ファイアーエムブレム~俺の系譜~   作:ユキユキさん

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そろそろ序章は終わりっすね。

Q太=ろうさん、にゃ~ん()さん、アンケートありがとうございます!


またまた活動報告にて、意見を求めています。原作死にキャラとエシャル軍についてです。なんかありましたら、足跡を!


第32話 ~海賊掃討戦《交わる刃・後編》

ーエシャルー

 

本気の剣戟もエルトシャンには通用しない、・・・相手も同じようなことを感じているのだろうか?俺としては、この短い間にエルトシャンの剣捌きを多少は学んだ。その剣捌きと、我流、イザーク剣術、俺の全てを出してはいるが至らない。通用しない、至らない、だが食らい付いている。そして・・・、

 

「これが獅子王エルトシャン、・・・まだ足下にも及ばない。・・・これが俺の憧れ、・・・俺の叔父。」

 

徐々にその姿が大きくなる、俺の中の影がエルトシャンになっていく。この人は俺の叔父で憧れ、俺を愛してくれた人。あの声が言うような、俺の命を狙う・・・、そんなことをする人ではない。獅子王エルトシャンは、・・・エルト兄様はそんな人間ではない!

 

声無き会話を、刃と刃で語り合い俺は思い出した。思い出したことにより、俺の戦意は倒すから認められたいに変わった。エルト兄様である以上、倒すなんてもってのほかだ。憧れのエルト兄様だからこそ、認められたいのだ。・・・俺の内に潜む黒い声、あの男女は出てこない。まだ燻っているかもしれないが、今はただエルト兄様と刃を交えるのみ!魔法は使用しない、純粋に剣のみでエルト兄様の胸を借りよう。溢れる力のままに、その力尽きるまで!

 

 

 

 

 

俺とエルト兄様の剣戟は続いた。どう攻めても捌かれ、攻められれば捌き、一進一退の剣戟。それは一種の剣舞と言って良い程、洗練された剣戟であった。だが、始まりがあれば終わりがあるわけで。

 

「・・・はぁっ、・・・はぁっ、・・・はぁっ!」

 

俺の体力も限界に達しようとしている、・・・エルト兄様の体力は無尽蔵なのか?顔色一つも変わらずに、終始優勢のまま。・・・流石としか言いようがない、俺ではまだ届かない領域だ。・・・力尽きるまでと決めたからには、最後まで!・・・集中するんだエシャル、スコルと心を一つに、人馬一体を目指して・・・!今この瞬間は、俺とエルト兄様のせか・・・、

 

『『否!』』

 

「・・・・・・!?」

 

やはりまだ・・・、俺の中にいたか!また・・・、邪魔をするのか!また・・・、俺を・・・!

 

『お前が全てを思い出さぬ限り、俺達は消えぬよ・・・。』

 

『・・・邪魔とは心外ですね?・・・私達は知らせようとしただけですよ?』

 

・・・知らせる・・・だと?

 

『その通りだ。・・・ほら、聞こえるだろう?滅びの羽音が・・・。』

 

『エシャル様のお知り合いを人質に、魔女が来ますよ?貴方と獅子王を葬りに・・・。』

 

魔女?・・・魔女、・・・魔女とは一体誰なん・・・!?まさかヴェルトマーの魔女と名高い・・・!

 

その時、俺の耳に届いた羽音。天馬騎士・・・、パメラさんか!?その姿を捉えた俺は、この身に怒りを感じた。何故ならば、その後ろには魔女がいる。見たことが無い筈なのに分かる、・・・あの女がヴェルトマーの魔女!俺を裏切った女!皆を殺す手引きをした仇!

 

 

 

 

 

・・・敵はまだ遠い、・・・距離がある。俺が今出来る攻撃手段は一つ、・・・魔法だ。

 

「やらせはしないよ、・・・あの時の俺とは違う。守る力がある、・・・叔父を、・・・エルト兄様を守る!」

 

俺はエルト兄様を守るように体勢を変える、そして・・・、

 

「俺に任せてください、エルト兄様!・・・魔女は、この俺が滅します!・・・見ていてください、魔女を滅するファラの力を!」

 

キルソードを鞘に戻し、両手を空に掲げる。俺の頭上に、小さな魔力の塊が現れる。俺が集中すると、それは徐々に大きくなっていく。

 

「エシャル!落ち着け!・・・よく見るんだ!あの天馬騎士と共にいるのはアイーダ、・・・お前の!!」

 

エルト兄様が何かを言っているが、今の俺にはよく聞こえない。・・・たぶん、俺を応援してくれているのだろう。なら、その期待に応じなければ!

 

俺の頭上には、大きな炎の塊。通常の10倍ぐらいの魔力を込めた、特製のエルファイアーだ。コイツが直撃すれば、跡形も無く燃やし尽くすことだろう。・・・俺とエルト兄様を殺しに来たのが運の尽き、自らの行いを後悔し・・・、炎の裁きをその身に受けよ!

 

「いかん!避けろぉぉぉぉぉっ!!」

 

「燃え尽きよぉぉぉぉぉっ!!」

 

頭上にあった炎の塊を、魔女に向けて放った。これで俺の平穏は守られる、エルト兄様を守ることが出来た。

 

 

 

 

 

ーアイーダー

 

オーガヒル城から最大速度でマディノへ、パメラ殿の天馬はとても速い。あっという間に海を越え、マディノ近辺まで来ることが出来た。エシャル様からの共鳴、それを感じた方角に飛んできた私達の前に、

 

「アイーダ殿、エシャル殿がいたぞ!」

 

パメラ殿の指差す方へ視線を向けると、エシャル殿と思わしき天馬騎士と・・・エルトシャン様!?何故エルトシャン様がここに・・・?どうしてエシャル様と・・・?疑問しか浮かばない、・・・浮かばないが今はお二人を止め・・・!

 

凄まじい殺気を感じた、死神の鎌が首筋に当てられたような・・・。震える体をどうにかしようと考えたが、

 

「くっ・・・!ロタ、どうした!落ち着け・・・!」

 

パメラ殿の天馬が怯え、暴れだしたのだ。空中で体勢を維持することがやっとのようで、私は振り落とされないようしがみつくことしか出来ない。

 

・・・そんな中、明確な殺意が此方に向いた。まるで・・・、まるでアルヴィス様のような覇気。それが・・・私に向いている!?・・・そして私の視線は、一つの恐怖に注がれる。

 

「そんな・・・エシャル様?・・・エシャル様が私を?」

 

エシャル様であろう天馬騎士の頭上に、魔力が凝縮されたと思われる炎の塊が・・・。パメラ殿も気付いたようだが、天馬を操るのに必死だ。エシャル様に殺意を向けられている私はと言うと、頭の中が真っ白になっている。わけが分からない、私はただエシャル様に会いたかった、それだけなのに・・・。そんな私達に・・・、

 

「いかん!避けろぉぉぉぉぉっ!!」

 

「燃え尽きよぉぉぉぉぉっ!!」

 

二つの声が重なり耳に届いた。・・・エシャル様が此方に、あの炎の塊を放った。・・・これが再会した結果ですか?私という存在が招いた結果ですか?・・・まだ、言葉も交わしていないのに。禍々しき炎の塊を瞳に写し、私は巻添えになってしまったパメラ殿に・・・、

 

「申し訳ありません、パメラ殿・・・。私と共にいたが為に・・・。」

 

消え入りそうな震える声で謝罪した、パメラ殿は・・・、

 

「ロタ・・・!頼むから・・・!!」

 

諦めずに、天馬をどうにかしようとしている。・・・迫り来る死を見詰めるだけの私、抗おうとするパメラ殿。そんな私達と炎の前に、立ち塞がる一つの影があった。

 

「パメラ様は殺らせはしません!・・・それに、エシャル様がこんな禍々しい炎を!こんな炎を放つなんて・・・!何かの間違いです・・・!」

 

なんて可憐な少女、・・・天馬騎士だろうか?

 

「ディアドラ殿・・・!?駄目だ、今すぐそこから・・・!!」

 

パメラ殿の悲鳴に近い叫び、しかし少女は・・・、

 

「禍々しき闇よ・・・、私がこの手で・・・!」

 

少女は剣を天へと掲げ、炎に立ち向かっていく。光輝く剣身と共に空を駆ける少女は、美しかった。

 

 

 

 

 

ーディアドラー

 

嫌な予感がする、あの光景を見て私はそう思った。エシャル様から離れていく影が、とても歪で不吉なモノであると。その影はそう簡単に消えるモノではない、あの光景で消えていたのは表面だけ。エシャル様の中で、きっと燻り続けている。私と出会う前から、そして今も・・・これからも・・・。私はエシャル様の下へ急ぐ、その身を案じて。それと嫌な予感、エシャル様に不幸が訪れる予感。だけど、分からないけど、・・・私ならそれを防ぐことが出来る、何故だかそう思う。

 

そんな理由から、ホリンさんを同乗させ飛び出した私。私の後ろにいるホリンさんは、

 

「エシャル殿が苦戦?・・・相手はどんな化物か?俺が加勢して足手まといにならないか?・・・うーむ。」

 

ぶつぶつ呟いて、ウンウン唸っている。ホリンさんの気持ちも分かる、ホリンさんの敵わないエシャル様が苦戦する程の敵だ。自分が太刀打ち出来るのか不安なのだろう、現に私も不安だ。不安だけれど、

 

「ホリンさんだってお強いです、エシャル様とお二人で挑めばきっと・・・。私も支援致します、ですから・・・。」

 

私なりに励まそうというか、元気付けようというか、兎に角頑張ろうとホリンさんに言葉を掛けていた時、

 

「・・・・・・!!」

 

エシャル様の魔力の高まり、禍々しい気配、この二つが混ざり合う感じ。そしてそれは・・・いけないこと、・・・なんとかしないと!私がやらなければならない、そう感じて・・・私はハティの手綱を強く握り締めた。

 

私の気持ちを汲んだのか、ハティは力強く羽ばたき空を駆ける。その時・・・、

 

「・・・えぇ!?ちょっ・・・!ディアドラァァァァァ・・・・・・!?」

 

悲鳴と共に、何やらハティの飛ぶ速さが更に上がったような・・・?まぁ、速くなったのなら好都合。どうか、間に合って・・・!

 

 

 

 

 

そして辿り着いた場所では、

 

「いかん!避けろぉぉぉぉぉっ!!」

 

「燃え尽きよぉぉぉぉぉっ!!」

 

男性の声が2つ、1つはエシャル様のもの。もう1つは・・・って、それどころではない!エシャル様のお姿を見取り、その視線の先を見るとそこには・・・、

 

「パメラ様・・・!?何故パメラ様が?エシャル様は何故・・・!?」

 

戸惑っている暇はない、このままではパメラ様が!・・・私の予感、不幸とはこれのこと!?先程感じた予感とはこれだ、私はそう直感した。それを止める役目はこの私、理由は分からないが殺らせてはならない!私は、この場に駆けてきたままの勢いでパメラ様の前に躍り込んだ。

 

・・・なんて禍々しい炎、この炎には何か別の力を感じる。エシャル様ではない、何か別の・・・。いつもニコニコしていて、助けられる命を助けようとする優しい方。いつも色んな方に囲まれ、愛し愛されているエシャル様が、憎しみと怒りの籠った禍々しい炎を、信頼しているパメラ様に放つわけがない!

 

「パメラ様は殺らせはしません!・・・それに、エシャル様がこんな禍々しい炎を!こんな炎を放つなんて・・・!何かの間違いです・・・!」

 

エシャル様はきっと、別の何かに・・・!影・・・あの影が、エシャル様を狂わせているんだ!・・・それに闇、・・・それは闇に違いない!私の内にある何かが囁いている、そして止められるのも・・・!導かれるまま、私は鞘から剣を抜き、

 

「ディアドラ殿・・・!?駄目だ、今すぐそこから・・・!」

 

パメラ様の叫びが聞こえるが、退くわけにはいかない。

 

「禍々しき闇よ・・・、私がこの手で・・・!」

 

光の剣よ、私に力を・・・!この闇を打ち消す力を・・・!

 

 

 

 

 

私の呼び声に光の剣が応え、一際光輝き・・・、

 

「たぁぁぁぁぁっ!」

 

私なりの気合と共に、光の剣を炎に向けて振り下ろした。そして・・・、この場は白に塗り潰された。

 

 

 

 

 

ーレクスヴァー

 

俺はこの時を待っていた、隙が生まれる時を、力が衰える瞬間を!俺自身の力で強引にでも作ろうとした瞬間を、あの少女が作り出したことには驚いたが、それよりも・・・今ならば!

 

「・・・サイレス!」

 

エシャル様に魔封じの結界を張り、

 

「・・・スリープ!」

 

眠りへ誘う魔法を放つ。ぐらりと揺れて、天馬へ抱き付くように倒れるエシャル様。賢い天馬はエシャル様を落とさぬよう、ゆっくり地上へ降りてくる。その場所へエルトシャン様が駆け寄り、空より二騎の天馬騎士が舞い降りる。・・・なんとかなったようだな、俺はホッと胸を撫で下ろした。あちらに説明をする為、姿を見せねばな。

 

・・・っとその前に、俺は自身愛用の杖を地に突き刺し、

 

「・・・・・・はぁっ!」

 

自身の魔力を地に流し、先程の魔力をこの地から消す。俺の勘が正しければ、あの少女の力は・・・。奴等に気付かれてはならない、・・・未来の希望になるかもしれないからな。

 

・・・あちらが騒がしくなってきた。・・・いい加減、姿を見せねば邪推されてしまう。俺はゆっくりと歩を進め、エシャル様の周囲にいる方々の前に姿を現した。




アンケート・途中経過

エシャル→ディアドラ 7票・アイラ 5票・パメラ 3票・アルテナ 1票・みんな嫁 1票・独身 1票

ガンドルフ→ディアドラ 4票・アイラ 1票・レイミア 1票

ホリン→ディアドラ 3票・パメラ 1票・アイーダ 1票

ベオウルフ→パメラ 3票・アイーダ 1票・レイミア 1票

ヴォルツ→レイミア 1票・ブリギッド 1票

アルヴィス→アイーダ 1票

トラバント→マーニャ 1票

みんな独身 1票

ーーーーーーーーーーーー

アレク→パメラ 1票

レヴィン→フュリー 1票



ゲームでエシャルがいたら、悩みますね。キルソードが魅力的よね?


子世代まで独身だったら、イシュタルが欲しいw


・・・アンケートの締め切りはまだまだ先なんで、皆さんよろ~!

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