ありがとうございます!!
「あっつ……!?」
生徒全員が、高杉が倒れているのであろう中心に固まっている道場に入って来て、最初に発した言葉。
道場は決して狭いわけじゃないけど、30人近くいる生徒が一つの部屋に、“窓も開けない”でやってたようで……、道場はサウナ状態になっていました。
「お姉ちゃんっ!どうしよう……高杉が、、、……。」
今にも泣き出しそうな顔で蒼汰に訴えられた。
「呼んでしまってすいません、葵。」
「いえ……。私は暇だったので大丈夫なのですが……。」
高杉は仰向けで倒れていた。
過呼吸でゼーゼー言っており、顔もほんのり赤くて……
汗をかいてて、この暑さのなかずっと動いてた……ってことは、
―――熱中症か……。
うん、重い病気とかじゃなくてよかった。
……と言っても、油断ができる状態ではないけど…。
「父上、家から氷を持ってきてもらってもいいですか?それからタオルも。」
「わかりました。」
「みんなは、道場の窓とか扉を全開にして。」
「「「「「は、はーい!」」」」」
「銀時と蒼汰は、家に布団ひいてきて。小太郎くんもお願いできる?」
「「「わかった(わかりました)!」」」
全員に一通り指示をを終え、持ってたタオルで仰いでやる。
辛いのか、結構唸っている。
「こんなに可愛いのに、どこで間違ったのかな……。」
どうしたら、あんな厨ニ病発言しかしないようになってしまうのだろうか……、あっ、既にそれは発言してるのか……。
捻くれてしまうのは、間違いなく松陽先生が殺害された時だ。
銀さんや桂と仲たがいしてしまうのもその事件のせいだ。
坂田銀時、桂小太郎、高杉晋助。
攘夷戦争の英雄たちの輝いてたはずの未来は、そこで途絶えた。
「じゃあ……、そこがブレイクポイント……?」
「葵、持ってきましたよ。」
勝手に始まっていた思考は、すぐに忘れた。
着ていた道着を緩めて、氷を当て、足を高くして……みんなに仰いでもらった。
「父上、ここじゃ危険ですので家に運んでもらってもいいですか?」
「そうですね……。
みなさん、少し待っていてください。」
父上と一緒に高杉を運ぼうとした時、蒼汰と銀時がこっちをすっごく見ていることに気づいた。……??
「大丈夫。すぐ良くなるよ。」
「……うん。」
なんやかんや言いながらも、心配してるんだなぁ……
「くそっ、葵姉が看病してる時に、目覚ましたらどうするよ……。」
「銀兄、邪魔しに行く?」
……うん、断じてそんなことはないみたいだ。
「邪魔しに来ちゃダメだよ?二人はちゃんと稽古しててね。」
道場を出る時に釘を指しておいた。
二人は口を尖らせてブーブー言ってたけど、まぁ可愛いからいっか!…………何も良くないか。
「父上、戻られても大丈夫ですよ?」
部屋に高杉を運び、だいぶ調子が良くなった頃。
やはり、あの悪ガキ達だけで置いてきたのが心配なのか、父上はそわそわしていた。
「……大丈夫ですか?」
「はい。もう落ち着いてきましたし、今はこの子よりも道場にいる子たちの方が心配じゃないですか?」
「バレてましたか?」
「はい、バレバレですよ。」
そう笑って言うと、葵にはかないませんねぇ。と言いながら戻って行った。
「いやいや、それはこっちのセリフですから。」
私が松陽先生にかなうことなんて、……ない。
―――ムクっ
……うおっ!びっくりした、、、。
「……。」
「おはようございます。身体の方は大丈夫ですか?道場破りさん??」
すっごい見られてる……。
ってか、よく見たら傷だらけだな~。
高杉は家の人にも暴力振るわれたりされてるんだっけ?
……私と同じ、、、か。
「とりあえず、手当しますね。」
「あんたが……葵、、、か?」
黙っていた高杉が口を開いた。
とりあえず、にこっ、と笑っておいた。
なんか、顔が赤くなった気がするのは気にしないでおこう。
っていうか、この流れ、、、原作にもあった気がするなぁ……。
次回、少しだけ原作と合流します。