目が覚めたらSS501   作:にわかミリヲタ三等兵

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前回の続きです。


着任するも...

「...指揮出来るような人間は前回の海戦でほとんど死んでしまった。なので仕方なく海戦には出撃しなかった自衛艦の艦長達を『提督』としてその少女...艦娘の指揮をさせる事にしたんだ。当時は艦娘の存在が確認されたのは日本だけでな、以前の自衛隊のままでは世界中の海で暴れ回る深海棲艦には対応が困難だ、と国が判断し...憲法を改正したんだよ。」

「改正...ですか?」

まじかよ⁈揉めなかったのかな?

「なんせ世界の...人類の危機だったからな、国民のほとんどが賛成したよ。国連も賛成してたな...憲法を改正した結果、陸海空自衛隊はそれぞれ陸、海、空軍に名前を変更して、他国の海にも比較的簡単に行けるようになったんだよ。だからもう『自衛隊』は存在しない。」

なるほどねぇ...「そうりゅう」は真っ先に沈んだから妖精さんが知らないのは当たり前か...

てか2013年って艦これのサービス開始の年じゃん。本当に「艦これの世界」に来ちまったんだなぁ...

「なるほど、そうだったのですか...」

「さて、ここまで話したところで聞きたいことがある。」

「何でしょうか?」

「君はこれからどうするんだい?」

そう言われても...

「...分かりません、どうしたら良いですかね?」

「そうだな...もう一度国民の...人類のために戦ってみる気はないかね?」

「戦う...ですか」

「君は『ドロップ艦』という扱いだから、もし協力してくれるならこの横須賀鎮守府の所属になる。元自衛艦だから『戦争』に抵抗があるのは分かるが...今の状況こそ自衛隊の出動すべき事態じゃないのかい?」

...まあ、それ以外に道ないしな...

「...分かりました。私でよろしければ協力しましょう」

「協力してくれるか⁈感謝する...ああ、そう言えば私の名前を言っていなかったな、私はこの鎮守府で提督をやっている太田広義(おおたひろよし)だ、よろしく」

「これからよろしくお願いします。提督」

「うん、ようこそ我が鎮守府へ、と言いたいところだが...」

「どうしたんですか?」

なんか嫌な予感がするな...

「君は初めてドロップした新型艦、しかも『自衛艦』だからなぁ...人型になると軍艦だった時の性能とは違う時があるんだ、現在の姿になってからの性能を調べたり本営に報告する必要があるんだよ...適材適所が分からないのでは艦隊に入れることもできないしなぁ...性能が判明するまでは余計な混乱を避けるために君の存在は公表出来ないという事になる。」

「ということは...」

「ああ、まだ所属は出来ない」

まじかよ...

「という訳で明日からは君の性能試験を始めようと思う。寝泊まりする場所については他の艦娘達とは別...そうだなぁ...憲兵宿舎の空き部屋に泊まって貰おうか、別に変な事はされないだろうから安心してもいいだろうが...人目に触れるのを避けるため外出等も制限という事になってしまうがそれでいいか?」

まあ確かにこんな艦来たら対応に困るだろうなぁ...

「...分かりました」

「そうか、すまないな...じゃあついてきて貰おうか」

そう言って席を立った提督の後について行く

非公表かよ..でもしょうがないのかぁ...

執務室の入っている建物から出て暫く歩いて行くと、鉄筋コンクリートのアパートのような建造物が見えてきた。

これが憲兵の宿舎かな?

入り口の前に門があり、そこに陸自...陸軍の軍服を着た人が2名いた。恐らく門番だろうな...

提督が事情を説明するとすんなりと中に通された。

その建造物に入り、中を暫く進み、とある部屋の前に止まると、提督が部屋の扉を開く。

「この部屋だ、1人部屋だからトイレ、風呂も付いてる。不自由はないだろうが、何かあったら言ってくれ。」

中に入る、意外に広いな...もっと狭いかと思ってた。

「分かりました、では」

「それじゃ」

ドアが閉まる。

「はあ...どうすっかな?」

てか服装何とかならないかな?艤装つけたままでは座ることもできん。悩んでると妖精さんの声が聞こえた。

『艦長の服なら有りますよ?』

...艦長?何で俺が艦長なんだ?

『私は副長にあたる妖精なのですが、今の状況になってから私達妖精の中に艦長にあたる存在がいなくなっている事に気付いたので、あなたが艦長だと判断しました。」

まじかよ...いつの間にか艦長になってたよ俺。

てかさ、妖精さんサイズの服なんか着れるわけないだろ。

『大丈夫です』

何が大丈夫なんだよ...と思っていると妖精さんが1人ハッチから出てきた。妖精さんサイズの制服を持って。

うん、予想通り過ぎて泣けてくる。

しかし、妖精さんがその小さな制服を床に放り投げた瞬間、制服が一瞬だけ光り輝くと妖精サイズの制服が「人間サイズ」に変化した。

なんだよその謎テクノロジー...

考えても仕方がないと思い、今装着している艤装等を何とか外して早速制服を着てみる。ピッタリだった。

着替える途中で判明した事がある。

「男」だった。

...よかったぁああああ!!!!性転換とかマジ勘弁だったからな...安心。これで長門とも...ゲフンゲフン。

...とすると俺は「艦息」になるのかな?後で提督に言っておくか、艦「娘」と勘違いされるとやばいしな...

床に落ちていた「そうりゅう」乗組員用の帽子を拾い上げて頭に被ったあと、洗面台の所に行き鏡で自分の顔を確認してみる。

鏡には見慣れた黒縁眼鏡のヲタク...ではなく、「そうりゅう」艦長の格好をした鋭い表情をしたイケメンが映っていた。

...いやお前誰だよ?俺?ははは、そんな訳...マジで?

どうやら顔まで変わったらしい。

...いや以前の顔面クオリティと比べたらメリットしかないんだけどさ、これ俺?違和感しかねえ...艦これ補正かよ...

ふと鏡に視線を戻すと、呆然とした顔になってたので似合わないと思い表情を引き締める。

そんなこんなで他にも色々と現状を把握して、夜になったので渡された飯を食べて、この世界に来て初めての風呂に入り、ベッドに横になった瞬間、戦闘その他諸々の疲れが一気に出てきて急に眠くなった。

そういやここ数日一睡もしてないわ俺、よく耐えられたな...

それ以降は思考もままならずに眠りに落ちた...。




次回から性能試験です。

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