目が覚めたらSS501   作:にわかミリヲタ三等兵

28 / 28
Min◯craft とアズー◯レーンが楽しい
艦これと違ってアズ○ルレーンは潜水艦の待遇が良いから好き
そして何より長門がロリ(検閲済:不許可)


それぞれの戦い5 〜そうりゅうは待ち伏せる〜

 

大規模作戦が始まった日の朝の事。艦隊襲撃を無事成功裏に終わらせた俺は、その場から離脱するべく潜航。攻撃地点から10キロ程離れたところで、気づいた。

 

もしかして戦艦沈めるのに魚雷を3本も使わなくてよかったのでは無いか、と。

 

思えば初めて深海棲艦相手に魚雷を使ったのはこの世界に来たばかりの頃で、

長門が目の前で大破しており、目の前で嫁(自称)を死なせてなるものかとなんとかしようと魚雷をぶっ放したあの時、俺は戦艦を沈めるために魚雷を3本使用していた。

そして数日前も経験に基づいて魚雷3本を戦艦ル級に撃ち込んだわけだが、どうも威力がおかしい。前と違って戦艦が消し飛んだ。

敵艦隊と相対していた時は興奮していてその事を気にも留めなかったが...

多分ではあるが、あの頃と比べて俺の艦娘(艦息?)としてのレベルがいくらか上がっていて、命中やら威力やらに補正が入っているのでは無いかと思われる。

よくよく考えれば史実でも魚雷2本で戦艦を撃沈した例はあるのだ。

1939年10月、イギリスの軍港スカパ・フローに侵入したU-ⅦB型のU47は停泊中の戦艦ロイヤル・オークに向けて4、1、2と計7本のG7e魚雷を発射、うち5本が不発だったものの最後に斉射した2発がロイヤル・オークの艦底部で起爆、見事これを葬り去っている。

これはロイヤルオークが第一次世界大戦時に作られた防御の貧弱な旧式艦であった事、停泊していた港が浅深度であったがために魚雷の衝撃波が増幅された事などのいくつかの要素が絡み合った上での結果であったのだがそれはそれ。

今俺が積んでるブツはそれから半世紀経った1989年に採用されたもので、分厚い機密のベールに包まれて知名度こそ米軍の1971年採用のMk48魚雷には及ばぬもののスペック的には同等かそれ以上。命中前に舷側ではなくわざわざ船底に回り、炸裂時の水圧その他諸々で目標船舶の背骨に該当するキールを叩き割り、船体中心下部に大穴を開けるオソロシイ代物だ。

しかも第二次大戦当時の軍艦、それも大型艦となれば殆どが蒸気タービン機関であり、船体の中心下部には燃料庫やら蒸気を発生させるために熱々に熱せられたボイラーがずらりと並んだ缶室区画等々のウィークポイントがたくさんある。そんな場所に魚雷を撃ち込もうものなら搭載している燃料に火がついたり、缶室という大空間に大量の海水が流れ込む。

燃料庫に火がつくとどうなるかは言わずとも分かるだろう。

缶室に水が流れ込むとどうなるかって?

ボイラーが缶室ごと吹っ飛ぶのだ。これがまた盛大に。酷いと吹っ飛んだ衝撃で弾薬庫内の装薬、砲弾も一緒に誘爆する。

クイーンエリザベス級戦艦のバーラムなんかはUボートに魚雷3発を受けてこんな感じの沈み方をしている。

...ここまで語ったところで深海棲艦が普通の船と同じ構造をしていないと意味が無いので、こればっかりは試してみないと分からない。

やってみようか、魚雷2発で。

スペック差は50年、それも艦これ世界の謎システムで補正が付いている。できない事はない筈だ。U47の偉業をこの手で成し遂げてやろうじゃないか。

そう決心して数日が経ち今に至るわけだが、なんとちょうどいい練習台が向こうからやって来た。

 

『ソーナー聴知、352度から348度にかけて反応複数』

 

(距離は?何隻居る?)

戦艦がいればいいけど...

『距離が遠く、若干反応が重なってます...単縦陣かな?もうしばらく待ってください』

前方に耳を済ませると確かにスクリュー音が重なっている。しばらく聴いてみたが全然分からん。潔く諦めてプロフェッショナルの水測長(妖精)に任せることにする。

まあとりあえずやれる事はやっておこう。

(機関停止、魚雷戦用意)

水流音やスクリュー音を排除し、目標の音を少しでも聞き取りやすくするために機関を止めて、襲撃のための準備をする。

『各部署配置よし』

『発射管用意よし』

艤装の状況は自分でもよく理解しているため、報告の類は本来必要ないが、これをやらないと気が済まない。

形式的なもんだ。うん。

スクリューを止めてから5kt程に速度が落ちてきた頃だろうか。敵艦隊に関しての続報が水測長から飛んできた。

『探知中の艦隊は大型艦を含む6隻編成。対勢はアングルオンザバウ10度。距離は...若干の誤差はありますが先頭が40000m。単縦陣にてこちらに接近中』

どうも20ktで突っ走ってたせいか音が拾いにくく、ある程度の距離まで近づいていたらしい。それでもまだ魚雷の射程外だけど。

『速力は13kt、艦種はもう暫く...あ、分かりました。

 

シエラ1戦艦タ級flag ship。

 

シエラ2戦艦タ級flag ship。

 

シエラ3重巡洋艦リ級flag ship。

 

シエラ4軽巡洋艦へ級flag ship。

 

シエラ5及び6は駆逐艦ハ級flag shipです』

 

水測長凄え。

しかし随分と重い編成だなぁ。全部flag shipかよ、元いた世界のゲーム上だったら絶対出会したくない。

(艦隊最後尾が30000mまで近づいたらシエラ1及びシエラ2に対して攻撃を実施する。使用魚雷は1〜4番管に装填中の89式魚雷4本。ウェイポイント通過後の最終誘導形式はアクティブモード、捜索形式は表層捜索モードで、1、2番管をシエラ1に、3、4番管をシエラ2にそれぞれ割り当てる)

『了解、まだ射程外ですが諸元入力しておきます』

今回は浮上して潜望鏡で視認してからの雷撃は行わない。

地球が丸いせいでどう頑張っても潜望鏡から船が見えるのは10km程まで。せっかく魚雷の最大射程が30kmもあるのにこれでは宝の持ち腐れ。勿体ないし、何より探知される心配が無いとはいえ散々追い回される歴史を歩んできた潜水艦の身としては敵駆逐艦からは精神衛生上の観点からもなるべく距離を取っておきたいのだ。

着々と準備を整えながら手ぐすね引いて待ち構える事約30分、13ktでじわりじわりと接近してきた艦隊の先頭がやっと魚雷の最大射程に入った。

(注水完了次第1〜4番発射管前扉開け)

『発射管開きます』

微かな駆動音が聞こえる。現在の深度は200m、太陽の光が全く届かないので目視で確認はできないが、確かに発射管が開いたはずである。

第二次大戦中の潜水艦はごく一部を除き圧縮空気式の魚雷発射管を採用しており、20mを超える深度では発射装置が水圧に負けて作動できなかったが、そうりゅう型潜水艦に載っている発射管はスイムアウト型。作動した魚雷が自ら発射管を出て行くタイプなので深度制限が理論上存在しない。凄く便利だ。

魚雷の諸元入力は既に終えている、後は最後尾が30km以内に入ってくるのを待つのみ。

 

『シエラ6、距離30000に入りました』

 

更に10分が経過した頃だろうか?

やっと待ちに待った瞬間がやってきた。

(1から4番発射)

『てーっ』

絶好の機会を逃すまいと間髪入れずに4発の魚雷を海中へと送り出す。

やはり真っ暗でさっぱり見えないが、小型のスクリューが無理やりに海水をかき混ぜる音がどんどん遠くへ離れてゆく。

『各魚雷正常に駛走中』

発射後魚雷と艤装を繋ぐ誘導用のケーブルを切断、後の仕事を魚雷に任せて即座に離脱するのも手ではある。しかしそれはこちらの魚雷発射音を瞬時に探知して正確な位置にASROCを撃ち込んできたり、対潜ヘリを送り込んだりしてくるような敵を警戒するために行うものであり、当然のことであるが深海棲艦はそんな事をできる技術力は無い。

というわけで、きっちり最後まで有線誘導でタ級の元に魚雷を送り届けてやろうと思う。

ちなみに55ktで進む89式が敵艦隊に到達するまでに約15分かかる。

気長に待とうか、潜水艦は待つのが仕事だ。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

欧州列強がこぞって戦列艦を建造していた大航海時代から、空母の登場で戦艦の役割が急速に奪われてゆく第二次世界大戦の初期まで、海戦の主役は戦艦であり、海戦の要はいつだって見張りであった。技術が進歩し、砲の射程が20km、30kmとどんどん伸びてゆくにつれて、水平線の向こうをより遠く、広く見晴らすことができるように、戦艦の見張り所や戦闘指揮所もまたどんどん高いところに設置される様になっていった。

索敵の主力が見張り員からレーダーに変わると、マストトップにレーダーを載せることによってより遠くまで電波を飛ばすことができるようになった戦艦の索敵能力は、飛行機を使う艦を除けば、ありとあらゆる艦種を凌駕する。

よって、駆逐軽巡を後ろに下げて、戦艦を先頭にした単縦陣をとっておけば、敵艦隊に不意を打たれる可能性は下がり、万一撃ち合いになったとしても射程、火力で遅れを取ることはない。

なお、この単縦陣というのはあくまで水上を航行する艦船を相手取るためのものであり、機動性こそ優れるものの、空襲や潜水艦の待ち伏せといった『新しい戦術』にはいささか不向きであって、

 

こと今回の事例に関してはこの陣形は最悪のチョイスと言っても過言ではなかった。

 

 そうりゅうが国家予算の注ぎ込まれた機密の塊を4本ぶっ放してから約20分後、

まず艦隊の先頭を航行する戦艦タ級の足元が吹っ飛び、彼女はそのまま頭から突っ込む様に海中へと姿を消した。

それを見た後続のタ級が慌ててこれを避けようとするも叶わず被雷、大きな水柱が2つ上り、艤装の破壊とそれに伴う大量の浸水によって左へ30度の大傾斜がかかった。

これに慌てたのは後ろを航行する重巡リ級で、轟沈した艦隊旗艦は諦めるにしても、艦隊唯一の16inch砲搭載艦を失ってなるものかとタ級へ駆け寄り、彼女の腕をとり肩へ担いでそれ以上の傾斜をなんとか防いだ。

タ級を補助していて周囲に気を配る余裕の無いリ級に代わって、手の空いた軽巡へ級が後続の駆逐イ級2隻に対潜戦闘の指示を出す。

ハンティングをするために二手に分かれたイ級達と、よろよろと進むタ級リ級コンビを視界の端に捉えながら、あとは特にすることもないヘ級は、艦娘達が死に体の艦隊へ追い討ちの攻撃を放ってくる事を警戒して対空、対水上警戒の為水平線に目を凝らす。

 

この時タ級の艤装内部で発生していた大惨事を、随伴の深海棲艦はおろか、朦朧としながらリ級に寄りかかるタ級本人ですらも気付く事が出来なかった。

 

それから10分が経過した頃だろうか。

タ級の艤装内部に気化した燃料が充満、魚雷の炸裂により損傷した電路の付近で火花が原因で引火し爆発、衝撃波が隔壁を打ち破って主砲弾薬庫内へ到達。

タ級の持つ主砲の砲身から煙が立ち昇っているのをへ級が発見した時にはもう遅かった。

前部弾薬庫、約800発分の16inch砲弾及び発射薬が尽く火を噴き二番砲塔近辺が大爆発、それによって生まれた衝撃が舷側の小口径砲の弾薬庫や後部弾薬庫を道連れにして、それはそれは大きなキノコ雲が上がった。

全てが粉々になったタ級はもちろん轟沈。

そしてすぐ隣でタ級を介抱していたリ級もまた、衝撃波と弾丸レベルの速さで飛んでくる鋼鉄の塊...タ級の艤装の破片で全身をズタズタに引き裂かれ、間もなく海中へと姿を消した。

取り残された三隻の深海棲艦は、眼前で起こった悪夢をただただ呆然と見ていることしかできなかった。

その後我に返った深海棲艦達は血眼になって周辺海域を捜索した。

しかしイ級が持っているソナーは、30km先に居る無反響タイルをびっちりと貼った海の忍者を見つけるには性能が全くと言っていいほど足りていなかった。




米英軍駆逐のソーナー、ハイドロフォンをどこに積んでるんだろうという疑問がやっと解決、ASDICの受信機を代用してたのねアレ。よくよく調べてみたら戦後型でも可聴距離が1.4kmぐらいというのを見つけて絶望。3式積んで機関に防振機構備えた方が幾らかマシじゃないか!
日独ってハイドロファンガチ勢だったのね...知らなんだ。
知識をアップデートしてゆくたびに前の話に矛盾点を見つけて死にたなる...おいおい直すかなぁ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。