高町家にくーちゃんがやって来たよ。
どうやらこっちの世界の”私”が、餌付けに成功したみたい。
「大福大作戦」を授けた甲斐があったね。
でも、成功するのは運動会の後ぐらいかなって思っていたから、予想より早かったかな。
食べ物に釣られるくーちゃん、それはそれで可愛いからOKだよね。
でも、くーちゃんに避けられなくてよかった。
リニスの匂いが付いているから、ダメかな思っていたけど大丈夫だったみたい。
リニスは使い魔だから、普通の猫とはちょっと違うのかな??
お兄ちゃんはお兄ちゃんで、くーちゃんを見かけたら「神咲さんの所の久遠か、元気そうだな」って声掛けていたよ。くーちゃんは、高町家では既に有名人だね。いや、有名”狐”か。
こっちの世界の”私”としては、お兄ちゃんが既に知っていたり、私がすぐに手懐けていたのが、ちょっとショックだったみたいだけど。
「あんなに頑張ったのに、お兄ちゃんも菜之君もすぐに仲良くなったの・・・」って言っていたし。
前世を含めたら、私はくーちゃんベテランだからね~。
会って間もないこっちの世界の”私”には、まだ負けないよ!
くーちゃんを攻めるポイントだったら、たくさん知っているんだから!
「あそこ」とか「そこ」とか。
と、大人げないことを心の中で思いながら「僕となのはちゃんは、雰囲気が似ているから、すぐに慣れたんだよ」って頭を撫でながら言ったら、赤くなりながら照れていたよ。
赤くなって照れるとは、やっぱり褒められるのが嬉しいお年頃なんだね。
というか、最近こっちの世界の”私”を見る目が、孫を見る目みたいになってきちゃっているの。気を付けないと・・・。同級生なんだし、私ももっと子供らしくしないとね!
それはそうと、くーちゃんは、まだこっちの世界の”私”の前では、喋ったり変化したりしていないみたい。こっちの世界の”私”の驚く姿を見たいから、くーちゃんが色々出来ることは、しばらく黙っておこうかな。
色々出来ると言えば、前世のジュエルシード集めの時は、特に手伝ってもらわなかったけど、くーちゃんに手伝って貰った方が、実は良かったのかな??
雷とか自由に撃てるし、色々助かりそうだよね。
でも、私の周りって、くーちゃんの存在も含めて、不思議な存在が多いなぁ。
お父さん(士郎)とお兄ちゃんは、生身にして人間離れしているし、私は何故か2度目の人生を歩んでいるし、くーちゃんは妖狐だし。すずかちゃんも吸血鬼さんだし、フェイトちゃんは魔法少女。
う~ん、こうやって並べてみると、不思議だらけなの・・・。
まぁ考えても良く分からないし、みんな良い人ってことで、問題ないよね!!
細かいことは気にしないことにした鷹町菜之葉でした。