ファイアーエムブレム~俺の系譜~   作:ユキユキさん

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活動報告にて、貴重な意見をありがとうございます。

本編に入る前に、ヒロイン候補の最終アンケートをすると思います。その時は、どうぞよろしくお願いします。

因みに、最終アンケートはまだしません。

現在は、主人公軍に欲しい人材と伴侶候補を挙げて貰っています。

挙げて貰ったキャラは物語で主人公と絡む可能性があります。現在も意見を求めていますんで、何かあったら足跡を残してください。


第9話 ~いざ、シレジア

ーエシャルー

 

自分のことが少し分かった今日この頃、俺ことエシャルは変わらずに生活しとります。むしろ、気分が良いわけなのですよ。逃げる必要がないってーのが、こんなにも素晴らしいなんて! 現実問題としては、俺ゾンビ説ってなわけで。まぁ深刻に考えなくてもいいよね、同姓同名の人間ってことで通しましょう。つーか、それ以外ないよ。

 

気を付けるのは、グランベル王国の奴等ってこと。俺っち死んでることになっているけど、生きていることが知れたらどうなるか。ぶっちゃけ名前は既に、知られまくっていますけど? 各方面に。主に、ヴェルダンとトラキアですが。さっきも言ったけど、他人の空似? …じゃなかった同姓同名ってことにすりゃ問題ない。よく分からんけど、事件の当事者に鉢合わせなきゃいいってことでしょ。そんなわけで、グランベル王国には要注意やで?

 

それ以外の国ならなんとかなるな、たぶん。シレジア・イザークは大丈夫、アグストリアは微妙ってところか? ぶっちゃけ、俺は黒騎士ヘズルの血が濃いですから。ノディオン王家の血筋ですからね、獅子王には注意! でも、ミストルティンを使ってみたいと思うのは罪でしょうか?

 

 

 

 

なんてことを考えながら、ただ今トラキア城下の酒場で飲んでいるわけです。大きな仕事を終えた後の酒はウマイ!

 

「マゴーネ隊長も飲んで飲んで! …というか団長様でしたか!? トラキア輸送師団団長就任おめでとう! ヴェルダン・トラキア両王国に乾杯!」

 

「俺も出世したもんだぜ、これもみんなエシャルのお陰だ! 俺の未来も明るけりゃ、トラキアの未来も明るいぜ! 最初の輸送も無事終わったわけだから! とりあえず、無事に終わったことに対してのぉ~…乾杯!」

 

「「「「「かんぱーい! わはははは!!」」」」」

 

仲介人エシャルは新設された輸送師団の皆さんと飲んだくれています。

 

大きな仕事ってーのは、ヴェルダン王国とトラキア王国の取引。物資輸送についてとか、…色々だね。それが上手く纏まり無事、取引が成立。簡単に言うと、ヴェルダン王国とトラキア王国との間に、同盟が成立したってこと。俺は両王国と関係深い立場になっていることから、その仲介役として動き回ったわけ。

 

ヴェルダン王国はガンドルフ王子を責任者とし、マーファ城が全ての窓口となった。マーファ城近くの森を切り開いて、物資集積場、ヴェルダン・トラキア両軍駐屯地等が建てられた。マーファ城城下でも、トラキアの方々を目的とした施設やら商売やらで盛り上がりを見せる。

 

トラキア王国は竜騎隊を再編し、新たに輸送師団を設立。その団長に、第5竜騎隊隊長であったマゴーネが就任。物資輸送の他に護衛とか、取引物の選別・交渉・売買・交換等、様々なことをする師団である為、落ち着くまで忙しいだろう。ヴェルダン王国と同様で、物資集積場等も建てられており、急ピッチで体制が整えられていく。

 

そして両王国の受け入れ体制が整い、俺はトラキア輸送師団の第一陣と共に空の旅へ。道中色々と大変だったけど、物資輸送は無事終了。1日休んで、次はトラキアへ物資と共に戻る。これもまた無事に終わり、飲んだくれているわけなのだ。やり遂げた感で胸一杯、そんな気持ちなのです。

 

 

 

 

そして再び数ヶ月の時が経った。物資輸送も定期的に行われており、両王国の関係も良好。両王国軍同士で演習等もしたりしてる。このまま安全に…なんてことがある筈無いからね。物資を狙った賊の襲撃、そんなこともあると思うので訓練は大事なのだよ。万が一に備えてヴェルダン王国国内に、秘密の集積場兼避難場所も用意しています。備えあれば憂いなし、だからね! 因みにその場所は、一部の者しか知りません。秘密だからね!

 

後は、国民同士の交流もやり始めました。ドラゴンタクシーってことです。輸送師団に便乗して行われてます。安全第一ですが、何かあったら自己責任。それでも良ければ…ってことなんだけど、人気なんだよね。現に、事故が起きていないからなんだろうけど。まぁ交流と食糧等の問題が無くなったお陰で、最近のトラキアは明るい。トラちゃんの態度はいつも通りの不敵なスタイルなんだけど、雰囲気が喜び一杯。思わずニヤニヤして見ていたら、怒られました。

 

 

 

 

そんな中、俺は変わらずあっちにフラフラ、こっちにフラフラしているわけで。先日、マーファ城で素敵な出会いをしたよ。凄く綺麗な少女と知り合ったのさ! 彼女は再会、と言っていたんだけどね。何処かで会ったっけ?と考えていると、彼女は…、

 

「森の中で、赤腕と戦っていましたよね? 私もその場にいまして…。後、城下でぶつかって…、何も言わずに逃げ出したりしました。」

 

…ああ、赤腕の時に感じた視線は彼女だったわけね。それに逃げた娘もかぁ…、言われてみればそうかも。

 

「まぁそんな縁もあるな、うん。俺はエシャルって言うんだけど、君は…?」

 

「私は、ディアドラって言います。…それとあの時、何も言わずに逃げてしまって…。ごめんなさい…!」

 

へぇ~、ディアドラって言うんだ。彼女に似合った素敵な名前だね! それはいいとして、

 

「いや、謝らなくてもいいよ。君みたいな素敵な娘が、頭を下げちゃダメだよ? ぶっちゃけ、俺が悪い奴に見られちゃうからさ。」

 

美少女に頭を下げられたわけなんだが、周囲の視線が痛いっす!

 

ディアドラがそれに気付き、また謝ろうとしたけど止めました。再び謝られたら、更に悪化するからね。とりあえず、ディアドラを連れて隅っこに移動。周囲の視線が辛いからさ、まだなんかありそうだし。なんて思っていたら、

 

「あの…このペンダント、騎士様…エシャル様の物ですよね? 赤腕とエシャル様が戦っていた場所に、落ちていましたので…。」

 

と差し出されたペンダント。…確かに俺のペンダントだな、コレ。数ヶ月…いや、もう1年近く過ぎたが存在自体を忘れていたよ。母の形見なのに笑っちまうぜ。…母の形見ではあるけど、俺が持っていてもなぁ。でも形見だし…、持っていなきゃ母に祟られるかな? 存在忘れていて、今まで無くしてたけど。…うーん、とりあえず返してもらいますかね。せっかく拾ってもらったんだし、…そうなるとお礼しなきゃダメだよな!

 

俺はディアドラからペンダントを受け取り、

 

「ありがとうディアドラ、それは母の形見のペンダントでね。何処に落としたのかと、途方に暮れていたんだよ。」

 

よくもまぁ嘘を言えるよね、俺。まぁそれはいいとして、懐に手を入れお礼を取り出す。

 

「拾ってくれたお礼にコレを受け取ってくれるかな? 最近手に入れたんだけど、渡す相手がいなくてね。男の俺が持っていても仕方がないし…。ディアドラは綺麗だから、きっと似合うと思うよ?」

 

女性物のサークレットを見せる。それを見つつもディアドラは…、

 

「綺麗だなんて…そんな…!」

 

両頬に手を添えて、イヤイヤ…って感じ? 恥ずかしがっているのかな?

 

まぁとりあえず、イヤではないみたい。

 

「ほら…、こっちを向いて?」

 

「……あ。」

 

顎に手をあて、ディアドラの顔をこちらに向ける。そして、サークレットを額に着けてあげる。…うん、似合っている。

 

「思った通り、よく似合っているよディアドラ。」

 

「………ぽっ。」

 

めっちゃ顔を赤くしていますね、ディアドラさん。何故にそこまで…と考えたところ、俺も顔が熱くなった。……凄まじくキザったらしいことしましたね! 恥ずかしいことこの上もない!ぎゃーーーす!!

 

 

 

 

とまぁこんな感じで、ディアドラと邂逅したのだ。確かディアドラって重要人物だったよね? なんでかはよく分からない、というか思い出せないんだけど。思い出せないんじゃ仕方ない、普通に仲良くしましょうか。

 

俺はマーファ城とトラキア城を行き来している身、なんだかんだで忙しい。時間を見付けてはディアドラがマーファ城に来た時に、なるべく相手をしてあげている。しないと兄貴に怒られるからね、俺もイヤではないからいいけど。男に囲まれた生活をしているから、ディアドラと会う日は癒しの時間ってヤツ? 美少女が嫌いな奴っていないじゃん。

 

充実した生活を送っている俺なんだけど、再び悪い虫? というか、旅に出たくなりました。別に追われる身じゃないから、旅立つ必要はない。ないんだけど、マゴーネ団長から聞いた話でさぁ、興味を揺さぶられるモノがあったんよ。それは何かって? …ならば教えてあげようじゃないか!

 

「シレジア美人に会う為に、この俺エシャルは旅立ちます! …シレジアが俺を呼んでるぜ!」

 

「良い女がいたら、俺にも紹介しろよ義弟!」

 

「勿論だよ兄貴! この俺に任せ…ぎゃあぁぁぁぁっ!!」

 

「エシャル様の馬鹿!」

 

なんて一幕もあったりするんだけど、俺のやるべきことはもうないからな。美人を求め…見聞を広げる為に、旅立つことにしたわけです。

 

そして再びマーファ城、ここからまた旅立ちます。

 

「トラバントにも伝えて了承はもらったし、俺は行くぜ。後のことはよろしく頼むよ兄貴、安全第一だからな。マゴーネ団長にも言ったけど、兄貴もそこら辺はちゃんと考えてくれよ。」

 

「分かっている、俺は責任者だぜ? エシャル! ディアドラのことにも、目を配っておくから安心しろ!」

 

まぁ兄貴のことだから大丈夫だろうけど、問題はディアドラだよね。…まぁ決めた以上、シレジアに行きますが。

 

「そんなわけだから、俺は行くぞディアドラ。…ちゃんとお土産買ってくるから、機嫌直せって…な?」

 

「…つーん。」

 

……ダメだこりゃ。ディアドラがこんなんだけど、俺は行く。有言実行のエシャルなのだから! マゴーネ団長から聞いたことを思い浮かべろ! 雪国…雪国…雪国…、ワープ!




ディアドラは、まだまだ候補の段階です。

因みにシレジアでは、あの人達が出る予定です。

次回、泣き虫を拾うかも。

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