幻物語   作:K66提督

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Guten Tag.
K66提督です。

某イカのゲームをプレイしていたらいつの間にかこんなに
投稿の日にちが空いてしまいました……すみません!!

それでもなんとか今回分は書き終えましたので、お楽しみください!

それでは!『幻物語 拾ㇳ伍』!
どうぞ!


幻物語 拾ㇳ伍

059

 

「あんた湖のバカ妖精じゃない。なんでうちの神社にいるのよ。」

 

「バカって言うな!アタイはそこにいる異変の犯人を退治にきたんだ!!」

 

「えっ、僕!?異変って、……あ」

 

妖精がいなくなったとかのあれかぁ……

 

「アタイの弾幕でギャフンと言わせてやる!!」

 

躊躇皆無。いきなり戦闘開始である。

 

「うお、冷たっ!?こ、氷!?」

 

「ちょうどいいからそのバカで弾幕の練習しなさいよ。どうせそんなに強くないし。」

 

ちょっ、本人の目の前でそういうことは……!?

 

「アタイは、『さいきょー』だっ!!!」

 

『氷符・アイシクルフォール』!!

 

「くそっ、逃げ道がない!?」

 

氷の弾幕に周囲を囲まれ、逃げ道を失ってしまう。

 

「ふははは!どうだ!あたいの弾幕は回避不可能なのだ!!」

 

く、このままじゃ……?

 

「……あれ?」

 

逃げ道を失い、死さえも覚悟したが、弾幕が僕に当たることはなかった。

氷の弾幕は僕の周りのみに打ち出されており、僕自身を狙っているものは一つもないのだ。

 

「どうだ!アタイの弾幕の怖さに身動き一つできないだろ!!」

 

「え、えーっと……」

 

「何ぼさっとしてんのよ。そんなのにスペカ使うまでもないでしょ。さっさとショット弾で墜しちゃいなさい」

 

「『ショット』?」

 

「はぁ……通常弾幕のことよ……もしかしてだけど撃ったことないとか……」

 

「ないです。」

 

「でしょうね……てかあんたショットもロクなスペカも無しでどうやってレミィに勝ったのよ……」

 

「んんん……と言われてもなぁ……」

 

あのときは僕の暴走で勝負そのものが曖昧になっちゃったし……

 

「ショット=通常弾幕!ようするに普段投げたら危ないものを相手が避けられないくらい大量になげればいいのよ!!」

 

危ないもの……大量にってことは具現化しやすい身近なもの……

 

「あ、」

 

なぜか、いや、必然だろう。

この時僕の脳裏には、僕が最も愛した女性の凶悪な笑顔が目に浮かんだ。

 

 

ショット・『殺意ある文具』

 

 

鉛筆、ボールペン、定規、コンパス、はさみ、ホッチキス、

万年筆、カッターナイフ、メジャー、彫刻刀、文鎮。

どれも僕がリアルに体験した危険な、マジで危険な文具たち。

それらを具現化し、弾幕にする。

 

「あー、なんかひさびさに見る光景じゃなぁ……」

 

忍さんが感慨深そうな表情を浮かべる。

そういえば忍さん、ケンカの時一度として僕の味方してくれませんでしたね……

 

「へへん!いまさら抵抗したってもう遅……ってあ、あれ?ぎゃああああああああ!?」

 

『ピチュ―――――ン。』

 

060

 

「いてててて……くっそー、ちょっとだけど油断したぁ~」

 

「あんたいい加減にそのスペカ使うのやめなさいよ、当たんないんだから。」

 

「あ、そうだ霊夢!なんでコイツ退治しないんだ!?最近になってやっと皆と遊べるようになったけどちょっと前までアタイの遊び相手が皆どっかに隠れちゃってたんだぞ!!」

 

「聞けよ。……なんで私があんたら妖精なんかの為に働かなきゃいけないのよー」

 

そういって霊夢は心底面倒くさそうな顔をして神社の中へ帰っていってしまった。

 

「待て霊夢―!!」

 

「ま、まぁまぁ、チルノ……だっけ?確かに紅魔館で暴れてたせいで妖精たちに迷惑かけちゃったのは悪かった。謝るよ。でもほら、今はこの通りおとなしいモンだからさ。許してくれないか?」

 

「む、そういえばあんた誰だ?よそ者がいきなり異変起こすなんて久しぶりだ。」

 

「僕の名前は阿良々木暦。吸血鬼のお兄さんだ。」

 

「アララ、ギコヨミ?変な名前だなー。」

 

「阿良々木、暦だ。暦でいいよ。よろしく、チルノ。」

 

いちまでも地面に寝転んでいるチルノの手をつかみ、引っ張り起こしてやる

 

「お?おぉ?……っと、サンキュー!お前思ってたより良いキューケツキだったんだな!コヨミ!」

 

なんだか『暦』の発音が違う気もするが、まぁいいだろう。

どうやら僕は無事チルノと和解できたようだ。

 

「チ、チルノちゃーん!大丈夫―!?」

 

『にっしっし』と快活に笑うチルノと固い握手を交わしていると、神社の鳥居の方から、また違う妖精ちゃんがフワフワと飛んで来た。

 

「おう、大すけ!あたいは大丈夫だ!それに喜べ大すけ!コヨミは私達の新しい遊び相手だ!」

 

「へ?」

 

え、いつ?まぁ、別に嫌じゃないんだけどさ。

 

「も、もう!チルノちゃん!その『大すけ』っていうのやめてよぉ!!」

 

「え~?でも大すけは大すけだろ~?」

 

「もぉーーー!!」

 

「えっと……?だ、だい……?」

 

「あ、ごめんなさい!私、チルノちゃんの友達で、大妖精といいます!どうぞよろしくお願いします!!」

 

「や、これはご丁寧にどうも。阿良々木暦と申します。どうぞよろしく。」

 

なるほど『大妖精』、それで『大すけ』か。

 

「なかなか良いネーミングセンスしてるじゃないか、チルノ。」

 

「ほれみろ大すけ。やっぱりアタイは天才だってさ!」

 

そこまでは言ってない。

 

「とにかく『大すけ』なんて男の子みたいな呼び方は嫌なの!暦さんもやめてくださいね!!」

 

「う、うん……えっと、じゃあなんて呼ぼうかな。」

 

「他の子達は『大ちゃん』って呼んでくれているので……」

 

「『大ちゃん』か……うん、わかった。じゃあ僕もそう呼ばせてもらうよ。」

 

「は、はい!」

 

「ん?ところで大すけ、アタイと一緒に裏山にいたのに何であっちから来たんだ?」

 

「あ、それは……」

 

『私の生徒に手を出したのは………』

 

「お?この声って……」

 

鳥居のほうから……殺気……?

 

「チ、チルノ?この殺気の主が誰か知ってるのか?」

 

とてつもなく濃い殺気、しかも恐らくこの殺気は僕に向けられている……

 

「じ、実は……チルノちゃんがピンチだと思って慧音先生を呼んできちゃったの……」

 

『貴様かぁぁぁぁぁああ!!!!』

 

頭に角を生やして怒る(比喩的表現とかでなく)女性が僕の方へ走ってく……る……!?

 

「おいおい、大すけ……死人が出るぞっ!!?」

 

えっ、僕死ぬの

 

061

 

『ズドンッ…………』

 

強く、重い拳が僕目がけて炸裂する。ガードが無かったら間違いなく顔に穴が空いていただろう

 

「ぐっ……」

 

「せ、先生!!待っ、」

 

「わかっているさ、大妖精、チルノ。怖かっただろう?

だがもう大丈夫。私が来た!!!」

 

「そ、そうじゃなくてぇぇ……」

 

「うおおお!!せんせーかっけぇ!!」

 

「もう!チルノちゃん!!!」

 

「二人とも退いていなさい。すぐに……終わらせる!!」

 

大きな煙を上げ、慧音先生が僕に急接近する

 

「っ!?やばっ……」

 

なんとか後ろに退こうとするも、石畳につまずいてバランスを崩してしまう。

 

「終わりだ!!鉄拳、制裁!!」

 

『ゴッ……』

 

『ガアアァァンン!!!』

 

大地の割れる音と衝撃が境内に響く。

 

「ちょっと!あんたら一体何やっ……て……け、慧音!?やばっ!?」

 

『ピシャッ』

 

神社のふすまが勢いよく開かれ、そして閉じられる。

おい巫女。

 

「…………?」

 

慧音先生が手応えがないのを疑問に思ったのだろうか、怪訝な表情を浮かべる。

 

「……ク、カカッ、この時を待っておったぞ。弾幕なんて周りくどいこと儂は好かんが、格闘戦なら大歓迎じゃ!!!」

 

いつの間に潜りこんだのだろうか、忍が僕の影から飛び出し、慧音先生の拳を受け止め、

お返しと言わんばかりに吸血鬼パンチを繰り出す。

 

『ドゴッ』

 

「くっ……何者だ!?」

 

「忍野忍。通りすがりの吸血鬼じゃ。覚えておけるものなら覚えておけ、半人半神獣!」

 

忍が凄惨な笑みでそう告げると、人の力を超えた者同士のぶつかり合いが始まる。

 

『ズガッ』 『ベキッ』

 

「半人……?どういう意味だ……?」

 

「『ワ―ハクタク』。慧音は半分は人間、もう半分が『白澤』っていう神獣の身体を持っているの。」

 

「霊夢。……さっきはどうしたんだ?いつもの感じなら僕ごとまとめてぶっ飛ばしててもおかしくないだろうに。」

 

「いくら巫女でも、いえ、巫女だからこそ神に近い存在である神獣を退治するなんて、恐れ多くてできないわよ……」

 

霊夢はそういうと半分諦めたようなため息を吐く。

 

「弾幕ならまだしも格闘戦じゃあねぇ……あれに手を出すのも中々覚悟がいるだろうし。」

 

視線の先には忍と互角に殴りあう慧音先生。

 

「なるほど……」

 

『ガッ』 『バチィッ』

『ドカッ』 『ゴッ…』

 

聞いているだけで痛くなってくるような音をたてて、

二人の戦いはヒートアップしてゆく……

 

「んで?あんた慧音に何したのよ。アイツがあれほど本気になるなんて滅多にないはずなんだけど?」

 

「ご、ゴメンなさい……私のせいなんです……チルノちゃんが異変の犯人……勘違いでしたけど、暦さんに一人で突っ込んでいってしまって。それでチルノちゃんが危ないって思って、戦いを止めてもらおうと呼んだんですが……」

 

「なるほど、戦いどころか息の根すら止める勢いってわけね。ったく、面倒事しか起こさないわねあんた。」

 

「痛い痛い。なんでスネ蹴ってくるんだよ。」

 

「懲罰。」

 

「解せぬ。」

 

「それよりもほら、そろそろ見どころみたいよ。」

 

「うおっしゃいけー!せんせー!!」

 

「あぁ、もうバ……チルノちゃん!」

 

「なかなかやるなっ!忍野忍よ!!」

 

「カカッ、貴様も流石はワーハクタクといったところか?」

 

「上白沢!私の名前は上白沢慧音という!!人間の里で教師をやっているものだ!

本気の私とこれほど殴り合えるヤツは久々で嬉しい限りだが、そろそろ終わらせてもらう!!」

 

『師符・体当たり教育(物理)』

 

スペルカードを宣言し、月の光のようなオーラを纏った慧音先生が今までのおよそ倍以上の速さで忍に突っ込んでいく。

 

バイノハヤサデ―‼

 

「身体強化のスペルカード!?」

 

「スペルカードはその製作者の戦い方で特性も変わってくるから格闘戦用のがあってもおかしくは無いわ。にしても慧音、あんなスペカを持ってたなんて……格闘戦で互角と認めた相手にしか使わないってことかしら……なんかむかつくわね。」

 

「なるほど、全力というわけかの?ならば……」

 

凄惨に笑う忍が懐から……スペルカードを!?

 

「こちらも本気で答えるのが筋、じゃろうな?」

 

『偽槍・スピア・ザ・グングニル・レプリカ』

 

「ふむ、ちと名前が長いかの。まぁ全盛期の儂ほどではないが。」

 

忍が宣言したのに応え、スペルカードが見覚えのある真紅の槍へと変化する。

 

「あ、あれって!?」

 

「あぁーー!!あれお姉様のーーー!!」

 

「あれ、フラン、いつの間に戻って来てたんだ?」

 

「なんか忍姉の妖気が急に膨れ上がったから急いで帰って来たの!!ねぇそれよりなんで忍姉がお姉様のグングニル使ってるの!?」

 

「ちょ、ふふ、フラン、頭揺らすのは、ああああああああ……」

 

「湖の吸血鬼の再現スペルか……いいだろう!受けて立つ!!」

 

「堕ちろ!!」

 

忍の力で射出されたグングニルが超高速で慧音先生を襲うが、少しかすめたところでぎりぎりかわす。

 

「ぐっ……」

 

「まだまだ終わりだと思うな……?」

 

『偽剣・レーヴァテイン・レプリカ』

 

「あぁぁ!!!今度は私のまでーー!!!」

 

忍がグングニルを避け、体勢を崩した慧音先生に

今度はフランの剣を持ち、襲い掛かる。

ていうかフランさすがにもう僕限界だからやめ、おrrrrrrrrrrr

 

「ぐっ……!?」

 

「ゲームセットじゃ!!」

 

『ズバンッ……!!』

 

「角がっ……!?く…………」

 

忍が慧音先生の角を断つと、慧音先生は気を失ってしまい、人間の女性の姿へと変化する。

どうやら決着がついたみたいだ。

 

062

 

「いやぁー!すまなかった!まさか既に解決済みの案件だったとは!」

 

「いや、こちらこそすみません……その……角を……」

 

「ん?あぁ、大丈夫、私の角は力を失わない限り何度でも生え変わるから、戦利品としてもらっておいてくれ。何ならそのまま売りに出してもらえば結構な値打ちになると思うぞ?」

 

し、神獣の角を売りに出すなんて恐れ多すぎてできないって……

 

「ちょっと慧音!あんたウチの神社の地面こんなバッキバキにしてどうするつもりよ!ちゃんと責任とって直しなさいよ!!」

 

「まぁ落ち着けって霊夢~、元々誰かが来るような神社ってわけでもないだろ~?」

 

怒る霊夢に萃香が火に油を、もとい酒を注ぐように茶々を入れる。

 

「…………萃香、今日の晩御飯無し。」

 

「えぇぇ!?そりゃないよ霊夢!!?」

 

「ならこれ、晩御飯までになんとかしなさい、あんたなら余裕でしょ」

 

「んえぇ~……?むぅ、わかったよ~」

 

「申し訳ない。伊吹殿。」

 

「あはは、いいよぉ別に。霊夢も言ってたけどホントに大した事じゃないから。」

 

「そうだ。それじゃあお詫びにこの前手に入った銘酒を今度お持ちするよ。」

 

「ほんとかいっ!?うへへぇ~やった。もうけもうけ~」

 

「でも萃香。どうやって直すんだ?」

 

「ん?あぁそっか。まだ暦には見せてなかったね。まぁ見てなよ。あ、これ持ってて。」

 

作業をするのに邪魔なのだろう。萃香から瓢箪を受け取っ!?

 

「お、重っ!!?なんだこの瓢箪!?」

 

「あっはっはっは!!そりゃ鬼の瓢箪なんだから鬼にしか持てない重さだよ」

 

鬼でも結構重いぞこれ……

 

「さて、じゃあ始めようかね。おーいそこの子鬼二人!そこにいると危ないぞー」

 

「誰が子鬼じゃ!!ぶっ飛ばすぞアル中!!!」

 

「ちょっと忍姉!まださっきのどうやったか聞いてないんだけど!!教えてよ!私もグングニル使いたい!!」

 

「ええいうるさい!儂は疲れとるんじゃ!」

 

取っ組み合いながらもふたりは仲良く影の中に潜っていった。

 

「なぁなぁ、大すけ、何が始まるんだ?」

 

「さ、さぁ……ていうか大すけやめて」

 

「じゃあ始めようか……」

 

ピリッ――――――――――――――――

 

「…………っ!」

 

萃香が息を一つつき、精神を集中させるとまるで周りの空気までも緊張するかのように静まりかえる。

 

『萃マレ。』

 

『ズ……ズズズズ……』

 

「すげぇ……」

 

萃香が操っているのだろうか、激しい戦闘で崩れた地面が次々と元の場所へ、あるべき姿に戻ってゆく。

 

「『密と疎を操る程度の能力』。それが伊吹殿の能力だ。あらゆる物質の密と疎、つまりは密度を操ることができる。」

 

「密度を……すごいですね。」

 

「あぁ、流石は酒呑童子様といったところだろう。」

 

「っと、ふい~。はい、おしまい。」

 

「流石だな、伊吹殿。」

 

「あー、もう、その『伊吹殿』ってのやめてやめて。むず痒くてしょうがない。萃香でいいってば」

 

「しかし……」

 

「あんたも半分は神獣なんだからドシッとかまえなって!とにかく私を呼ぶときは萃香だ。じゃないと返事してやんないからね?」

 

『ニシシ』と萃香はいたずらに笑う。こう見てるとただの幼女なんだけどなぁ……

 

「おーい暦、瓢箪返してちょ~」

 

「あ、うん。」

 

「えへぇ~お帰り私のお酒~、ヒック。」

 

これだもんなぁ……

 

「おーい!鬼ー!ここまだ直ってないぞー!!」

 

「チ、チルノちゃん!!あの人きっと偉い人だよ!?」

 

「何言ってんだ大すけ?鬼は人じゃないだろ?」

 

「そうじゃなくて……もう!」

 

「す、すまない伊、萃香さ、萃香……チルノにはあとでよーく言い聞かせておく……」

 

「いいっていいって!あのくらいのガキはあんなもんだよ!それよりあっちの緑の子の方がちょっと固すぎるぐらいさ。」

 

「それならいいのだが……」

 

「それじゃああそこも直さないとね~」

 

「あ、じゃあまた瓢箪持ってるよ」

 

「ほい、『.zip』~っと。」

 

「……は?」

 

萃香が空いた片手で土の塊を集め、元の地面に戻してしまう。

 

「ってzipファイル圧縮じゃねぇか!!さっきの大仰な能力発動の儀式的なのはなんだったんだよ!!」

 

「うーん……ノリ?」

 

ノリ……

 

「この適当さが理解できないうちは僕も鬼としてまだまだってことなのかな……」

 

「ねぇー、晩御飯できたけどー、終わったー?」

 

「あ……霊夢……」

 

「な、なによそのテンション……気持ち悪いわね……あら、ばっちり綺麗になってるじゃない。上出来上出来。」

 

「すまなかったな、霊夢。生徒の安全が脅かされていると思うとつい。もう少し場所をわきまえるべきだった。」

 

「……もういいわよ。この通り神社も元通りになったし。ほら、あんた達も上がりなさいよ。晩御飯、食べてくでしょ?」

 

「飯だーーーー!!!」

 

「もう、バカ……わ、私たちもお邪魔していいんですか……?」

 

「ここでダメって言うほど私も鬼じゃないわよ。いいから食べていきなさい。」

 

「……!ありがとうございます!!」

 

「ほら!全員土埃まみれなんだから、綺麗にしてきなさい!!女子は風呂!ごm……暦は井戸!」

 

「い、井戸!?この時間に!?死ぬって!!!ていうか今ゴミって言いかけただろ!字面が似てるからって気づかないと思うなよ!!」

 

「チッ……まぁあんたは吸血鬼で汚れしらずだから別にいいか……じゃあ食卓の準備するから手伝って頂戴。」

 

「もちろん。」

 

「んじゃあ私らは風呂だね。暦~覗くなよ~?」

 

「覗っ!?かねぇよ……驚かすなよ……」

 

それこそ慧音先生に殺されるって。

 


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