蟲毒/孤独の女王   作:シャチョー

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なんか駅のトイレからぎしあん音が聞こえたので私はそっと用を足して出て行った。お邪魔はしないんでどうぞご自由に。巻き込まれなければもーまんたい。



第二話 「獲物の変更、運命の出会い」

「こりゃまいったな。ちょっと食い物になるもんでも採れるかと入ってみたもののまさか迷っちまうとはなぁ。

……全部吹き飛ばすか。」

 

ヘラス帝国南に位置する森の中で物騒なことを口走る

長髪で筋肉質の大男がいた。男の名前はジャックラカン、

「千の刃のラカン」の異名を持つ最強クラスの傭兵剣士である。

 

「むふぅ、なんかめんどくさくなってきたな。本当にぶっとばすか・・・ん?」

 

クイクイ

 

ズボンの端が誰かにひっぱられているのか、こんな陰気な森で何者だ?

ここは魔獣もいるしそもそもこの距離まで俺に近づいた音を悟らせないとは。

 

「ここ、私たちの家、だから壊しちゃダメだよ。おっきい・・・えーと、お兄さん?」

 

「は?えっと、そりゃすまんかったな。

嬢ちゃんは他の人とここにすんでるのか?

よかったら飯食わしてくれると助かるんだが・・・」

 

「飯?それって餌のこと?いいけどこの森にいるのは全部食べちゃったから今あるのは私の目の前のだけだよ?」

 

「そりゃどういうこッッ『ズシャアッ』うおっ危ねえ!ラカン適当に右パンチ!!」

 

ふしぎそうな顔をするラカンの頭上から体長6メートルはある羽の生えた巨大な白いムカデが襲ってくるもラカンは間一髪でかわして反撃で頭をたたきつぶす。

 

「驚いた、不死性がついてないとはいえ私の産んだガジロング倒しちゃった。

ねぇねぇ今のどうやったの?」

 

「突然すぎていまいちよくわかんねぇんだが、こいつはなんだ。それに、全部食べちゃった?私の産んだ?

いや、そもそもどうして襲ってきたんだよ。」

 

自分の腰ほどの背丈の少女は首をひねったまま難しそうに顔を見上げてくる。

 

「だって、このあたりのどーぶつは全部子供たちと一緒に食べちゃって最近はみんなと森の外まで取りに行かないといけなくて、でもお兄さんが餌がほしいっていったから…

だから目の前の餌を・・・あれ?お兄さんが餌で、餌が餌をほしいって・・・」

 

「…あぁわかった、おまえアレだ、アホな子なんだな。」

 

「アホ?それってどういう意味なの?」

 

少女はさらに首をひねって不思議そうにしている。それ以上ひねると筋を痛めるぞ?

 

「あーー、わかってないんじゃなくて知らないのか、そりゃしかたねぇな。

よし!ここはまずおたがいに自己紹介をするとしようぜ。」

 

「? わかった。」

 

「とりあえず俺からだな。俺の名前はジャック・ラカン、

巷で最強と呼ばれる男だ。嬢ちゃんの名前は?」

 

「名前、私はそれをもってない、でも子供たちからは”女王”って呼ばれているの。」

 

「その見た目で女王とか一部の紳士諸君が喜ぶだけじゃねーか。

女王ねえ…ふむ、クイーン、クインか。なら今からおまえの名前はクインだ!

呼び名がないとこっちも困るしな。」

 

「クイン、私の名前・・・わかった、ありがとうジャックラカン」

 

お辞儀をした後のクインの顔には最初の無表情とは打って変わって、隠し切れないほど嬉しさがにじみ出ていた。よっぽどうれしかったんだろう。

 

「陰気くせぇ顔だけじゃなくてそーゆー顔もできるんじゃねえか。

おっと、俺のことは気軽にラカンでいいぜ。

そんでクイン。おまえさんはこれからどうするよ?」

 

「これから…?」

 

「お前さんにはいろいろ聞きたい事もあるけど、それより先に教えにゃならんことの方が多そうだ。

例えば人のことを餌って呼んだりな。 だから選択肢は二つ、俺様についてくるかこないかだ。まぁ、できたらついてきて欲しいが…」

 

「ラカンは私達が怖く無いの?私達は人をいっぱいい~っぱい食べてきた化け物なのに…」

 

「あん?そういう余計なのは知ってるんだな。いいか、俺の話しているのは人喰いの化け物じゃなくて可愛らしいお嬢ちゃんだぜ?無知は罪とも言うがそもそもこんな簡単なことも教えてやらん大人だって同罪よ。これから殺さなかったら、俺はなにも言うつもりはない。」

 

 

「でも、それだとこの子達のご飯が…」

 

 

「心配いらねぇ、お前らに食わす飯くらい街についたら用意してやるさ。人間よりうまいもんがこの世には山ほどあるんだって教えてやるよ。」

 

「本当?それじゃあ…」

 

 

その日を境に森にいた無数の蟲たちは一匹残らずどこかへ消えてしまった。何年かすれば、また動物の溢れる豊かな森に戻ることができそうだ。ここには今のところ住処を脅かす外敵もいなければ木の実も手つかずのままたくさん実っているのだから……

 

 

 

おまけ

 

「ねぇねぇラカンはどうして私を連れていくって考えたの?もしかしてラカンって『ロリコン』って言う人なの?」

 

「なっ…⁉お前の知識はどうしてそんなに片寄っているんだ…

俺はお前みたいな子が一人ぼっちなのがかわいそうだと思っただけだ。あと最初に見た虫も強そうだったが口ぶりからしてもっと強いのもいるんだろ?そいつと戦いたいってのもある。」

 

「そーなのかー。わかったよ、ロリコンのジャック・ラカン♪」

 

「全然わかってねぇ!?」メギャン

 

わはー




おなかすいたなー
どうも、シャチョーです(´Д` )

これからはバンバン虫を使って行く予定だけど
作者の守備範囲があまり広くないからできればこいつは出せや!っていうリクエストあったら教えてください
戦闘?は能力と物量によるゴリ押しが基本となりますが
要所でだしたいんでよろしくです♪( ´▽`)

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