幻物語   作:K66提督

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よいてーこしょ!
K66提督です。

さて、傷物語の熱血パワーで最近のペースに比べると、割りと早めな投稿に
なりました?なってます?なっててください。なってることにしましょう。(やばい、短いだけかもしれない)

前回に続き、お喋り回となってしまいましたが、

ぜひ『幻物語 拾ㇳ漆』!お楽しみください!


幻物語 拾ㇳ漆

067

 

昔の偉い人は言った。『早起きは三文の徳』。

三文とは現在の価値で言えば約90円。つまり、朝早く起きることによって、

毎朝90円分の得をすることができるというわけだ。

ここで僕は皆さんに問いたい。

 

90円、欲しいか?

 

と。

正直僕はいらない。むしろ100円払ってでも長く寝たい。

だから僕はここに宣言する。

宣戦布告する。

 

「おはよう、そしておやすみ。」

 

「さっさと起きろ!!!!」

 

『神技・八方龍殺陣』

 

「ぎゃあああああああああ!!!?熱い熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!」

 

「ちっ、前に使ったときよりも耐性がついてるのね……そのまま消えろぉ!!」

 

「ごめんなさい!!起きた!起きました!だから止めてホントに消えるぅぅぅ!!」

 

あ、やばい……目が霞んできた……

 

「お~い霊夢~、そのへんにしときなって~早くご飯にしよ~」

 

「ふぅ、それもそうね、あんたもすぐ支度して朝食済ませなさい。今日、人里行くんでしょ」

 

「アイ……」

 

ありがとう萃香……なんとか消滅せずにすんだ……

 

「なんじゃい朝っぱらからうるさいのぅ……」

 

「お兄ちゃんおはよー!!」

 

「おはようフラン、忍」

 

影から半身を出す幼女二人に朝の挨拶を捧げる。

 

「しかしこうやって見るとホントの姉妹みたいだなぁ」

 

眩しいくらいの金髪に、見た者全てを虜にする可愛らしい顔つき、そして愛くるしい幼女体型。

 

「最後のはお前様の趣味じゃろ」

 

「モノローグにリアクションをするな、あれは一応僕の心の声って設定なんだぞ」

 

知るか。儂だってその気になればこのくらい。

 

おいやめろ。僕だけの空間に入り込んでくるな。

 

「お兄ちゃんたち何の話してるの?」

 

「いや、何でもない。」

 

「それより今日人里に行くんでしょ!?早く行こうよ!」

 

「まぁ待ちたまえフラン。まずは朝ご飯を食べて」

 

「ついでに昨日の特訓の時に外した『睡鵬』をもう一回付け直さんとな。ある程度感情のコントロールが出来てきているとはいえ何かあっては遅いからの。」

 

「以外とフランのこと真面目に考えてやってくれてるんだな……お前……」

 

「んなっ!?わ、儂はただ面倒事起こされても困るだけじゃし?別に気にしてなんかないし!?」

 

ツンデレいただきましたー、ごちそうさまです。

 

「まぁ、とにかくまずは朝ご飯だ。人里についてはまた食べながら話そう。」

 

そろそろ行かないとまた霊夢に怒鳴られるしな。

 

068

 

「お、この魚美味いな、なんて魚?」

 

「さぁ?今朝珍しく紫が来て置いてったのよ。ホントあのクラスの妖怪共は皆気まぐれで面倒くさいったらありゃしない」

 

「何って、サンマだろ?これ。」

 

ちょうど今が旬の秋の魚だ。

おろし大根と醤油と合わせるともう最高。

 

「サンマ?へぇ。聞いたことないし、外の魚なのね。」

 

「いやいや聞いたことないわけないだろ。サンマだよ?サンマ。秋が旬の海の魚。」

 

「お兄ちゃん私知ってるよ!『ファ―――――wwww』ってやる人だよね!!」

 

「それは明石家。むしろ何故そっちを知っている。」

 

まだ幻想入りするような人でもないだろうに

 

「海の魚なんて言われても、幻想郷には海なんて無いし。」

 

「えっ、そうなの?」

 

そいつは不憫だな……

 

「海には美味しい食べ物がいっぱいあるのになぁ……」

 

「吸血鬼からしたら海なんぞ無い方が都合がいいわい。」

 

あれ?でも海が無いのになんで塩とかがあるんだ?

 

「私が時々外から幻想入りさせてるからですわ。」

 

「うおわぁ!?ゆ、紫さん!?」

 

「ふふ、お久しぶりですわ、暦さん。」

 

「ちょっと紫、出てくるのはいいけどテーブルの上に出てこないで。邪魔。」

 

「あら、失礼。」

 

「ところで紫さん、幻想郷に海が無いっていうのは本当なんですか?」

 

「嘘言ってどうすんのよ」

 

「ええ、本当です。」

 

「それはまたどうして?」

 

「なんとなくです。」

 

「え?」

 

「だって生態系の管理が大変でしょう?地上でさえルールを守らない野蛮な雑魚妖怪たちで溢れているというのに海なんて作ったらどうなるかわかったもんじゃありませんわ。」

 

「迷惑なヤツがいたら妖怪だろうが人間だろうが私が容赦しないけどね。」

 

「それに海を作らないことで先ほど暦さんの言ったお塩。これが独占できるでしょう?

これを市場に流す量を調整することである程度の経済管理もできますのよ。」

 

なるほど。よく考えられてるなぁ。

ちなみに心の中で思ったことなので『言った』とかの表現はちょっと。

 

「何ですって!?じゃあこの間まで塩が高かったのは……!」

 

「私があまりお塩を流さなかったからでしょうね」

 

「そんな……うちの家計が紫なんかに踊らされていたというの……?」

 

「『なんか』って……幻想郷の頂点だろ……」

 

「うふふ、また塩の値段上げてやろうかしら?」

 

それは僕たちの食事にも影響出そうなんでやめてあげてください。

 

069

 

『怪異・一反木綿』

 

「それじゃあ行ってくる」

 

「そういえば寺子屋行けば妖精騒動も収まるみたいな話になってたけどアンタ達これからどうすんのよ。異変が解決するならアンタ達をここに縛り付ける意味もなくなるわけだし」

 

霊夢スペカの件忘れてない……?

 

「とりあえずおつかいも頼まれたし今日はまだここにご厄介になろうと思ってるけど」

 

鍋食べたいし。

 

「あっそ。まぁ別にいいけどウチだっていつまでも居候を置いておくつもりもないからね、里に行くついでになんか考えときなさいよ。」

 

ふむ……それもそうだな……

 

「わかった、なんとかしてみる。」

 

「ま、アテがなければまた紅魔館じゃな。」

 

「お兄ちゃん達またお泊りするの?いいよ!」

 

「あくまで最後の手段かな。」

 

僕達もそろそろ幻想郷での住まいを構えるべきだろう。

 

「霊夢、人里って不動産とかないの?」

 

「フドウさん?……いや、そんな人はいなかったと思うけど。」

 

「お、おう……」

 

しまったそのレベルか……

 

「あ、間違っても人里で暮らそうとか言うんじゃないわよ?」

 

「え、なんで?」

 

「アンタ人里がなんで人里って呼ばれてると思ってんのよ……やめてよね、妖怪が里に入るってだけで不安がる人も少なくないんだから」

 

「え、でも慧音先生のとこには人も妖怪もいるんだろ?」

 

「それはまだ幼いっていうのもあるしなにより慧音の人徳のおかげ。他の妖怪はちゃんとバレないように人里うろついてるんだから。余計な波風立てるんじゃないわよ。」

 

「はい。」

 

「ねぇねぇお兄ちゃん!早く!早く行こ!!」

 

「待って待って、じゃあ行って来ます」

 

「はいはい、いってらっしゃい。」

 

「お前様よ、安全運転で頼むぞ。」

 

前回のが堪えたか……?

 

「ははは、魔理沙も乗ってないし大丈夫だよ」

 

よし、途中で思いっきりとばしてやろう……

 

070

 

「………………」

 

「悪かったって忍。そろそろ機嫌直せって」

 

「許さんわ!人里は怪異であることを隠さなきゃいかんとか言って儂に睡鵬を使ってまでまさかあんなつまらん事をするとはな!!絶対に許さん!!」

 

「いやー。正直睡鵬の件はすっかり忘れてたというか……」

 

阿良々木暦、睡鵬を使ったことを忘れた状態でジェットコースター並みのアクロバット飛行を遂行する事案が発生。忍ちゃん大激怒。

 

「忍姉可愛かったねぇ、『ぴゃああああああああああ!!』って!」

 

「黙れフランドール!!貴様は終始このバカにしがみついておったから安全じゃったんだろうがな!少し離れて座っておった儂は本当に死ぬ所じゃったんじゃ!!」

 

「だから機嫌直せって……なんか人通りも増えてきたし、多分そろそろ人里着くぞ?」

 

「……チッ、まぁ儂は寛大じゃから?お前様の態度次第では許してやらん事もないな?」

 

「はいはい、何すればいいんですかー?僕は忍さんの従順な下僕ですよー」

 

元は本当にそうだったから洒落にならないな

 

「そうじゃのう……よし。お前様……今日1日の間、『断る』事を禁止する!」

 

「は、ええぇえ!!?」

 

「返事は『はい』か『yes』じゃ」

 

「WRYYYYYYYY!!!!!!最っ高に『はい!』ってやつだアアアアハハハハーッ!!」

 

「黙れ。急にどうした。」

 

殴られた。真顔で

 

「いや、吸血鬼として、エンターテイナーとしてやっとかなきゃいけないかなって」

 

「今の咲夜がやってるの見たことある!!」

 

「時間止められるし、何か通じて思うことがあるのかな?」

 

「さぁの。それよりほれ、どうやら到着のようじゃぞ」

 

「おぉっ、」

 

ここまでの道もそれなりに人の通りやすいように整備されていたが、やっぱり全然違うな。

 

「明らかに『人が住んでる』って感じだな。」

 

「儂とフランドールの睡鵬が解けん程度までは吸血鬼性を弱めておけよお前様。問題を起こせば腋巫女に即退治されるぞ」

 

「弱めるって言ってもなぁ……どうやってやろう?」

 

「何か存在力を分散できる物を作るか、ここで何回か死んでおくか、じゃな。」

 

二つ目は聞かなかったことにしよう……

 

「存在を分散かぁ……なんかヴォル○モートみたいだな」

 

存在を分散……分身……『もう一人の僕!!』なんつって、

 

「あ、そうじゃん。」

 


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