東方十六夜月~完全で瀟洒な従者の弟~   作:十六夜翔矢

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どうも十六夜翔矢です。
今回から本格的にストーリーを開始します。
今回は何気に幻想万華鏡成分が入ってますが気にしないでください。


紅霧異変 東方紅魔郷 ~ the Embodiment of Scarlet Devil.
紅魔郷5面 vs博麗霊夢 前編


俺は十六夜魂傑。少し変わった人間だ。

そのおかげで、昔は色々あった。

 

けれど、今は双子の姉である十六夜咲夜と一緒に紅魔館で、

紅魔館の主である「レミリア・スカーレット」に仕えてる。

どうしてこうなったか。

 

…それはもう10年以上も前のことだ。

今は詳しくは話さないが、7、8歳の時だった。

記憶が曖昧だが言える事はここ(紅魔館)の門番とお嬢様に拾われた事だ。

 

最初こそは、真っ赤で気味悪いと思ったが、

今では、見慣れている光景なので、どうとも思わない。

 

話が逸れたが、その時、お嬢様に拾われたということに気が付いた。

それから、今の名前、住居、職を貰い、

一生、お嬢様に仕えることを誓った。

 

拾われてから10年、今に至る。

そして、空を見上げると紅い霧が、幻想郷を覆い尽くしている。

 

―そう、これが「紅霧異変」だ。

 

もちろん、この異変を起こした犯人はお嬢様であるが、全く気にしてない。

 

―なぜなら、俺も共犯なのだから。

 

そして、お嬢様の命令でこれから来るであろう博麗の巫女を足止めするよう、言われた。

 

廊下を歩いていると、重厚感のある扉が音を立てて開いた。つまり、来たのであろう。今代博麗の巫女が。

すると、実の姉である十六夜咲夜が会話を始める。

 

 

「紅魔館へようこそ。…博麗の巫女。」

 

「あんた達、人間?…そんな事より、あんたたちのご主人様を出しなさい!

あの紅い霧、迷惑だから、やめてほしいのよ!」

 

 

霧の発生をやめて欲しいだとか言っているが、それは無理な話だ。

お嬢様の幻想郷支配には必要不可欠だからだ。

 

 

「無理な事だ。これが最後通牒だ。帰れ。」

 

「最後通牒?悪いけどそんなもん、要らないわ!」

 

 

どうやら、博麗の巫女は帰るつもりはないらしい。

俺達の役目はあくまでも足止めだからな。博麗の巫女には悪いが…ここで帰ってもらうか。

 

 

 

「じゃあ…まずは俺が相手だ。博麗の巫女。」

 

「へぇ…中々楽しめそうね!私は博麗霊夢。覚えておきなさい!」

 

「名乗っておいて損はない。俺は十六夜魂傑。一つだけ言っておく。お前が勝てる確率は天文学的数字分の一って事を!」

 

 

まぁ、天文学的数字って言える根拠は先天性能力である『時を操る程度の能力』があるからだ。

 

 

「天神学的数字だろうと天文学的数字だろうと私には関係ないわ!絶対にこの霧を止めてみせる!」

 

「そうか…ならば勝てる確率の説明をしてやるよ。」

 

 

次の瞬間、周りの空間の色が反転した。

これは時間の流れを止めた事による作用だ。

さて、とりあえず背後を取って時間停止を解消する。

 

 

「なっ…!いつの間に背後に…!」

 

「言っただろう?天文学的数字だって。」

 

「ちっ…!」

 

 

霊夢が御札を投げたが時を止め、避ける。

 

 

「残念、当たってないぜ。」

 

「そんな!」

 

 

相手から見れば瞬間移動に見える時間停止だけど、俺達姉弟は止まった時の中を動ける。

それを相手が気がついたら負け確定だが、これまで誰にも気がつかれていない。

何故なら、相手が気がつく前に決着がついているからだ。

 

 

「さぁ、能力の正体に気がついたか?」

 

「いいえ、検討もつかないわ!」

 

「それじゃあ…分かりやすく解説してやるよ!スペル!火符 クロックアップメラゾーマ!」

 

 

時間差を用いて火炎魔法を唱える。

魔法が使える様になったのは、パチュリー様のお陰だ。半分位は独学で学んだけどな。

まぁ要するに、後天性能力ってわけだ。

 

 

「なっ…!急に…!」

 

「さ〜ぁ、どうした!さっきの威勢はどこ行った!」

 

「スペル!霊符 夢想封印!」

 

 

夢想封印を避けようとした時、空間の色が反転した。

 

 

「そろそろ、私も参戦するわよ?」

 

「おいおい…ここまで様子見とか、柄悪いな姉貴。」

 

「あら?さり気なく背後を取りたがるどっかの誰かさんよりはマシだと思うけど?」

 

「分かったよ…当たるなよ、姉貴。」

 

「ふふっ、誰に言ってるのかしら?」

 

「「そして、時は動きだす。 解除!」」

 

 

空間の色が反転し、元の色に戻ると同時に、あらかじめ配置しておいたナイフと銃弾が動き出す。

 

「何も無かったはずなのに、空中にナイフと銃弾!?」

 

「さぁ、避けきれるかしら。ナイフと弾の雨霰を!」

 

「避けるわよ!はあっ!」

 

 

避けきれる訳がない。何故なら、ちょっとした手品(マジック)が仕組んであるからだ。

 

 

「クロックアップ。背後に気を付けな!」

 

「えっ…?しまっ…!」

 

「終わりだ、スペルカード 『爆符 イオ』!」

 

 

時止めを解除する際に配置したナイフと銃弾は全部動かしたかの様に見せたが、実を言うと、一部のナイフには相手から見て死角となる位置に銃弾を配置しておいた。

つまり、今の弾幕は、死角に配置しておいた銃弾と爆裂魔法の合わせ技だ。

 

 

「スペルっ! 夢符『二重結界』!」

 

「ちっ…防御結界か…」

 

 

まさか、あんな形で防がれるとは…考えてもなかったな…

 

「あんたたち、手品師に転職しない!?人間の里でやったら当たるわよ!」

 

「へぇ…私達が?面白い冗談ね。能力の本質が理解出来ていないのに?貴方はなにも理解できぬまま死ぬわ。」

 

「あら?博麗の巫女を舐めないで頂戴。アンタ達の能力は恐らく時間操作系ね。それも、先天性で恐ろしく強い、ね。」

 

「へぇ…能力の本質が分かったなんて、そんな人、初めて出会ったわ。」

 

「あら、タネを明かせば簡単よ?まず、そっちのメイドが一瞬で移動した。それに、何も無かった空間からナイフや銃弾が自然発生すると思う?それも、ベクトル(運動量)を持った、ね。」

 

 

「褒めてやりたいよ。ここまで『時を操る程度の能力』の解析が出来たのはこれが初めてだからな。だが、もう全てが手遅れ。」

 

 

何故なら、この戦闘中の間に空間を操り廊下を狭くしていたからだ。

人は一つの事に集中していると周りの変化に気が付きにくい。

その変化が緩除である程尚更だ。

それに、装飾も少ない。紅色や赤色といった、同一色だと見分けのつかなくなる色も逆手に取り、行動範囲を狭めていた。

 

 

「さぁ、避けれるかしら?殺人を行ったのは私。けれど私は操られるだけの人形でした。スペルカード 『メイド秘技 殺人ドール』!」

 

「これで終わりだ。スペルカード 『幻世 ザ・ワールド』!」

 

 

空間を操り、狭くした廊下。

つまり、ナイフと銃弾の密度が増えるとどうなるか。

避けきれるはずがない。いや、避けれるものか…!

 

 

「「避けない…!?」」

 

 

避けない事に驚いた時であった。

背後で微弱ではあるが、風切り音がした。

嫌な予感がして咄嗟に時間を止める。

銃を使ってたら発砲音で気が付かなかっただろう。

 

 

「あぶねぇ…気がついて良かった…」

 

「そうね…気がついて無かったら今頃間違いなく被弾してたわ。」

 

 

時を止め、背後に目を向けると、御札が配置されていた。

いつの間に配置したかは分からないが、相殺が出来る様にして、時間停止を解除する。

 

 

「なっ…!?避けられた!」

 

「これでまた振り出しね。」

 

「お〜い、霊夢〜」

 

「あら、魔理沙じゃない。図書館はどうしたのよ。」

 

「図書館ならもう落として来たぜ。」

 

「…どうやら、お仲間のようね。」

 

 

これで二対二、互角って訳か…

それにしても、パチュリー様が陥落するとは…

 

 

「さぁ、仕切り直しだ。第二ラウンドの始まりだ…!」

 

「まーいっか、それじゃ第二ラウンド、開始ね!」




どうでしたか?
戦闘シーンが上手くできてないですが、そこは目を瞑ってください。
誤字・脱字、感想等ありましたら言ってください。

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