IF~転生先で、私は鬼子を拾いました。   作:ゆう☆彡

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銀さん、登場ですっ!


私が拾ったのは可愛い天使でした。

 

「蒼汰ー?どこ行ったのー?」

 

うー、早く帰りたい。

 

私は……っていうか、誰でもそうだと思うけど、戦地が嫌い。戦うこととか、根本的に向いてないと思う。蒼汰が攫われたら?それは、その時になってみないとわからない。

 

そんな私に、ここはただの地獄。今は、ただの地獄の時間。

 

早急に蒼汰を見つけて、帰りたかった。

 

「銀さんもきっと、こういう所に一人でいたんだろうな…。」

 

 

それが合図だったのか……。

決定的に時が動き出した瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「きゃあ!わぁー!」

「蒼汰!?」

 

遠くから聞こえた蒼汰の声。……でも、なんか楽しそうな声なんですけど!?なんで……?

とにかく、蒼汰の声がした方へ走った。

 

 

 

?「うー、あー。うーーっ。」

「きゃあ!!」

 

相変わらず楽しそうな声。一体何がそんなに楽しいのか…。

 

そう思って駆けつけたら……、

 

 

 

 

 

 

 

 

見つけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

蒼汰に首をつかまれている、小さな男の子がそこにいた。

 

明らかに迷惑そうなその目は、赤くて。

蒼汰が気に入ったのか、ずっと触っている髪は銀色で。

服も血まみれ、差してる刀も血まみれ。

 

「へぇ、本当にいるんだ。実際も可愛いんだね。」

 

ずっと探していた、この物語の主人公。

 

……って、蒼汰。そんなに髪引っ張らないであげなよ…。

小さな男の子、俗に言う坂田銀時は、嫌がりつつも無理やり引き剥がそうとはしなかった。小さい頃から、優しいんだな…。

 

「蒼汰、お兄ちゃん困ってるから、こっちおいで。」

「ねーね、僕まだ遊ぶー。」

 

うん、遊んでると思ってんの蒼汰だけだから。

銀さん、すっごく困ってるから!

 

「後でいっぱい遊べるから、こっち戻っておいで。」

 

蒼汰はふくれっ面になりながらも、戻って来た。

蒼汰が離れた途端……銀さん、刀を抜いちゃいました。

って!まじかよっ!!それは、やばいな…。

 

 

「落ち着いて。私はあなたのこと傷つけに来たわけじゃないから。」

 

原作の松陽先生は、何も話さない銀さんに、自分の刀を投げてついて来ると信じて去るんだっけ……?

 

とりあえず、私には刀がないので出来ないことが判明。

それに、私にはついてこさせるような、素晴らしい言葉はかけてあげれません。

 

「一緒に来ない?」

 

私は私のやり方で。私がもし、銀さんのような状況に置かれたら、して欲しいことをしてみる。

 

「来れば、あなたに刀を向ける人はいなくなる。あなたが刀を振るう必要もなくなる。」

「…………。」

 

ゆっくり、ゆっくり……。一歩ずつ近づく。

 

松陽先生……いや、父上。娘が若干、言葉を借りるのことをお許しください。

 

「殺すために刀を振るうのではなくて、大事なものを守るために刀を振るうといいよ。あなたなら、きっとそれが出来る。」

 

だって、原作で出来てたし!嘘は言ってないよね!?

 

「守る……?」

 

喋った!!声、可愛い!!

 

「そう。一緒に来れば、それを教えてくれる人がいる。あなたがそんな悲しまなくていいよう、周りにいてくれる人がいる。もうあなたは一人じゃなくなる。」

 

うーん、松陽先生は本当に凄いんだな。言葉だけで、銀さんを拾ってきちゃったわけでしょ?私には真似できませんね。

という訳で、

 

―――ギューーーっっ

 

「!?!?」

 

抱きしめてみました。

明らかに固くなる、銀さんの身体。

 

こうなったら、姉キャラ全開でいきますかっ!!

 

「私もあなたを守ってあげるから、あなたを一人にしないから。だから……一緒に帰ろう?」

 

そう言って、銀さんの頭をなでました。あー、モフモフで気持ちいい…。

 

「守ってくれる?」

「うん。」

「一緒にいる?」

「ずーっとだよ。」

 

頭をなでられているのが、よほど気持ちいいのか、それとも私という人物に安心してくれたのか、

 

―――ギューーーっっ!!!

 

「!?」

 

銀さんも抱きついてきてくれました。あー感動!!

 

「ボクも!!」

 

そう言って、蒼汰も抱きついてきました。私の下に、可愛い天使が二人も!すっごい守りたくなる…。

 

 

頭を撫でていると、急に銀さんが動かなくなって……、

 

「……大丈夫!?」

「Zzz……Zzz……、、、」

 

……寝てました。

 

「よし、蒼汰!帰ろっか。」

「うー、まだ遊ぶー。」

 

……そんな眠そうな顔で言われてもね…。

ってか蒼汰。お姉ちゃんは早くここから逃げたいです。

 

「お家返ったら、遊んであげるから……ね!」

「うん……、ねーね、抱っこ。」

「アハハ、帰ろっか。」

 

蒼汰を抱っこして……、瞬殺で寝ました。どこに遊ぶ元気が残っていたんだ?

 

 

…私、蒼汰のこと抱っこして、更に銀さんのことおぶっていくの!?……出来るのか??

そんな銀さんは、未だに私に寄りかかったまんまで…その寝顔は起こすのは酷だと思った。

 

「やっぱり、神経使うよね…。」

 

見たところ、銀さんには目立った傷もなく、ついていた血は他人のものだということがわかった。

そんなになるまで、刀を振るい続けた。その緊張から解放されたのだから、疲れてるのは当たり前。

 

「よしっ、頑張るか。」

 

蒼汰を抱っこしたまま、銀さんを背中に乗せる……、ん?

 

銀さん、軽っ!?えっ!?ほんとに乗ってるよね!?

 

……ってぐらい軽くて、簡単に運べちゃいました。

 

 

 

「さてと……、父上にはなんて説明しましょうかね。」

 

そんなことを考えながら帰る。一千段以上の階段を上りましたよ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この出会いが吉と出るか凶と出るのか。

 

果たしてこの世界に、どんな影響を与えるのか。


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