皆が帰った後、私の部屋でリニスと色々話したよ。
リニスから「菜之葉は女の子に囲まれて嬉しそうでしたね」って嫌味っぽく言われたから、「皆、仲の良い友達だからね。楽しい時間が過ごせたよ」って答えたの。
そうしたら、残念そうな顔で「菜之葉は相変わらずですね・・・。それが良いところなのかも知れませんが」って言われちゃった。
何で、そこで残念そうな顔になるのかな!?う~ん、なんか釈然としないんだけど・・・。
まぁ追及しても仕方がないから、はやてちゃんのことについて訊いてみたの。
案の定、リニスからは「話題転換が早いですね!?・・・まぁ良いです。彼女の事ですか?普通の状態ではないですね・・・。彼女の体自体は、筋力は衰えてそうですが、問題ない感じがします。足が思うように動かないのは、何かが魔力の流れを阻害しているのが原因ではないかと思います」と言う言葉が返って来たよ。
初見でここまで分かるとは、流石リニスだよね。
リニスの発言を鑑みるに、こっちの世界でも、闇の書が原因なのは間違いなさそうだね。
「何か解決策はある?」って訊いたら、「現時点では、原因が分からないので何とも・・・」だって。やっぱり、リニスでも原因が分からないと難しいよね・・・。
リニスに隠し事をしても仕方がないし、「原因がロストロギアの闇の書だとしたら、解決策はある?」って再度訊きなおしたら、「どうして菜之葉がロストロギアの事なんて知っているんですか!?・・・まぁ良いです。今更、菜之葉の事で驚いていたら、きりが無いですもんね」って呆れられちゃった。
今更って・・・。今日はリニスに残念そうにされたり、呆れられたり散々だね。
「闇の書については詳しくは知りませんが、原因となっているならば、取り除けば治るかと思います」って言われたけれど、その答えじゃアインスは救えないんだよね。
「プレシアに訊けば、何か解決策が見出せるかもしれませんが、現実的ではないですし・・・」って、リニスがボソッと呟いていたのを私は聞き逃さなかったよ。
そうだ!プレシアさんに訊こう!
私達がいくら考えても解決策が出せないなら、分かりそうな人に訊くしかないよね。
で、どうすればプレシアさんに訊けるかが問題。
リニスがいると言えども、現時点では交渉材料もないし、前世では病気かつ虚数空間に落ちちゃったから、まずはプレシアさんを助けることからかな?
幸いまだ時間はあるし、ちょっと考えてみよう。
プレシアさんを助ける為には、まずフェイトちゃんと早期の和解が必要だよね。
そうするためには、ユーノ君には悪いけど、ジュエルシードをフェイトちゃんに積極的に集めて貰うのがベストかも。
そうすれば、プレシアさんに早く会えそうだし、ジュエルシードを交渉材料にすれば、闇の書の話が聞けるかも。
我ながら、悪いことを考えているなぁ。
ジュエルシードを遺産として保全しても、今回は誰も救われないから良いよね?良いよね??
あとはこっちの世界の"私"を、どう丸め込むかかな?我ながら正義感が強いからなぁ。
まぁ私(なのは)の考えることだし、私(菜之葉)が上手く言えば何とでもなるよね。
プレシアさんの病気の治し方は、もうちょっと考えてみよう。
きっと何か答えがあるはず!
「悪いことを考えているなぁ」と思いつつ、無理やり納得しようとしている鷹町菜之葉でした。