東方十六夜月~完全で瀟洒な従者の弟~   作:十六夜翔矢

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どうも、十六夜翔矢です。
前回の投稿からかな〜り日が空いてしまいましたが、申し訳ありません。
それでは本編どうぞ!


紅魔郷5面 vs博麗霊夢、霧雨魔理沙 後編

「さぁ、仕切り直しだ。第二ラウンドの始まりだ…!」

 

「まーいっか、それじゃ第二ラウンド、開始ね!」

 

 

今ここにいる全員が戦いで消耗している。

まず分かるのは消耗し切ったら間違いなく負けだ。

だが、今一番消耗してるのは間違いなく向こう側だ。

美鈴とパチュリー様で間違いなくそれぞれ消耗してるはずだ。

 

 

「さぁ、避けられるかしら!スペルカード 『メイド秘技 操りドール』!」

 

「早い所、決着をつける!スペルカード 『執事秘技 操りドール』!」

 

 

相手の方にナイフと弾が飛んで行く。

ただ単純に、無闇矢鱈に飛ばしている訳でもない。

一部は時を止め、軌道を変えている。

 

 

「「そして時は動き出す」」

 

 

「おわわっ…!」

 

「避けきれないっ…!スペルっ! 『霊符 夢想封印』!」

 

 

自動追尾型のスペルカード…

時を止めて動いても意味はないが、空間を操作すれば避けれ…!

 

 

「ぐっ…!」

 

「うぐっ…!」

 

 

空間操作が間に合わ無かった…!

正面からまともに喰らった…

俺達が人間で良かった…妖怪だったら間違いなく痛手を被っていたからな…

 

 

 

「当たった!」

 

「これなら…一か八か試してみる必要がありそうね…!」

 

「正直驚いたわ。私達に攻撃を当てるなんて…貴方、大したものね。」

 

 

まさか、タイミングが合わずに被弾するとは…思わぬ誤算だった。

 

 

「それでも…まぐれもここまでよ!レミリア・スカーレットの名に掛けて貴女達を止める…!」

 

 

姉貴が言う通りだ。お嬢様の名に掛けて全力で食い止める!

 

 

「スペルカード!幻世 『ザ・ワールド』!」

 

「スペルカード!幻象『ルナクロック』!」

 

 

スペルカードを発動すると、時間が止まった。

止まった時の中で動けるのは俺達二人だけだと思っていた。

だが、前方には博麗の巫女が動いている。

にわかに信じ難いが、止まった時の世界に入門してきているのだ。

 

 

「そんな…バカな…」

 

「時間停止が破られた…だと…!」

 

「悪いけど、このまま打ち抜かせてもらうわ!」

 

 

拳で来る…!

蹴りで応戦してやらぁ!

 

 

「風神脚!」

 

 

蹴りを入れた瞬間、時の止まった世界が音を立て、崩壊する。

 

 

何故、時の止まった世界に入ってこれた…

今まで破られた事は無かった…

 

 

「ありえない…何故私達の世界に入ってこれた…!?」

 

「何で私があんた達の世界に入れたか…理解不能って顔してるわね。良いわよ。教えてあげるわ。答えは簡単よ。ただ単に私の周りに結界を張ってるだけよ。」

 

 

結界だと…!?結界を張る素振りなんて見せなかったはずだ…いつ結界を張った?

 

 

「あぁ、ちなみに私が作り出した結界は何かを拒絶する為に作り出した結界よ。簡単に言うと私が今いる周りの空間を遮断したからあんた達の作り出した世界に入れたって事よ。

さらに簡単に言うと、世界を結ぶと書いて結界って言うからそっちの方が良いか。」

 

 

なるほど、俺達の時が止まった空間はいわば異世界…

結界で時間が止まっていない世界と時が止まった世界を繋げたって訳か。

 

 

「な、何?何だよ霊夢!あの二人の能力を破ったのか!?」

 

「後ろにいなさい魔理沙。次で決めるから。というか、もしかしたらこれで決まるかもね。」

 

何だと…?御札を投げた動きは無かったはずだ…

 

「どういう事だ…!」

 

「周りによく注意してみなさい。少しだけあんた達の真似をしてみたわ。私が指を鳴らした時、全方位から襲ってくる霊符をどうやって避けるか見物ね。」

 

 

周りを見てみると、大量の霊符が全方位を覆っていた。

能力が間に合わないな…こうなったら普通に避け…れないか。

時間停止も最早意味を成さない。こうなったら、防御魔法しか対処出来ないな…!

 

 

「さて、どうなったかしらね?」

 

「当たるか当たらないか、選択肢は二つだけとは限らないわ。」

 

「三発当たって、七発避ければ良いからな。」

 

「なるほど、メイドの方は攻撃を受けてでも逃げ場を作ったのね。大した根性ね、正直引いたわ。執事の方は…魔法でガードしたわね。全く、ノーダメージで現れるとはね。」

 

「もう左腕は使い物にならないけど…攻撃には何の支障もないわ。」

 

「あらら、バレちったか。ただ、ノーダメージなのはそっちもだろ?」

 

「ええ。お陰様でね。」

 

 

危なかった…魔法が間に合わなかったら姉貴と同じ事になってたからな…

だが、これで向こうもほぼ対等な条件なはず…

 

「これで最後にしてあげるわ。スペルカード メイド秘技『殺人ドール』!」

 

「俺もこれで終わらせる!スペルカード 幻界『タイムオーバーヘヴン』!」

 

 

スペルカードを発動させた瞬間、時間が止まった。

そして、直線状に並ぶナイフとナイフとナイフの間に乱雑配置の銃弾。

もちろん、ナイフの動きを邪魔しないように配置してある。

自分で言うのもあれだが、双子の姉弟だからか、無意識の内に息が合っていると思う。

そして、止まった時の中を動く、博麗の巫女。

 

 

「もう一つ、あんた達の弱点を教えてあげるわ。あんた達が投擲、発射したナイフと銃弾…いくら時を止めて軌道を変えようが、時間が動き出さないと動き出さない…私があんた達の能力を破った事でその能力自体も無意味と化してしまった訳よ。お陰様でいくらでも接近し放題よ。」

 

 

確かに、止まった時の中では相手の目前まで、もしくは自分で決めた距離だけしか動かない。時が動き出して初めて意味を成す。

やれやれ、こんな所までお見通しとはな…

 

 

「時間止めずに普通に攻撃した方が効率良かったんじゃない?そもそも私があんた達の能力を認識して把握する前に、時間を止めて白兵戦に持ち込めばあんた達の圧勝だったと思うんだけど?って今更か。」

 

「時間を止めて白兵戦か…」

 

「そんなの全然スマートじゃないわ。」

 

「俺達はあくまでも対等に、相手の同意の上でバトルするのが…」

 

「泥臭くなくて気が利いてる、でしょう?」

 

「へぇ…だったら私達にやられる覚悟もあるわよね?」

 

「いや、全くないね。」

 

「私達がここで諦める訳には行かない!それは貴方達も同じ事!」

 

「はぁ…あんた達周りをもうちょい良く見たら?スペルカード 夢符『封魔陣』!」

 

 

しまった…!避けれない…!

 

 

「さ〜て、お嬢様に会わせてくれるかしら?」

 

「ふふっ…こんなに被弾したらのはいつ以来かしらね…」

 

「これはもうお叱り決定だな…」

 

「あらまぁ、しぶといわね〜」

 

「「これで最後…スペルカード 奇術 『エターナルミーク』!」」

 

「っわ、まだこんな隠しスペル持ってたなんて…!てな訳で、魔理沙。後よろしくね。」

 

 

しまった…!魔法使いの存在を忘れてた…!

能力が間に合わない…!

 

「あいよ!じゃ、行っくぜ〜!スペルカード 恋符 『マスタースパーク』!」

 

 

お嬢…様…すい…ません…頼み…ました…

 

 


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