東方無集録   作:生きる死神

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はいどーも。今回はコラボです。

真也「お相手は 禍津孤王 さんだよー」

こいし「白いマガラさんの転生記 から ヴァイス が来ましたー!」

珍しいかは分からないけど真也がぼけに回ったなぁ。

真也「楽しそうだねー」

それでは

「「「スタート」」」


コラボ!不幸な白蝕龍!?

 

 

 

 

季節も秋に近づき、夏の暑さが弱まる10月。真也とこいしは季節の変わり目に霧の湖の周りを歩いていた。

 

真也「んー、涼しくて過ごしやすいねー」

 

こいし「ねっ!景色も見てて楽しいしね!」

 

夏から秋に変わるこの頃は草木も、瑞々しい緑から燃えるような紅への移行期間だ。緑色の葉の中に、ちらほらと紅く染まった葉が混じる。 

霧がかかる湖の近くの草木も例外ではなく、色のグラデーションを2人は楽しんでいた。幻想郷の自然は外の世界よりも圧倒的に多く、その量は微々たる変化でさえ、視覚にも分かりやすく映る。

 

 

 

美しい景色を見ながら、湖の周りを歩く2人の頭の上から誰かの声が聞こえてくる。

 

?「なーーーんで俺は空から落ちてるんだよぉーーーーーーー!!!」

 

聞こえてくる怒号に2人はちらりと目を向けると、白の和服に黒髪の少女が落ちてきていた。

 

誰かわからないこいしは不思議なような、可愛そうだなといった目で見ている。だが、その少女を知っている真也はなんというか、何かを察したような顔で見て、こいしの手を取ると何も見なかったように湖から離れるように歩き始めた。

こいしは何か言いたそうに落ちてくる少女と真也に目を行き来させるが、真也に気にしたら負けだよと言われてしまい、何とも言えない表情でそのまま歩く。

 

 

 

そして、

 

 

 

?「どわーーーーーー!」

 

 

 

歩き始めてすぐにそんな声が聞こえたのと同時に、湖から何か───少女だが───が落ちた水音が聞こえた。

それを軽く無視して歩き続ける2人に、湖からあがった少女は、

 

?「いや無視すんなよ!?特に真也!お前気付いてただろ!」

 

声を張り上げて背中を向けて歩く2人、特に真也にツッコミを入れた。

少女に名指しで言われた真也は振り返り少女の方に近付く。彼の浮かべた笑みに面倒くさそうな様子が見えるが、雰囲気は明らかに楽しげだった。

 

真也「あははー。気付いててもスルーするのは大切だよー」

 

?「いや、助けろよ!?俺だったから良かったけど、他の人だったらどうすんだ!」

 

真也「他の人なら助けるよー?」

 

?「なら俺も助けろよっ!!??」

 

笑い声と共にボケたことを言う真也に、その少女は至極真っ当なツッコミを入れるが、返された返答に余計大きな声でツッコまざるをえなくなった。

 

こいし「ねえ、その人誰?知り合い?」

 

今でも完全に蚊帳の外だったこいしが、真也の後ろから頭をひょこっと出して、誰かと問う。

 

?「あー、そういやまだ名前言ってなかったな。俺はヴァイス。まあ、前に真也が俺の世界に来たからその時に知り合った感じだ」

 

聞かれた少女はヴァイスと答え、知り合った経緯も特に聞かれていないが答えた。

それを特に気にする様子もなくこいしも笑顔で言葉を返す。

 

こいし「ヴァイスね!私は古明地こいし、こいしでいいよ。よろしくね!」

 

真也の後ろから横に移動したこいしは、少し不思議そうな顔でヴァイスを見つめる。それに気付いたヴァイスが、どうしたのか問うと、

 

こいし「なんで俺って言ってるの?あなた女じゃないの?」

 

と、なかなか核心をつく質問をした。

その質問に、ヴァイスは少し驚いたような表情になるがすぐに表情を戻して口を開いた。

 

ヴァイス「あー、俺って言ってるのは舐められないようにしてるだけだよ。この方が厳ついだろ?」

 

明らかに視線が違う方向を向いてるのがバレバレだが、こいしと真也は暖かく見守っていた。

 

ヴァイス「なんだよ。ニヤニヤして」

 

訝しそうな表情でそう聞くと、2人は声をそろえてなんでもないと言った。表情はニヤニヤしたままだが。

 

何ともいえない表情になるヴァイスは、ニヤニヤしていることを気にしないことにした。

 

ヴァイス「それにしても2人は息ピッタリだな。内容はおいといて、さっきの全く同じタイミングだったぞ」

 

こいし「えへへー!すごいでしょー!」

 

話題は変わり息がピッタリだったことを誉める。こいしはふふんと胸を張って誇らしげだったが……

 

ヴァイス「無い胸張っても何も変わらな……待て、落ち着くんだ、そのナイフをどかしてくれ」

 

こいし「ナニカイッタカナ?」

 

デリカシーの無い発言に一瞬で背後に回っているこいし。その手には何故かナイフが握られており、ハイライトのない目は狂っているように見える。

 

ヴァイス「ちょ、真也、助けてくれ。この子怖い」

 

そう言って真也に助けを求めるも、求められたら当人はにっこにこ笑みを浮かべて何も言わない。むしろ、さっきより別の意味で笑みが深くなった気がした。

 

真也「んー。残念だけど僕はこいし側だよー?」

 

そう言うとどこからともなく鎌が現れる。真っ黒な鎌を見て背筋がぞっとしたヴァイスは、仕方なく擬人化を解き、龍に戻った。

無意識にそれを察したこいしは離れていたため、逃げ出すことに成功したが……

 

火妖精「わぁー!黒い龍がいるぞー!」

 

水妖精「きゃー!食べられるー!」

 

木妖精「逃げなきゃー!」

 

偶然近くにいた妖精たちにその姿を見つかってしまい、森の中が騒がしくなる。

 

真也「あーぁ、これはどんどん妖怪とか妖精が寄ってくるねー」

 

ヴァイス「誰のせいだよおいっ!」

 

盛大にボケる真也にツッコミを入れたヴァイスは、2人をわしっと掴むとそのまま空へ飛び立った。

 

 

 

   ◆

 

 

 

運良く雲が出ておりその上を飛ぶヴァイス。その背中に乗せられている真也とこいし。2人も飛べるのだが、何故か乗せられている。

 

ヴァイス「いやほんとこの姿でこっちを飛ぶとか想像もしなかったわ」

 

真也「そもそも来るとすら思ってなかったでしょー」

 

やれやれとぼやいていることに真也がツッコミを入れる。こいしはその様子を見てくすくすと笑っていた。

 

ヴァイス「そりゃあまあ来るなんて思ってるはずないだろ。むしろもう会わないような気までしてたわ」

 

確かに、と同意する真也もこいしと同じようにくすくすと笑う。2人とも楽しそうに笑っていた。

 

ふと何かに気づいた真也は、ヴァイスの背中から下を見た。そして、その何かに気づきニヤリと笑みを浮かべる。

 

真也「ヴァイスー。下見てー」

 

ヴァイス「あ?下?」

 

言われたとおり下を見たヴァイスは青ざめた。

その視線の先にあったのは、妖怪の山。それが意味するのは……。

 

真也「天狗来ちゃうよー」

 

ヴァイス「やっぱり不幸だこんちくしょう!」

 

嘆きながらスピードを上げ、その場から離脱を計る。しかし、(ヴァイスにとっては)残念なことに天狗たちは気づいてしまった。

すぐさま数人の天狗たちがこちらに向かってくる。

ヴァイスは舌打ちをし、さらにスピードをあげ逃走する。

 

真也「ちょ、早いよー」

 

こいし「おーちーるー!」

 

ヴァイス「頑張って捕まってろ!」

 

ぐんぐんスピードを上げられ、真也とこいしは振り落とされないよう必死だった。

あがるスピードに次々に過ぎる雲。視界がスピードに慣れる頃にはすでに天狗達を振り切っていた。

 

 

  ◆

 

 

3人は地上に降りた先は魔法の森。

 

ヴァイス「あー。疲れた。帰りたい。なんだって別世界でまで不幸な目に遭わなきゃいかんのだ」

 

降りたった先で見つけた切り株に腰掛け、ぶつぶつと不満を呟く。見るからに負のオーラでいっぱいだ。

 

真也もこいしも苦笑いをしているが、さすがに日も暮れかねないので声をかける。

 

真也「なんだかんだ振り回されてるけどー、帰れるよー?」

 

ヴァイス「帰れるのか!?それはマジか!?やったぜ!やっと帰れる!」

 

帰れるということを聞いたその様子は周りを気にせず、嬉しさを率直に表していた。

ガッツポーズをする彼女の様子を見て、真也は再度問う。

 

真也「今から帰してあげるけどー、未練はないよねー?」

 

言い方に若干の不安を残すが、ヴァイスは少し考え1つ問い返す。

 

ヴァイス「1個聞きたいことがある。前にあったときに確か能力のことを聞いてなかったな。だから聞かせてくれ。お前はお前の能力をどう思ってるんだ?」

 

真剣な目で聞くその声は、それなりの覚悟が感じられる。いつも通りに笑みを浮かべている真也とは真逆で、真也がふざけているようにも見える。

 

真也「そーだねぇー……」

 

どこかを見て呟き、くすりと笑みを浮かべると再度ヴァイスを見る。そして、その表情にヴァイスは驚いた。

 

真也「少なくとも、僕がこうやって笑みを浮かべて生きてるってことで、なんとなく察しは付くかな?」

 

会ってからの語尾が延びる口調も、感情を隠すような、分からせないような笑みも、どちらも無くして彼はその底知れぬ黒い瞳で彼女を見つめた。

 

ヴァイス「……そうだな。なんとなくは察したよ」

 

真也「ふふふ。まあ、僕はこの能力を嫌いでも憎んでも、悲しんでもいないさ。僕にはそんなもの無いようなものにでも出来るから。でもねぇ、強いて言うなら、この能力は呪いじゃなくて、試練みたいなものだと思うよ」

 

無表情に浮かべた笑みは、口角のみをあげ、不完全な笑顔として彼の顔を覆う。それはまるで今の彼を体現するかのように。

 

ヴァイス「はっ。そんだけ言えるなら大丈夫だろう。それじゃあ帰してくれるか?」

 

真也「おっけー。じゃあ、達者でねー?」

 

彼の言葉を聞き、何かに大丈夫だと確信したヴァイスは帰してくれように頼む。しかし、先ほどと一転して今度は明らかに悪い笑みを浮かべている彼の様子に、何とも言えない不安と共に嫌な予感をさせる。

 

そして、それは見事に的中することになる。

彼が手を握りしめると、ヴァイスの前ではなく、足元に空間が出来た。

つまり、重力に従って物は落ちるので……

 

ヴァイス「なんで最後までこんな目に遭うんだよ!!!!!」

 

真也「ちゃんと着けるから安心してねーーー」

 

見事に穴に落ち、暗闇に消えていく。真也の発言にも出来るかぁ!と返して消えていった。

 

こいし「あれで良かったのかな?」

 

真也「たぶん大丈夫だよー。さてとー。帰ろっかー」

 

穴に落ちた残念な少女を見届けた2人は、何事もなかったかのように、その場を後にするのだった。




はいどーでしたかね。

真也「ぼけるのって楽しいねー」

こいし「胸が無いなんてイワセナイ」

大丈夫だ。ここのこいしはまな板ではない!(あるとは以下略)

真也「僕はどんなこいしでもいいけどねー」

あっ、こいしが撃沈した。

さて、こちらよりも先に禍津孤王さんの方で真也が出ているので是非とも見てね(ステマ感)

あと、活動報告にて真也のイメージを聞いてます。
コメントあるとうれしいな。

それでは次回まで

「「「ばいばーい」」」

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