たくさんの閲覧・お気に入り登録、ありがとうございます。
アニメ派の方でお待ちされていた方、申し訳ありません!お待たせいたしました!!
今回は《~side》が多いですね……。
最後に関しては、ほぼ会話だし!サブタイトルふざけてるし!!ほんとすいません。
これからもなるべく早い投稿を心かげます。
「……………………、、、よしっ。」
「何もよし、じゃありませんよ、葵。」
「あらら……ただ今帰りました、父上。」
なるべく誰にもバレずに着替えたかったんですけど……やはり、父上の目は欺けず、、、すぐにバレました。
「お帰りなさ……っ!?葵!どうしたんですか!?その傷はっ!」
そう、絶対に聞かれる。
私は全身血だらけ。そして、かなり大きめの傷を負っているのですからね。
既に小さな傷に見えてるでしょうけど。
「いえ、そこで村の方と天人に会いましてですね、庇いながら戦っていたらちょっと殺られてしまいました。」
本当のことを言うわけにはいかない。
まぁ、これもあながち嘘ではない。毎日、やっている事ですから。
「すぐに手当しますよ。」
「いえいえ!自分で出来ますよ!大丈夫です。」
「だめです。」
「……はい。」
まさか私が、笑顔の威圧を受ける日が来るとは思いませんでした。
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「よし……いいですよ。」
「ありがとうございます。」
さすが先生、ということでしょうか。父上の手当はとても優しく、上手でした。
「あまり無理してはいけませんよ。」
「はーい、気をつけます。」
「ふふっ、よろしい。」
なぜかすぐに塞がっていた傷は、既に小さいものとなっていた。
私の持つ原作知識では足りないけど、なんとなく理由はついていました。
―――大体こういうのは、
それもそれでどうなのでしょうか……。まっ、いいですよね。いつかわかるでしょう。
けっして甘く見ていた訳では無いのです。
父上が、松陽先生が、
……虚が気づかないはずないと、
気づけない私がただ浅はかだっただけなのです。
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《松陽side》
『そこで村の方と天人に会いましてですね、庇いながら戦っていたらちょっと殺られてしまいました。』
葵のその言葉を聞いた瞬間、私の中にいる本能の部分が叫んだような気がしました。
―それは嘘だ、と。
まるで現実を見ろ、と言わんばかりの叫びでした。
葵の傷は、手当をしている時にはっきりと確信に変わりました。
――これは天人たちがもつ刀ではない、と。
では何なのか。
「奈落……ですね。」
刀というよりは杖のような形の武器。
刀で殺られたのであれば、もう少し鋭利な傷跡になるでしょうし、ただの天人があの杖を持ったとしても、殺傷能力が使用者の力によって変動するあの武器で、葵がここまでの傷を負うとは考えにくいことでした。
「気づかなかったのですがねぇ……。」
常に意識は外に注意を向けてるつもりだったのですが、先に葵が出会ってしまいました。
偶然でしょうか……それとも確信があって……?
そしてそれよりも気になること、それは葵が出会ってしまった敵の実力。
葵は私の血を濃く受け継いでいるのか、松下村塾でも戦闘能力というものが高い部類に入りました。それは蒼汰や銀時たちを含めても一番になれる程に。
その葵と互角、いえ、あんなにも
一体誰でしょうか。残念ながら、選択肢が多すぎて検討もつきません。……が、わかっていることが一つ。
“政府が、奈落が、本格的に私を探している”
それ自体はずっと覚悟していたので、構わないのですが、子どもたちに危害が及ぶのは見過ごせませんね。
そして
……そろそろ別れの覚悟をしなければならないようですね。
私を恨んでくれて構わない。
君たちが苦しまなければ。
君たちが幸せならば。
私は喜んで犠牲になりたいと思いますよ。
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《蒼汰side》
「だぁ!!っくそ!」
「葵ぃ!もう一回だ!!」
「……まだやるの??ちょっと休憩しない?」
「「しないっ!!」」
元気だなぁ、銀兄も晋助も。
……葵姉ちゃん、二人の体力は底なしだから頑張って。
「参るぞ、蒼汰。」
「いいよ、小太郎。」
―ガンっ
――ダンっ
―――ザァっっっ!!
「一本!」
「「「「「おおぉぉぉおお!!」」」」」
「さすがだな、蒼汰。」
「ありがとうっ。まぁ、まだまだだけどね。」
「確に。俺が言えたことではないが、松陽先生や葵殿には届かないな。」
僕の、いや、
で、最近になって増えた倒したい目標、それが葵姉ちゃん。前の場所でも、数回だけ稽古をつけてもらったことがあったけど、ここに来てからは、ほぼ毎日道場に顔を出していた。
僕でもわかる、葵姉ちゃんの異常な成長。
一度、いつそんなに稽古したのか、と聞いたら、
『蒼汰が産まれる前に、ちょっとね。』
と言われた。
ちょっと……ね。しかも、僕の記憶がある中では、前に葵姉ちゃんが刀を抜いていた記憶はない。
本当にここ最近、葵姉ちゃんは突然強くなりだした。……まるで、それが義務みたいに。
そして、もう一つ。父さんの落ち着きの無さ。
多分、みんなは気づいてない。でも、僕はわかった。父さんは、いつも周囲に注意を張り巡らせていた。主に家の外を。
なんで気づいたのか、って言われると分からないけど、最初に気づいた時、父さんに対して感じた事はは『恐怖』だった気がする。
ピリピリしていて、すごく怖かった。
最近は慣れてきたし、葵姉ちゃんの剣の腕もみんなに指導するために必死に頑張ったと言ったら、みんな感謝していた。
でも僕は、どうしてもこのモヤモヤが拭いきれなかった。
何か怖いことが起きてしまいそうで、
大切な人がいなくなってしまいそうで、
でも誰にも言えなかった。心配かけたくなかったから。
この選択を
後から後悔することになるとも知らずに。
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《WHERE?WHO??》
「例の者を発見いたしました。」
「そうか、どのようなやつだ?
天人だけでなく、奈落のお前までもを傷つけたのは。」
「……虚」
「なに?」
「元は虚である吉田松陽の娘、吉田葵という者です。」
「ほぉ、あやつに子どもか。」
「使えそうではないか。」
「お前から生きて帰ったのだ、実力も相当のものであろう。」
「狙いをそちらに変更するか。」
「……本人ではいけない理由は何でしょうか。」
「娘を先に捕えれば、向こうも大人しく出てくるだろう。」
「虚の力を真っ向に受けることなど無謀以外、何でもない。」
「それに、虚自信も、いつまでも吉田松陽の仮面をかぶり続けることなど不可能。」
「娘も強きならば、使えるものを使わぬ手はない。」
「兵などいくらでも連れて行け。早急にその者を捕らえよ。」
「かしこまりました。」
あいつらの前では私の発言もチリのようなもの。
だが、今回ばかりは反抗するつもりも無く、むしろ同意だ。
「“娘”……か。」
―――なんの情も入れない。
―――守るべきは任務
静かな空間に、足音だけがリズムよく響いていた。
その音は、運命へのカウントダウン……