目が覚めたらSS501   作:にわかミリヲタ三等兵

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遅くなってすみません


鎮守府の中

ー長門サイドー

起床して朝食をとり、暫くすると提督に呼び出された。

む、なにかあったのか?

提督の執務室に行き、ノックをしてからドアを開ける。

そこには提督と...そうりゅう⁈

「?どうしたんだ?入ってこい」

「...うむ」

ドアの前で固まっていたのを咎められ、とっさに平静を装いつつ入室する。しかし私とそうりゅうを呼ぶとは...何の用だろうか?

「提督、何かあったのか?」

「いや、特に何か起きたということではないが...」

ならばどういうことだ?

すると提督はそうりゅうの方を見て

「こいつの部屋が決まってな、潜水艦隊用フロアの空き部屋なんだが...かなり散らかっていて、工廠の妖精さん達が総出で掃除をしてるんだが...終わるまでに数時間かかるらしくてな...」

なるほど、片付けが終わるまでそうりゅうの居場所がないという訳か。だがなんで私を呼んだのだ?手伝えという事か?

「そこでキミの出番だ。片付けが終わるまでこいつに鎮守府の施設を案内してやってくれないか?」

なっ⁈

「そ、それは...」

「駄目か?1番会話したことのあるという点でキミが適任だったんだが...」

「い、いや!駄目という訳ではない、分かった。鎮守府内の施設を案内すればいいんだな?」

「よろしく頼む」

そうりゅうと一緒に執務室を出る。

「長門、今日はよろしく」

そうりゅうが笑顔で話かけてくる。

「う、うむ、よろしく」

「どうした?調子でも悪いのか?」

ど、どうしたも何も、昨日あんな事を言ってきて、その時は女だと思っていたから流していたが、まさか男だったとは...意識しない方がおかしいぞ?「憧れ」だの散々褒めてきて...

うん?

もしや「憧れ」というのは「艦」としての、ということではないか?確かに昔はシンボルのような存在だったからな...「私個人」のことかと思ったぞ...とんだ勘違いだったな。

「む、なんでもない、いたって健康だ」

そう考えると普通に会話する事ができた。

「そうか?」

「うむ、行くぞ?」

まずは...

 

ーそうりゅうサイドー

部屋が用意できるまでの間長門に鎮守府内を案内してもらうことになった。なぜか長門の様子がおかしかったが、なんでもないとのことだった。ならいいかな?

長門曰く、この鎮守府はかなりの施設が揃っていて、外に出なくても大抵のことはできるらしい...どっかで聞いたような...

まあいっか。

最初に案内されたのは昨夜歓迎会をやった食堂だった。

中に入るとあちこちに艦娘が居て、各々席について食事をとっていた。

「食事は基本ここでとる、まあ他にも飲食する場はあるが」

「なるほどね」

この食堂はメニューを見て注文するスタイルらしい、伊良湖が主に調理をし、あとは他の艦娘が数人厨房に入り、手伝いをする。だから毎日少し味が違うらしい。手伝いは基本ローテーションで、参加する義務があるが、一部の艦娘は担当を外されているとの事だ。

中でも比叡は初めて手伝いに入った日、食堂に行った艦娘が全員大破してからは厨房への立ち入り禁止だとか...

食堂から出てしばらく進むと、『甘味処 間宮』と書かれた看板が立つ店があった。

羊羹などの甘味を主に取り扱う店で、艦娘たちの憩いの場になっているらしい。かなり有名で憲兵もたまに訪れるとか何とか。

店内に入ると第六駆逐隊の暁、雷、電が笑顔でパフェを食べていた。キラキラしてるな...それで良いのか自称レディ...

しかし響が居ないな...どこ行ったんだ?

「次へ行くぞ?」

「おう」

そんなに離れていない所に『居酒屋 鳳翔』という名の店があった。第1線から退いた後、提督に料理の腕を買われた鳳翔さんが開いた店らしい。居酒屋だが料理も出しているため、朝からやっているのだとか。夜は隼鷹を筆頭した酒飲み達の溜まり場になるとのこと。

中を覗くと...

「なあ長門、あれは良いのか?未成年が飲んでるようにしか見えないんだが...」

響がグラス片手に「Хорошо(ハラショー)」等と言っている。

「む、私達は軍属だから基本全員成人しているとされているから法律的には問題ないぞ?好みはあるようだが...」

そ、そうなのか?ならいいのか?

食堂は基本タダ、甘味処と居酒屋の2店舗は有料らしい、給料から引き落とされるとのこと、ただし、間宮に関しては「間宮券」という物があり、たまに提督からご褒美として駆逐艦達に渡されるとか。

次に案内されたのは入渠ドック...要するに風呂だ。ダメージの回復は勿論、普通の風呂として毎日入るのが基本らしい。まあ俺は今まで宿舎のシャワーだったが。

よく見ると男湯と女湯に分かれていた。俺が着任した時に急遽大改築をして分けたらしい。普通そんな短時間でできる訳がないが、妖精さん達がなんとかしたという。すげえな妖精さん...

そんな感じで運動場、射爆場、売店等いろいろ見て回った。

元の横須賀の面影が殆どないな...

一通り見たところで呼び出しがかかったので提督の所に行戻って、そこから寮に行った。

艦娘用の寮はかなりでかかった。学校の校舎ぐらいはあるな...ちなみに木造だ。

提督の案内の元、玄関から入り、1階の廊下をしばらく進むと「SS501 そうりゅう」と書かれた名札があるドアがあった。ここか...

「鍵はこれだ」

俺に鍵を渡し、提督は去って行った。

早速ドアを開けて中に入ってみる。部屋は南側で日当たりが良かった。憲兵宿舎と違ってシャワーはないらしい。トイレと洗面所だけがあった。家具はタンスと机とベッド。殺風景だが結構広かった。

窓際に置いてある机の椅子に座り、一息つく。

出撃はしばらくはない。なので結構な期間自由だ。とするとやる事は1つ。

「潜水艦の勉強だな」




4/17 潜望鏡深度を変更、深すぎた...
ついでに自分も潜水艦の勉強します。

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