目が覚めたらSS501   作:にわかミリヲタ三等兵

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時間については全て海軍風に
0=マル
1=ヒト
2=フタ
という風になっております


始動

俺の朝は早い、てか忙しい。

0555には既に目が覚めているが、まだ起き上がらない。

そして0600になった瞬間にベッドから転げ落ちるように起きる。

そこから5分間で海自の制服に着替え、部屋から出て廊下を走り、艦娘寮の外にあるグラウンドに行き、体操。

10分後に部屋に戻り掃除。

0630になったら食堂に行って朝飯。

前世からの習慣...な訳ない。

この前も言ったがもろ海自のソレだ。

もうこの動きが体に染み付いてるというか、おかげで前世よりだいぶ健康的な生活を送っている。

そんなこんなで食堂に向かい、扉を開ける。

ちなみにここに艦娘が集まる時間帯は8時頃がピークなので、今の時間は人影はまばらだ。

居るとしたら昼夜逆転、帰還後の夜間遠征組でこれから「夜飯」を食べる天龍龍田や夜戦参加組の川内等軽巡。後は空腹に耐え切れず食べに来た一航戦って感じか?

朝が弱い駆逐艦sや艦種的に機関の始動が遅い大型艦は結構遅めだったりする。

今朝もそんなところだろう、そう思っていた。しかし、この時間ならば普段見ないはずの人影が俺の視界に入った。

「...おはよう」

前世からの非リア充であり、ヲタク以外の女性相手には一気にコミュ症になる俺だが今回は相手が相手だけに意を決して声がうわずらぬよう留意しながら話しかける。

「?...む、そうりゅうか。おはよう」

そのお相手というのは...まぁご想像の通り我らがながもゲフンゲフン戦艦長門だ。

「どうしたんだ?今朝は早めだな」

「なに、たまには早起き...という時間でもないが...朝から体を動かしてみたくてな」

と言いつつ眠たそうにしながら目を擦るながもん。

うん、この時間に来て正解だわ...朝から素晴らしい光景を目にすることができた...は、一旦置いといて。

「隣、いいか?」

なるべく普通を装いながら聞いてみる。

コミュ障体質はこの世界に来てから捨てると決めた。

周囲の目は気になるが、毎朝俺はこの近辺に座っているので他の艦娘から見ても違和感は無いはずだ。

「別に構わんが」

「おう」

内心で歓喜の雄叫びを上げながら着席し、テーブルの上にあるメニュー表を見る。

定食系のメニューから1つ選んで伊良湖さんに注文、なにを選んでも美味いんだから凄いと思う。さすが給糧艦。

「そうりゅうはいつもこの時間なのか?」

「ん?ああ...いくらゆっくりしようとしてもこの時間だ。どうも海自体質が...」

「海自体質?」

「起床ラッパと共に起きてフタフタマルマルに就寝。おかげで健康そのものだ」

「ハハッ...なるほど確かに規則正しい生活だ」

長門との会話をエンジョイしつつ料理が運ばれてくるのを待つ。

しばらくして料理が運ばれてきた。

食器を運んでくるのは食堂付きの妖精さん達である。給仕などを担当していて、頼めばお代わり等も持ってきてくれる。

一航戦の二人がいる奥の方の席では、その妖精さん達がひっきりなしに往復している。空の食器を持って行って料理が盛り付けられた皿を持ってくる。そのループだ。

ちなみに二人とも昨日の晩は出撃だったらしい、お代わりのペースが尋常じゃ無い。

うん、気にしないでおこう。

「いただきます」

妖精さん達を見て頬を緩ませているながもんを横目にさすが伊良湖さんだと言わんばかりの朝食を堪能する。

 

 

 

「そうりゅうはこの後なにか予定などはあるのか?」

「いや、特にこれといった物は無いな...金食い虫の宿命と言った所かな?」

「それもそうか...」

食事が終わっても特にすることが無いので雑談をしながらゆっくりしている。

長門は戦艦、俺は鎮守府殺しの弾薬消費、演習もおいそれとやるわけにはいかない。駆逐艦や軽巡洋艦と違ってやることは限られてくる。

俺もこの後できる事と言ったらグラウンドで長良と抜きつ抜かれつの全力走り込み、後はイメージトレーニングくらいか?

暇だ...

「はぁ...お互いに大変だな...」

「全くだ...」

まあ今日は長門と会話が出来たので憂鬱な気分は大分薄れてはいる。

しかしいつの間にやら時間が経っていたようで食堂内の人影(艦影?)もだいぶ多くなってきた。

ちなみに少し前に食堂に来た瑞鶴が大量にお代わりを繰り返す一航戦の二人を見て爆笑、加賀に締め上げられるといういつも通りの光景が奥の席で繰り広げられていたりする。

赤城と翔鶴が必死に止めようとしているが、互いに頑なな性格のため戦いは激化の一途を辿っている。

そろそろ出るか...

「さて、そろそろ行くか」

「そうだな、あまり長居も良くない」

会話しながら食堂の外に出るべく二人で席を立つ。

え?二人を止めないのかって?

なんだかんだ言ってあの二人仲良いし、止めようとしたところで機関出力違いすぎるし。

ここはスルーするのがベストだ。

そしていつも通りの暇を持て余す日常が...

 

 

 

『提督より全艦へ、総員0900に作戦指令室へ集合せよ。繰り返す。総員0900に作戦指令室へ集合せよ』

 

 

 

始まらなかった。




どのような編成でどう戦うのか悩みましたがやっと自分の中で考えがまとまりました。
次はもう少し早くあげる事ができると思われます。

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