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《銀時side》
―――カチャ
葵姉ちゃんが刀に手をかけて…、捕まっちゃった子たちの親たちに何か話して……、
「うっ…うっぅぅぅ…、ねーね……。」
「蒼汰……。」
その間にも蒼汰は壊れそうだった。
怖かった
なんでそう思ったのかは、自分でもわかんない。
―自分が捕まっているからか
―蒼汰が捕まっているからか
―その両方か
でもそんな怖さも……、無くなった。
―――スーーーッ
「「「「「「「!?!?」」」」」」」
「葵……姉ちゃん、、、?」
そう言った瞬間に顔を上げた葵姉ちゃんの目が…、蒼汰と僕を見た瞳が
『絶対に助ける』『心配しないで』って、言ってるみたいだった。
さっきと……全然違う目をした葵姉ちゃんが、そこにいた。
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初めて抜いたはずの刀。
初めて向けるはずの刃。
初めてのはずの闘い。
それなのに、私の心は気持ち悪いぐらいに落ち着いていた。
本当なら、どうやって戦えばいいのかすら分からないはずなのに…、それなのに、どうすればいいのか、身体がわかってるようだった。
最後の特典はサービスいいらしい。
「貴様、
そう言って、天人は捕まえてる1人の子どもに刀を突きつける。
それは……銀さんだった。
「うっ…………ハァハァハァハァ、、、。」
「銀時。」
「!!」
銀さんの目は確かに怖がってるようだったけど、裾をつかんでなかった。不安に思ってない…?
「大丈夫。すぐ助けるから。」
一体、何を根拠にそんな事言ったのか、自分でもわからない。でも、自信はあった。
一歩前に出る。向こうから出てきたのは、子どもを連れてない天人が2人。
「いきなり、一対二だなんて、ずるいですね…。」
そんな挑発に簡単に乗ってくる敵さん。一対一……にするのではなく、増えました。―――ありゃ?
結果的に一対五。さっきまで、ただの一般市民だった女の子一人に、これは大人気ないなあ……。
―――ザッ!!!
「葵姉ちゃんっっ!!」
天人が一人、突っ込んできた。あっやばい、かわさなきゃ。それとも、斬る?
戦わなきゃ、……………………………守らなきゃ。
―――シュンっ!!
私と天人が、交差する形で交わる。…次の瞬間、吹き出すのは赤い液体。
「なっ……!?!?……くそっ!!」
斬られたのは天人、斬ったのは私。
「殺れぇっっっ!!!」
リーダー格と思われる天人の声で、影に隠れていたのであろう天人が、一斉に全員出てきた。数は15ほど。
「……。」
刀についた血。さっきまで、生きていた奴のモノ。
その事実に怯えることなく、受け止めることが出来てしまった私は、変だと思う。でも……
「コツは……つかめた。」
天人の集団に突っ込む。
先頭の天人の心臓をつらぬく。うばった槍を投げて、違う天人の心臓へ。後方から襲ってきた天人のみぞおちに蹴りを入れて、斜めに斬り捨てる。そのまま、そいつを足場にして跳び、上から天人を斬る。
「いいもの見っけ。」
天人が持っていたのは“銃”。普通なら使い方はわからないけど、転生者の私には関係なし。
―――パーンっっ!!
撃ちぬいた先に、人がいないことを確認して撃つ。うん、結構いい腕前だ。驚く天人と間合いを一気に詰め、そのまま周りにいた5人ほどを斬る。
そのまま銃を構えて、残りの5人を撃つ。私のいた世界と同じく、銃の弾は6発らしい。
刀を振って、返り血を飛ばす。うわぁ、汚い……。
「なっ……!?!?どういう………、貴様……っっ、一体、何者だ!!」
何者……ね、、、。
「ただの弟好きの姉ですってば。」
そう言うと、残り5人の天人の真ん中まで間合いを詰める。
多分傍から見たら、瞬間移動したように見えると思う。……ちゃんと自分の足で動きましたよ?
「さようなら、人の大切な者に手を出したこと、悔いてください。」
突然の出来事に、全く動けなくなる天人たち。
「「「「ウワァァァ!!!」」」」
目の前で振り回される刀に、悲鳴をあげる子どもたち。まぁ、無理もないか。
……うん、銀さんはすごいな。
器用に腕だけを斬り落として刀を鞘にしまう。
捕らわれた子どもたちの中で、一番幼いであろう蒼汰と、蒼汰と同い年くらいの女の子を抱き止める。
他の子たちは、なんとか自分で歩けるみたい……よかった、、、。
「銀時、大丈夫?」
「うっ……うん。」
絶命させた天人に背を向けて歩く。
……が、
「人間風情がァァ……!!」
絶命させたと思っていた天人の1人が立ち上がった。
それを見て震え出す子どもたちと、その親たち。
―――やばい
すぐに子どもたちと天人の間に立った。しかし、
「貴様も…必ず……っっ!!」
「「「「「「「……??」」」」」」」
「……、、、。」
…………も?
謎の言葉を言い残して、その天人は消えた。
結局、誰も死ぬことなくおさまった。
逃がした天人も、
……本当なら喜んでる場合なんかじゃなかったんだ。
すぐにても逃がした天人を追うべきだった、
『あの村には、とんでもない娘
そんな情報が、逃がした1人の天人の口から伝えられる前に。
たった1人でも、逃しちゃだめだったけど……、
もしかしたらこれが……
“転生した私がなるもの”だったのかも。