ファイアーエムブレム~俺の系譜~   作:ユキユキさん

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『なろう』でも言いましたが、最近・・・疲労困憊。考えるのがツラいぜ。


第25話 ~海賊掃討に向けて

ーエシャルー

 

レスキュー戦法大作戦を何度か繰り返した結果、6つの海賊集団を討伐出来ました! 奴等はアホですね、こんな単純な囮作戦に引っ掛かるなんてさ! 何度も言うけど、こんな所に女連れで商人なんか来るかってーの。溜まりに溜まった欲を、吐き出すことしか頭にないゴミ共めが! ざまぁ~ねぇってのはこのことだな!

 

そういうこって、他の集団は引っ掛かりませんぞ。そこそこ頭の良い奴がいるんでしょうな、まぁ…滅しますけど。俺の調べあげた集団の中で、他と離れた場所にたむろう奴等。そいつらをターゲットに、ワープを使って奇襲殲滅。この作戦で4つの海賊集団を討伐したことで、残りは後8つの集団かな? よく分からんけど、半数以上は討伐したわけさ。

 

快進撃が続いたけど、残りはわりと近場で屯っている。団結して襲撃してきそうではあるが故、こちらも団結を改めてし直し、一気に進軍するのが吉とみた! 目標はオーガヒル城、ここらの海賊のまとめ役…首領が住まう城。ここを落とすことが出来たのなら、オーガヒルの海賊は壊滅するだろう。

 

…因みに、討伐した奴等の残党はいませんよ? 殺り尽くしていますからね。故に今回も、殺り尽くす予定ではある。現在確認されている海賊共は、全て滅殺さ!! …例外はありますがね。

 

 

 

 

 

いつものように会議をする俺達。

 

「オーガヒル城攻略は、ヴォルツ傭兵旅団とレイミア傭兵隊で頼む。突貫せずに正攻法で攻めれば、負けることなく城まではいける筈。油断大敵、無理に城を落とさずとも良い。俺とディアドラ、そしてホリン。本国から助っ人として連れてきたカナッツ君の小隊は、このままマディノの港街で待機する。」

 

と主要メンバーにそう告げる。その言葉に疑問を持ったのだろう、レイミアさんが、

 

「エシャルは私達と共に攻めないのかい? 共に攻めて、直ぐ様殲滅するのかと思ったんだけどねぇ。…残るのには、何か理由でもあるのかい?」

 

と聞いてきた。勿論、残るのには理由がありますよ。

 

「残った集団は、今までの奴等よりは賢しい奴等だろうからな。殆んどの戦力が城攻めとはいえ出払ったのなら、この隙に街を攻める…なんてこともあり得る。その保険に俺達が残るってわけだ。

 

まぁ…俺の情報によると、街を攻めるってーのが有力だな。オーガヒル城にいる首領はどちらかというと義賊の類、他の集団にとっちゃあ邪魔者。首領が戦死して街を落とせたのなら、奴等にとっちゃあ良いことずくめってね。」

 

と理由を言う。それを聞いたレイミアさんは、心配になったんだろう。

 

「それを聞くと、積極的に攻めなくても良いってことだね?私達からしてみれば、楽っちゃあ楽だけど。…少人数で大丈夫なのかい? 少しぐらい戦力を残しても良いんだよ? クーあたりとかをさ。特にディアドラが心配で仕方がないよ…。」

 

めっちゃディアドラを心配している。分かりますよレイミアさん、ディアドラは可愛いもんね! 俺達のマスコットですから。…しかし心配無用! ディアドラは絶対に守りますから!

 

「街とディアドラは絶対死守! やらせはせんよ! 傍にホリンを護衛に置くし、カナッツ君達は俺の弟子みたいなもんで強い。それにこの俺がいる、…弱者を獲物にするゴミクズ共は俺が燃やし尽くしてくれるわ! 今回の作戦で悪しき海賊共は根絶やしに! ぬははははは!!」

 

高笑いをする俺にベオウルフが、

 

「…レスキューとリブローが殆んどだったからな、戦いたいんだろうさ。…それに、オーガヒル城の首領だっけか? 一応義賊みたいだし、交渉の余地ありってことだろうな。……思う所はあるが、絶対に死守しろよエシャル。お前を信じて俺達は城攻めをするぜ、絶対死守だからな!」

 

流石はベオウルフ、分かっているじゃないか! 裏方ばかりじゃあツマらんからな! 言われなくとも全力で殺るぜ、ゴミクズに容赦等必要ないからな。率先してこの俺が、先陣切って燃やす!

 

 

 

 

 

んなわけで各々、準備を整えるってわけよ。ヴォルツ達はオーガヒル城攻略の準備、城攻めはなかなか経験出来るものではないみたいだからな、やる気満々ですよ彼等は。今回の依頼は港街からだったんだけど、マディノ城城主からの依頼に変わった。最初は様子見程度だったようだが、快進撃を続けている為に勝ち馬に乗ろうと考えたようだ。

 

まぁ…依頼金がはね上がったから、ヴォルツ達も俺もありがたいの一言ですな! 俺は特にいらんけど、助っ人カナッツ君達にやる金が増えるから本当にありがたい。

 

んで俺達は、

 

「ディアドラは極力後方支援な、まぁでもちょっとは戦ってもいいか。経験を積む為にな、…だがしかし、前に出過ぎちゃ駄目だから。ホリンはそんなディアドラの護衛、傷はまぁ戦い故に仕方ないとしても、痕が残るような傷をディアドラに負わせるなよ! 大怪我を負わせたら…、ぶち殺すからな!」

 

「…マジですか!? …俺の命に代えても、ディアドラは守ります! …これも修行だよな?」

 

俺のマジな目を見て、ホリンはディアドラ死守を…。

 

「足を引っ張らないように頑張ります! …ホリンさん、あの…よろしくお願いしますね?」

 

「…我が命に代えても、貴女を守る! 心配無用だぞ、ディアドラ!!」

 

ふんす! と気合いを入れるポーズから、上目遣いでのお願いコンボ。ホリンは顔を赤くして、絶対死守を決意する。…無自覚にホリンをオトすとは、…ディアドラ、…恐ろしい娘! だが、ディアドラはやらんぞ! 彼女が欲しければ、この俺を倒さなくてはな!

 

…とまぁその後、ディアドラとホリンを弄った。何故かディアドラに光の剣でド突かれた、…解せぬ。それはいいとして、助っ人カナッツ君達にも指示をする。

 

「カナッツ君達は街の防衛に全力を尽くしてくれ、攻めることは考えなくてもいい。極力、街の被害は軽微に抑えてくれるとありがたい。会う度に言ってはいるが、無理はするなよ。命は大事に…だぞ。トラバントから借りた貴重な戦力なんだからな、…分かったな。」

 

毎度毎度同じ事を言ってしまう俺、仲良くなった奴には極力死んでほしくはないからな。出来る限り生きて、共に先へ進みたいじゃん? 俺のモットーね、俺の救える命は救う! ってーのがさ。まぁそれでも無理なものはあると思うけど…、それでも…ね。

 

「言われなくとも心得ていますよ、エシャル将軍。我らはトラキア兵ではありますが傭兵でもあります、無謀なことは致しません。生きてこそが傭兵であると、それがトラキアの教えですので。それに我らはエシャル将軍により鍛えられた精兵、海賊如きに遅れを取るなどあり得ません。…勿論、油断も致しません。」

 

流石はカナッツ君、次代を担う男よ! これは安心だねぃ、後顧の憂いなしで殺れますな!

 

 

 

 

 

ヴォルツ傭兵旅団とレイミア傭兵隊は、オーガヒル城攻略に向けて進軍していった。歴戦の傭兵達が攻城戦をするんだ、敵さんは慌ててるだろうさ。そんなまさか…、攻めてくるなんてってな。しかも、子分達の数も少ないってーのもあると思うし。

 

先ほど単独飛行で確認したから間違いない、オーガヒルの首領…義賊系の海賊は捨て石。俺達の本命である反逆海賊集団はここに向かっている、自分達の策が成功したと信じて。傭兵達が城を攻略している内に、手薄の街を蹂躙し支配する。そしてそのままオーガヒル城に向けて進軍、挟撃をして傭兵達を殲滅。そのままの勢いでオーガヒル城の元仲間を手にかけ、オーガヒルを完全支配って考えだろう。

 

実に愚かな策ではなかろうか? 街を壊滅なんかにしてしまったら、アグストリアが、マディノが黙っちゃいないだろうに。討伐軍が編成されて、瞬殺されること間違いなし。一瞬の天下ってわけだ、…一瞬でも良い夢が見れるんだからいいのかね? まぁ…どのみち、そんな未来なんか来る筈もなし! この俺が、俺達が食らい尽くすんだからな!

 

ぶっちゃけ、海賊共がこのような動きをするように誘導したんだけどね。わざと情報を流したりとか、…色々とね。少しは賢しい奴等かも知れないが、欲望と野心の前には能無しになるってことだ。所詮は、海賊という名のゴミ共。愚か者の集まりさ。

 

…願うなら、オーガヒル城にいる義賊系の海賊達。流れを読める者がいればいい、…そうすればオーガヒルも生き残ることが出来るってもんだ。…っと、グダグダ考えている暇はないか、

 

「…愚かなる海賊共の進軍が確認された、我らトラキアの名にかけて、我らトラキアの名をアグストリアに轟かせるぞ! …その為にはこの港街、死守するぞ! 諸君、警戒を厳となし…襲撃に備えよ!」

 

さぁ…戦いの始まりだ! ヴォルツ達の背後は俺達が守る!

 

 

 

 

 

ーパメラ・アイーダー

 

一方その頃、天馬騎士が空を舞う。

 

「現在マディノ周辺では、傭兵達が海賊討伐に動いている。その中に、エシャル殿もおられるかと。…これより、危険区域に入る。アイーダ殿、振り落とされぬようきちんと掴まってくれ。」

 

「申し訳ありません、パメラ殿。このような危険行動を貴女にさせてしまって…。」

 

「気にする必要はない、…これもエシャル殿の為になると思ったまで。…それに伴うことで、心配もしてはいる。」

 

「……申し訳ありません、それでも…私は…。」

 

二人乗りの天馬が、シレジアからマディノへと向かっていた。

 

 

 

 

 

ーエルトシャン・イーヴー

 

そして、マディノの南方から二人の騎士が爆走している。

 

「今日中にマディノへ着くようにしなければ! 俺のエシャルが、俺の到着を待っている!」

 

「ど…どこからその元気が出てくるのでしょうか!? 2週間近く走り続けたのに…! 政務もきっと、恐ろしい程に溜まっているというのに…! グラーニェ樣…! エヴァ、アルヴァ…! ブラギ神よ、私をお守りください…!」

 

猛る一国の王と付き従う騎士。王は愛しき者へと想いを馳せ、騎士は後に待つ政務地獄に青くなる。

 

 

 

 

 

ーレクスヴァー

 

最後に、一人の旅人がマディノ城へと辿り着いた。

 

「情報によると、この近くにある港街にあの方がいる。」

 

この地にて戦うトラキアの将軍、彼の者の正体をこの目で見る為に。情報を信じて…、

 

「エシャル様…。」

 

旅人は港街へと向かう、忠誠を誓った主君の為に、そして姫様達の為に…。

 

 

 

 

 

エシャルの過去を知る者達がマディノに終結する。その者達と出会った時、エシャルは何を想うか。記憶の扉は開くのだろうか…?




ディアドラとホリンのフラグを立てておきました。


エシャルとくっつかない場合の為にね。因みに、ディアドラとガンドルフのフラグも立っていますよ。


さて、どうしたものか。とりあえず、次回は閑話を予定しとります。


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