IF~転生先で、私は鬼子を拾いました。   作:ゆう☆彡

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「…………寒っ。」

 

着込んできたけど、やっぱり寒いものは寒い。もう10月だし…、風が冷たいよ……。

 

「きゃーー!!」

「あっ、待ってー!」

 

わぁ、若いってすごいなぁ。あの2人、私より薄着のはずなんだけどな…。――うん、歳には勝てないんだ!

 

 

あれ?ってか、今月って10月……?10月って…、

 

 

銀さんの誕生日!?

やばい、すっかり忘れてた……、……ん?

銀さんって誕生日わかってるのかな?……原作ってどうだっけ??

 

今日は10月17日……銀さんがうちに来たのは、1週間前……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああぁぁぁぁぁぁ!?!?!?

 

 

 

えっ!?銀さん拾った日、ちゃんと銀さんの誕生日じゃん!って、気づけよっ私!!

あー、もう!それ知ってたら、外出なかったのに…。

 

「はぁ……。」

「葵姉ちゃん…?」

 

……ありゃ。

 

「どうしたの?嫌なことあったの?」

 

ありゃりゃ……、5歳児に気を遣わせてしまいました…。

蒼汰は……、滑り台でキャーキャー言ってます。……純粋だなぁ、、、。

 

「ごめんね、銀時。なんでもないよ。

 

 

銀時はどうしたの?辛くなってきちゃった??」

「ううん……、」

 

 

 

……ん??首は横に振ってるし、裾もつかんでないし…、意思表示はしてるけど…。

 

「…言ってごらん、銀時。ちゃんと聞いてあげるから。なんも、気にしなくていいんだよ?」

 

そう言って頭をなでてあげると、安心したのか銀時が口を開いた。

 

「うん……、あのね、、、。」

―――あれ、、、と言って銀時が指さしたのは、先ほどまで銀時も遊んでいた公園。今はちょうど時間帯的に、近所の子どもとかもいて、公園は少し賑わっている。

 

何か変わったところなんてあるかなぁ…??

 

「あの奥……、木の奥…………、、、。」

 

 

 

それは、『戦場』という異質な環境で過ごしたせいで身についた感覚。――“気配”を感じ取る力

 

銀さんは確か、原作でも悪いやつの感覚には敏感だったっけ??

 

そんなふうにのんきに考えてる場合じゃなかった。

 

 

「あっ……、、いやっだ……、、、あぁぁ、ぁ、ぁ、……

 

 

 

うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「銀さん!?」

 

わき目も振らず、蒼汰のもとへ走る銀さん。

さっきの銀さんの言葉が本当なら、蒼汰のいる方は“気配を感じた木”の方だった。

 

「あっ……、蒼汰ぁ!逃げろぉぉ!!」

 

 

必死の銀さんの叫びも、幼い蒼汰には理解出来ない、……ただ、何か“怖いこと”が近づいてることだけはわかったみたいだった。

……かと言って逃げれるわけでもない。

 

ただ、そこで大泣きする蒼汰。

それに驚いて、蒼汰に近づいていく周りの子どもたち。

 

―――まずい。

素直にそう思う。だって、蒼汰のいる方……銀さんの向かう方は……

 

 

――――ザッ!!!

 

「「「きゃーーー!?!?」」」

「「「いやだぁーー!!」」」

「母さまーー!!!」

 

 

木の奥から出てきたのは、紛れもなく天人。それも、1人や2人じゃない。

 

葵「一体何人いるの……!?」

 

見えるだけで10人以上確認できる、、、……木の影にももっといるって考えたら…、、、かなりやばい。

 

天人はあっという間に子どもたちを捕まえてしまった。

それを見て怯える親たち……から出てきた言葉は、、、

 

「やめてっ!子どもには何もしないでっ!」

「お願いしますっ!代わりに私が何でもしますからっ!!」

 

 

 

 

 

 

―――ズキッ

 

うわぁ……久しぶりに聞くと辛いなぁ。……こんな悲痛な言葉に慣れてた生前の私も、どうかしてると思うけど。

 

 

 

世でいう“汚い金持ち”。そんな生前のうちの両親は、人の弱みにつけこんで人を追い詰めていった……そのうちの1つの方法として使われたのが『子ども』。

 

自分の子が連れ去られた親は、本当に何でもした、……そのせいで亡くなる人を何人も見た。

危険な裏の仕事をした親をの子どもは……どうなったかなんて知りたくもない。

 

 

 

 

 

「何でもするか……、では我らについて来い。」

「それで、息子を離して頂けますか?」

―ダメだ

 

「お願いしますっ、私なんかでいいなら、娘を離してくださいっ!!」

――騙されちゃ…

 

「命でも何でも……あげますから!!」

―――だめっっ!!

 

「離せぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

「「「「「「「!?!?」」」」」」」

「銀…さん……??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

顔をあげた私の目に飛び込んできた光景は、

 

天人を赤い目で見据えて走るの銀色。

 

その目は、真っ直ぐで…

でも辛そうで、苦しそうだった。

 

 

 

あぁ、そうだよね。

 

彼は……銀時は…………

 

 

目の前のこの人は、銀魂の主人公、【坂田銀時】なんだ。

 

 

 

自分が死ぬとか、そういうことは関係ない。

大事な仲間なら、守りに行く。

 

私はそんなあなたがいるこの世界に、憧れたんだ。

あなたなら守ってくれるんじゃないか、って…。

 

 

 

 

 

 

「なんだこのクソガキ!!」

「離せっ!!お前らなんか消えろぉぉ!!」

 

 

必死に蒼汰ら子ども助けようとする銀さん。でも、そこはやっぱりまだ子ども。力にも限界があった。

 

 

「こいつ……『屍を喰らう鬼』か??」

「っっ!?」

「ちょうどいい、お前は使えそうだ。一緒に連れてってやる。」

「やだっ……やめろっ!!離せっっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――カチャ

 

 

 

 

銀さん、私は既にあなたに守られてた。

生前、逃げたくなった時、

漫画が…銀さんだけが、私の支えだった。

 

だから今、その代金を払います。

万年金欠の銀さんには必要だよね。

 

 

 

「葵……姉…ちゃん……??」

「大丈夫。銀時も蒼汰も、みんな助けるから。」

「うわぁぁぁぁーー、ねーねー!ねーねーー!!」

 

 

「すいません、みなさん下がっていてください。」

「「「「「「「!?」」」」」」」

「それから……、簡単に自分の命を差し上げないでください。例え今、娘さんや息子さんが助かっても、彼らはこの先1人です。

 

子どもにとって、両親がいないのは死ぬよりも辛いことですから。」

 

呆気に取られる大人たち。

 

そりゃあそーだ。自分が今話されてるのは、まだ幼い子どもなんだから。

 

「あの……あなたは……、、、。」

「私は……ただの弟好きの姉です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

使おう。

 

初めて鞘から抜くのが今であることが、正しいと信じて。

 

 

使おう。

 

願うのが今であることが、正しいと信じて。

 

 

大好きな弟たちのために。

 

あなたを守るために。

 

 

 

「久しぶり……、2年半越しにやっと使うよ。

 

最後の特典を…叶えて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……神様。」


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