…………更新が遅れた理由? FGOやってたからですが何か?(開き直り)
しかし、スパルタクスに聖杯を捧げるか悩む…………マリーさんの耐久パネェからマリーさんをレベル100にしたいんだよなぁ。でも7個も必要らしいのが…………90でも問題無いっぽいし。
クレオパトラは流石に諦めたけど、イベントのおかげで羽根と蛇と黒脂は手に入れたから育成が幾分か楽になったし、次に戦いそうなチャールズバベッジ?さんは多分虐殺できますね!(パララケルスに苦戦しながら)
あと、塵が足りない…………小太郎くんも進化させたいのだけど、今までのシャドウサーヴァント戦全てで塵のドロップが4つしかないってどうなの? ドロップ厳しくない?
ハロウィンエリザちゃん、勇者エリちゃんが再臨楽でレベルが60で現状トップです。マリーさんが59。次点でスパルタクス・小太郎くんの50。…………マシュさん? 39ですが何か?
なお、作者はポケモンとかでは区切りがいいところまで育ててジムに挑むタイプ。ブラックホワイトでのゲーチス戦は6匹全員70は行ってた。
…………しかし、シリアスは筆が進まねぇなぁ。若干ホラーだし今回。視点主にめっちゃ悩んだよマジで。龍可かアキかジャックで。遊星は違和感があったので没。
「そうそう。初めに言っておきます」
「…………何かしら?」
「この状態の時、他人にはぶつからないでください。これは絶対です」
「…………?
今の私は物理干渉が不可能だと、貴方が言ってなかったかしら?」
「人間は別です。むしろ人間だからこそ、ですかね。
詳しくは語りませんが、魂同士ならば干渉可能なんですよ。
…………というかですね。そこまで絞ったら立つことすらできません」
「…………確かにそうね」
「その辺りはリアルソリッドヴィジョンからの…………ちょっと自分の語彙の貧困さに絶望しそうなので解説はしません。
とりあえず、『床や壁には魂がないので存在が薄弱なこちらからの干渉が不可能』ということ、『認識はできなくても人間及びモンスターはこちらに干渉できる』こと、『ぶつかった場合、双方共魂にダメージが行く』ことを覚えておいてください」
「…………モンスターも?」
「ええ。むしろモンスターははっきりとこちらを認識できますよ?
攻撃力が高いモンスターのソリッドヴィジョンに触れるだけでも危険です。徹底的に避けましょう。
シェリーさんの攻撃力は見た所600そこそこですから気をつけましょう」
「…………それを気をつけて、どうしろって言うの…………?」
「…………。
…………実はですね。僕は昔、この状態の時《コケ》に挑んで負けたことが…………。
《コマンダー》にはどうにか勝てたので、攻撃力800はあるとは思うんですけど…………」
「…………」
「結果を一言で言いますと、『すげぇ痛かった』ですね。
自称魂の専門家な僕ですらそう感じたのですから、シェリーさんはもっと痛いはず。
ぶつかった程度でもかなり痛いですし、悪いことは言いませんので気をつけましょう。
…………というかやったら僕が痛いんだから気をつけろマジで。泣くぞ?」
「…………了解したわ」
「人間相手だとそこまで痛くはないはずですが…………それでもかなりきっついので。
生身だと精霊には物理干渉できないですしね僕…………仕方ないですけど」
「…………どうして干渉する気になったのかわからないし、そもそも何故モンスターに挑むとかいう意味不明なことをしているのか理解するつもりもないけど、主張は分かったわ。
とにかく、人間には絶対に触らない。これでいいのね?」
「はい。では、改めて向かいましょう」
「ちなみに、モンスターに挑んだのは浪漫を追求するためです」
「…………くだらない理由で、逆に安心したわ」
よく通る声で、常になく微妙な声色・表情で返答する彼女に、僕は苦笑する。
…………今にして思えば、この会話がフラグだったのかもしれない。ほら、『押すなよ!絶対に押すなよ!』的な。
でも、まさかあんなことになるなんて、誰が思い浮かぶと言うのだ。
どんな運命を引き寄せたのか、抗い尽くしたその結果。不正で歪まされた因果の果てに、彼女と肩を並べることになるなんて…………。
☆☆☆
「ハァッ、ハァ、ハッ…………」
走る。走る。走る。
既に絶え絶えな息遣いを気にもせず、とにかく走る。走り続ける。まるで、何かに突き動かされているように。
…………いや、実際、私は何かに突き動かされているのだろう。
それが何なのか、今の私には整理することもできない。欠けた酸素も、起き抜けの思考も、惜しんだ栄養も、思考を混濁させるには充分すぎた。
違和感は、確かにあった。
私の両親が、妙に嬉しそうに朝食を食べている姿。いや、その光景自体は最近では珍しくなかったが、昨日のことを加味すると不自然とはいえないまでも、奇妙な光景ではあったのだ。
決定的だったのは、食事中。何気ない、本当に何気なく言われたであろう一言。
仲違いしていた頃には想像もできなかった、暖かい激励の言葉。それが、徹底的なまでに異様な一言だったのだから。
『…………アキ。昨日も言ったとは思うが、決勝トーナメントでは更に手強いデュエリストが出場するはずだ。気を引き締めて行け』
『…………え?』
走る。走る。走る。
全力で走り続けた代償か、足取りがこの上なく重い。体力に優れたデュエリストといえども、限界がないわけではないのだ。運動をすれば乳酸は溜まるし、疲労だって残る。私自身は詳しくないが、寝起きの急な運動もなるべく控えた方がよかったはず。
寝起き頭で、碌に身嗜みを整えることすらせずに早朝の街を走る女。奇異の眼で見られればいい方で、怪しんで通報されたりはしないだろうか。そんな良識すら、今の私を止めるには至らない。
齟齬が氾濫した『現実』は、それほどまでにこの私を追い詰めていた。
…………でも、当たり前だ。こんなの、どう考えてもおかしい。
「どうして私達が、決勝トーナメントに…………!?」
疲労により掠れた声で、誰に聞かせるまでもなく絶叫する。
そう、それこそが違和感。夢のような、夢であって欲しい、異常事態。
私達チーム5D'sは、昨日の試合で予選敗退が決まったはずだ。勿論悔しかったし、まさかと疑うくらいには現実を呪ったが、それでもなんとかこの事実を乗り越えたはずだ。
それなのに、両親は私がおかしくなったのかと思うほど真剣に私達の決勝トーナメント進出を喜んでいた。昨日などと言われても、何のことなのかすら理解できないのに。
…………私が、おかしくなったのだろうか。
あの苦渋も、辛酸も、悔いも、絶望も、全てが私の夢だったとでも言うのか。馬鹿な。そんなはずは…………。
ようやく辿り着いたポッポタイムの地下室の扉を勢いよく開け放ち、中にいるだろう遊星達の元へと声を掛ける。
「遊星!」
「…………アキもか。どうやら、これは俺の記憶違いではないようだな」
問い詰めるかの如き口調になってしまったが、中にいた遊星はそれを気にした様子もなく、珍しく機械弄りをしていない状態で私以上に深妙な顔で答える。
よくよく内部を確認してみれば、私以外のチーム5D’sの全員が、顔を突き合わせて何かを話し合っていたところのようだ。
「アキ姉ちゃんも、ってことは、やっぱ俺達がおかしくなったわけじゃないってことだよね…………!」
「ええ…………どういうことなのかはわからないけど…………」
遊星の言葉に続けたのは、いつものムードメーカーっぷりを潜めた龍亜と、それに相槌を打つ龍可。
「貴方達もなのね。いや…………みんなが、なのかしら」
「…………ふん。気に食わんが、どうやらそのようだな。
全く、どこの誰がこんなことを仕出かしたのかは知らんが、巫山戯たことをしてくれる」
納得したような私の呟きに答えたのは、意外にもジャック。
遊星に負けてキングの座を明け渡すこととなった彼には、定まった結果を歪ませることに苛立ちを覚えたのだろうか。
「…………お前が来るまでに、ある程度現状を調べてたんだ。
どうしてこんなことになったのかは知んねぇが、どうやら俺達は、何故だか予選Aブロック2位通過ということになってる」
「更に言うなら、本来一位通過だったはずのチーム・ARCーVが決勝トーナメントに存在していない。
最初はもしかしたら彼等がいつの間にか元の世界に帰還し、その影響でこの世界での痕跡が消えたのでは、などという突飛な発想も浮かんだんだが、そうでもないらしい」
「…………どういうこと?」
「───そこからは、私が説明する」
「っ!?」
ひたすらに無感情で、冷静で、冷酷とも言える冷たい声。
私の背後、開け放ったままの扉の向こうから突如として聞こえた聞き覚えのある声に、反射的にその場から飛び退く。
その後、アルカディアムーブメントにいた頃の体験を活かして身体を身構え、遊星達を背後に従えるよう私は『彼女』に向き直った。
「貴女は…………どうしてここに」
「────ユーリがやらかしたらしいので、弁明と謝罪に参った。
どちらにしろこちらに問いただされることは目に見えていたので、先手を打っただけ。
でも────少しだけ、遅かった、かな」
かつての威圧こそ感じないが、それでもなお恐怖を彷彿とする冷酷な声色で、彼女…………ユリと名乗った少女が言葉を紡ぐ。
しかも、彼女がこの場にいることもそうだが、その内容も聞き捨てならないものだ。
思わず、その他の疑問を投げ出して彼女へと問いただす。
「貴女…………まさか、原因を理解しているの?」
「────肯定する。
しかし、私も正確に把握しているわけではないため、一部は推測となる。
それでも良いならば、解説する」
「…………色々言いたいことはあるが、今は情報が欲しい。頼む」
「────了解した。
では、まずは自己紹介から。私はユリ。シンクロ次元出身のデュエリスト。
この世界には、ユーリの出身世界である融合次元へ旅行した帰りに事故で漂流した」
「…………」
…………なんかいきなり理解不能な単語が出てきたが、突っついたら地雷しか出ない気がするために聞き流す。
次元? 出身世界って何? 貴女の世界ではそんな簡単に別の世界に行き来できるのかしら?
そんな疑問が当然のように頭によぎったが、その疑問は、続く彼女の発言によって完全に流されてしまった。
「────現在、この次元は大規模な歴史改竄が行われている、らしい。
過去介入による改変ではなく、事実確変による改竄、とかユーリは言っていたけど、正直理解が及ばなかった」
「歴史、改竄だと…………!?」
「そう。
そして、貴方達のチームがその誹りを受けた。決勝トーナメント進出は、その影響。
────どうやら、貴方達シグナーと言う存在は、相当に数奇な運命を背負っているらしい」
「馬鹿な…………そんなこと、どうやって…………」
「────どうやって、は考慮する必要がない。
それを考えるべくは、それに対抗できる変人だけで構わないのだから」
歴史改竄…………?
彼女の発言に、疑問よりも困惑に近い感情が溢れる。
もちろん、どうやったらそんなことができるのかという疑問はあるが、私の場合はそれよりも「何故」という感情の方が強い。
…………そうだ。誰が、何のために歴史改竄なんかを…………。
「ユリちゃん。それをやったのは一体、誰? ユーリさん?」
私の内心を詠んだようなタイミングで発言するのは、おそらくこの中で彼女と一番関わりのある龍可。
基本控えめである彼女が積極的に会話に参加するのは嬉しいが、内容はこれ以上ないほどに詰問染みている。
「────違う。イリアステルという組織が…………イリアステルについての説明は必要?」
「…………イリアステル? どこかで聞いたような…………」
「何なら、悪の秘密結社と考えて相違ない。とにかく、違うらしい。弁明というのはこれ。実行犯は別にいる」
…………イリアステル。確かに、どこかで聞いた覚えが…………ああ、遊星が拐われた時にシェリーがその名前を出していたかしら。
それに、遊星達が彼女に唆されて治安維持局の本部まで潜入したのもその組織が原因だったかしらね…………正直、眉唾だったのだけど、本当に存在してたのね。イリアステルとやらは。
「…………なるほどね。とりあえず、今の状況の実行犯が存在して、それが君たちではないというのは理解したよ。
その上で聞きたいんだけど、君はそのイリアステルがどうしてこんなことをしたのかわかるかい?」
「────知らない、と言いたいけど、実は知っている。
しかし、知っていたのはユーリなので、又聞きの発言となる。それでいいなら…………」
「それでもいい。頼むよ」
「────未来を改変する。彼等の目的は、それに収束する。
イリアステルとは未来を変えるために過去にやってきた科学者達の総称であり、より良い未来を目指して歴史改竄を行なっているらしい。
それで、本来この世界の人間ではないユーリの影響が看過できないレベルのイレギュラーになったため排除しにかかった、とのこと。
────“私が言わずとも、貴方なら知ってるのでは”?」
「な…………?」
…………え?
彼女の冷たい口調で紡がれたとんでもない説明と、それに続けてとてつもない威圧感と共に呟かれた言葉に『呆然とした』ブルーノを見て、私の思考が完全に停止する。
それまでの冷静な雰囲気自体は変わっていないが、その冷然とした圧力は、まるで獲物を吟味する肉食獣のようなものに変化していた。
「ブルーノ…………?」
そういえば、彼の名前を呼び掛けたのは初めてかもしれない。
そんな思考が頭に過るほど、驚愕によって真っ白に染まった頭が、私の口を勝手に開いて疑惑の声を上げる。
しかし、ブルーノはそれに反応することはなく、おそらくは私以上に驚愕の表情を浮かべて固まっていた。
「“ユーリは許しても、『私』は過去を否定させない”。
“歴史改竄。歴史介入。時間跳躍大いに結構。破滅の未来を防ぐ。素晴らしい。立派な考え”。
────“だけど、絶対に赦さない”」
「な、何を…………」
「ユリちゃん…………?」
冷然とした立ち振る舞いに不釣り合いな、凄まじいまでの静かな威圧と、それに伴う半端でない気迫にこの場の全員が飲まれる中、彼女は一切動じずにデュエルディスクを展開する。
「────“イリアステル滅四星、戦律のアンチノミー。貴方はここで、私が潰す”。
“そして謝罪させてもらう────貴方には、未来は救えない”」
「な、なにを言ってるのかな? 僕は…………」
「────“貴方達は、身勝手に過去を軽視し、その存在を軽んじた”。
────“貴方達は、身勝手に現実を否定し、この現状を歪ませた”。
────“貴方達は、身勝手に未来を見限り、この世界を玩具にした”。
“ならばこそ、身勝手に潰される理由になる。…………何より、気に入らない”」
「…………」
「────“ねぇ、楽しかった? この世界で遊ぶのは”。
“神様になったつもり? たかが私達如きで揺らぐ計画しか立てられない癖に”。
────“ああ、貴方は記憶喪失だったかしら。…………嘘つき”」
「……………………」
「ブ、ブルーノ…………?」
「な、何を言ってるんだよ…………ブルーノがそんな変な名前の組織の奴なわけ…………」
…………。
ブルーノには、『過去』のデータが存在しない。
彼の人柄はともかくとして、彼自身の客観的な情報は『一年前にジャックのDホイールを弄っていたところをたまたまその場にいたセキュリティに通報?された記憶喪失の不審者』でしかないのだ。
勿論、私とて彼の性格や人格を把握している以上、そんなわけはないとは思うのだが…………確かに、否定をすることもできない。
何故ならば、彼が一体何者なのか、この場で知り得る者は眼前の彼女しかいないのだから。
「────“貴方は、何も知らないのかもしれない。…………それでも、構わない”。
“しかし、過去を改変するために来たのに、過去との乖離(私達)を拒む身勝手…………断じて認めない”」
「…………それでも、僕は…………僕達は…………」
力無く、掠れた声でブルーノが呟く。
それも、その内容は消極的ではあるが明らかな『肯定』であり、彼女の発言を裏付けるものだった。
ブルーノ。貴方は…………。
「────“教えてあげる。運命は、条件次第で簡単に歪むものなのだと”」
「…………僕は、未来を…………いや、『彼』を、救いたかったんだ…………ただ、そのために…………」
「────“そのために、過去を犠牲にした”。
“なら、過去の存在である私が、抵抗してもいいでしょう? 未来人”」
「…………その、通りだ。
ごめん、遊星…………僕は、ここで終わるわけにはいかないんだ」
常に無いほど苦しそうな口調で、遊星への謝罪を告げてどこからかデュエルディスクを展開するブルーノ。
既に彼も決意を固めたのか、その表情はこれまでのどの表情よりも強く険しい。
そんな彼に対する彼女は、どこまでも無表情で、静かな冷たい眼差しで冷然と佇んだままだ。
…………正直、どうしてこうなったのかわからないけど…………。
要するに、今の状況を生んだ原因はブルーノとその仲間で、彼女はそれを弾糾しにやって来たということなのだろう。
信じられないことばかりだが、彼の反応からして真実なのだと認めざるを得ない。
そして、そうだとするなら彼女の主張も否定はできない。彼女自身は私達が誹りを受けたと発言していたが、実際に被害を受けたのは彼女達チーム・ARCーVの方だ。その怒りも、本来なら予選敗退する定めだった私には理解できる。
だけど、感情は別だ。私は、彼が歴史改変を目論んでいただなんて認めたくはない。
でも、彼は、確かに…………。
『それから…………えっと、大好きブルーノちゃんのDかな!』
『ほらいい子でちゅね〜、綺麗にしてあげまちゅからね〜』
『ちょ、待ってよ遊星! そこを弄ったりなんかしたら…………!』
『今日から俺たちは、チーム・5D’sだ!』
────思考が、まるで纏まらない。なんだかんだで、先ほどの疲れが残っているのだろうか。
付き合い自体は短いはずなのに、昔馴染みであるかのように奔流する彼との思い出に頭痛を覚える。
彼のことを疑いたくなくて、でも彼は元凶の一人で、私達の仲間で…………。
「信じてもらえないかもしれないけど、僕は多分、一番肝心な記憶を失っている。だから、未来がどうかなんてわからない。
でも、彼女の言葉が真実なのはわかる。理屈じゃなく、僕の心が認めている。
それに、朧気でも、僕が『誰か』のために何かをしようとしていたことも理解している。…………いや、実は、全てを知りながらも目を逸らしているだけなのかもしれない」
「────“その割には、訳知り顔だったけど?”」
「…………そうだったっけ?
ははは…………そんなことすらわかってなかっただなんて、いよいよ持って重症だね」
乾いた笑いを貼り付けて、何時もとはまるで違う真剣な口調で語る彼の姿に頭痛が増す。
何時も朗らかな彼が、これほど疲れた顔をするなんて、今まで想像もしていなかった。
…………頭が、重い。視界が、暗くなっていく。
どうして、こうなったのか。
何もかもを知らない私は、現実の重みに耐えられなくて、徐々に意識を手放すのだった。
☆☆☆
「────“私のターン、ドロー”」
…………どうして、こうなったのだろうか。
対面する少女から放たれる冷たい威圧に押されながらも、僕は内心で独り言ちる。
いや、納得はしている。僕のせいで、彼女が被害を被ったことも。理解はできなくても、それが正しいことであるということもわかる。
記憶喪失を理由に、全てを誤魔化しているのは僕だ。知らないからと言って、罪が消えたりなんかしない。
しかも、僕は『遊星を助ける』という『誰か』から告げられた使命は覚えている。つまり、完全な記憶喪失ではない以上、自身が善だとは口が裂けても言えない。
…………でも、記憶喪失であることは事実。未来なんて、僕は知り得ないのだから。
「────“自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札のこのカードはリリース無しで召喚できる”。
────“さあ、出でよ。時空を超えし神、《時戒神メタイオン》”」
《時戒神メタイオン》
効果モンスター
星10/炎属性/天使族/攻 0/守 0
このカードはデッキから特殊召喚する事はできない。
①:自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、
このカードはリリースなしで召喚する事ができる。
②:このカードは戦闘及びカードの効果では破壊されず、このカードの戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
③:このカードが戦闘を行った場合のバトルフェイズ終了時に発動する。
このカード以外のフィールド上に存在するモンスターを全て持ち主の手札に戻し、
戻した数×300ポイントダメージを相手ライフに与える。
④:自分ターンのスタンバイフェイズに発動する。
フィールドのこのカードをデッキに戻す。
「《時戒神メタイオン》…………?」
彼女が召喚したのは、攻撃力0の、胸元に顔がついた不気味な機械天使。
あんなモンスターは見たことも、聞いたこともない。そんな、全く知らないカードのはずなのに、どうしてこんなにも心が痛いのだろうか。
何もかもを忘却した僕が訴えるほど、アレは特別なものなのだろうか。
わからない。…………僕は、何も、知らない。彼女の主張も、僕の意思も。
「────“私はこれで、ターンエンド”」
「…………僕の、ターン、ドロー…………!」
────僕は一体、何者なのだろうか。
そんな愚かしい疑問が脳裏によぎったが、それに答えてくれそうな存在は、皮肉にも眼前の彼女以外にはいないのだった。
ユリ「さぁ、お前の罪を数えろ」
ユリちゃん激おこ。個人的恨みでブルーノに襲いかかるの巻。
事情にある程度詳しくて、更には5D'sのことを『友人(龍可)が所属している強いチーム』程度にしか思ってないならこう動いてもおかしくないと思うんだ。ブルーノってまんまスパイだしね。
ちなみに、ユーリくんは歴史改竄に抵抗して力を使い果たしたのでしばらくは退場しています。つまりはストッパーがいません(白目)。
なお、どうしてこんなに怒っているのかは完結するまでわからないかもしれませんが、『過去の否定』は単純に裏人格ユリちゃんの逆鱗なんだとでも思ってください。
…………筆が進まなくて、それでも書いたら何故かこんな展開に…………解せぬ。
融合ちゃん劇場。
融合「私は、ユーリ様の生命維持をやってるわ…………」
スターヴ「どうやって…………?」