど、エシャル様の身を案じることからそうに違いない。私はそう・・・結論付けた。名乗ったレクス様に続き、私達も軽い自己紹介をした。自己紹介の中で、レクス様は私のことを見ていたような気がする。・・・私の自己紹介、変だったのかな?

 

 

 

 

 

それからエシャル様似のお方とその従者のお方が合流、なんとノディオン王家の王様らしいのだ!よく分からないけれど。エシャル様似のお方がエルトシャン様、従者のお方がイーヴ様。暫くの間、エルトシャン様が色々と騒がしかった。エルトシャン様が落ち着かれてから今回のことについて、レクス様がエシャル様の身に起きたことを説明してくれた。しかしこの説明はレクス様の見解である為、正解か否かは分からない。だから全てを信じることはせず、ただ・・・なのかもしれないとだけ覚えていてほしいとのことだ。そして当然のことながら、このことは他言無用。エシャル様の身の安全と共に、私達の安全も含まれることだから・・・と。

 

後、パメラ様の天馬に同乗していたお方はアイーダ様というらしい。ヴェルトマー公爵家のお方で、エシャル様とも関係深いとのこと。それを聞いた私は固まった、・・・なんなのだそれは。ただでさえパメラ様が強敵なのに!・・・私は、どうしてくれようかと考えていた。

 

レクス様の説明を聞いて、頭の中で整理した。エシャル様は、ヴェルトマー公爵家に籍を置いていた。ノディオン王家のエルトシャン様とは、叔父と甥の関係。ある事件により、亡くなったことになっている。アイーダ様とは幼馴染で、他にも幼馴染が数人いるらしい。血筋は魔法戦士ファラと黒騎士ヘズル、どちらも継承者となれる程。現在はトラキア王国の将軍であり、トラバント様とは親友といっても良い関係。ヴェルダン王国のガンドルフ兄様とは兄弟分であり、トラバント様を含めて三馬鹿と呼ばれている。因みに命名したのは、トラキア王妃のフリーン様である。現在エシャル様に想いを寄せる女性は多く、特にパメラ様が強敵である。・・・私的にだけど。

 

・・・・・・冷静に考えてみると、エシャル様って凄く身分の高いお方。たかがヴェルダン王国の森娘である私如きが、エシャル様の恋人を目指すなんておこがましい行為なのでは?・・・そう思ってしまった。だからといって、エシャル様に対して余所余所しくなると確実にイジけてしまう。言い方が悪くなってしまうが、エシャル様は突然湧いて出てくる。そして私に構ってくれるのだ、そこまで気に掛けなくても・・・と、言ったことがある。そうしたら、『ディアドラに嫌われた!?・・・そんな、・・・そんなことがあっていいのか?・・・うぅ~、・・・兄貴、兄貴ぃぃぃぃぃっ!ディアドラが俺のことが嫌いだってぇぇぇぇぇっ!!』と、嫌いとは言っていないのにそう解釈されてしまった。2日間、引き籠ってしまったのだ。そう考えると、今まで通りが一番なんだけど・・・。これは深刻な問題だ、・・・私はどうすれば良いのだろう。

 

 

 

 

 

考えているのは私だけではないようで、他の方々も色々と考えているみたいだ。今回のことは内密にってことだけど、エシャル様の名は世界に広がっている。同じようなことが起きるのでは?そう思ったのだが、レクス様が私を見て、

 

「アイーダの行動一つで、当分は平穏になるでしょう。他にも、エシャル様とその関係者様達のお力をお借りすることになるとは思いますがね。・・・詳しいことは、エシャル様がお目覚めになってからです。」

 

・・・と言った。確かに色々と考えたって、エシャル様がいなくては意味が無い。当事者であるエシャル様のお言葉が、今回のことでは一番重要なのだから。

 

・・・はい!考えるのは止めにして、エシャル様のお傍で・・・、

 

「ディアドラ様・・・、貴女は貴女らしくエシャル様とお付き合いしてくださいませ。それが最善であり、幸せにも繋がります。・・・道は困難ですけれど、影ながら貴女のことも見守ります故。・・・ですが、私の敬愛する姫様達も参戦する予定です。その場合は、姫様達を優先させていただきます。・・・簡単に申しますと、恋の好敵手が増えます故により一層の努力をお忘れなく。」

 

レクス様が、私の耳元で囁いた言葉に衝撃を受けた。せっかく切り換えたのに、私はまた・・・ブツブツと考えることになる。・・・恋の好敵手かぁ~、・・・頑張ろう。




次は、エシャル目覚めます。


何となく書いた人

ガンドルフ

【挿絵表示】


ヴォルツ

【挿絵表示】


誰だよコイツらww


アンケート・途中経過

エシャル→ディアドラ 7・アイラ 5・パメラ 3・アルテナ 1・みんな嫁 1

ガンドルフ→ディアドラ 4・アイラ 1・レイミア 1

ホリン→ディアドラ 3・パメラ 1・アイーダ 1・シルヴィア 1

ベオウルフ→パメラ 3・アイーダ 1・レイミア 1

ヴォルツ→レイミア 2・ブリギッド 1

アルヴィス→アイーダ 1

トラバント→マーニャ 1

パピヨン→エスニャ 1

ハンニバル→ブリギッド 1

みんな独身 1

ーーーーーーーーーーーー

アレク→パメラ 1

レヴィン→フュリー 1・マーニャ 1

クロード→アイーダ 1

アゼル→フュリー 1

デュー→ラケシス 1

レックス→ティルテュ 1

エーディン→キンボイス 1


なんか凄いのが!キンボイスってw

パピヨンとかも入ってきたから、顔でも書きますか!

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