銀髪少年を退けて、やっとこっちの世界の”私”と話せるよ。
でも待って!
・・・話す以前に、こっちの世界の”私”が怯えちゃってない?
というか、泣いちゃってるし。
う~ん、これは私も怖い人認定されちゃってるよね??
銀髪少年と同じ位置づけにされると、私としては心外なんだけど。
まぁ良く考えなくても、仕方ないと言えば仕方ないんだけど。
変な銀髪少年に話しかけられたと思ったら、もう一人知らない男の子が出てきて、いきなり目の前でバトルが始まっちゃったんだもんね。
そんなことが起こったら、私でもビックリするよ。
しかも子供同士の「たどたどしい口喧嘩」とか「ポカポカ叩き合い」とかならともかく、ガチモノのバトル。
銀髪少年は変な武器まで使ってたし・・・。
4歳ぐらいだと、「戦隊モノ」のショーを見ても泣いちゃう子もいるぐらいなのに、そんなのを至近距離で見せられたら・・・。ねぇ・・・。
でもでも、前世を経験ているとはいえ、こっちの世界では私も”まだ”4歳。
今の私の見た目も同い年ぐらいだし、フレンドリーに話せば挽回可能だよね??
挽回できなかったら残念すぎる。
・・・で、具体的には、ここからどうやってフォローしよう?
私の性格からして、素直に謝れば許してくれると思うんだけど。根に持つタイプじゃなかったと思うし。
違う世界の”私”でも、”私”ならきっと同じような性格をしているはずだよね!!
・・・・・・。
謝ったらやっぱり許してくれたよ!流石、私!!
まだ、ちょっと「ぎこちない」感じはするけど、一応、少し会話ができたから今回はこれでOK。
当然、「お話し」ではないよ??
こっちの世界の”私”は、今の私と同い年(4歳)みたい。
取りあえず、また公園で会ったら遊ぼうって約束したよ。
目の前で変なことが起きたばっかりなのに、すぐに約束に応じてくれるとは、こっちの世界の”私”の切り替えの早さには我ながらビックリ。
だけど、私も人を見る目は自信があったから、私のことを「大丈夫な人」として認識してくれたのかな?
でも、自分と遊ぶって、ちょっと不思議な感じがするよね。
今の姿は違うとは言えど、昔の自分を見ている感じになるというか。
昔の私は、周りからこんな風に見えていたんだね。
まぁ、細かいことはさておき、私と”私”が遊ぶんだから間違いなく楽しいはずだよね。
嗜好は同じはずだから、昔、自分が好きだったことをすればいいんだし。
でも、第一印象がとんでもない状態だったから、お互いに少しずつ仲良くならないとね。
焦るといいことがないのは、前世で学んでいるからバッチリ!!
同じ轍は踏まないよ!
それはそうと、銀髪少年を倒した際に拾ったドロップアイテム(落とし物)だけど、ただのペンダントじゃなくて、実はデバイスだったみたい。
ペンダントの裏にあったスイッチを、ポケットに入れるときに偶然押しちゃったみたいで、いきなり起動してビックリ。
でも、デバイスがあるということは、この世界にもちゃんと魔法があるんだね。
なんで今のこの地域に、デバイスがあるのかは謎だけど。
デバイスを持っているという事は、銀髪少年は管理局の関係者ってことなのかな?
元局員としては、あんな管理局員はいて欲しくないけど・・・。
まぁ彼の性格から考えて、違法に所持していた可能性も。
・・・疑ったらきりがないから、今日の所は考えるのは止めよう。
違法に持っていたとしても、一般人の私には責める権限がないから、文句ぐらいはしか言えないし。
お、このデバイスはインテリジェントデバイスなんだね。なんか話しかけられちゃった。
インテリジェントデバイス・・・。レイジングハートにはお世話になったなぁ。懐かしいなぁ・・・。
このデバイスって、何気に今回が初回起動みたい。初期設定みたいなモードに入っているし。
しかも、私が所有者として認証されちゃったかも。
ごめん!銀髪少年!!
というか、このデバイスが初回起動ってことは、さっきはデバイスなしで闘ってたってこと?
やっぱりあの武器はレアスキル?それとも、他にもデバイスを持っているのかな?
まぁ気にしても仕方ないから、次に遭遇したら良く見てみよう。
いや、また相手をするのは面倒だ。願わくば、遭遇しませんように・・・。
でも、デバイスの認証できたってことは、今の私も魔法適性があるってことだよね。
そうすると、また砲撃・・・空が飛べるってことだよね。
空が飛べると色々便利だよね~。
遅刻しそうな時とか、道が混んでいる時とかスイスイ行けるし。
考えつく使い方が不純だけど、気にしない、気にしない。
そんな馬鹿なことを考えていたら、デバイスから「名称を決めて下さい」って言われちゃった。
初回起動なんだから、名前もないのも当たり前か。
取りあえず、デバイスの名前を決めに絶賛悩み中の鷹町菜之葉です。