後悔しかしていない
頭上を交差する色とりどりの光の線、
地面を赤く塗りつぶす生臭い水、たちこめる焦げ臭い黒煙。
そんな中、黒髪の小さな少女がひとり、
どこかぎこちなさげに歩いていた。
両手足は付け根まで黒い革製の手袋の様なものに覆われており、色白な肌がいっそう際立ってみえる。
だれかに話しかけているのかぼそぼそとつぶやきながら、
激しい衝撃のするほうへと進んでいく。
「なんでこんなところにおんなのこがいるんだ?」
「さ、さぁ?」
「おい嬢ちゃん!ここら一帯は我らが連合軍と身の程知らずな帝国軍との戦闘区域だぞ。
どっから来たかしらねぇが危ないからさっさと避難しやがれ!」
まだ新鮮な
少し早いけどそろそろこの子達の食事にしようかな。
こういう時の前にはなんていうんだっけ?この間食べた餌が言っていた気がする。
たしか・・・
「・・・きます」
「なんだって?ちいさくてきこえねぇよ。
何でもいいからとにかく『ぶちっ』あ?」
腕をつかもうと少女へ伸ばした男の腕のひじから先が
なくなって、代わりにおおきなアギトを携えた黒い虫がカチカチと音をならしていた。
カサカサカサチキチキカチカチカチカチズルズルベタベタガサガサガサガサ
「あ、あ゛あ゛あ゛あ゛ーー!⁉?」
「なんだこいつら!いつのまにっ!?」
「う、うわ--!!た、助け…」
プチプチプチプチプチプチ
ブチッカリカリカリ
「が・・・アがッッ・・・」
この鳴き声のうるさい餌は森にいたのよりおいしくないけどたくさんいるからみんなおなかいっぱいになれる。
みんながおなかいっぱいだと私もおなかいっぱいで嬉しい。
グチャッボリッブチブチュッ
ゴリゴリゴリゴリピチャピチャ
「ふぅ、ごちそうさまでした。
みんなもどっておいで。」
あたりを真っ黒に埋め尽くすほどいた蟲たちは少女の影や手袋に集まるとズブズブと静かに沈んでいった。
さっきまでいた男たちの姿はもうこの世のどこにもない、
残っていたのは真っ赤な血と正体不明の淀んだ粘液のしみ込んだぼろぼろの軍服だけだった。
「あっちのも食べたら今日はもうおうちへかえろう。
この餌の記憶に面白いものがあったから
色々と新しい子も産みたいし。」
なにも映っていない黒い瞳をした少女は一人、ただただ餌を求めてさまよい歩く。少女の歩いた後ろには少女の体よりも二回りは大きな影が蠢きながらついてくるだけだった。
ぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺたぺた
皇歴996年1月12日 (中略)地方での戦闘中連合側の陣営が突如崩壊しだす。おびただしい量の黒い点のようなものが連合軍兵士を飲み込んでいき
およそ2割ほど消失したところで両軍のぶつかり合う地点に衝突。
直ちに撤退を開始するも最後尾の部隊の約半数が死亡。生き残った者たちも多数が精神に異常をきたしてしまった。生き残った兵士から得られたわずかな情報としては、前述の黒い点のようなものはおそらく蟲である、ということと姿かたちに統制はなく、おそろしく硬質な黒い体に赤い複眼、であるということのみである。
また蟲の発生する前に場違いな出で立ちをした少女の目撃情報があることから、今後この現象をqueen's hunting(女王の食事)と呼び第一級戦略的撤退事態とする。
ヘラス帝国大分烈戦争中間報告書抜粋
とりあえず内容がないよう、シャチョーです(´Д` )
原作が手元にないナルトよりは書きやすいんじゃね?ってことで作成
完全なアホの子と何も知らないだけで教えてやると急速に賢い感じになるのとどちらがいいか迷い中、できたら感想でプリーズ