IF~転生先で、私は鬼子を拾いました。   作:ゆう☆彡

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さぁ、新キャラ登場っ!!


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風はいつも新しく吹き続けている

 

 

松陽先生に、正体を暴露された。

 

私にも、その遺伝子が受け継がれているかもしれないと言われた。

 

 

悲しい?恐ろしい??

 

……ううん、どっちも違う。

 

 

“嬉しい”んだ。

 

 

生まれて初めて持てた、本当の両親。

でもそれは、私のではないかもしれなくて……。

 

そんな私を、本当の娘と言ってくれた事に。

 

 

 

「……葵?」

 

松陽先生は、私が怖がっていると思っているのか、心配そうにのぞき込まれた。

 

「葵っ!?」

 

 

そして実際、私は大粒の涙をこぼしていた。

 

もちろんそれは、悲しくてじゃなく、嬉しくてだけど……

母上である晴香さんがこの世を去ってから、私は泣かないようにしてきた。蒼汰も銀時も、父上である松陽先生にも心配かけたくなかったから……。だから、松陽先生は驚いていた。

 

 

 

「……ごめっ、、、ごめんなさいっ……。」

 

 

そして……、ありがとうございます。

 

あなたの元に生まれてこれて、私は幸せです。

 

あなたが家族で、私は幸せです。

 

あなたと共にある私の人生が、幸せです。

 

 

 

 

 

―――ポンポン

 

「!!」

 

松陽先生が、私の頭をなでてくれた。

 

 

「こんな時に不謹慎かも知れませんが……

我慢しないでくれて……、ありがとうございます、葵。」

 

 

―――バレてた

 

やっぱり、隠し事はできないなぁ。

笑顔で言った松陽先生には、降参だ。

 

 

「葵、少し待っててください。」

 

そう言って、部屋をたった松陽先生……いや、父上。

 

松陽先生と呼ぶのは、悲しいし辛い。

やっぱり、父上と呼ぶのは嬉しい。

 

もうしばらく……、あなたのそばにいられる間はこう呼んでもいいですか?

 

 

 

「父上……。」

 

あなたのそばを離れなければいけなくなる時までは……。

 

 

 

誰もいない部屋で、小さくつぶやいた声は、大きく響いた。

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

「葵……これを、あなたにあげます。」

 

部屋に戻ってきた父上からもらったものは、

 

「……刀、ですか?」

 

立派なものだと思う……、、、これ、どっかで見たことあるような……。

 

 

「葵。」

「……?はい。」

 

 

「私の剣です。あなたあげますよ。

 

(そいつ)の本当の使い方……いつか自分で見つけてみてください。

私が生きている間の……、葵への宿題にしましょう。見つかったら、ぜひ教えてくださいね。」

「!!」

 

 

 

――敵を斬るためではない弱き己を斬るために。

 

――己を護るのではない己の魂を護るために。

 

 

 

―――知ってる。

 

そっか、銀さんは言われなかったから、いつ言われるんだろう、とは思っていたけど……、

まさか私が言われるとは思わなかった。

 

あとに続く言葉は言われなかったけど、きっとそう言いたかったんだと思う。だって、銀さんには言ってたし。

 

 

 

「……ありがとうございます、父上。」

「いえいえ。答え、待ってますからね。」

 

父上はいつも通りの優しい笑顔を向けてくれた。

 

 

 

 

この刀が……、父上からの宿題が………

 

 

結果的に、私の転生した意味につながっていく。

 

思えば、何一つ無駄なことなんてなかった。

 

 

そう、……彼らとの出会いも。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

《?side》

 

 

こいつだ。

 

こいつこそ、俺が倒したい相手だ。

 

俺が……探していた相手なんだ。

 

そいつを初めて見かけた時から、ずっとこんな所抜け出してやろうと思っていた。

 

 

半年後、やっと外に出ることが自由になった。

 

始めは、道場破りという名でその門を叩いた。

 

外での自由時間……、道場破りに全てを費やした。……それでも、、、

 

 

「はい、またお前の負けな。」

「くそっ……!!」

 

どけよ。

そう言えるのは勝者のみ。

 

この先にいるのはわかっているのに……!なんなんだ、この銀髪……っっ

 

 

この訳の分からねぇ銀髪に勝たねぇと、俺はあの人には会えない。

 

『倒したい』

 

初めて楽しめそうな相手だったのに……っ!

 

 

「俺にも勝てねぇのに、葵姉ちゃんに近づくなんて百万年早ぇよ、低杉。」

「低杉じゃねぇ!高杉だっ!!」

 

 

 

気づけば、道場破りで門を叩いてから一年が経とうとしていた。

 

 

「……一回も勝てねぇのかよ…っ。」

 

毎日叩いて、毎日負けてるわけだから、もう三百連敗ぐらいしてんじゃねぇかな…。

 

結局、銀髪頭の銀時が言う『葵』には、一度も会えてない。

 

 

 

……それでも、俺は門を叩く。

 

やっぱり、その人に会いたい。剣を交えてみたい。

 

 

会ったのも、俺が一方的に見てただけ。

話したことも、声を聞いたことすらない。

 

それでも、何か胸に引っかかるものがあった。

 

天人に一人で立ち向かい、舞うようになぎ倒していく、美しさと強さを兼ね備えたあの人の姿を……

 

 

 

 

 

忘れることができなかった。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「おらぁ!!今日も勝負だ、銀時ぃぃ!!」

 

 

「!!……、」

 

 

「はぁ?今日も懲りずに来たのかよ。お前、諦め悪ぃなぁ。」

 

うん、銀さん。その子の諦めの悪さは、一生治らないよ。

幕府転覆……いつまでもずーっと目論んでるからね。

 

 

「葵、行ってきますね。」

「お姉ちゃん、行ってきまーす!」

 

 

「行ってらっしゃい、父上、蒼汰。」

 

 

父上から刀を受け取って一年半、銀さんを拾ってから一年半。

銀さんは八歳、蒼汰は三歳になった。

 

えっ?蒼汰がどこに行くのかって?もちろん、道場にですよ。

 

さすが、松陽先生の子ども……、三歳で既に剣を振り回してるとは……。

まぁ、私の前世ではそんなことあるわけが無いので、早いのか遅いのかもよくわからないけど……。

 

 

 

 

 

 

「あー!晋助だぁ!また、銀兄にやられに来たのぉ?」

「なっ!?蒼汰……てめぇ……、、、。」

「何回来ても、お姉ちゃんには会わせないよぉーだっ。」

「そうだよなー、蒼汰ー。」

 

 

 

てめぇ!!、という今はまだ少し高い声が聞こえる。

走り回って……そろそろ父上の拳骨が降ってくるかな?

 

 

 

私が彼の存在を知ったのは、半年前。

 

実際には、一年ほど前から訪ねてたらしいけど、運がいいのか悪いのか、私のいない時に来てたらしく……。

 

 

初めて見つけた時は驚いた。

 

だって……、だって、、、ねぇ……?

 

 

 

 

 

『俺はここに住む、女に用があるんだよっ!!!』

 

 

 

 

 

 

ナイスタイミングなのか、バッドタイミングなのか……。

初めて聞いた彼の声から発せられた言葉が、これだよっ!?

 

 

 

まぁ、いつも新しい風が吹くこの場所……そんなことも当たり前か。

 

 

「今回は……どんな風が吹くのかなぁ。」

 

 

 

 

今日は風が気持ちいい。

空も青いし、ちょうどよく涼しい。……五月は素敵な季節だ。

 

……そういえば、五月はどこかで生まれてる“マヨネーズ”さんの誕生日か……。はっぴーばーすでー、マヨ。

 

 

伸びをして、私は私の仕事を始める。

いつか……君に会えたらいいな。……あっ、マヨじゃないよ?つり目で口も悪い……けど、優しい君に。

 

 

 

そして、知りたい。

 

君たちの運命が、私と交わることでどうなるのか。

 

 

 

 

私が願うことはいつも同じです。

 

―――あなた達の世界が、いつも輝くものでありますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そういえば、、、ロングヘアーの彼はどこにいるのかな、、、?」




四日前……?

トッシーはっぴーばーすでー!!
↑雑www

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